医療事務のやりがいとは?仕事内容や働く魅力・志望動機の例文や面接対策を解説
著者: そだねー
更新日:2025/10/27
公開日:2019/04/21

医療事務として働く上でやりがいはとても大事です。医療事務の仕事のやりがいや魅力、具体的な仕事内容をはじめ、志望動機や面接での伝え方まで実践的に解説しています。医療事務員としての成長や資格取得の意義、患者さんとのコミュニケーションで得られる達成感など、転職や未経験からの挑戦を考える方が、自分に合う職場やキャリアを考える参考になる内容です。
医師事務のやりがいを得られる瞬間5つ

医療事務を目指す人にとって、やりがいを感じて仕事ができれば、毎日が充実することに繋がります。ここでは医療事務のやりがいを5つ紹介していきます。
たくさんの人から感謝される
医療事務の仕事をしていると、たくさんの人から感謝されます。医療事務の仕事が、人と関わることの多い仕事だからです。
特に医療事務は、患者さんと直接話す機会が多い仕事。治療が終わった患者さんから「ありがとう」「助かったよ」と言ってもらえることは、仕事のやりがいにつながるでしょう。
患者さんだけでなく、医師や看護師からも感謝される場面もあります。医師や看護師たちと一緒になって仕事を進めることもあるからです。このようにたくさんの人から感謝されることが、医療事務のやりがいです。
医療に関するいろんな知識が増える
医療事務の仕事を続けていると、医療に関する知識が増えていきます。治療行為、検査、薬、保険、医療費等に関する知識は、医療事務の仕事をしていなければ身につきにくいものです。
医療事務に従事するまで知らなかったことを知れたり、理解しづらかったことが分かったりして、日々、自分のレベルアップを感じるでしょう。それが医療事務のやりがいです。
習得した知識は、日常生活でも役立てられるはず。日常生活で役立つ機会があったなら、さらにやりがいを感じることでしょう。
社会貢献できる
医療事務の仕事は、社会貢献に大きく繋がります。患者さんを間接的に助けることができるからです。医療事務の仕事では、患者さんを直接、診療したり治療したりすることはできません。しかし、医師や看護師の負担を減らすは、患者さんを助けるための大きなサポートになっています。
医療事務といえども、医師や看護師たちと同じ医療関係者の一員です。医療事務は、社会貢献できる部分にやりがいを感じられる仕事です。
仕事をしているという実感が得られる
医療事務の仕事は、けっして単純なものではありません。だからこそ、やりがいを強く感じる仕事でもあります。医療事務の仕事は、日常の事務に加え、患者さんとのコミュニケーションや医師・看護師たちとの連携をしていく必要があります。またレセプトの提出時期等は、かなり忙しくなります。
その分、仕事をしているという実感を得ることができます。忙しい時期や緊張感のある仕事をこなしたときのやりがいは、他の仕事より何倍も大きいでしょう。
患者さんとのコミュニケーション
患者さんとコミュニケーションを取ることが、医療事務のやりがいとも言えます。医療事務は病院やクリニックの顔。長く勤めていれば、患者さんの名前や家族背景、環境等を覚えてくるでしょう。向こうから声を掛けられたり、世間話をしたりすることもあります。医療事務の仕事をしていなければ出会えなかった人と出会えるのも、やりがいのひとつでしょう。
医療事務では、患者さんの病気や怪我を治すことはできませんが、コミュニケーションを取ることで、気持ちよく帰っていただけることができます。
【やりがいがある!】医療事務の仕事内容とは?
医療事務の仕事は、大きく以下の3つに分けられます。それぞれ順番に解説します。
受付業務
受付業務は、病院やクリニックの窓口に立ち、患者さんと直接やりとりする業務です。受付に立つということは、その病院・クリニックの「顔」になるということ。主な業務内容は、以下のとおりです。
・保険証の受領、確認
・カルテ、診察券の作成
・医療費の計算、会計
病院・クリニックに訪れた患者さんから保険証を預かり、順番が来たら名前を呼んだり診療室に案内したりすることが、受付業務のひとつです。はじめて訪れた方に対しては、カルテと診察券を作成します。
カルテには、患者さんの氏名・住所や保険証情報を記載していきます。患者さんの医療費を計算するのも受付業務のひとつです。次回の予約をしたり、薬局を案内したりします。
レセプト業務
レセプト業務とは、レセプトを審査支払機関に提出する業務です。レセプトとは、診療報酬明細書のこと。レセプトを作成し点検することも、医療事務の仕事です。診療行為に基づいてレセプトを作成し、間違いがないか点検します。そのレセプトを、国民健康保険団体連合会、社会保険診療報酬支払基金等の審査支払機関に提出します。これがレセプト業務です。
クラーク業務
クラーク業務とは、医師、看護師のサポートをする業務です。クラーク業務には、外来クラークと病棟クラークがあります。外来クラークでは、電話対応や病室の手配、カルテやレントゲン、検査データの準備などをおこないます。
一方病棟クラークには、食事伝票の管理や手術・検査スケジュールの管理などの業務があります。病棟に関わる事務全般をイメージしておけばいいでしょう。
【やりがいのある仕事】医療事務として働く魅力3つ

