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未経験からできる医療事務!気になる仕事内容やお給料・役立つ資格などを解説

著者: そだねー

更新日:2025/02/17

公開日:2020/01/09

PCを見ている医療事務の女性

「医療事務」というと、病院へ行ったときに受付でまず対応してくれる職員というイメージを持たれている方が多いと思います。今回は、医療事務の仕事内容について詳しくご紹介します。やりがいから、気になる給料、資格についても解説しますので、医療事務に興味があり働いてみたいという方は参考にしてください。

医療事務とは?

医療事務とは、病院やクリニックなどの医療機関で働く事務職です。窓口での患者の対応をはじめ、医療費の計算やカルテ管理など、医療機関の事務作業を担当します。
主な業務は「受付/会計業務」「レセプト業務」「クラーク業務」の3つです。
医療事務の担当者が活躍することで他の医療従事者がそれぞれの業務に集中できるため、組織の業務効率化に欠かせない存在です。
患者様と直接触れ合う機会も多いので、医療機関の顔とも言えます。資格を取得していればより専門的に業務に携われますが、無資格・未経験でも働ける点が特徴です。

医療事務の主な仕事内容はこちら

医療事務の給料はこちら

未経験から医療事務になる方法

医療事務は、無資格・未経験からでもなれる職種です。資格や経験がなくても「無資格、未経験可」の求人に応募し、採用されれば晴れて医療事務として働くことができます。
ただし、業務の中には診療報酬やカルテなど、専門的な知識を要する業務も多くあります。未経験から医療事務を目指す場合には、資格取得を志している姿勢や将来のビジョンを明確にしておくことが重要です。
そして、それらを踏まえて、履歴書や面接において志望動機で熱意を伝えましょう。競争率の高い求人などは資格の有無や経験が買われますので、キャリアアップの意味でも資格取得を目標にするのがおすすめです。

医療事務の主な仕事内容

医療事務の仕事内容は、大きくわけて上記の3つです。それぞれ詳しく解説します。

受付/会計業務

業務 内容
診察券の発行、保険証やマイナンバーカードなどの確認 ・初診の患者さんに診察券を発行
・すべての患者さんの診察券や保険証などを確認
カルテの準備 ・患者さんの氏名、住所、保険証情報、問診表の内容をカルテに記入
・再診の場合は過去のカルテだけでなく検査データやレントゲンなども準備
・医師の最終確認と署名があれば、事務職員がカルテの記入代行も可能
医療費の会計 ・診療内容に応じた医療費および請求額の計算と会計
・次回来院予約や薬局の案内

診察券の発行と保険証の確認

初診の患者さんには診察券を発行し、再診の方には保険証またはマイナンバーカードの確認をおこないます。月初めにはすべての患者さんに保険証を提示してもらい、保険者番号や期限に変更がないかを確認するのが大事な業務の1つです。
保険証またはマイナンバーカードは確認後、確実に返却するように注意し、患者さんを診察までの間過ごす待合室へ案内します。

カルテの準備

確認した患者さんの情報をもとに、カルテを準備します。初診の場合はカルテを記入し、再診の場合は前回の検査結果なども過去のカルテとあわせて準備が必要でしょう。
カルテは基本的に医師が記入するのがルールですが、医師の最終確認と署名があれば医療事務が記入を代行できます。さらに、資格や経験がある場合は電子カルテの入力代行も可能です。

医療費の会計

会計業務は、患者さんが受けた診察などの内容に応じて医療費を計算し、自己負担額を患者さんへ請求する業務です。医療費は医療保険制度の決まりに従い、診察内容や検査・処置の内容から計算します。
領収書や診療明細書を発行し、処方箋と一緒に患者さんへ手渡せば業務は完了です。ただ、場合によっては会計後、処方箋薬局の案内をすることもあります。

レセプト業務

業務 内容
レセプト作成・点検 ・医療保険制度に従いレセプトを作成
・作成したレセプトの点検
診療報酬の請求 ・関係機関にレセプトを提出し診療報酬を請求する
・必ず期限までに提出する

レセプトの作成・点検

レセプトとは「診療報酬明細書」のことで、患者さんへの治療や投薬、処置、診療基準などに基づき作成するものです。診療情報をカルテから確認したうえで、医療保険制度で決められたルールに従い「レセプトコンピューター」とよばれるパソコンで作成するのが一般的です。

