主な医療事務の資格試験を4つ紹介!問題内容や難易度、勉強方法について

2019/09/20

医療関係の職種ながら、必須資格がなく、未経験からでも転職がしやすいといわれる医療事務。それでも近年は、専門知識やスキルの証明として多くの医療事務関連の資格が創設されています。今回は、医療事務として働く上で持っていると有利になる資格を4つピックアップし、試験内容や受験方法などについて詳しく解説していきます。

主な医療事務の資格試験について4つ紹介

医療事務の資格にはたくさんの種類がありますが、すべて国家資格ではなく民間の資格です。その医療事務資格を取得する試験のなかから、次の4つを紹介します。

・医療事務審査試験
・診療報酬請求事務能力認定試験
・医療事務管理士技能認定試験
・医科2級事務実務能力認定試験

1.医療事務技能審査試験

医療事務試験のなかでは国内最大規模の試験です。1974年からの総受験者数は163万人、合格者数は92万人を超え、短大・大学などの教育機関が団体で受験することも多くあります。合格者には「メディカルクラーク」の称号が与えられ、医療業界では、診療報酬請求事務・窓口事務などの能力を備えた数多くのメディカルクラークが活躍中です。

試験内容

学科試験の審査領域は以下の表に記載している6分野と、医療報酬・医学一般・薬学一般・診療録からいずれか一つを選択し回答します。それぞれ制度の概要および各法令の理解などが審査されます。

学科試験(25問マークシート方式) 60分
(1)医療保険制度 (2)高齢者医療制度 (3)公費負担医療制度
(4)介護保険制度 (5)医事法規一般 (6)医事業務

実技(1)では、患者との応対において、適切なコミュニケーションを図ることができるかが問われます。実技(2)では、カルテとレセプトの内容をもとに請求の間違い・入力漏れなどをチェックし、正しいレセプトを作成する問題が4問出題されます。

実技(1) 患者接遇2問(筆記記述式)  50分
実技(2) 診療報酬請求事務/診療報酬明細書点検4問 70分

実施方法 受験資格 試験日程 合格率
在宅試験
(日本国内のみ)
なし 毎月第4日曜日 およそ60%

2.診療報酬請求事務能力認定試験

診療報酬請求事務に従事する者の資質向上を目的に、公益財団法人日本医療保険事務協会が実施する全国統一試験です。受験者数は延べ38万人を超え、過去の平均合格率はおよそ30%と、比較的難易度の高い試験となっています。

試験内容

学科試験の出題範囲は以下の表に記載している6分野です。実技試験では、診療報酬請求事務のレセプト作成を、入院・外来の場合でそれぞれ1問ずつ行います。試験時間は学科、実技合わせて3時間です。

学科試験(マークシート方式)
(1)医療保険制度など公費負担医療制度の概要
(2)保険医療機関・療養担当規則などの基礎知識
(3)診療報酬・薬価基準・薬学・材料価格基準の基礎知識
(4)医療用語および医学の基礎知識
(5)医療関係法規の基礎知識
(6)介護保険制度の概要

実施方法 受験資格 試験日程 合格率
会場試験
インターネット試験
なし 年2回
(7月・12月)
およそ30%

3.医療事務管理士技能認定試験

医療機関において幅広く認知された、日本で最初の医療事務の資格「医療事務管理士」を得るための試験です。技能認定振興協会が実施しており、公式ページでは、合格の秘訣は「たくさんのレセプトを書くこと」と記載されています。

試験内容

学科試験の出題範囲は以下の表の通りです。実技試験は、診療報酬明細書を作成するための基礎知識が問われ、レセプト点検問題(1問)、レセプト作成(入院・外来各1問)の3問が出題されます。

学科試験10問(マークシート方式)
(1) 法規
[医療保険制度・後期高齢者医療制度・公費負担医療制度などについての基礎知識]
(2) 保険請求事務
[診療報酬点数の算定方法・診療報酬明細書の作成・医療用語などについての基礎知識]
(3) 医学一般
[各臓器の組織・構造・生理機能・傷病の種類などについての基礎知識]

実施方法 受験資格 試験日程 合格率
会場試験
インターネット試験
なし 奇数月第4土曜日 およそ50%

4.医科2級医療事務実務能力認定試験

診療報酬明細書作成技能を含む診療報酬に関する知識・医療関連法規に関する知識を有するかを客観的に判断するために行われる試験です。全国医療福祉教育協会が主催しています。

