「医療事務はやめておけ」ってホント?悪い評判について調査
著者: そだねー
更新日:2025/07/23
公開日:2022/11/24
「医療事務はやめておけ」そんな言葉を見聞きして、不安を感じている方もいるかもしれません。医療事務の仕事には大変な面や厳しい現実もありますが、それだけで判断するのは早計です。この記事では、「医療事務はやめとけ」といわれる理由や、それでも医療事務を選ぶ価値、楽しく働ける環境の見つけ方についてお伝えします。
目次
医療事務はやめとけといわれる理由7選
医療事務は「やめとけ」といわれることもありますが、その背景には職場環境や仕事内容に関する厳しい現実があります。ここでは、代表的な7つの理由を見ていきましょう。
中にはブラックな職場もあるため
医療事務の職場は、病院やクリニックなどさまざまですが、忙しさや雰囲気、職場の方針は施設ごとに大きく異なります。とくに医療業界では人手不足が深刻のため、十分な人員が確保されていない職場では、1人あたりの業務負担が重くなることも多いです。
そうした環境では心身ともに余裕を失いやすく、人間関係のトラブルや業務への不満も発生しがちです。その結果、「ブラックな職場」と感じてしまうケースもあるでしょう。
人間関係が大変なため
医療事務は多職種と連携する仕事のため、医師や看護師、技師など、さまざまな立場の人と関わる機会があります。その分、相性の合わない人や価値観の違う人と接する機会も多いでしょう。
とくに、小規模な医療機関では限られた人数で働くため、一度関係がこじれると職場の雰囲気に大きく影響します。上司や同僚との関係にストレスを感じると、出勤すること自体が苦痛になることも多いです。
クレーム対応に追われやすいため
医療事務は患者さんとのやり取りが多く、感謝の言葉をもらえるなどやりがいを感じる場面もあります。その一方で、クレーム対応に追われることも少なくありません。
とくに窓口業務では、対応や待ち時間への不満、スタッフの態度などに対して患者さんから直接不満をぶつけられることもあります。ときには理不尽な言葉を受けることもあり、精神的な負担を感じやすいのが現実です。
業務範囲が広いため
医療事務は日々患者さん対応をしながら書類やレセプト作成をするなど、マルチタスクに追われます。医療事務の主要な業務である受付やレセプト以外にも、さまざまな業務をこなす方も少なくありません。業務の幅が広い分やりがいのある仕事といえますが、人によっては大変と感じることもあるようです。
業務量に対して収入が低いと感じやすいため
医療事務は専門的な知識を求められる一方で、他職種と比べて収入が低いと感じる人も少なくありません。とくに、未経験・無資格からスタートする場合は、経験者や資格保有者と比べて初任給が低く設定されることが一般的です。また、業務量の多さに対して報酬が見合っていないと感じる場面もあります。
ただし、実務経験を積んだり、資格を取得したりすることで、昇給や待遇改善につながるケースが多いです。努力次第でキャリアアップとともに収入面の不満も解消されやすい仕事であることを覚えておきましょう。
専門的な知識が求められるため
医療事務は未経験・無資格からでも始められる仕事ですが、長く活躍するためには専門的な知識も必須です。レセプト請求や診療報酬、保険制度などの基本知識を学ぶほか、頻繁に行われる制度改正についても、常に最新の情報をチェックし続けなければいけません。
そのため、資格取得を目指す、継続的にスキルアップを目指すなどの取り組みが必要です。自分の成長を感じられる医療事務ですが、働きながら学び続けることに負担を感じることもあるでしょう。
職場によって休みが不規則であるため
規模の大きな病院などではシフト制勤務が一般的で、土日祝日や夜勤が発生することもあります。そのため、会社員のようにカレンダー通りの休日を取るのが難しく、周囲に合わせた休みが取れないことも。
一方で、小規模なクリニックなどでは診療日に合わせた勤務が多く、比較的休日を取りやすい環境もあります。職場の規模や方針によって休みの取りやすさは大きく異なるため、自分のライフスタイルに合った職場選びが重要です。
大変なだけじゃない!医療事務の5つの魅力
ブラックなイメージを持たれがちな医療事務ですが、医療事務として働くことは悪いことばかりではありません。医療事務をやめたい、将来医療事務を目指すか不安に感じている方は、医療事務として働くメリットも押さえましょう。
将来性が高い
高齢化により今後医療需要はますます増加するのに加え、AIには代替できないコミュニケーションが重視される職種である点で、医療事務は将来性が高い職種といえます。現状でも人手不足にある医療事務は、今後少子高齢化により状況は悪化しつつあります。
今から医療事務になれば将来的にスキル・経験も十分な状態で働くことができ、手に職をつけて長く働き続けることができます。
ブランクがあっても復帰しやすい
医療事務は経験が重視される職種である点で、長い目で見ると働くメリットが大きいといえます。具体的には、出産・育児で一度職を離れても、過去の経験があれば復帰先が見つけやすいといったケースも。