作成後、入力の見落としや誤りがないかを目視で点検していきます。

診療報酬の請求

診療報酬のうち患者さんの自己負担額を除いた分は、患者さんが加入している健康保険の保険者それぞれにレセプトを送り、請求します。レセプトは個々の患者さんに対して作成し、1か月分の診療報酬点数をまとめて記載します。
請求先は「国民健康保険団体連合会」や「社会保険診療報酬支払基金」などの関係機関です。レセプトの提出には期限があり、その日までに確実に提出します。

クラーク業務

業務 内容
外来クラーク ・受付・電話対応
・患者の呼び出し・検査室への案内
・カルテ整理・レントゲン等検査結果の準備
病棟クラーク ・入退院の手続きや食事伝票の作成など事務作業全般
・手術・検査スケジュールの管理

クラーク業務は、医療機関で必要となる文書作成の補助や事務処理、それに伴う患者さんへの案内など多岐にわたります。医療従事者と患者さんの橋渡しであり、重要な業務の1つです。規模の大きな病院では外来クラークと病棟クラークに分かれており、それぞれ仕事内容は異なります。
外来クラークは外来患者の受付や電話応対、患者の呼び出し、検査室への案内、カルテの整理などを主におこない、病棟クラークは、入退院の手続きや食事伝票の作成、手術・検査スケジュールの管理などをします。

医療事務として働くメリットはこちら

【一例】医療事務の一日

医療事務の働き方や仕事内容が具体的にイメージできるように1日のスケジュール例をご紹介します。医療機関によってスケジュールはさまざまであるため、一例として参考にしてみてください。

時間 業務 具体的な仕事の内容
08:00 出勤 出勤後、着替えやレジ準備、清掃を済ませる。
08:30 午前の受付開始 来院患者さまの受付対応。保険証や診察券の受け取り、合間でレセプト作成などを行う。受付業務の担当でないときは、クラーク業務やカルテ管理などを担当。
12:00 昼休み 午前診療が終わったら、昼休み。
忙しい日は、交代で昼休みを取る場合もある。
13:00 午後の受付開始 午後の診療が開始したら、午前と同じように担当業務を行う。
16:30 診療終了 最後の患者さまをお見送りし、片付けやレジ閉めを行う。
院内の清掃や、業務中に終わらなかったレセプト業務なども診療後に実施。
17:00 退勤 その日の業務が終了したら退勤。月初めやレセプト作成などが立て込んでいる日には、残業が発生する場合がある。

上記は、受付をメインで担当している一般的な医療事務の例です。医療事務の1日のスケジュールは働く医療機関や担当する業務によって大きく異なることを押さえておきましょう。

医療事務の給料はいくら?

貯金箱

医療事務として働くことを考えたとき、やはりお給料のことは知っておきたいものです。
ソラスト医療事務の「東京都の求人」を参考にした医療事務の給料はおおよそ以下の通りです。

正社員 派遣 パート
18~28万円程度 1,280~1,800円程度 1,013~1,500円程度

地域や医療機関の規模、役職の違いによって給与に幅があります。賞与や手当が出る場合や、保有資格の有無によっても差をつけるところなどもありますので求人先の待遇についてはよく確認しておきましょう。

医療事務として働く4つのメリット

医療事務はライフステージの変化が大きい女性を中心に人気の仕事です。ここでは、医療事務として働く主なメリットを4点紹介します。

全国どこでも働ける

医療事務として働いて身につけたスキルや経験は、全国どこにいっても通用します。
医療機関はどんなところにもあるので、配偶者の転勤や引っ越し、Uターン就職の際にも仕事を見つけやすいのが魅力です。

柔軟な働き方ができる

医療事務は正社員だけでなく、契約社員やパート、アルバイトなどさまざまな雇用形態で働くことができます。育児や介護をしている人でも、自宅近くの医療機関の時短やパート、アルバイトの仕事を選べば、時間に融通の利いた働き方ができます。知識と経験を積めば、一度離職しても職場復帰しやすいこともうれしいポイントです。

