医療事務職なら知っておきたい!現場を円滑にする医療接遇とは?
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2020/08/20
医療接遇という単語をご存じでしょうか。日々、様々な患者さんへの対応をしなければならない医療事務職でも重要な概念です。業務を円滑にし、より良い医療サービスを提供するためにもしっかりチェックしておきましょう。今回は、医療事務職にも関連する医療接遇をご紹介します。
目次
医療接遇とは?
医療接遇とは患者さんの不安や苦しみを想像し、気持ちに寄り添えるような対応であり、医療機関における独特な接遇方法です。一般的な接客や接遇と違い、患者さんと対等な立場で向き合う姿勢が求められます。
医療接遇の重要性
診療所2,312カ所(無床2,152、有床161)に対するアンケートでは、クレームの多かった箇所として、接遇に関するものが33.6%にのぼり、その内65.1%は窓口対応でのトラブルでした。このように、接遇にまつわるトラブルは多く、病院など医療従事者として働く場合は「医療接遇」という考えは特に重要です。
サービス業の接客と医療接遇の違い
サービス業の接客と違い、対等な立場で接するというのが医療接遇の基本的な考え方です。患者さんの問題解決をするために、お客様として接するのもまた違います。具体的な違いについて、詳しくみていきましょう
質の高すぎる「接遇」は医療の現場に求められていない
ホテルマンやCAのようなお客様の満足を目標にした接遇とは違うものです。より満足してもらうために行われる接遇と違い、医療接遇では不安や悩みを和らげることを目標にしています。
医療現場の場合、患者さんの多くは不安を抱えており、この不安に寄り添うように接することが重要です。
上下関係ではなく対等な関係を築くこと
医療接遇という考えは、かつての医療現場で多く見られた「治してやっている」「対応してやっている」といった姿勢への反省から生まれています。上からの立場ではなく、対等に接することで、患者さんの不安や悩みを和らげる「医療接遇」につながります。
医療接遇を実施するメリット
・増患や増益
・スタッフのモチベーションの向上
・医療スタッフの労働時間の短縮
トラブルを未然に防ぐためにも医療接遇は重要です。しかし医療接遇を知ることによるメリットはそれだけではありません。医療事務の場合でも、「医療接遇」を知ることで、自分の業務に付加価値を生み出すことができます。
増患や増益
医療接遇を向上させることで患者さんのリピート率が増えると考えられています。医療機関の設備や施術の質はもちろん重要ですが、それ以前に信用・信頼を与えて患者さんに安心を与えることで、医療機関の「増患・増益」につながります。
医療スタッフの労働時間の短縮
トラブルを未然に防ぐ効果のある医療接遇は、労働時間へも影響します。「医療接遇」を十分に果たせなければ、患者さんとの信頼関係構築やトラブル対応に大きく時間を使わなければいけません。こうした業務を減らすのも、「医療接遇」の重要な役割です。
医療事務に求められる「医療接遇」のスキルとは?
・基本の接遇
・傾聴力
直接的に診断を下すことがない医療事務職であっても、医療接遇のスキルは重要です。では具体的に医療接遇ではどのようなスキルが求められるのかをご紹介します。
基本の接遇
挨拶や身だしなみ、表情、態度といった項目は基本的な医療接遇です。患者さんとのコミュニケーションの入り口とも言えます。
良好・良質なコミュニケーションを重ねることは患者さんの病状を知るだけでなく、不安を和らげる効果もあります。
傾聴力
医療接遇の特徴として、傾聴力が挙げられます。病気や症状を直したいと思い不安を抱いている患者さんにとって、話を聞いてもらうことは安心感に直結します。
傾聴力は、その後の質問をしやすくするだけでなく、提供できる医療サービスの質にもつながる重要な項目です。
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患者サービスを向上させる医療での接遇マナー3つのコツ
医療接遇ですが、では具体的にどのように実行していけばいいのでしょうか。ここでは基本的な3つのマナーをご紹介します。
アイコンタクト
視線を合わせることは医療接遇にとって重要な要素です。しかし、初対面であまりにも視線を合わせてしまうのは緊張を生む危険もあります。眉間や鼻の付け根をみるなどして、視線を向けながらも、緊張を緩和する工夫が医療接遇では重要です。
言葉遣い
言葉遣いも、医療接遇の現場では重要です。患者様の多くは、年上であることも多く、特に言葉遣いが見られているので注意しましょう。丁寧語・謙譲語・尊敬語をしっかりと使い分け、なるべく相手に不自然な印象を与えないよう心がけましょう。
心遣い
き……気配り
め……目配り
こ……心配り
ま……真心を込めて
か……考える
「木目細か医療」という標語も提唱されています。「心遣い」と一口に言っても、その内容についてはそれぞれ違うものです。医療接遇を意識する場合には、上記のような対応を意識してみましょう。
医療接遇の向上に取り組み適切な医療サービスを
医療接遇は医療機関においてなくてはならない重要なものです。サービス向上だけでなく、労働時間の削減や増益にも効果を発揮します。医療の現場では「お客様」に与えるサービスではなく、「患者さん」に対して同じ目線に立ち医療を施すことが重要です。
医療接遇のスキルを磨くことで、より自分の業務の付加価値を高められるでしょう。ソラジョブでは、医療に関する情報の掲載や研修、医療求人の取り扱いなども行っています。興味のある方はぜひ確認してみてください。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。