【なぜ?】男性保育士の割合が少ない理由は?メリット・デメリットや活躍する秘訣
著者: めんたいパスタ
更新日:2023/12/22
公開日:2019/02/28
男性保育士の数は過去に比べて増えていますが、女性と比べると圧倒的に少ない傾向に。なぜこのような傾向があるのでしょうか。今回は、男性保育士の割合が少ない理由や、平均年収・待遇についてご紹介。男性保育士として働くメリット・デメリットから、今後活躍するためのポイントまで解説しますので、保育士への就業を考えている男性は必見です。
目次
【なぜ?】男性保育士の割合が少ない理由
「保育士」と聞くと、女性が多く就業しているイメージのある職業です。男性保育士の割合が少ない理由として、主に次のような点が考えられます。
・女性の職業というイメージが根強いから
・収入があまり高くないから
保育士はもともと「保母さん」と呼ばれ、基本的に女性の職業でした。現在では、性別の垣根を超えて働けるようになったものの、いまだに女性の職業というイメージが根強く残っています。過去のイメージから、男性の割合が少ない状況が続いているでしょう。
また、保育士は同年代の男性と比べて収入が低い傾向があります。経済面の不安から、就業する男性の割合が少ない可能性もあるでしょう。
実際の男性保育士の割合
現在、一般的に使われている“保育士”という名称は1999年に生まれたとされています。その後、2002年には全国で1,000人未満しかいなかった男性保育士ですが、法改正などもあり、3年後の2005年には15倍以上の15,600人を超えました。
徐々にその数も増え続けている男性保育士ですが、厚生労働省の資料によると、令和2年の保育士登録者数は約1,665,549人で、そのうち男性は約82,330人でおよそ5%に過ぎません。
男性保育士の平均年収
男性保育士の平均年収 | 女性保育士の平均年収 | 全職種の男性の平均年収 |
---|---|---|
404万3,000円 | 390万5,500円 | 554万9,100円 |
※平均年収は、厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」の所定内給与額+超過労働給与額×12カ月+年間賞与その他特別給与額で算出。
厚生労働省の調査によると、令和4年の男性保育士の平均年収は約404万円でした。同じ保育士であっても、女性と比較すると10万円程度高い傾向があります。
しかし、全職種の男性の平均年収と比べると150万円程度低い結果に。保育士の収入は職場や経験年数など、さまざまな要素によって変わりますが、一般的には他職種の男性と比べて収入が低いといえるでしょう。
男性保育士の待遇は?
まだまだ珍しいといえる男性保育士ですが、保育の現場においてはどのような待遇なのでしょうか。一部の施設では、「男性保育士を雇うメリットが感じられない」と考えているところも少なくありません。
しかし、力仕事ができたり、体育指導が得意だったりと、保育の現場によっては男性保育士が頼りにされているところもあります。
男性が保育士として働く4つのメリット
就業している割合は少ないものの、男性保育士ならではの魅力はたくさんあります。男性が保育士として働くことで得られる4つのメリットについて、チェックしましょう。
子どもたちから人気がある
男性が保育士として働くメリットは、子どもたちからの人気がある点です。男性保育士と女性保育士では、できる遊びが異なります。個人差はありますが、一般的に男性の方が力が強く、思い切り体を動かす遊びができるでしょう。
男性保育士であれば、体の大きな園児を何人も軽々と抱き上げることも可能かもしれません。とくに、男の子が好きなスポーツ系の遊びは、男性保育士にとって得意分野になりやすいでしょう。
男の子に寄り添う保育ができる
男性保育士は、女性保育士が難しく感じやすい男の子のトイレトレーニングの際に、頼りになるでしょう。保育士にとっては、園児の排泄サポートも大切な仕事です。
お散歩や遠足などで外のトイレを使う場合、女性保育士は男子トイレに入りにくいという課題があります。男性保育士がいることで、問題なく対応できるでしょう。また、男性ならではの視点で、男の子に寄り添う保育も可能です。
体力・防犯面で頼りがいがある
一般的に男性は女性よりも体力や力があり、力仕事の際に頼りになるでしょう。重いお散歩カーを押す、布団を運ぶなど、保育の現場は体力が必要な場面が数多くあります。
また、女性が多い職場のため、男性がいることで安心につながるケースも。万が一の事態でも、男性がいることによって防犯面で心強いといえるでしょう。
男性保護者のサポートができる
男性保育士は、男性保護者に対して同性の視点からサポートしやすいメリットもあります。女性の保育士には相談しづらいことも、同性であれば相談できるかもしれません。
家族の在り方が多様化している現代では、父親が子どもの送り迎えをするケースも多くあります。とくに父子家庭の方にとっては、男性保育士がいることで、何かあったときに気軽に話せる安心感もあるでしょう。
男性が保育士として働く3つのデメリット
男性が保育士として働く際は、周囲からの目や職場環境に関する問題などデメリットも忘れてはいけません。就業してから後悔しないために、主なデメリットを押さえておきましょう。
偏見の目で見られる可能性がある
男性保育士は、女の子の着替えやおむつ交換など、一部の保護者から偏見を持たれる可能性があります。男性保育士の数は徐々に増えているとはいえ、偏見の目がゼロではないと覚悟する必要があるでしょう。
しかし、保育士は男女問わず「保育のプロ」です。常に誠意を持って子どもの保育に向き合っていると示すことが大切。加えて、保育園側の環境整備も必要でしょう。
男性トイレ・男性更衣室がない
徐々に男性保育士が増えてきていますが、登録者数はごくわずかです。そのため、男性保育士のための環境が整備されていないのも、現実として受け止める必要があります。
トイレや更衣室は業務上で必要な環境であるため、労働者の1人として求めるのは当然の権利。保育園の経営者と話の場を設けながら、環境を改善していくことも必要でしょう。
女性が多く人間関係が難しい
基本的に、保育園で働いているのは女性がほとんどです。職場で男性が1人ということも珍しくありません。意見しにくくかったり、気軽に仕事の相談ができなかったり、肩身が狭い思いをする可能性もあります。
男性が保育士として活躍するためには、女性が多い環境でもよりよい人間関係構築を目指す必要があるでしょう。自分1人で悩みを抱え込まず、男性の同業者や友人などを頼って相談することも大切です。
男性保育士の将来性は?