未経験でも働ける

医療事務は資格や経験がなくとも就ける医療関係の仕事です。これから医療系の専門スキルが得られる仕事をはじめたい人におすすめです。患者さんへの接遇スキルも重要視されることから、接客・販売業経験者を歓迎している求人も見受けられます。他業界からのキャリアチェンジとして医療事務を選択するのもよいでしょう。

患者さんの役に立てる

医療事務は来院された方の対応を一番初めにすることから、病院やクリニックの顔ともいえます。体調不良で不安に感じて来院する患者さんにとって、受付の対応が心温まるものだと非常に嬉しいものです。
医療業界の一員として、患者さんと医療従事者の架け橋となることで、患者さんの役に立ち社会貢献ができるでしょう。

医療事務の大変なところは?

・業務の幅が広く覚えることが多い
・患者さんや医療従事者など多方面でコミュニケーションが必須

医療事務には受付以外にも会計やレセプト作成などさまざまな業務があります。業務内容の幅が広いため覚えるべきことがたくさんあるという点が大変なところといえるでしょう。
また、患者さん以外にも医師や看護師など立場の違う多くの人達とコミュニケーションを取らなければいけません。多方面に気遣いをしながら仕事をすることが求められます。
しかし、幅広い業務に携わることで豊富な経験と知識を得ることができます。仕事を続ければ続けるほど新しいことを吸収でき、スキルアップにつながります。

医療事務に向いている人とは

ここでは、医療事務に向いている人の特徴をご紹介します。医療事務への転職や就職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

明るくコミュニケーション力が高い人

患者さんが来院して最初に訪れる場所は窓口です。そこで働く医療事務は、医療機関の顔として対応をします。患者さんの不安を少しでも取り除けるよう、明るくコミュニケーションができる人材が求められます。
患者さんだけでなく、医師や看護師など多くのスタッフとも連携を図るポジションです。コミュニケーション力が高く、明るく笑顔で他者に接することができる人は医療事務に向いているといえるでしょう。

正確かつ迅速に仕事ができる人

医療事務の仕事のひとつ、レセプト業務やクラーク業務は、必要な業務を正確かつ迅速に捌く力が必要です。扱うデータや情報を正確に扱わなければ、重大なミスにつながりかねません。そのため、正確かつ迅速に仕事に取り組める人は、医療事務として活躍できるでしょう。

臨機応変に対応できる人

医療機関は患者さんの急変など想定外の出来事が起こりやすい環境です。医療事務は医療処理が施せなくとも医療機関で働く立派な医療従事者の1人です。その自覚を持ち緊急時には臨機応変に適切な対応をする必要があります。そのため、正しい状況判断ができ、状況に合わせて臨機応変に対応できる人は医療事務に向いているといえます。

数字が好き・扱いに慣れている人

医療医務はレセプト作成など、数字に関わる業務が多い点も特徴です。難しい計算はありませんが、診療報酬や医療費などはミスが許されないもの。数字が好きであったり、扱いに慣れていたりする方は医療事務の業務を苦に感じないでしょう。

医療事務のキャリアパス

事務作業をしている医療事務スタッフの女性

医療事務が働く場所は小さなクリニックから大規模な病院までさまざまで、勤務先によって身につくスキルは異なります。自分が将来、どのような働き方を希望するかによって就職先を検討しましょう。また、資格所得を通してキャリアアップを目指すのもおすすめです。

病院に就職した場合

病院はクリニックに比べて規模が大きいため、人員が多く業務が細分化されている特徴があります。レセプト業務に集中しやすい仕事環境にあるだけでなく、教育体制やマニュアルが整っているため、専門的なスキルを身につけやすい傾向にあるでしょう。
ただし、大きな病院では分業制が多いため、医療事務の仕事全体の経験は積みにくいです。

クリニックに就職した場合

クリニックは病院と比べて小規模な施設であるため、人員が少なく、幅広い業務内容をすべて経験できるでしょう。他職種とのチームワークも養われます。
病院と比べると来院する患者数が少ないため、その分、経験も減りますが、残業が少なかったり、マイペースに働けたりする特徴があります。ただし、病院よりも給与が低い傾向があるので注意しましょう。

医療事務関連の資格を取得するとキャリアが広がる

資格名 合格率

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)

