病院事務は資格なしでもなれる?資格を取るメリットや役立つ資格について

「病院事務として働くには資格が必要なのでは…」と考える方も多いのではないでしょうか。実は特定の資格を持っていなくとも就業できるのが、病院事務のメリットでもあります。今回は病院事務の資格について、資格を取るメリットや役立つ資格を詳しくご紹介します。病院事務への就業や転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

病院事務に資格は必要?

病院事務は、病院や配属による場合もありますが、資格がなくとも働けることが多い職種です。そのため未経験や無資格の方、初めて医療機関に携わりたい方にもおすすめできます。とはいえ資格がなくても働けることが多い一方で、業務には医学やレセプトなどに関する専門知識が求められます。
そのため該当資格を持っていると、就業にあたり有利になるもことは間違いありません。また資格でなくとも、一般企業で事務員として働いていた経験がある方も、資格がある方と同様に有利になる可能性は高いでしょう。

病院事務で資格を取るメリット

資格がなくともなれる病院事務ですが、資格を取るメリットはたくさんあります。たとえば資格があれば、未経験からでも意欲や知識があることを証明できます。これにより担当できる仕事の幅が広がり、キャリアアップに繋がっていくでしょう。また病院や資格によっては、給与面で優遇されることがあるのもメリットといえます。
病院事務は一般企業の事務とは異なり、医療や保険に関する専門的な知識が必要な業務も多くあります。そのため採用側も知識や意欲のある方を採用したいと思うはずです。未経験の方が採用の場で経験や資格のある方と同等に戦うには、資格取得をおすすめします。

病院事務で役立つ主な資格

病院は規模が大きい医療機関であることからも、病院事務の役割も多岐にわたります。そのため病院事務で役立つ資格もさまざまです。まずは病院事務の仕事内容や役割を理解した上で、幅広く活用でき、かつ難易度の低い資格から取得を目指してみると良いでしょう。
資格を取得して損をすることはありません。転職や就業を検討している段階であれば、就業したい病院や今後自分が担当したい業務に合わせて、資格取得を目指してみましょう。
以下ではそれぞれの資格について、詳しくお伝えします。

医師事務作業補助者に関する資格

病院事務の主な業務の1つに、クラーク業務があります。クラークは別名「医師事務作業補助者」とも呼ばれ、医師の右腕となって事務作業を専任でサポートするポジションです。クラーク業務は外来に配属される「外来クラーク」、病棟に配属される「病棟クラーク」の2タイプがあります。配属先によって業務内容は異なりますが、主に医療文書の作成や診療記録などの代行入力などを行います。それらの業務に役立つのが、上記3つの資格です。

医師事務作業補助者実務能力認定試験

この試験では、クラーク業務に必要な知識やスキルのレベルが客観的にわかります。試験は、学科と実技の2つから構成。学科はマークシート方式で、主に医療関連法規や医療保険制度、文書作成や医学知識などに関する内容です。実技では、診断書や診療録などの書類作成を実際に行います。合格基準は原則として、正答率60%以上とされています。

診療情報管理士に関する資格

診療情報管理士とは、カルテ管理や医療内容のデータ化、分析などを行う職種です。カルテに特化した業務を行う場合には、診療情報管理士の資格取得がおすすめです。

診療情報管理士認定試験

試験は基礎分野と専門分野に分かれており、科目範囲が幅広い点が特徴です。専門の学校や通信教育を修了している方のみ受験できる試験ですが、合格率からみてもその難易度は高いといえます。この試験に合格することで病院事務としてのキャリアアップだけでなく、診療情報管理士としてのキャリアも開けます。

医療事務に関する資格

病院事務は医療事務の一種であり、病院に勤めている点が一般的な医療事務との大きな違いです。病院は規模も大きいため、任される業務の幅やレベルも高いといえます。そのため上記のような資格があることで、より専門的な業務ができるようになります。

医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)

試験では医療機関での受付業務や、診療報酬請求などのスキルが問われます。40年以上実施されており、医療事務資格の中ではもっとも知名度の高い試験です。日本最大級の医療事務試験であるため、病院事務として長く働きたい場合には受験がおすすめです。月1回のペースで開催されているため、働きながらでも取得しやすいといえます。

資格を取得する時の注意点

資格は取得することでさまざまなメリットがありますが、以下の注意点を押さえた上で資格取得を目指しましょう。

資格取得をゴールにしない

資格取得は、転職やキャリアアップなどに役立つものです。あくまで手段であり、資格取得がゴールではありません。そのため資格を取得して満足せず、身につけた知識や技術を面接や業務にどう活かしていくかが重要です。もちろん仕事のモチベーションのために、資格取得を1つのゴールとするのも良いでしょう。しかしその先に本来のゴールがあることを忘れないようすることが大切です。

仕事内容に合った資格を取得する

資格は持っていて損することはありませんが、取得には時間と手間がかかります。病院事務は担当業務の幅も広いことから、どんな資格を取得すべきか判断するのも難しいでしょう。その場合は、仕事内容に合った資格取得がおすすめです。この基準で資格を取得する場合は、就業後に病院や配属先の仕事内容を見てから、取得する資格を決めることになるでしょう。そのため面接時に資格がない場合には、資格取得からスキルアップする姿勢や熱意をアピールすることが重要です。

病院事務は資格があれば、さまざまなメリットがある

今回は病院事務の資格について詳しくご紹介しました。
病院事務は資格保有が必須ではありませんが、資格があればキャリアアップや給与面でメリットがあります。また業務では専門的な知識や技術が求められるシーンも多々あるため、資格取得で身につけたものが活かせます。ぜひご自身の目指す病院事務の仕事内容や目的に合った、資格の取得を目指してみてください。