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介護をIT化していく背景とは?メリットデメリットや導入事例を紹介

著者: ゲートウェイ

更新日:2023/12/22

公開日:2020/05/14

少子高齢化が深刻化していく中で、限られた人員で最適な介護サービスを提供することが、介護業界での今後の課題です。その解決策の1つとして、介護現場へのIT導入が注目されています。本記事では介護をIT化していくことになる背景や、ITを導入するメリットデメリットを、事例を交えて紹介します。

介護がIT化されるようになっていく背景とは?

介護がIT化されていく背景には、様々な時代背景や社会的な問題があります。ITを介護現場に取り入れることにより、今後どのように介護業界が変化していくのかを理解しておきましょう。

少子高齢化が深刻化して介護現場に影響を与えている

まず1つ目は、少子高齢化が深刻化して介護現場に影響を与えていることです。どの介護福祉士現場でも人手不足の問題は深刻になっており、今後さらに労働人口が減っていくことが考えられます。こうした人手不足を解消する方法として、IT導入が注目されています。IT化を進めることで、1人1人の生産性を高めることで、人手不足を補おうとしているのです。

多くの介護サービス企業でIT化が遅れている

介護サービスを提供している企業の約9割が従業員数100名以下です。それらの企業ではリスクを冒してまでITを導入しようとするのは難しいのが現状です。そのため介護業界全体でITの導入が遅れているのです。こうした状況を受け、介護現場へのIT導入を推進するために、補助金制度を設けるなど国は様々な対策をとっています。そのため、今後はIT化が早いペースで進んでいくことが期待されています。

介護をIT化するメリット

介護現場をIT化することにはいくつかのメリットがあります。それらのメリットを最大限に利用することで、業務を効率化するとともに従業員の負担も軽減され、より良いサービス提供ができるようになると期待されています。メリットについてもしっかり確認しておきましょう。

介護業務を効率化できる

1つ目は、介護業務を効率化できることです。人員不足に悩んでいる介護サービス企業が多いことから、限られた人数で成果を出すために業務効率を上げる必要があります。ITを活用すれば、介護記録や利用者情報の管理が容易になるため、従業員の労働負担は大幅に軽減できます。それにより離職率を低下させて職員の定着を促し、長期的に介護現場で力を発揮できる環境整備につながります。

業務連携が円滑になる

ITを導入すれば、利用者のデータを自治体や近隣の病院、健康保険組合や保険会社と情報共有しやすくなるため、正確な情報を関係者間でタイムリーに入手し、利用者にとって最適なサービスの提供につながります。また、関係者同士の情報伝達ミスも防ぎやすくなるため、リスク管理の面からもIT導入のメリットは大きくなります。

様々なデータを活用して介護の質を向上できる

ITを活用することで、介護者の業務負担量や利用者の介護必要度を計測し、最も人手が必要になる時間帯を把握したり、ロボット化する介護業務を決めたりすることができます。それにより、介護者の負担を最小限に抑え、限られた従業員数で安全に利用者に生活してもらうことができるようになります。

介護現場にITを取り入れるデメリット

便利なITを導入して介護にかかる負担を軽減できるのは良いことですが、ITを導入することにはデメリットもあります。ITを導入するデメリットを知っておくことで、より柔軟に介護業界の変化に対応できるようになるでしょう。

IT化にはコストがかかる

ITを導入するには、インターネット環境を整えたり、必要機器を購入したりするなど、多くのコストがかかります。また、年間の維持費や保守点検費用がかかるため、企業の経営を圧迫しかねません。

職員がITを使いこなせないことも

介護現場で働く従業員は、20代から60代まで幅広い年齢層の方が働いています。そのため職員全員がITを使いこなすのが難しい場合もあります。取り入れるシステムによっては職員全員が混乱してしまうことにもつながりかねません。

個人情報の漏洩につながるリスクがある

ITを導入するかどうかにかかわらず、介護業務に携わる人には秘密保持義務が課せられます。しかしシステムを導入して情報の受け渡しが容易になることで、個人情報が漏洩してしまう可能性が高まります。こうした情報漏洩についてはしっかりとした対策が必要です。

介護にITを導入することで成功した事例を紹介

実際にITを導入して成功している企業の事例をみることで、ITがどのような場面で活用されているのかを、具体的にイメージすることができます。事例を参考に介護のIT化がどのようなものなのか理解していきましょう。

IT導入により業務負担を軽減した事例

ある会社では勤怠管理や給与計算、給与明細を発行する業務が約1週間程度かかっていました。しかしITを導入することで、2日程度で業務が完了するほどの改善に成功。本来多くの時間を要していた業務を短縮することで、ほかの業務に専念して生産性を上げることができるのです。

IT導入により地域連携を円滑化できた事例

各医療機関との連携方法に悩んでいた企業は、ITを導入することで地域のネットワークを構築し、必要なデータを共有して業務効率を向上させています。在院日数が短縮化し在宅での介護が増えてくるなかで、必要なサービスを効率よく提供させるためには、ITの活用が不可欠だと言えます。

ペーパーレス化やシステム管理の手間を軽減できた事例

カルテや給与明細を紙ベースで管理していると、書類作成の手間が増えるだけでなく、必要な用紙を準備するコストも膨大です。そこでITを導入し、給与明細や出退勤の管理をデータ化。業務を大幅に短縮するとともに、用紙にかかるコストを削減することができました。システムを導入するために一定の初期投資がかかりますが、長期的な視野で考えると業務をIT化するメリットは大きかったようです。

介護でIT導入することによる変化を知っておこう

本記事では、介護現場へのITの導入を推進している背景や、ITを導入するメリットデメリットについて説明しました。ITを導入すれば業務負担が必ずしも効率化するわけではありません。かえって現場が混乱してしまうことも考えられます。そのため、どの業務に対して、どのようなシステムを導入するのかが重要です。介護の現場にITが導入されても困惑してしまわないように、しっかりとメリットデメリットを把握しておきましょう。

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著者プロフィール

ゲートウェイ

ゲートウェイ

異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。

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