医科78%
歯科69.2%

医科医療事務管理士技能認定試験

80.8%(2024年12月)

医療事務認定実務者試験

82.3%(2023年度)

診療報酬請求事務能力認定試験

医科33.2%
歯科38.2%
(2023年)

医療事務には必須の資格はなく、スキルを示すものとして、いくつかの民間資格があります。取得することで、採用や昇給などで優遇されるでしょう。
上記の他にも医事コンピュータ技能認定試験と医療情報実務能力検定試験(医療事務実務士)があり、診療報酬請求事務能力認定試験は令和7年度で終了します。
試験によって難易度や費用はさまざまなので、学習時間によって自分に合ったものを選択するのがよいでしょう。

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)

全国に試験会場があり受験者数が多く、医療事務資格のなかでは比較的メジャーな資格です。受験資格は特にありません。医科と歯科があり、医科は年12回、歯科は年6回試験があります。
試験科目は診療報酬請求事務技能や窓口業務等で求められる患者接遇の技能などです。資格を得ると幅広く医療事務の知識を身につけている証明となるでしょう。

医科医療事務管理士技能認定試験

「医療事務管理士」は、日本で最初の「医療事務の資格」として幅広く医療機関に認知された資格です。学科試験と実技試験があり実技試験ではレセプトの点検・作成問題などが出題されます。資格を得ると診療報酬を正しく理解するエキスパートとしてレセプト業務の主力となれるでしょう。
受験資格は特になく、医科と歯科に分かれています。また、インターネット試験、在宅受験が可能なので、仕事をしながら資格取得を目指す方にとってはチャレンジしやすいでしょう。

医療事務認定実務者試験

学科と実技の試験を通して、受付を主にした医療事務に関する幅広い知識、技能を求められる試験です。試験はすべてマークシート形式であり、難易度は比較的低いとされています。
受験資格は特にないため、未経験の方でもチャレンジしやすい資格でしょう。試験は毎月実施されており、医療事務の資格試験を初めて受ける人にもおすすめの資格試験です。また、認定機関のほか、在宅での受験が認められています。

診療報酬請求事務能力認定試験

診療報酬請求事務に携わる人材の資質の向上を図るための試験です。医科と歯科で別々に試験があります。それぞれ学科試験と実技試験が用意されており、試験は年に2回、日曜日または祝日に開催されます。また、受験資格は特にありません。合格率は28~30%と比較的難易度の高い試験ですが、その分取得していると採用や昇給時に高い評価を得られるとの声が多い傾向です。
なお、診療報酬請求事務能力認定試験は令和7年度をもって終了予定のため、受験を希望する方は早めにチェックしましょう。

実際に医療事務で働いた人の体験談

実際に医療事務で働いている人はどのような意見や感想を持っているのでしょうか。ここでは、医療事務で働いた人の体験談について紹介します。

「病院によって任される業務や雰囲気に違いを感じた。小規模のクリニックだと広くさまざまな業務を任されるのでよい経験になった。医師、看護師、患者様との距離も近くフレンドリーな空気が自分に合っていた。見学ができる求人先は見に行ってみるのがおすすめです。」

「診療科によって患者に対するベストな接遇方法が違っていた。一般的な内科や小児科などでは笑顔でホスピタリティのある接遇が求められることが多かった。精神病棟は逆に淡々とした対応を取るように指示された。患者に対する接遇で悩んでいる場合でも、自分に合った接遇方法を取れる求人先を選ぶとよいと思います。」
「医療事務の仕事は苦労する点が多かったのですが、患者から「ありがとう」と感謝の言葉を貰えることが多くてやりがいを感じられた。仕事ではレセプト作成や会計、カルテ管理などミスが許されず、仕事の難易度が高い点は大変だった。職場によって残業の多さや業務量に違いがあるため注意して求人を選びましょう」

医療事務は患者さんを支えるやりがいの大きな仕事

医療事務は直接患者さんを治療するわけではありませんが、医療機関の運営に欠かせない、かけがえのない職業です。患者さんが安心して治療に専念できる環境が整っているのは、医療事務のスタッフが陰で支えているからこそでしょう。資格がなくても勤務できますので、興味がある方はぜひソラジョブ医療事務からのご応募をお待ちしております。

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そだねー

そだねー

北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。

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