保育士の副業はありか?おすすめの副業や注意点をチェックしよう

「今の保育士の給料だけでは物足りない」「保育士以外の仕事も経験してスキルを身につけたい」など、さまざまな理由から副業に関心がある保育士も多いでしょう。また働き方改革の影響もあり、近年は副業を解禁する企業も増えつつあります。今回は保育士が副業することは可能かを踏まえて、おすすめの副業や副業する際の注意点をお伝えします。

保育士の副業はあり?

厚生労働省「令和元年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果」によると、保育士の平均年収は以下の通りです。

一方で、国税庁「令和元年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者全体の平均年収は436万円です。行政による保育士が処遇改善は行われていますが、現状は私立・公立ともに常勤の正規職員であっても全体の平均年収を下回ります。このような給料事情もあり、生活やプライベートを充実させるために副業を検討している保育士もいるかもしれません。結論、公立保育園の正規職員は副業できませんが、私立保育園であれば園によっては副業可能です。

公立保育園の正規職員は副業NG

公立保育園の正規職員は、公務員と同じ扱いです。公務員は法律で副業が禁止されていることから、公立保育園で正規職員として働いている場合には原則副業ができません。しかし、投資や農業、執筆や講演など自営とみなされないものであれば限定的に副業することが可能です。また兵庫県神戸市や奈良県生駒市のように、公務員の副業・副業を許可・緩和している自治体もあります。

私立保育園はOKな場合もある

私立保育園で働く正規職員の保育士は公務員には該当しないため、法律で副業は禁止されていません。しかし、副業可否については私立保育園の運営元の就業規則によって規定されています。そのため、運営元が副業可としている場合には副業できますが、そうでない場合は基本的に副業NGです。また、副業OKだが、同業はNGなどの規則がある場合もあります。バイトやパート、派遣は正規職員よりも規定が厳しくないものの、基本的に正規職員に副業が禁止されていれば非正規職員も同様の扱いとなることが多いでしょう。

保育士におすすめの副業6選

いざ副業を始めるとなっても、副業でできる仕事にはさまざまな種類があるため迷ってしまう方が多いでしょう。ここでは、保育士におすすめの6つの副業をご紹介します。

①ベビーシッター

保育士スキル・経験が活かせ、かつ比較的高収入を狙いやすいのがベビーシッターです。ベビーシッターとは、依頼者の自宅や指定施設などに出向き子どもを保育する仕事です。近年共働き世帯も増えているため、ベビーシッターの需要も増加しています。そのため求人を見つけやすく、保育士資格があれば時給1,500〜2,000円と高時給が目指せます。1回のシフトは1〜3時間区切りになることが多いため、空いた時間で無理なく働ける点が特徴です。時給2,000円の場合、1回6時間のシフトに週1回入るだけで月4万円以上の副収入が得られます。

②ピアノ講師・塾講師

保育士ならではの得意分野や経験を活かせる副業が、ピアノ講師や塾講師です。基本的に教える相手は子どもであるため、普段から子どもと接している保育士はすぐに仕事に慣れることができるでしょう。塾講師やピアノ講師は比較的時給も高いため、副業で効率的に稼ぐのに向いています。また座り仕事であることから、体力的負担がなく働ける点がメリットです。そのほか類似する職業には、リトミックや幼児教室などがあります。

③ハンドメイド販売

趣味を活かしたい方や手先が器用な方におすすめなのがハンドメイド販売です。作品が売れないと収入は得られませんが、雇われの立場ではないため自由に副業できる点が特徴です。いきなり収入を得るのは難しいですが、まずは趣味や特技の延長として始めることがおすすめです。

④在宅ワーク

外で働きたくない、空いた時間を有効活用して稼ぎたい方におすすめなのが在宅ワークです。代表的な在宅ワークには、Webライターや内職、データ入力などが挙げられます。在宅ワークも基本的に雇われの立場ではないため、収入はやった分だけ得られる成果報酬制が一般的です。時給制ではないため安定的に稼ぐことは難しいですが、うまく仕事がこなせるようになれば一定の収入が得られます。

