コロナ関連の医療従事者への給付金(慰労金)は医療事務にも支払われるの?

2021/09/03
SUPPORTの文字が入った積み木

新型コロナウイルスの感染拡大により、医療機関は感染拡大防止対策や医療体制強化が求められています。そこで政府は支援金や補助金、慰労金などの給付を実施。特に医療従事者に対するコロナ関連の給付金は、どこまでが給付の対象になるかは気になるポイントの1つです。今回は政府が実施するコロナ関連の給付金の紹介と、その中での医療事務の扱いについてお伝えします。

コロナに関する医療機関・医療従事者への給付金とは

貯金箱

新型コロナウイルスの感染拡大は収まりを見せず、医療機関は混沌とした状況にあります。医療崩壊の危機も騒がれているなか新型コロウイルス患者をはじめ、それ以外も多くの傷病者を抱えている医療機関。そこで厚生労働省は医療体制の確保・強化を目的に、さまざまな支援策を講じており、その1つに慰労金や支援金などの給付金があります。まずは医療機関に対して提供されている給付金の種類についてご紹介します。すでに交付が終了しているものもありますが、今後同じような給付金の交付が開始される可能性もありますので、随時確認しましょう。

診療の継続を確保するための給付金

医療機関の資金繰りや感染拡大防止対策のために活用できる、支援金を給付しています。主な支援金は、以下3つです。

資金繰り支援 ・融資貸付限度額の引き上げ
・コロナ対応等を行う場合の無利子枠
・コロナ対応等を行う場合の無担保枠
救急・周産期・小児医療機関の支援 ・感染拡大防止対策や診療体制確保等に要する費用
 簡易陰圧装置、簡易ベッド、個人防護服、消毒経費等
・病床数に応じた支援金の支給(2,000万円〜)
医療機関・薬局等での感染拡大防止等の支援 ・病院:200万円+病床数に応じた額
・有床診:200万円/無床診:100万円
・薬局、訪問看護ST、助産所:70万円

新型コロナ感症患者受け入れ時の補助金

新型コロナウイルス感染症患者専用の病院や病棟をもつ重点医療機関に対して、病床確保や設備整備などの補助金を給付します。なお、重点医療機関とは都道府県に指定された医療機関です。補助額は、以下のように上限額が決まっています。

稼働病床の病床確保料の上限
ICU 1床あたり301,000円/日
HCU 1床あたり211,000円/日
上記以外の病床 1床あたり52,000円/日
休止病床の病床確保料の上限
ICU 1床あたり301,000円/日
HCU 1床あたり211,000円/日
療養病床 1床あたり16,000円/日
上記以外の病床 1床あたり52,000円/日

さらに診療報酬についても特例として、重症・中等症の新型コロナウイルス感染症患者に対する診療評価の見直しを実施。重症・中等症の感染症患者については、評価を3倍に引き上げます。

医療従事者に対する給付金

医療従事者に対しては慰労金の給付、そしてマスクやフェイスシールドなど、必要物資の確保・配布を行います。慰労金はコロナ患者の受入有無によって金額が変わり、受け入れをしていない医療機関でも支給される点が特徴です。また医師や看護師のような直接的な医療従事者だけでなく、医療事務などの職員も給付の対象となります。

医療事務も対象となる慰労金とは

医療従事者に対する給付金は、正式名称を「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業」としています。ここでは医療事務も対象となる慰労金の具体的な内容や目的、給付の対象者についてお伝えします。

慰労金の内容

新型コロナウイルス下での医療提供において、医療機関に勤務する医療従事者・職員に対して慰労金が給付されます。慰労金は、以下の条件によって給付額が異なります。

都道府県から役割を設定された医療機関 令和2年2月11日〜6月30日の間の新型コロナウイルス患者発生日・受入日から10日以上勤務(※実際に新型コロナウイルス患者に診療等を行っている)20万円
新型コロナウイルス患者の受け入れなし、または発生日・受入日以降に勤務していない10万円
その他病院、診療所、訪問看護ステーション、助産所 実際に新型コロナ患者を受け入れている20万円
受け入れはなし5万円

どんな医療機関でも、新型コロナウイルス患者を受け入れている場合は1人あたり最大20万円が給付されます。給付対象や給付金額は医療機関の判断で決められないため、申請内容に応じて判断された金額の給付となります。

慰労金の目的

医療機関に勤める医療従事者や職員は重症化リスクの高い患者と接触を伴い、かつ院内クラスターの発生例もありますが、それでも医療サービスの提供を継続しなければなりません。このような状況を踏まえ、どんな状況でも通常通り機能しなければいけない医療従事者と職員に対して、慰労を目的に給付されます。

慰労金の給付対象

慰労金の給付対象は「患者と接する医療従事者や職員」です。医療従事者や職員には、直接雇用される職員だけでなく、派遣や業務委託の従事者も含まれます。患者へ直接医療行為を行う医師や看護師だけでなく、受付・会計を行う医療事務など院内で患者が通る導線で業務を行う職員も対象です。つまり資格や職種に限定なく、給付対象を幅広くしている点が特徴です。
あくまで医療従事者と患者に関わるスタッフであることから、医療機関の敷地内にあるコンビニや売店などは対象外となります。また保険医療機関でない病院や診療所、指定訪問看護事業者ではない訪問看護ステーションも対象外です。

医療従事者の定義について

4人で集まっている医療従事者

支援金や慰労金など、医療従事者に対する給付金については医療従事者を対象としています。一般的に医療従事者は医師や看護師など、患者に直接診療・治療に従事する人を指します。受付で患者の対応を行う医療事務も、広義では医療従事者といえるでしょう。しかし診療・治療に従事する専門職種と比較すると、専門性の低さや患者との接触時間の短さから医療従事者との意味合いは弱くなってしまいます。しかし新型コロナウイルスの感染拡大により一般的に定義される医療従事者でなくとも、医療事務も患者と接することに変わりないことから医療従事者として扱われる傾向にあります。

厚生労働省ではワクチン接種に関する医療従事者の範囲として、以下を定義しています。

・病院、診療所に置いて新型コロナウイルス感染症患者(疑い患者を含む)に頻繁に接する機会のある医師、その他職員
・薬局において、新型コロナウイルス感染症患者(疑い患者を含む)に頻繁に接する機会のある薬剤師、その他職員(登録販売者を含む)
・新型コロナウイルス感染症患者を搬送する救急隊員等、海上保安庁職員、自衛隊職員
・自治体等の新型コロナウイルス感染症対策業務において、新型コロナウイルス感染症患者に頻繁に接する業務を行う者

病院・診療所においては診療科・職種を限定しないとのことから、医療事務も医療従事者に該当します。ただし、上記で定義されている医療従事者の範囲はワクチン接種に関することであるため、給付金によっては上記に含まれる職員が医療従事者に該当しないこともあります。その中で医療事務は慰労金の対象にも含まれているため、コロナ関連の給付金においては医療従事者として扱われる可能性が高いといえます。

医療事務はコロナ関連の給付金の対象者となる可能性が高い!

新型コロナウイルスに関連する支援金や補助金などの給付金は、今後も種類が増えていく可能性も考えられます。病床確保や設備面における給付金が多いですが、中には医療従事者を対象とした慰労金などもあります。医療従事者を対象とした給付金は、医療事務も対象となる可能性が高いため、随時チェックしておきましょう。