週休2日制とは?完全週休2日制との違いや年間休日数、業種ごとの導入の割合も解説
著者: そだねー
更新日:2024/08/27
公開日:2023/06/16
週休2日制と完全週休2日制、言葉は似ていますが、どのような違いがあるのでしょうか。ここでは、年間休日数の違いや週休2日制が義務化されているかどうかを解説します。あわせて業種ごとの導入割合や、ほかの休日制度についても紹介するので、転職をお考えの方はぜひ今後の活動のご参考にしてください。
目次
週休2日制とは
週休2日制は、年間を通して1か月に1回以上、週に2日の休みがある制度のことを指します。必ずしも毎週2日の休みがあるわけではなく、週に2日の休みがない週もある点に注意しましょう。
労働基準法によって最低週1日の休みは定められていますが、休みの曜日についての決まりはありません。シフト制によって毎週異なる曜日が休みになる場合や、月曜日、水曜日などの平日を定休日として休みにする場合など、企業ごとに決められています。
完全週休2日制との違いとは?
完全週休2日制では、週休2日制と異なり、年間を通して毎週必ず2日の休みがあります。ただし、休みの曜日については、週休2日制と同様に決まっていません。土日が休みの企業も多くあるものの、祝日は原則出勤の可能性とする企業もあるため、事前の確認をするようにしましょう。
週休2日制は法律で義務化されている?
週休2日制の企業が増えてきていることから、法律に定められているイメージを持つ人も多くいることでしょう。しかし、現在のところ、週休2日制は法律で義務化されていません。
法律で決められている内容は、「最低週に1日の休暇(もしくは4週間に4日以上の休暇)、と週40時間以下(1日8時間以下)の労働時間」。この休暇の下限と労働時間の上限に違反しないよう、企業は休日を設定しています。
【参考:労働基準法に定められている労働時間と休日について】
(労働時間)
第三十二条 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
② 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。
(省略)
(休日)
第三十五条 使用者は、労働者に対して、毎週少なくとも一回の休日を与えなければならない。
② 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
週休2日制の場合の年間休日数
休日頻度 | 週休2日制 | 隔週休2日制 | 完全週休2日制 |
---|---|---|---|
年間休日 | 最低65日 | 最低78日 | 最低104日 |
年間休日(祝日含む) | 82日 | 95日 | 121日 |
年間休日とは、有給休暇を除いた会社ごとに決められる1年間の休日数のことです。厚生労働省の令和4年就労条件総合調査によると、企業ごとの平均年間休日数は107.0日という結果でした。どのくらいの頻度で週2日の休みを取れるかによって、年間休日は変わると考えられるでしょう。
また、祝日や長期休み(年末年始やお盆など)が取れるかは企業によって異なるため、求人表での確認が必要です。
週休2日制を取り入れている業種
厚生労働省の令和4年就労条件総合調査よると、週休2日制以上※の企業は、92.1%です。
具体的には、「週休2日制」を取り入れている企業は34.8%。また、「完全週休2日制」を取り入れている企業は48.7%、「完全週休2日制より休日数が多い制度」を取り入れている企業は8.6%となっています。
週休2日制以上を取り入れている業種で最も多いのは、「電気・ガス・熱供給・水道業」で100%。次いで、「金融業,保険業」で99.8%です。
完全週休2日制以上でみると、「金融業,保険業」の97.2%が最も多く、次いで情報通信業の92.5%となっています。
「医療、福祉業」は、週休2日制以上は99.5%、完全週休2日制以上は80.1%と平均に比べて高い水準となっています。そのため、休日数の多い職場を求める人には医療、福祉業はおすすめの業種といえるでしょう。
※使用した用語解説
週休二日制以上:週休2日制、完全週休2日制、完全週休2日制より多い企業の割合の合計
完全週休2日制以上:完全週休2日制と完全週休2日制より多い企業の割合の合計
【業種別:週休2日制・完全週休2日制の導入割合】
業種 | 週休2日制 | 完全週休2日制 | 完全週休2日制以上 |
---|---|---|---|
鉱業、採石業、砂利採取業 | 66.5% | 24.3% | 1.7% |
建設業 | 51.6% | 35.1% | 4.6% |
製造業 | 40.1% | 49.3% | 6.7% |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 14.9% | 49.3% | 6.7% |
