ケアマネージャー(ケアマネ)に転職したい!必要な資格、失敗しない転職時期や施設の選び方など
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2019/09/20
ケアマネージャー(ケアマネ)という名称を耳にしたことはあっても、具体的な仕事については知らない方も多いでしょう。ケアマネージャーは要介護者のケアプランの作成・管理などを行う社会的ニーズの高い仕事です。ここではケアマネージャーの仕事内容、必要な資格と取得要件、転職先などについて詳しく解説していきます。
目次
ケアマネージャーへの転職で失敗しないためのポイント2つ
ケアマネージャーは強いやりがいを持って働くことができる仕事ですが、大変な面もあります。ケアマネージャーに転職した後で「こんなはずではなかった…」と後悔しないためのポイントを2つ解説します。
責任のある仕事だと理解しておく
介護サービスは利用者とその家族の生活に深く関わるため、提供する責任の重大さを理解していなければなりません。また、ケアマネージャーは、介護サービスの事業者と介護サービスの利用者の間を取り持つ立場です。事業者が提供できるサービスと利用者の望みを的確に把握して、決められた条件の中から最適なケアプランを作成します。そのためには、各関係者に対して、コミュニケーションを密に行うことが必須です。
ケアマネージャーの仕事に専念できる職場を選ぶ
職場によっては、ケアマネージャーではなくてもできる仕事>介護職ヘルパーとしての仕事についても対応を求められることがあります。現場と関わるのは重要ですが、あまりにそういった仕事が多くあると、業務負担が増えて本来のケアマネージャー業務に集中できません。業務内容については事前にしっかり確認してから転職先を選びましょう。
ケアマネージャーへの転職で給料を上げるためのポイント3つ
ケアマネージャーになりたい理由として「給料を上げたい」という人は多いです。ここでは、ケアマネージャーになる際、またはなった後で給料を上げるためのポイントを3つ紹介します。
・歩合や手当について確認する
・特定事業所加算が付いている事業所を選ぶ
・資格取得や、外部研修を受ける
歩合や手当について確認する
ケアマネージャーの資格やこれまでに取得した資格に対する手当がないか確認して転職先を選びましょう。転職サイトなどの待遇欄には「給与○○万円以上」と最低額のみ表記される場合も多く、実際にいくら支給されるかは面接時に確認しなければならないことがほとんど。歩合や諸手当の金額次第で給与額は大きく変動することがあります。
特定事業所加算が付いている事業所を選ぶ
介護事業所は主任ケアマネが何人在籍しているかなどの人員体制、研修の実施、困難な事例に対するサービスの提供状況など、いくつかの要件を満たすことで特定事業所加算を受けることが可能になります。特定事業所加算を取得している事業所は介護報酬が増えるため、その分給与が高くなる可能性がアップします。
資格取得や、外部研修を受ける
転職で給与アップを図るには、自分自身の市場価値を高めることが重要です。そのために、資格の取得や外部研修の受講、勉強会への参加などを積極的に行うのがよいでしょう。特に取得をおすすめする資格は主任ケアマネです。法改正により、今後は居宅介護支援の管理者が主任ケアマネに限定されますので、取得する意義がこれからより高まっていくでしょう。
ケアマネージャーへ転職するには資格が必要
ケアマネージャーとなるためには、各都道府県が実施する「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し「介護支援専門員実務研修」を修了しなければなりません。
受験資格として以下の業務の実務経験・通算5年以上が必要です。
・医師、歯科医師などの国家資格に基づく業務
・生活相談員
・支援相談員
・相談支援専門員
・主任相談支援員
介護支援専門員実務研修受講試験は年1回(毎年10月頃)実施され、合格率はここ数年で15%~20%と難易度は高めになっています。また、これまで介護資格保有者で介護実務経験5年、無資格で介護実務経験10年の方にも受験資格が与えられていましたが、こちらの要件は2018年から対象外になりましたので注意しましょう。
ケアマネージャーの将来性
ケアマネージャー(正式名称:介護支援専門員)とは、介護保険制度に基づきケアマネジメントを行うための資格および資格保有者です。ケアマネージャーの仕事には、要介護者のケアプランの作成・管理や、要介護認定業務、給付管理業務、要介護者本人およびその家族からの相談業務などがあります。
基本的にケアマネージャーは直接介護支援サービスを行わないため、身体的な負担が軽くなります。女性や年配の方でも従事しやすく、ケアマネージャーになることでリーダーや責任者の立場を任されやすくなり、キャリアアップにも有効です。
ケアマネージャーの社会的需要
厚生労働省によると、介護保険制度が誕生して以来ケアマネージャーは年々増加していましたが、平成20年以降はほぼ横ばい状態となっています。少子高齢化の進む日本において、ケアマネージャーの社会的需要は今後も安定傾向が続くと見るのが一般的なようです。
ケアマネージャーの給料水準
職種 | 給与額(月給) | 年間賞与ほか特別給与額 |
---|---|---|
ケアマネージャー | 26万9,200円 | 62万3,600円 |
ホームヘルパー | 24万1,100円 | 44万300円 |
福祉介護員 | 23万9,700円 | 51万9,900円 |
