特定機能病院とは?役割や定義・要件、仕事内容について解説!
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2021/06/17
特定機能病院をご存知でしょうか。通常の病院と同じく医療を提供する目的は同じですが、その役割や定義に違いがあります。今回は特定機能病院についてその役割や仕事内容、そして求人例もご紹介していきます。
目次
特定機能病院とは?
特定機能病院とは、高度な先端医療が提供可能な病院を指します。加えて高度な先端医療の開発やその検証も行っているため、保険適用前の最先端医療を提供している病院でもあります。
1992年に改正された医療法によりその区分が設けられ、2020年5月1日時点では86施設が承認を受けています。
特定機能病院の定義
医療施設機能の体系化の一環として、高度な先端医療の提供のみならず、開発や研究を実施する能力を備えている施設のことを指します。主に大学病院やがんセンターなどから構成されています。
特定機能病院としての区分は、厚生労働大臣が個別に承認。高度な医療の提供や開発、研修の能力以外にも、承認に必要な要件が多くあります。
以下はその一例です。
・400床以上の病床を有する
・16以上の診療科を有する
・通常の2倍程度の医師の配置が最低基準
・集中治療室、無菌病室、医薬品情報管理室を有する
など
このように厳しい承認要件を満たさなければならない高度医療施設が特定機能病院なのです。
特定機能病院の役割
特定機能病院の大きな役割である高度な医療提供とはどういったことを指すのでしょうか。
それは「一般病院では対処できない病気や怪我などに対応できる医療技術」です。高度医療に対する開発や研究も進んでいるため、迅速な先端医療の提供が可能です。
また高度な治療を必要とする患者さんへ迅速に対応できるように、特定機能病院として区分されています。
そして特定機能病院として役割を担うことで、現場での技術水準が上がり、医療技術全体の進歩の先駆けとしての役割も果たすのです。
一般病院との違いは?
特定機能病院は具体的に一般病院とどのような違いがあるかについても確認していきます。
紹介でのみ受診が可能
一般病院は誰もが受診可能であり、いつでも自由に来院できます。一方で特定機能病院の場合は「紹介制」のみでの受診です。一般病院で診療や治療を受けた上で、さらに高度な医療が必要な場合に、特定機能病院への紹介が受けられます。
人員配置の規模
特定機能病院として承認される要件に、人員配置があります。
・医師:一般病院の約2倍
・薬剤師:入院患者数÷30(一般は÷70)
・看護師等:入院患者数÷2(一般は÷3)
上記のように、特定機能病院は一般病院よりも多くの医療従事者の配置が必要です。
地域完結型での医療体制ではない
地域のかかりつけ医としての役割はなく、高度な医療の提供が必要な患者さんに対してのみ機能します。
かかりつけ医としての役割を持つ一般病院と機能分担することで、高度な医療を必要とする患者さんに優先的に治療に専念できる環境です。
そのため特定機能病院で働く方は、患者さんとより密接な関係になる傾向にあります。また医療の最前線に立ち、高度な医療に関わることができるやりがいのある職場なのです。
特定機能病院のメリット・デメリット
特定機能病院への就職や転職を検討している方は、メリットやデメリットも押さえておくと良いでしょう。
特定機能病院のメリット
・高度な最先端医療に触れられ、高い技術力や知識が身に付けられる
・福利厚生が充実している
・資格取得のバックアップ体制が充実している
特定機能病院の最大の特徴は、高度な先端医療が身近にあること。そのため働くうちに、高い技術力や知識が身に付く環境があります。
また「高度な医療研修」も行っており、研修会や勉強会、新薬の説明会などでは高いレベルの知識が習得できます。
保育所や学童施設、育児休業なども充実しており、働きやすい環境が整っている点も魅力的です。
特定機能病院のデメリット
・特定機能病院の承認が取り消される可能性もある
・その場合に経営へのダメージが大きい
特定機能病院は医療事故などが発生した場合は、承認が取り消されてしまいます。実例ですと、東京女子医科大学や群馬大学医学部附属病院では、患者さんが死亡する医療事故の発生により承認が取り消されています。
このような場合、先進医療の新規患者の受け入れが停止され、経営へのダメージは深刻です。年数億円の減収になるともいわれ、収入や待遇にも影響が出る可能性があります。
特定機能病院での仕事内容について
一般病院とは異なり、高度な医療を提供する最先端の場である特定機能病院。医療の最前線ということからも、技術や知識も高いレベルのものが求められます。そのため挑戦しがいのある職場であり、自己成長のためには最適な環境といえます。
基本的に一般病院と働き方が大きく異なるわけではありません。しかし重病疾患のある患者さんがほとんどであるため、現場の緊張感や忙しさは一般病院を上回るでしょう。
特定機能病院における医療事務の仕事内容
特定機能病院の多くは大学病院であり、大規模です。そのため医療事務も業務や担当が細分化され、専門性が求められます。
例えば医療事務の入院計算に所属する場合は、入院患者さんの請求業務や保険請求業務などを担当。医療費は一般病院と比較すると高額になる傾向があるため、正確さもより一層求められます。
また受付業務では、病院の特性上さまざまな患者さんの対応をするため一般病院では経験できないことも多く、やりがいを持って医療接遇のスキルを高めていくことができます。
特定機能病院の求人例
職種 | 医療事務(総合受付)その他、外来会計等 |
---|---|
仕事内容 | 駅から徒歩約3分、通勤に便利な大学附属病院で医療事務の求人募集! 大学病院で、外来患者さんの初診再診受付、保険証確認や患者情報登録がメインのお仕事。仕事に慣れるまで、部署の先輩・上司がしっかりサポート。人を育てる土壌があるので、安心してご応募ください。 750床の病床を有し、この地域一帯において特定機能病院・災害拠点病院としての役割を担っています。また、第三次救命救急センター、地域がん診療連携拠点病院の指定を受け、先進医療、救命救急医療の担い手となっています。病院内にはさまざまな医療事務のお仕事があるから、あなたに合った部署からキャリアをスタートできますよ。 あなたのご経験を活かして、地域医療に貢献しませんか。 |
給与 | 月給157,650円~ ※経験による 交通費全額支給 |
雇用形態 | 契約社員 |
勤務時間 | (1) 08:30 〜 17:00 [ 月 火 水 木 金 ] ※祝休 (2) 09:30 〜 18:00 [ 月 火 水 木 金 ] ※祝休 (3) 08:30 〜 13:00 [ 土 ] ※祝休 第1・第3・第5土曜日 (4) 09:30 〜 14:00 [ 土 ] ※祝休 第1・第3・第5土曜日 |
応募資格 | 学歴不問・無資格OK |
社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
求人の特徴 | 健康診断、育児・介護休暇、育児・介護短時間勤務制度、制服貸与、財形貯蓄制度、資格取得支援制度、資格取得奨励金制度、社員持株会制度、ウェルカムバック制度 |
特定機能病院における医療事務の求人例です。750もの病床数を誇るため、多くの患者さんが訪れる大規模な病院です。そのため院内にはさまざまな医療事務の仕事があります。
無資格からでも可能であり、資格取得のサポートも手厚く、学びながらスキルアップすることができる環境と言えるでしょう。
特定機能病院の役割や一般病院との違いを押さえよう
特定機能病院は規模も大きく、高度な先端医療を提供する病院です。そのため働く上でもレベルの高い技術力や知識が求められます。現場のレベル、自然とスキルアップしやすい環境と言えるでしょう。
一般病院との違いや役割を押さえたうえで、特定機能病院への就職や転職にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
この記事は役に立ちましたか?
このコラムをシェアする
著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。