医療事務の平均給料はいくら?気になる待遇や収入アップを目指す方法
著者: そだねー
更新日:2024/05/14
公開日:2019/02/21
医療現場を円滑に進める上で、無くてはならない存在なのが医療事務スタッフ。さまざまな働き方ができ、人気職種の1つである医療事務ですが、給料がどのくらいか気になる人も多いでしょう。本記事では、医療事務の平均給料や収入アップを目指す方法などについて解説します。
目次
医療事務の平均給料はどれくらい?
【医療事務の平均給料】
正社員の場合:15万4千円~23万円程度
派遣の場合:時給1000円~1700円
パートの場合:時給900円台~1400円
【正社員】医療事務の平均給料
病院の職員として雇用されれば、平均月収の目安は15万4千円~23万円ほどです。手取りの場合、約10~17万円 なので、給料面では高い水準とはいえません。地方になるとより低い傾向にあります。
ただし、こちらに加えて、病院によってはボーナスや退職金なども支給される場合もあるため、派遣やパートと比べると安定した雇用形態といえます。
【派遣】医療事務の平均給料
派遣になると、時給換算で給料が算出されます。平均月収は10万円~20万円と幅広い傾向にあり、東京都の求人には、1400円以上など高時給の派遣求人情報もみられます。ただし、正社員の様にボーナスなどが支給されないため、決して安定した雇用形態とはいえないのが現状です。
また、途中で契約が終了してしまうことも。それでも、派遣会社が希望条件に沿った職場を斡旋してくれることは大きなメリットです。
【パート】医療事務の平均給料
派遣の場合と同様に、パートも給料は時給換算となります。パートの相場は900円~程度が一般的。もし1000円以上の時給を確保できれば、額面20万円前後、手取り17万円程度の給料を目指すことも難しくはありません。 フルタイムで働いたり、1日3~4時間など短時間勤務をしたりと、人によって働き方はさまざまなので、一概に月収をいうことはできません。
時給は安いですが、残業もないため、子育て中の人でも安心して働けます。ただし、病院の経営が悪化すると、真っ先にパートが人員削減の対象となるなど、安定した待遇は望めないでしょう。
医療事務のボーナスや残業代は?
正社員として雇用されていても、病院によってはボーナスなどが一切支給されないところも少なくありません。ボーナスが出る場合、概ね年間で2~4ヶ月分の賞与と記載されている求人がほとんどです。残業代についても雇用形態や働く医療機関の規定により異なります。
気になる医療事務の待遇は?
勤務体制は?
勤務体系については、雇用形態や医療機関の規定によっても異なってきます。シフト制を基本としているところもあれば、病院の休日に合わせた勤務日程のとこもあるなど、さまざまです。
休日や有給休暇は取得可能?
年間の休日日数に関しても、雇用先の医療機関によって異なります。被雇用者の休日数については、求人情報などで確認することができます。また、有給休暇や産休・育休の取得は雇用形態などで違ってきます。総合病院の方が充実している傾向にある様です。
社会保障はあるの?
フルタイムで働いているのであれば、健康保険や社会保険といった各種保障は法律に則って付与される場合がほとんどです。ただし、パートや派遣社員といった短時間勤務者は、勤務先の病院や医療機関の規定により、社会保障が付かないこともあります。
医療事務の給料に影響を与える要素
次に、医療事務の給料に影響を与える要素について解説します。働く地域や立場など、さまざまな要素が給料には影響を与えます。
働く地域・職場の規模
働く地域や職場の規模は、医療事務の給料に大きな影響を与えます。一般的に地方にある医療機関よりも、都市部にある医療機関のほうが給料は高い傾向です。家賃相場や物価に連動していることが考えられます。
また、個人経営のクリニックに比べて法人の病院の方が、資金が豊富なため給料が高い傾向の他に、福利厚生なども整っていることが多いです。
役職・立場
医療事務の給料は、役職や立場によっても変わってきます。たとえば、主任クラスでは月収17万円のところ、部長クラスともなると月収30万円以上になることも。このように、同じ正社員でも経験や勤続年数、役職などにより待遇に差が生じることもあります。
資格の有無
医療機関によっては、医療事務の業務に役立つ資格を取得している者に対して、資格手当を支給しているところもあります。医療事務関連の資格としては、診療報酬請求事務能力認定試験・医療事務管理士技能認定試験(医療事務管理士)などがあげられます。
資格手当がある医療機関で働く場合は、資格のあり・なしが給料に大きな影響を与えるため、自身の病院や転職先にどのような制度があるかは確認しておきましょう。
医療事務が給料アップを目指す3つの方法
昇進する
先にもご紹介した通り、医療事務の給料は役職や立場によっても変わってきます。もちろん、役職が付くことで責任は大きくなりますが、収入アップにもつながります。同じ病院で働き続けたいと考えているのであれば、昇進のために動いた方が良いかもしれません。
資格を取る