男性保育士の将来性について、2つの目線から解説します。
男性保育士のニーズは拡大中
女性ばかりの職場で悩みは絶えませんが、徐々に男性保育士の数は増えてきています。というのも、男性保育士には女性とは違った魅力があるからです。
男の子に寄り添う保育ができるほか、男性保護者のよき相談相手になれるメリットがあります。このような理由から、男性保育士を積極的に採用しようとする保育園も少なくありません。
自治体が支援する動きも
2017年1月に、千葉市は「男性保育士活躍推進プラン」を策定・発表しました。女性がほとんどを占める保育業界で、男性保育士の働く環境を改善することを目的とした施策です。
男性保育士の複数配置だけでなく、保育所における設備整備などを目指しています。また、男性保育士への理解の促進についても、行政が推進していくことを決定しました。このように、自治体が主体となり、男性保育士の活躍の場を広げる動きも見られます。
男性保育士が給与をアップさせる方法
男性保育士の数は徐々に増え、自治体のサポートなどもあります。しかし、男性保育士は給料が少ないなどの理由から離職する人も少なくありません。このような状況を打破するために、いくつかの方法を紹介します。
・幼児体育やスポーツインストラクターの資格取得
・夜勤のある保育園への転職
・主任や園長など管理職を目指す
・公立保育園の求人をこまめにチェックする
まだまだ安定しているとはいえない男性保育士の世界ですが、自治体なども含めて少しずつ改善しようとする動きがみられます。自分で収入アップのために何ができるのかを考えて、実践してみてください。
男性が保育士としてもっと活躍するために
男性が保育士としてさらに活躍するためには、日々の仕事に対する姿勢や保育士間・保護者への対応について意識することが大切です。将来的に活躍できるよう、今できることから始めてみましょう。
真面目で誠意ある対応を心がける
常に真面目に子どもと向き合い、誠意ある対応を行いましょう。男性保育士に限りませんが、保育業界で活躍するには信頼される人間であることが重要です。
現在でも保育士は女性が多い職場で、一部から偏見の目で見られる可能性もあります。保育を担う「専門家」として頼りにされる仕事をすることで、信頼の獲得につながるでしょう。毎日の丁寧な業務姿勢が何より大切です。
コミュニケーションを積極的にとる
保育現場では現在も女性が多く、男性にとって発言しにくい場合もあるかもしません。しかし、業務におけるコミュニケーションは大切です。職場環境や待遇改善のために、必要なときには発言しましょう。
また、保育士同士に限らず、保護者とのコミュニケーションも行うことが重要です。保育中に気づいたことや、日中のできごとを保護者に伝える時間は、保育士自身の人柄を知ってもらうきっかけにもつながるでしょう。
条件のよい職場へ転職を検討する
今の職場が「男性保育士が働く環境として整っていない」「待遇に不満がある」などの場合には、転職も視野に入れましょう。男性保育士の人材を必要としている保育園もありますし、すでに男性保育士が在籍している施設であれば、仕事がしやすくなるかもしれません。
また、夜間保育園では、セキュリティ面から男性保育士が歓迎される傾向にあります。自分にとってよい条件の職場への転職を検討するのもよいでしょう。
男性保育士には魅力がたくさん!活躍する方法もあります
保育士は女性の職業であった過去もあり、いまだに男性の割合が少ない職種です。一部では、偏見が残っているケースもあります。しかし、男性が保育士として働くことにはメリットがたくさん。男性保育士のニーズは年々拡大しており、自治体が支援する動きもあります。
日常的に誠意ある対応と積極的なコミュニケーションを心がけることで、より男性保育士として活躍できるでしょう。現在の職場に課題を感じる場合は、思いきって転職するのもおすすめです。
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著者プロフィール
めんたいパスタ
人材紹介業、サービス業、障がい者雇用の分野で採用業務に従事した経験がある女性スタッフ。現在は保育分野の採用担当として、業務を通じて保育園で働くスタッフの負荷軽減になることを目標として活動している。