そして医療機関という特性上、職場の選択肢も多く、どの地域に行っても就職・転職先が見つけやすい点もメリットの1つといえます。結婚や家庭の事情で引っ越しが発生しても、働き口が多いため仕事探しに困ることは少ないでしょう。
未経験・無資格でも始められる
国家資格が必要とされる職種が多い中で、医療事務は未経験・無資格からでも始められる職種です。この点が医療事務の悪い点に影響しているのも事実ですが、一方で学歴や経験、資格が問われずに仕事に就ける点はメリットといえます。
「手に職をつけたい」「将来性のある安定した仕事がしたい」となった場合、多くは仕事に就くまでの難易度が高いことが多いでしょう。しかし医療事務は敷居が低いため、多くの人にチャンスがあります。
キャリア・給料アップしやすい
医療事務は勤続年数を重ねる、資格を取得することでキャリア・給料アップが目指しやすい職種です。頑張り次第で昇給・昇格も可能であるため、仕事を続けるモチベーションも持ちやすいといえます。未経験・無資格から医療事務になった場合でも、経験を積み、資格を取得することで目に見える成長が実感できる点でやりがいも大きい仕事です。
働き方の選択肢が幅広い
医療事務の雇用形態には、正社員だけでなく、パート・アルバイト、派遣社員など多様な選択肢があるのが大きな特徴です。家庭と両立しながら短時間勤務を希望する方もいれば、将来的なキャリアアップを見据えて正社員を目指す方もいます。ライフスタイルやライフステージに応じた働き方を選べることは、非常に大きなメリットといえるでしょう。
医療事務に向いている人の特徴
医療事務に限らず、どの仕事も悪い点はあります。そして最終的にその仕事を続けていくか否かは、向き・不向きも関係します。医療事務の適性があるのなら、将来性もあり手に職がつけられる医療事務をやめるのはもったいないです。ここでは、医療事務に向いている人の特徴をご紹介するため、ご自身に適性があるかをチェックしてみてください。
人と関わることが好き・苦でない
医療事務は患者さんをはじめ、医師や看護師など多くの人と関わる立場にあります。日々多くの人と接するため、人と話すことが好き、関わることが苦でない方には適職です。医療機関の顔としての役割も持つため、どんな状況でも笑顔で対応できる人、コミュニケーション能力に自信がある人は医療事務として活躍できます。
丁寧に仕事できる
医療事務の仕事はスピード勝負である一方、正確性が求められます。カルテの内容を間違えない、データを正しく入力することなど、丁寧に仕事を進めることが重要です。集中力を保って業務に臨める、緻密な作業を苦に感じない人は医療事務に向いています。
人に感謝されることにやりがいを感じる
医療事務は、患者さんに感謝されることも多い立場にあります。人の役に立ちたい、感謝されることにやりがいを感じる方は医療事務に向いています。この点にやりがいが感じられれば、辛いことがあっても仕事を続けるモチベーションにもつながります。
医療事務の仕事に向いていない人の特徴は?
・細かい作業や確認が苦手な人
・コミュニケーションが苦手な人
・感情的になりやすく、冷静な対応ができない人
・変化に対応するのが苦手な人
医療事務は、保険制度や診療報酬など複雑な情報を正確に扱うため、細かい作業が苦手な人には負担に感じやすい仕事です。また、人間関係の構築も重要なため、積極的にコミュニケーションを取るのが苦手な人にはストレスが溜まりやすいといえます。とくに患者さん対応では、クレームや問い合わせに冷静かつ丁寧に応じる力も必要です。
そのほか、制度の変更や医療機関ごとのルールに対応する柔軟性も求められます。こうした点に苦手意識がある場合、医療事務の仕事を続けるのは難しいといえるでしょう。
やりがいを持って楽しく働ける!医療事務の職場選びのポイント
・働くうえで求める優先順位を整理する
・求人の募集要項に詳細が書かれているか確かめる
・職場見学をして院内の雰囲気を見る
医療事務としてやりがいを持って働くには、自分に合った職場を選ぶことが大切です。まずは「人間関係の雰囲気」「教育体制の有無」「休日や勤務時間」など、自分が働くうえで大切にしたい条件を整理しましょう。求人を見る際には、募集背景や年間休日、平均勤続年数といった情報が明記されているかもチェックポイントです。
また、可能であれば職場見学を申し込み、実際の職場の雰囲気を自分の目で確かめて見てください。納得のいく環境で働くためには、事前の情報収集が欠かせません。
「やめとけ」といわれても医療事務として働きたい!転職も1つの道
医療事務はやめとけといわれる理由は多々ありますが、すべての人に当てはまるわけではありません。また、医療事務は手に職をつけられる専門性の高い職種であり、将来性も高いなど働くメリットもあります。働くメリットや適性をふまえ、医療事務として働き続けたいが今の職場は難しいという場合、転職も1つの道です。
ソラジョブでは全国の豊富な医療医務求人を扱っています。さまざまな働き方の求人があるため、自分の希望にあった条件で一度検索してみてください。
この記事は役に立ちましたか?
このコラムをシェアする
著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。