医療事務は専門知識を高めながら安定した環境で働くことができ、患者や医療スタッフを支える社会的意義の大きい魅力のある仕事です。
医療知識を身につけながら安定した環境で長く働ける
医療保険制度や診療報酬の知識を習得し、専門性を深めながら働けることは大きな魅力です。医療業界は景気に左右されにくく全国で需要があるため、雇用の安定性も高いといえます。ライフステージに合わせて勤務形態を調整しやすく、長期的に活躍できる職場環境が整っている点も安心材料となります。
患者さんや医療スタッフを支えるやりがいを実感できる
受付や会計業務を通して患者の不安を和らげ、安心を提供できる役割は重要です。医師や看護師が診療に専念できるよう円滑な事務サポートを行うことで、医療現場全体の運営を支える存在となります。社会全体に貢献している実感を得られることが、仕事への誇りや充実感を育む大きな要因です。
資格や経験を活かしてキャリアアップが目指せる
医療事務管理士や診療報酬請求事務能力認定試験などの資格を取得すれば昇給や待遇向上が期待できます。現場経験を積むことでリーダーやマネジメント職への道も開け、病院だけでなく企業や在宅ワークなど幅広い活躍の場が広がります。自分の努力を確かな形にできる点が、長く挑戦を続ける原動力となります。
【やりがいだけではない?】医療事務の大変なところは?
医療事務の仕事は、単純で簡単なものではありません。やりがいを多く感じる仕事ではありますが、大変なこともたくさんあります。ここでは医療事務の大変なところを紹介していきます。
給与がなかなか上がらない
医療事務の給与は、すこし低めに設定されています。経験や知識、資格がない場合、かなり低いところからスタートすることを覚悟しておきましょう。
給与を上げたい場合は、キャリアアップがおすすめです。ある程度経験を積んだり、資格を取ったりしてから大きな医療法人に転職するなど、方法はさまざまですので、条件を良くしたい場合はキャリアアップを目指しましょう。
覚えることが多く定期的に変化する
医療事務の仕事は、他の事務に比べて覚えることが多いです。医療は専門職であるため独自の単語や言葉があります。さらに、改正がおこなわれると詳細も変わるため、時間と努力が必要になります。
しかし、それらをやりがいにつながると感じる方もいます。また、覚えることは大変でも、一度身に付けてしまえば慣れてしまいます。最初のうちは戸惑うことが多いでしょうが、我慢しましょう!
コミュニケーションが大変
医療事務の仕事は、コミュニケーションスキルを求められる場面が多々あります。一般的な事務よりも、人と接する機会がかなり多いからです。
ときには理不尽なことでクレームが発生する可能性もあります。ただし、医療事務の仕事は、クレームや苦情以上に患者さんから感謝されることが多い仕事。胸を張って、やりがいを感じながら仕事に臨むことができるでしょう。
医療事務に向いている人・向いていない人の3つの特徴

