紹介予定派遣とは?派遣期間の違いや働くメリットを解説
著者: そだねー
更新日:2024/09/13
公開日:2024/09/13
柔軟に働けると人気の派遣社員のうち、「紹介予定派遣」は仕事の適性を見極めたい方や将来安定して働きたい方に注目されています。本記事では、紹介予定派遣とはどんな働き方であるか、通常の派遣や正社員との違いを含めて解説。紹介予定派遣のメリットや向いている人の特徴も解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
紹介予定派遣とは?
紹介予定派遣とは、派遣期間が終わった後に派遣先企業で直接雇用されて働くことを前提に、派遣会社が人材を紹介する制度です。
紹介予定派遣とは、はじめから直接雇用になることを前提にして、派遣元企業が派遣先企業に求職者の職業紹介を行う制度を指します。派遣期間は、求職者と企業ともに仕事や環境に適性があるかどうかを見極める時間です。適性が備わっているかを考えたうえで、直接雇用につなげられるメリットがあります。
また、労働市場における柔軟性を提供し、労働者と企業の双方にとってウィンウィンの関係を築くための重要な手段の1つです。
紹介予定派遣と派遣の違い
紹介予定派遣の定義を紹介しましたが、一般的な派遣制度と何が異なるのでしょうか。最初に、紹介予定派遣と通常の派遣の違いを具体的に解説します。
紹介予定派遣 | 派遣 | |
---|---|---|
雇用主 | 派遣期間中:派遣元企業 直接雇用後:派遣先企業 |
派遣元企業 |
直接雇用の前提 | あり | なし |
派遣期間 | 最長6カ月 | 原則3年 (無期雇用派遣は制限なし) |
派遣期間中の直接雇用 | あり | なし(禁止) |
事前面談の有無 | あり | なし(禁止) |
給与の支払い先 | 派遣期間中:派遣元企業 直接雇用後:派遣先企業 |
派遣元企業 |
直接雇用の前提
紹介予定派遣として働く場合、最初から直接雇用が前提であることを労働者と企業側の両方に明示されます。よって企業側には、派遣社員の能力や適性を見極めたうえで、正社員や契約社員として採用する意図があると覚えておきましょう。
一方、通常の派遣は、派遣期間が定められるのみで直接雇用に関する明示はありません。そのため紹介予定派遣は、長期的な視点で社員を育成する意識をもって採用を行っていることが期待できます。
派遣期間
紹介予定派遣と一般的な派遣では、派遣期間にも大きな違いがあります。紹介予定派遣の場合は、3カ月〜6カ月が一般的です。期間中に企業と派遣社員の双方で適性の確認などを行います。
一方、一般的な派遣では、派遣期間がプロジェクトや業務の終了時期に合わせて設定されることが多く、その期間は数カ月から数年とさまざまです。また、長期的な雇用保証はされていないため、期間終了後には次の派遣先を探す手間がかかる場合もあります。
派遣期間中の直接雇用
通常の派遣では、契約期間中に直接雇用に移行することは禁止されています。これは、派遣会社の利益を保護するなどの理由によるものです。
一方、紹介予定派遣は最初から直接雇用をする方向で契約されるため、お互いに合意があれば契約期間中でも直接雇用へ変更できます。
紹介予定派遣と正社員の違い
紹介予定派遣 | 正社員 | |
---|---|---|
雇用主 | 派遣会社 | 就業する企業 |
契約期間 | 最長6カ月 | 無期限 |
給与の支払い先 | 派遣期間中:派遣元企業 直接雇用後:派遣先企業 |
就業する企業 |
正社員は最初から企業に直接雇用される働き方です。対して、紹介予定派遣は最長6カ月間の派遣期間があります。また、紹介予定派遣の給与は、派遣期間中には派遣会社から、直接雇用に移行後は派遣先企業からの支払いに変更されます。
紹介予定派遣は正社員とは違い、派遣期間を有意義に使って実際の業務や職場の雰囲気を知ることが可能です。企業側は、労働者に業務に対する適性やチームに馴染めるかなどの判断ができ、双方にとってメリットがあります。
紹介予定派遣で働く6つのメリット
紹介予定派遣は、労働者と派遣先の企業それぞれにメリットがある制度です。詳しいメリットを6つ解説します。
自分に適性のある業務・職場であるか見極められる
労働者にとって、派遣期間を利用して実際の職場で働くことができるのは大きなメリットです。紹介予定派遣の場合、求人票やホームページだけではわからない、職場の雰囲気や同僚との相性、業務内容などを実際に体感できます。
企業文化や職場環境が自分に合っているかどうかを長期雇用前に事前に確認できるのは、紹介予定派遣の制度ならではの魅力です。