資格手当を獲得するだけでなく、昇進や昇給の判断材料としても資格の取得は有益な方法の1つです。専門知識習得することで、業務の幅を広げ自身のスキルアップにもつながります。医療事務に関する資格は多数あるため、勤務先のニーズやキャリアプランを考え、どの資格に挑戦をするのか検討してみましょう。以下は、主な医療事務資格です。
【医療事務検定試験】
医療事務検定試験は、医療保険制度、患者さま対応、医療費計算など医療事務に関する基本的な知識と技術を証明する試験です。学科試験と実技試験で構成され、試験は年に6回。150~200時間程度の学習時間が必要とされ、合格率は90%を超えています。比較的合格率の高い試験のため、医療事務関連の資格を初めて取得する方におすすめです。
【医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)】
医療事務に従事する者の知識および技能の程度を審査し、証明する試験です。試験と実際の業務の内容がつながっており、業務全般を学ぶことができる点に特徴があります。合格をすると、メディカルクラークの称号を獲得可能です。試験は医科の試験が年に12回、歯科の試験が年に6回開催されます。合格までに必要な学習時間は約200時間程度。合格率は毎年30%台と比較的難易度の高い試験です。
転職する
収入アップを比較的簡単に行う方法としては、転職という手段もあります。良い人材であれば、前職の収入を上回る条件で内定を獲得できる可能性もあるでしょう。給料を上げていくのであれば、クリニックよりも公立病院や総合病院を選ぶのがおすすめ。年収に200万円程度の差が出る場合もあります。
また、営業力に自信があればインセンティブ制度のある職場に転職するのも1つの方法。診療の成約数に応じて給与の上乗せが可能です。どちらにせよ、給料が上がると求められるスキルの水準も高くなるため、経験や技術を身につけて転職に望むようにしましょう。
医療事務の給料や仕事に関するQ&A
最後に、医療事務の給料や仕事に関するよくある質問をQ&Aの形式でご紹介します。
Q.高卒・専門卒・大卒など学歴で医療事務の給料は変わる?
A.医療事務の給料に関しては、学歴による大きな差はありません。
働く施設の規模に左右されることはありますが、学歴での給料の差は少ないのが医療事務の特徴の1つです。学歴よりも、スキルや経験によって給料の決定が行われるため、努力次第では比較的に就職のしやすい職場といえます。未経験から就職や転職などを目指すのであれば資格を取得し、スキルを身につけていきましょう。
Q.医療事務の給料は将来上がる可能性はある?
A.スキルアップや社会情勢の変化により、給料アップの可能性は十分にあります。
高齢化社会が進む日本においては、医療事務の存在は必要不可欠です。今後需要の増加により人材獲得などを目的として、給料のベースアップが行われる可能性が考えられます。
また、医療事務に関する資格の取得、スキルを高めることで昇進により給料アップの可能性もあります。資格の習得やスキルの向上は、自分自身の努力で実現できる要素も大きいため、日々努力することが大切です。
Q.そもそも医療事務の仕事内容は?
A.病院に来た患者様の対応、医療費の計算や会計などが主な業務です。
【医療事務の主な仕事内容】
・レセプト(請求)業務
・窓口の受付業務
・医療費の会計処理
レセプト業務とは、医療保険の保険者である自治体や保険組合へ、医療費の請求を行うことを指します。レセプトとは診療報酬明細書を指し、この作成が医療事務の中で最もメインの業務です。
次に、窓口・受付業務とは、来院された方への案内業務、入退院手続き、保険証の情報をカルテへ反映させるなど、診療業務を円滑に行うサポート的な役割です。患者様が初めて出会う病院スタッフでもあるため病院の顔としての役割も担います。
最後に、医療費の会計処理は医療保険の点数計算などを行い、患者様への請求や精算を行う業務です。昨今では医療保険の点数計算は電子カルテを用いて行われる医療機関が多く、従来に比べ業務の簡素化が実現しています。
Q.未経験で医療事務になる方法は?
A.医療事務に関する資格を習得し、スキルの証明を行うのが効果的です。
医療事務の仕事に就くにあたり、必須となる資格はありません。そのため、無資格・未経験でも応募をすることは可能です。ただし、医療事務は人気のある職業のため、資格や経験を持っている方が就職には有利です。
資格に関しては、誰でも受験可能な試験が多く挑戦しやすいのが特徴です。資格を取得することで、勤務確定後の給与や待遇面でも有利に働きます。また、異業種からの転職の場合は、前職で培ったコミュニケーション能力やパソコンでの事務処理能力などもアピールポイントとしては有効です。
医療事務の給料を上げるなら、資格取得や転職も視野に入れた行動をしよう!
医療事務の給料の実態や、給料を上げるための方法などについて解説しました。学歴による給料に大きな差は無いものの、スキルや経験により給料アップできる可能性は大いにあります。今後、給料アップやより良い待遇の勤務先へ転職を検討するのであれば、資格取得やスキルアップに挑戦をしていきましょう。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。