⑤単発バイト

単発バイトには、イベントスタッフや試験監督、軽作業などのさまざまな求人がみられます。単発バイトであれば働ける時だけシフトに入れば良いため、無理なく働くことができます。案件によっては時給1,500円以上となることもあるため、無理なく空いている時間だけ働きたい場合におすすめです。案件によっては給料が当日払いされることもあり、即金性にも期待できます。

⑥飲食店、コンビニ

飲食店やコンビニは、求人が多い点でおすすめの副業です。働きたいお店や自宅からの通いやすさなど、さまざまな条件から選択肢が広げられます。接客業であるため、保育士として培ったコミュニケーション能力も活かせます。土日だけでなく、早朝や深夜など本業と被らない時間帯でシフトに入ることも可能。体力的に問題がなければ、平日でも働ける点がメリットです。

保育士が副業する際に注意すべきポイント

副業を始めるにあたり、就業先規定以外にも注意すべきポイントがあります。下記注意点を押さえておきましょう。

本業に支障はないか

副業をするにあたり、本業に支障が出ないよう働くことが前提です。副業は収入だけでなく、労働時間も増えるもの。それだけ休む時間が減ってしまうため、体力的・精神的に余裕がなくなってしまうかもしれません。副業を始めたことで本業に支障が出てしまっては本末転倒であるため、そもそも体力的・精神的に副業が可能かをご自身で判断することが大切です。

税金の支払い

副業で年間20万円以上の収入を得た場合、確定申告が必要です。なぜなら職場で行われる年末調整は本業分しかできないため、副業分は自分で行う必要があるからです。確定申告とは1年間の総収入を計算し、国に納めるべき税金を算出する手続きです。副業収入が年間20万円以上あるにもかかわらず確定申告を怠れば脱税となり、懲役または罰金といった罰則を課せられる可能性があります。また副業で稼いだ分、住民税額が上乗せされる点は要注意です。

保護者や園児に会わない勤務地を選ぶ

保育園で副業可としていても、副業先で保護者や園児に鉢合わせてしまったり、SNSでバレてしまうと、特に保護者から悪い印象を持たれてしまう可能性があります。保護者や園児にバレたくない、無用なトラブルを避けたい場合には、保護者や園児に会うことのない勤務地・職場を選びましょう。

保育士の副業はバレる?給料手渡しのバイトならOKか

副業禁止の保育園であっても、バレないように副業すれば良いではと考える方もいるでしょう。しかし年間20万円以上の収入があり確定申告すると、住民税が通常よりも多くなるため副業している可能性が疑われます。この点は、確定申告の際に住民税を「普通徴収」にすることで住民税から副業がバレるリスクは低くなります。とはいえ、副業しているところを保護者や職員に見られた、本業に支障が出てしまった結果副業が明るみになったなど副業がバレる可能性は至るところに存在します。また、巷では給料手渡しのバイトであれば副業もバレないといった声も耳にします。しかし手渡しされた給料が年間20万円以上あった場合も確定申告が必要となるため、結果的に口座払いと変わりありません。また、店側では給与支払い報告書を作成して自治体に提出します。これにより個人に給料を払った証拠が残っているため、ごまかすことはできません。

副業禁止にもかかわらず副業すると、最悪のケースで解雇になる恐れもあります。そうしたリスクやバレるか否かの精神的負担を抱えてまで副業することはおすすめしません。

保育士は副業OKのケースもある!給料アップのためには転職も1つの方法

公立保育園に勤めている場合は原則副業できませんが、私立保育園であれば就業規則によっては副業ができます。副業は給料をアップさせる最も手軽な手段ですが、労働時間が増える、本業に支障が出る恐れがあるなどデメリットもあります。そのため、給料アップのために副業を検討している方は、転職も給料アップの方法として視野に入れてみてください。転職で給料アップすれば、保育士業だけに集中でき、体力的・精神的にも余裕ができるでしょう。