入社してからのミスマッチを防げる
紹介予定派遣を利用することで、入社後のミスマッチを防ぐことが可能です。派遣期間中に業務内容や職場環境を実際に経験すると、自分に合った職場かどうかを見極められ、入社後に「思っていた仕事と違う」といったトラブルを回避できます。
企業側も労働者の働きを評価し、事前に適性を確認できる点がメリットです。
未経験の人でも挑戦できる場合がある
紹介予定派遣は、未経験の分野に挑戦するよい機会でもあります。派遣期間中に必要なスキルや知識を学びながら働けるため、未経験者でも安心して新しい分野に挑戦できるでしょう。派遣期間は、企業に対して学ぶ姿勢を積極的にアピールできる絶好の機会ともいえます。
また、企業側も求職者の成長過程を見守れるため、未経験者の採用に対するハードルを低くできるでしょう。
条件交渉や手続きは派遣会社に対応してもらえる
紹介予定派遣では、派遣会社が労働者に代わって条件交渉や手続きを行います。給与や勤務条件、福利厚生などの交渉は専門のスタッフが担当するため、手間が省けるだけでなく、伝えづらい要望を気軽に言える点がメリットです。
就職や転職などが初めての人でも安心して働けます。
直接雇用されなくても次の派遣先を紹介してもらえる
紹介予定派遣を選ぶと、万が一業務や環境などが合わなくて直接雇用を断った場合でも、次の派遣先が見つかりやすいメリットがあります。派遣会社は多くの企業と提携しており、その人のスキルや希望に合った次の職場を迅速に紹介できるためです。
派遣期間中に得た経験やスキルを活かし、キャリアアップすることも夢ではありません。
派遣会社のサポートを受けられる
紹介予定派遣では、派遣会社の専門スタッフからキャリアに関するアドバイスを受けられます。職場での悩みやキャリアプランについて相談でき、適切なアドバイスをもらうことで、よりよい働き方を見つけられるでしょう。スキルや経験に合う職場探しや、経験に合わせたキャリアアッププランの提案を受けるのもおすすめです。
紹介予定派遣で働く場合の3つの注意点
紹介予定派遣には数多くのメリットがある一方で、デメリットもあります。事前に注意をするべき点についても見ておきましょう。
正社員登用されない可能性もある
紹介予定派遣は直接雇用への移行を前提としていますが、必ずしも正社員として登用されるわけではないことを覚えておいてください。企業によっては、契約社員やパートタイムなどの雇用形態を提案する場合もあります。
また、業務適性がないとみなされ、契約打ち切りになる可能性もゼロではありません。日頃から派遣会社とコミュニケーションを取り、どのような評価を受けているのかを確認することが重要です。
契約条件が変更されるケースもある
紹介予定派遣から直接雇用に切り替わる際、契約条件が変更される場合があります。変更される内容は、給与や勤務時間、福利厚生などが多いです。直接雇用に切り替わる前に、企業側としっかりと条件を確認し、納得のいく形で契約を結ぶ必要があります。
賞与規定がなければボーナスの支給はない
紹介予定派遣では、派遣期間中は通常の派遣社員と同様に賞与が支給されない場合が一般的です。直接雇用に切り替わった後も、企業に賞与規定がなければボーナスの支給は期待できません。
また、規定がある場合も、業績によっては支給がない年もあります。賞与の有無や支給条件については、事前に確認しておくことが重要です。
紹介予定派遣に向いている人の特徴
・柔軟な働き方を求める人
・長期的な職場探しに対して慎重な姿勢の人
・キャリアアップなど自己成長を求める人
柔軟な働き方や自己成長を求める方、業務内容に対する適応力が高い人にとって、紹介予定派遣は非常に有効な選択肢です。派遣期間中に職場環境や企業文化を実際に体験することで、自分に合う職場かどうかを慎重に確認して、直接雇用に移行できます。業務内容だけでなく、職場での人間関係を事前に把握できる点も大きなメリットで、仕事探しに慎重な姿勢の人にも最適です。
また、派遣期間中に新たなスキルや知識を習得する機会が多いため、キャリアアップや自己啓発に積極的な方は、その利点を最大限に活かせるでしょう。
紹介予定派遣は自分に合う職場を見つける1つの手段
紹介予定派遣は、正規雇用を前提とした派遣制度です。労働者にとっては事前に職場の雰囲気や業務を確認できる、企業側にとっては労働者とのミスマッチを減らせるなど双方にとってメリットがあります。自分に合う職場を見つけたい、仕事は慎重に選びたい方は、ぜひ紹介予定派遣の制度を活用してみてください。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。