情報通信業 | 6.6% | 84.6% | 7.9% |
運輸業、郵便業 | 48.1% | 20.5% | 3.2% |
卸売業、小売業 | 37.7% | 40.2% | 11.8% |
金融業、保険業 | 2.6% | 94.7% | 2.5% |
不動産業、物品賃貸業 | 33.9% | 57.9% | 4.1% |
学術研究、専門・技術サービス業 | 13.4% | 77.0% | 8.6% |
宿泊業、飲食サービス業 | 50.1% | 27.7% | 6.3% |
生活関連サービス業、娯楽業 | 42.0% | 39.8% | 9.4% |
教育、学習支援業 | 33.2% | 47.8% | 10.2% |
医療、福祉 | 19.4% | 66.1% | 14.0% |
複合サービス事業 | 30.9% | 58.3% | 4.2% |
サービス業(他に分類されないもの) | 31.3% | 53.4% | 6.2% |
週休2日制以外のその他の休日制度
週休2日制 | 1年間を通じて月1回以上週2日の休みがあり、かつ、ほかの週は1日以上の休みがある |
---|---|
完全週休2日制 | 1年間を通じて毎週必ず2回休みがある |
隔週休2日制 | 1年間を通じて隔週で2日の休みがある |
週休制 | 毎週1日の休みがある |
週休3日制 | 1年間を通じて月1回以上週3日の休みがあり、かつ、ほかの週は毎週2日の休みがある |
変形休日制 | 4週間のうちに4日以上の休日がある場合は、週休1日を確保しなくてもよい |
上記のように、休日の制度は複数あり、企業によって制度や曜日などが異なります。
休日となる曜日が記載されている場合には、その曜日が固定休となる場合が多いでしょう。反対に曜日の記載がない場合は、シフト制の可能性が高くなります。
求人の休日欄にどの休日制度であるか記載があるため、入社後にギャップが生まれないように休日制度を正しく理解しておくようにしましょう。
週休2日制に関するQ&A
実際に週休2日制で働く場合には、土日や祝日はどうなるのだろう、など疑問点を持つ人も多いはず。ここでは、よくある週休2日制のQ&Aにお答えします。
Q:週休2日制に土日や祝日は含まれる?
A:企業によって異なります。週休2日制には曜日の規定がないため、企業の都合によって休みが決まりやすい傾向にあります。
もし、土日や祝日休みの企業を希望する場合には、「土日固定休」などと記載されている求人を探すことをおすすめします。
Q:週休2日制は法律で決められているの?
A:週休2日制は法律で定められていません。
ただし、労働基準法で最低週1日の休日は必要とされています。1週間のうちに1回も休みがないことは違法となりますが、4週間のうち4以上休日がある場合は例外として認められています。
Q:週休2日制の場合、年間休日はどのくらい?
A:最低65日以上の年間休日が取れます。1か月のうち、2日以上の休みがある週が1回以上あり、ほかの週は1日以上の休みがあれば、週休2日制といえます。
そのため、どのくらいの頻度で週2日の休みが取れるか、祝日は含まれるかによって、年間休日は変わるでしょう。
Q:「休日制度」を志望動機とするのはあり?
A:面接時には、休みを条件としていることについて直接的には触れない方が無難です。休日の多さを前面に出してしまうと、仕事へのやる気があまりない人という印象を企業に与えてしまう可能性があります。
仕事とプライベートな時間の両立も大切ですが、企業に伝える志望動機には「どのように企業に貢献していきたいか」といった、仕事に対する前向きな姿勢を入れる方が、良い印象を与えやすいでしょう。
もし、どうしても入れたい場合は、「長期的に働ける環境づくりへの取り組みに魅かれた」や「メリハリをもって仕事に取り組む企業風土を魅力に感じた」などと言い換えるとよいでしょう。
休日を確認する際には、企業HPをチェックしたり、転職エージェントに聞いたりするなど、面接とは別の機会に確認することをおすすめします。
休日制度について知り、転職に役立てましょう
週休2日制や完全週休2日制など、休日制度についてご紹介しました。週休2日制と聞くと、毎週2日の休みがあるイメージを持ちますが、実際には少し異なります。完全週休2日制と混同しないよう注意しましょう。
休日制度には、ほかにもさまざまな種類があります。イメージだけで捉えず、実際どのくらい休日が取れる制度なのかを知ってから転職活動をすることで、入社後のギャップに悩まずに済むでしょう。
また、週休2日制や完全週休2日制の導入割合は、業界によって大きく異なります。その中でも、医療、福祉業は完全週休2日制の割合が高く、休日をきちんと確保したいという人におすすめです。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。