試験内容

学科試験の出題分野は医療関連に関する知識と診療報酬請求に関する知識の2つ。具体的には以下の表に記載した内容が出題されます。実技試験は、入院、外来の場合ごとで各1問、診療報酬明細書作成を行います(合計2問)。

学科問題20問(マークシート方式)
(1)医療保険制度に関する知識 (2)保険医療機関などに関する知識
(3)療養担当規則に関する知識 (4)公費負担医療制度に関する知識
(5)医療関係法規に関する知識 (6)介護保険制度に関する知識
(7)診療報酬請求に関する知識

実施方法 受験資格 試験日程 合格率
会場試験 なし 年3回
(6月・11月・3月)
およそ70%

医療事務は在宅で受験可能な試験もある

医療事務関連の資格試験には、インターネットなどを利用して、在宅での受験が可能なものもあります。在宅試験なら、近場に試験会場のない地方にお住まいの方でも手軽に受けやすいです。また、仕事や家事でなかなか時間が取れないという方でも都合のいいタイミングで受けられます。

●在宅受験が可能な資格例
・医療事務技能審査試験…試験は在宅試験のみ
・医療事務管理士…インターネット試験は在宅で受験可能
・医療事務認定実務者…2016年新設の資格で、学習から試験まですべて在宅で可

医療事務試験の勉強方法

医療事務の試験の勉強方法は主に3つのやり方に分けることができます。

・独学
・専門学校
・通信教育

独学

独学のメリットは費用を抑えられることです。自分で用意するテキスト代以外の費用がかからないため、とにかく費用を抑えたい人にはおすすめ。注意点としては、独学の場合、自分で勉強のスケジュールを立てることになり、徹底した自己管理が必須。途中で挫折してしまわないよう、合格という目標に向けてのプランとスケジュールをしっかり立てることが重要です。

専門学校

専門学校で勉強するメリットは、学習計画が立てやすいことです。講義に合わせて勉強するため、学習のペースがつかみやすく、自分の理解度・学習進捗度が把握しやすいです。しかし、場所や時間の制約を受けるため、普段の予定も講義に合わせることになります。時間とお金に余裕のある方におすすめです。

通信教育

通信講座では指定されたテキストなどの教材を使って、自宅で講義を受ける形で勉強ができます。毎日決まったタイミングで勉強時間をとることが難しく、学校には通えないという方にはおすすめです。基本的に注意する点は、独学と同様「自己管理能力」が求められる点で、確実に講義を消化できる勉強時間を確保しておく必要があります。費用については、独学よりも多くかかり、専門学校よりは抑えられます。

医療事務試験に落ちたショックからの立ち直り方

考えたくはないと思いますが、試験は落ちる可能性もあります。しかし、医療事務の試験のほとんどは、落ちた後でも何度も受験することが可能です。もし仮に一度落ちた後でも、次回の受験可能な日に気を取り直して挑戦してみましょう!むしろ一度受けていることで本番の雰囲気に慣れて、次からはもっと落ち着いた状態で試験に望めるかもしれません。

ここでは、仮に試験に落ちた際に立ち直る方法を紹介します。

1.気持ちを立て直す
2.落ちた原因を考える
3.次の試験の対策を考える

1.気持ちを立て直す

深く睡眠をとったり、思いっきり遊んだりして、体と心を休めましょう。まずは落ちてショックを受けた感情をリセットすることが大事です。また親しい人に話を聞いてもらうことで、一人で悩むよりも気持ちの整理がつき、前向きになれるかもしれません。

2.落ちた原因を考える

気持ちが前向きになったら、再チャレンジに向けて落ちた原因を分析しましょう。問題に苦手分野はなかったか、体調やメンタルに問題なかったかなど、試験当日の問題点を洗い出します。改めて自分に本当に必要な資格だったか、自分のレベルに見合う資格だったかを考えてみてもいいかもしれません。

3.次の試験の対策を考える

落ちた原因が明確になり、再度挑戦する意思が固まったら、改善策を盛り込んだプランをもとに勉強に臨みます。苦手分野に合わせてテキストを変えたり、再度過去問を解いてできない問題を見つけたりなど、勉強方法そのものを見直してみましょう。また、試験本番を経験したぶん、これからは前よりも更に本番を意識した勉強ができるかもしれません。

医療事務の資格試験はたくさん!取得したい資格を決めて対策を考えましょう

医療事務関連の資格はたくさんの種類があります。自分の将来に役立つ資格はどれなのか調べて、今後受験する資格試験を決めたら、しっかり対策をしましょう。医療事務は無資格でも働くことができますが、専門職として資格を保有していることで採用、昇進のチャンスが広がります。

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