厚生労働省平成30年賃金構造基本統計調査によると、ケアマネージャーの月額平均給与は26万9,200円となっています。ホームヘルパー・福祉施設介護員と比べると高めの給与となっており、介護業界で働く人の中には「ケアマネージャーになることで給与アップを図る」という目標を持っている方も多いです。
ケアマネージャーの転職先
施設ケアマネージャー
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設などの施設で働く施設ケアマネージャーの場合、主な仕事は施設入居者のケアプラン作成です。施設によっては利用者の介助、送迎などケアマネージャー以外の業務を行うこともあります。施設ケアマネージャーは施設のタイムテーブルに準じて勤務するため、居宅ケアマネージャーのように利用者の都合に合わせたスケジュール調整はあまり必要ありません。
居宅ケアマネージャー
居宅介護支援事業所や、在宅介護支援センターなどに勤務するケアマネージャーは、総称して居宅ケアマネージャーと呼ばれます。居宅ケアマネージャーの仕事は、自宅で介護サービスを必要とする方の相談を受けて、ケアプランの作成、通所介護の紹介、調整など。利用者宅への訪問が多いので、フットワークの軽さが求められます。
ケアマネージャーに転職する最適な時期
ケアマネージャーの求人は毎年9月~3月頃に増加する傾向があります。ケアマネージャーは資格取得のために5年以上の実務経験が必要なので、新卒者がいません。また、介護支援専門員実務研修受講試験の合格発表はおおむね11月~12月。その後に転職活動を開始する人が増えることを考慮すると、求人が増え始める9月・10月頃に照準を合わせて活動を始めるとよいかもしれません。
ケアマネージャーの転職で使える志望動機を作るコツ
転職にあたり、志望動機は悩む方も多いポイントです。ここでは資格取得後に未経験からケアマネージャーとして転職する場合と、経験者として別施設へ転職する場合の2つのパターンから志望動機例をご紹介します。合わせてケアマネージャーの志望動機作成のコツもお伝えしますので、志望動機作成の際の参考にしてください。
志望動機例文:未経験者の場合
これまで一般介護職員として7年間従事してきましたが、よりご利用者さまやご家族に寄り添った介護に携わりたいと考え、ケアマネージャーの資格を取得しました。
ケアマネージャー業務は初めてですが、これまでの現場経験からご利用者さまやご家族に寄り添ったケアプランを作成し、より良い介護の提供に努めたいと考えております。
貴事業所は人材育成にも努めていると存じます。そのため教育環境の整った中でいち早くケアマネージャーのスキルを身につけ、貢献していきたいと思います。
志望動機例文:経験者の場合
特別養護老人ホームで5年間ケアマネージャーとして従事してきました。これまでの経験を活かしてより深くご利用者さまやそのご家族、他介護スタッフと連携を図りながらケアプラン作成に携わりたいと思い、この度貴施設への転職を志望いたしました。
貴施設は「周りとの連携を大切に」をモットーに、ケアプランの作成に注力しながら、施設が一丸となって介護に取り組んでいると存じます。そのような環境でケアマネージャーとしてのスキルを一層身につけ、貴施設に貢献したいと思います。
転職理由を考える
転職の際に志望動機のベースとなるのは、転職理由です。ケアマネージャーが転職を考える理由はさまざまですが、よく見られる転職理由には以下のような内容が挙げられます。
・給料をあげたい
・職場の人間関係に悩みや不満がある
・現在の職場でのケアマネージャーの仕事量が多い
・ケアマネージャー業務に専念したい など
転職理由はありのままを正直に話しすぎてしまうと、ネガティブな印象を持たれてしまう可能性もあります。そのためうまい具合にポジティブな内容に置き換えて、良い印象を与えられるような転職理由を再考しましょう。たとえば給料アップは、スキルアップやキャリアアップに伴うものです。給料を上げるために別施設やケアマネージャーへの転職を決めた場合は、スキルアップやキャリアアップを志望動機に組み込んでみてください。
ケアマネージャーとして成し遂げたいことを述べる
未経験者の場合はなぜケアマネージャーになったのかを踏まえて、転職先でケアマネージャーとして成し遂げたいことを志望動機に盛り込みましょう。この際にケアマネージャーとして自分が応募先に貢献できることや、できる仕事をアピールすると高ポイントです。経験者は自分がケアマネージャーになった理由を今一度振り返り、自分自身を見つめ直す機会も踏まえてケアマネージャーとして成し遂げたいことを考えてみてください。
応募先の施設へ転職しようと思った理由
数ある介護施設の中で、なぜ応募先を選んだかの理由を踏まえることで、より熱意が伝わる志望動機が作成できます。そのためにはホームページやパンフレットなどで応募先の情報収集をしっかりと行い、特徴や魅力、理念などを絡めて志望動機を作成してください。
ケアマネージャーは需要が高く給料も比較的高め!なるには資格が必要です
介護関連職種の中でもケアマネージャーは給与、そして社会的需要も高い仕事です。ケアマネージャーになるためには介護支援専門員実務研修受講試験に合格する必要があります。毎年、合格率は20%程の試験なので難易度は高めです。しかし合格するとその分、介護サービスにおいてできる業務が幅広くなり、やりがいも大きく感じられるようになります。将来性のある仕事としておすすめできる職種です。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。