メディカルクラークと医療事務の違いについてわかりやすく解説!
著者: そだねー
更新日:2023/12/22
公開日:2023/02/09
女性を中心に人気の職種である医療事務は、専門性や将来性が高いとして目指す方も多くいます。医療事務について調べると、メディカルクラークをはじめさまざまな名称のポジションを目にすることがあるでしょう。今回はメディカルクラークと医療事務の違いについて、詳しく解説します。
目次
メディカルクラークと医療事務の違い
結論、メディカルクラークは医療事務資格の1つであるため、職種的には医療事務と違いはありません。メディカルクラークは「医療事務技能審査試験」に合格することでその称号が得られます。つまり、メディカルクラークとは、医療事務技能審査試験の資格を持つ医療事務のことです。
同じ医療事務だけど違いはある?
医療事務の資格の1つであるメディカルクラークですが、一般の医療事務との違いはメディカルクラークが医療事務業務全般のスペシャリストである点です。医療事務は未経験・無資格からでもなれる職種ですが、その中には多くの資格が存在します。全て民間資格であるものの、医療事務としての知識・技能の高さを証明することができるため、就職・転職で有利になります。その中でメディカルクラークの称号が得られる医療事務技能審査試験は、診療報酬請求や患者接遇など、医療事務業務全般における高い技能を持つことが証明される資格です。
医療事務の仕事内容や役割、資格種類
メディカルクラークは医療事務資格の1つであるため、役割や仕事内容に違いはありません。ここでは、メディカルクラークを含む医療事務の役割や仕事内容、資格種類についてご紹介します。
医療事務の仕事内容
医療事務の仕事内容は幅広く、主に以下のような業務を担当します。
・受付、会計業務
・レセプト業務
・クラーク業務
多くの医療事務がメインで担当するのが、受付・会計業務とレセプト業務です。来院患者さんの保険証確認や診察後の会計、そして診療報酬明細書を作成するのが日々の主な業務となります。なかでもレセプト業務は病院の経営に関わる重要な業務であり、医療事務の専門性が発揮されるものです。一方、クラーク業務は「外来クラーク」と「病棟クラーク」に分けられます。外来クラークは患者さんと看護師の橋渡し役となり、受付や電話対応、カルテや検査準備など幅広い業務を担当。病棟クラークは入院病棟における事務作業全般を担当し、具体的には入退院手続きや手術・検査スケジュールの管理などを行います。クラーク業務は総合病院のような大規模な医療機関において、専任で配置されるケースが多くみられます。
クラークってどういう意味?
メディカルクラークにも名称としてついていますが、そもそも「クラーク」とは「事務員」を意味する言葉です。そのためメディカルクラークは直訳すると「医療的な事務員」であり、意味合いは医療事務と同じです。
医療事務の役割
医療事務の役割は病院運営を支えることに加え、病院の顔であることです。医師や看護師などが診療・治療に専念できるのは、医療事務が事務業務全般を受け持っているからこそ。縁の下の力持ちとして病院運営を支えているのは医療事務であり、病院運営において医師や看護師と同様に重要な役割の一つです。特に医療事務が担当するレセプト業務は、病院の収入を請求する重要な業務です。また患者さんが来院して1番に顔を合わせるのは、医療事務です。そのため、病院の印象も医療事務の対応次第で決まると言っても過言ではありません。病院は患者さんからの信頼があってこそ経営し続けられます。医療事務は運営を支えるだけでなく、病院の評判にも関わる重要な役割を担うのです。
医療事務の資格種類
メディカルクラークのほか、医療事務には以下のようにさまざまな資格があります。
・診療報酬請求事務能力認定試験
・医療事務管理士技能認定試験
・医療情報実務能力検定試験
・医療事務検定試験
・医事コンピューター技能検定試験
・医療事務技能認定試験
その中でも下記2つの資格は、取得することでメディカルクラークのように職種として名称がつきます。
医療事務管理士技能認定試験 | 医療事務管理士 |
---|---|
医療情報実務能力検定試験 | 医療事務実務士 |
医療事務の資格は全て民間資格であり、業務にあたり資格が必須というわけではありません。そのため、資格取得はスキルアップや就職・転職に有利にするために取得する方が多いものです。職場によっては資格手当がつく場合もあり、給料アップにもつながります。
メディカルクラークの資格について
メディカルクラークとして働くには、医療事務技能審査試験の資格取得が必要です。ここでは、メディカルクラークの資格について詳しくご紹介します。
医療事務技能審査試験とは
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)は、一般社団法人日本医療教育財団が主催する資格試験です。医療事務業務に従事する方の知識・技能の程度を審査・証明し、医療事務職の職業能力の向上と社会的経済地位の向上を目的に実施されています。試験は医科・歯科の2つに分かれています。医療事務技能審査試験は昭和49年から実施されており、医療事務資格の中でも歴史と実績を誇る資格である点が特徴です。そのため医療業界でも評価が高く、医療事務職として求められる能力があることを証明できるなど取得するメリットが多くあります。
医療事務技能審査試験の概要
下記は、医療事務技能審査試験の概要です。
受験資格 | 特になし |
---|---|
試験日程 | ・医科:年12回(毎月実施) ・歯科:年6回(5・7・9・11・1・3月実) |
試験実施方法 | 在宅受験 |
試験内容 | ・実技Ⅰ:患者接遇/筆記(記述式)/2問/50分 ・学科:医療事務知識/筆記(択一式)/25問/60分 ・実技Ⅱ:診療報酬請求事務/診療報酬明細書点検/4問/70分 |
受験料 | 7,700円(税込) |
合格基準は、学科試験と実技試験Ⅰ・Ⅱの全ての得点率70%以上です。全てが70%に到達しない場合は合格にはなりませんが、その中で70%以上に到達した科目があれば、半年以内に再受験することでその科目が免除されます。
受験申し込みは当該試験日の2ヶ月〜3週間前までとなり、合皮結果は試験日から約1ヶ月後に郵送で通知されます。医科と歯科の併願はできないため、どちらか一方のみの受験となります。
医療事務技能審査試験の難易度
医療事務技能審査試験は、学科試験と実技試験Ⅰ・Ⅱの全ての得点率が70%に達することで合格となります。試験は医科で毎月実施され、歯科も年6回と受験チャンスが多く、不合格であっても3科目全て受験した上で70%以上得点している科目があれば半年以内の再受験で科目免除になります。科目免除の制度や試験日が多い点で難易度はそこまで高くない資格と言えるでしょう。
メディカルクラークを目指したい!おすすめの求人例
メディカルクラークは医療事務のスペシャリストであることが証明できる資格であるため、資格を取得するにあたり、まずは実務経験を積むことがポイントです。資格自体の難易度は高くはありませんが、実務経験があってこそ活かせる資格です。そのため未経験からメディカルクラークを目指したいという方は、まずは未経験OKの職場で医療事務を始めることがおすすめです。ここでは、未経験・無資格OKのおすすめの医療事務求人例をご紹介します。
職種 | 医療事務(外来受付) |
---|---|
仕事内容 | 赤羽橋・芝公園・麻布十番エリア!未経験OKの医療事務スタッフ 求人!港区三田にある、東京都済生会中央病院でお仕事をはじめませんか?
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給与 | 月給185,450円~198,450円 ※有資格者優遇(当社認定資格による) |
雇用形態 | 契約社員 期間終了後に正社員へ変更 |
勤務時間 | (1) 08:30 〜 17:30 [ 月〜金 ] ※祝休 休憩60分 (2) 08:30 〜 12:30 [ 土 ] ※祝休 休憩なし/第1・3・5土曜出勤あり 他早番シフトあり |
応募資格 | 学歴不問 必須PCスキル:文字入力 未経験OK |
社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
求人の特徴 | 健康診断、育児・介護休暇、育児・介護短時間勤務制度、制服貸与、資格取得支援制度、資格取得奨励金制度、社員持株会制度、ウェルカムバック制度 |
契約社員からはじめ、期間終了後に正社員へ変更できる未経験・無資格OKの医療事務求人です。資格取得支援制度や資格取得奨励金制度があるため、実務を通して知識・技能が身についたのち、メディカルクラークの資格取得が目指しやすいといえます。
メディカルクラークは医療事務資格の一種!違いはないが、メディカルクラークは医療事務のスペシャリスト
メディカルクラークは、医療事務資格の1つである医療事務技能審査試験に合格することで得られる称号です。そのため医療事務とメディカルクラークに違いはありませんが、メディカルクラークの称号があることで医療事務のスペシャリストであることが証明されます。資格難易度は高くなく、受験資格もないため、まずは医療事務として実務経験を積んでから、メディカルクラークを目指してみてください。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。