| 医療事務に向いている人 | 医療事務に向いていない人 | 
|---|---|
| ・業務を丁寧にこなす集中力がある ・落ち着いたコミュニケーションが取れる ・医療知識や制度を学び続けられる  | 
・正確性を要する業務を苦痛に感じやすい ・人と接する際に感情的になりやすい ・学習意欲が低い  | 
医療事務は専門知識と対人スキルの両方が求められる職種です。ここでは向いている人と向いていない人の特徴を整理し、自分に合った働き方を考えるための指針を示します。
医療事務に向いている人
医療事務の仕事には正確性や冷静な対応、学び続ける姿勢が不可欠です。以下ではこの職種に適した人の特徴を詳しく紹介します。
業務を丁寧にこなす集中力がある
診療報酬や保険請求に関する数値を正確に扱う注意力を持ち、カルテや各種書類を整理・保管する際にもミスを防ぐ工夫を欠かしません。長時間にわたるデータ入力でも集中を維持し、作業を最後までやり遂げられる人は医療事務で高い成果を発揮できます。
落ち着いたコミュニケーションが取れる
体調不良の患者や忙しい医師とも冷静にやり取りができ、緊急時や混雑時でも感情を乱さず臨機応変に行動できる人は信頼されます。相手の話を丁寧に聞き、不安を和らげる言葉を選べる姿勢は医療現場の円滑な運営を支える大きな強みとなります。
医療知識や制度を学び続けられる
<診療報酬改定や保険制度の更新に合わせて知識をアップデートし、セミナーや研修に積極的に参加してスキルを磨く人は常に求められます。新しい業務システムや電子カルテにも柔軟に対応できる学習意欲が、医療事務としての成長を後押しします。
医療事務に向いていない人
一方で、医療事務には不向きといえる特徴も存在します。以下の内容に当てはまる場合は、自身の適性を慎重に見極める必要があります。
正確性を要する業務を苦痛に感じやすい
同じ作業が続くと集中力が途切れ、入力ミスを起こしやすい人は注意が必要です。細部を確認する工程を省略して誤りを見逃す傾向がある場合、診療報酬や保険請求業務で問題が生じる可能性があります。単調なデータ処理に不満を抱きやすい点も課題となります。
人と接する際に感情的になりやすい
患者からのクレームや急な要望に感情的に反応してしまう人は、現場の信頼を失いかねません。医師や看護師との意見の相違にすぐ苛立ちを示すと人間関係に摩擦を生みます。状況に応じた柔軟な受け答えができない場合、チームワークを損なう恐れがあります。
学習意欲が低い
新しい診療報酬や保険制度の情報収集を後回しにし、研修や勉強会への参加を面倒がる姿勢では成長が望めません。最新システムの操作を覚えず業務に支障をきたすと、職場全体の効率にも悪影響を及ぼします。継続的な学びを欠くことは医療事務にとって致命的です。
やりがいのある医療事務になるにはどうすればいい?
人気の職業である医療事務になるためにはどのようなことが必要なのでしょうか。ここでは、医療事務になるために大事なことを2点解説します。
未経験でもなれる?
医療事務は、未経験でもなれます。医療系の学校に行っていなくても、現場で知識を身に付け活躍している方は数多く存在します。「医療のことは全然分からないから…」そう考えて諦めるのではなく、興味がある場合は行動してみましょう。
おすすめの資格は?
医療事務は、人気の仕事です。未経験の方が自分をアピールする際は、資格を取っておくといいでしょう。おすすめなのは医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)や診療報酬請求事務能力認定試験です。どちらも独学で取得可能ですので、勉強を始めてみるとも一つの手です。
【例文あり】やりがいのある医療事務になるための志望動機の書き方

医療事務を志望する際は、自身がこの仕事に魅力を感じた理由や活かせるスキル、そして将来の目標を具体的に示すことが大切です。以下ではそれぞれのポイントを詳しく解説します。
魅力を感じた具体的な理由を述べる
医療事務が患者の不安を和らげ、円滑な診療を支える重要な役割を担う点を強調することが効果的です。医療スタッフの業務をサポートしチーム医療に貢献できるやりがいを具体的に伝えると、志望動機に説得力が生まれます。患者や医療従事者から感謝される喜びや、自身の成長につながる魅力を挙げることで熱意を示せます。
医療事務として活かせるスキルや経験を述べる
これまでの職務で培った事務処理能力や正確なデータ入力の経験を明確に伝えることが重要です。医療用語やレセプト業務の知識、接遇マナーなど専門性を活かせる点を具体的に説明すると評価が高まります。さらに、コミュニケーション力や問題解決力など医療現場で求められる能力を示すことで、即戦力としての期待を持たせられます。
将来的なキャリア目標や地域医療への貢献意欲を示す
医療事務として地域医療に長期的に貢献したいという将来像を明確にすることが、採用担当者に好印象を与えます。専門資格取得やスキルアップを通じてキャリアを積み重ねる意欲を具体的に述べると、成長を続ける姿勢が伝わります。患者第一の姿勢を持ち、地域住民の健康を支える役割を担いたい決意を示すことが大切です。
【医療事務未経験の志望動機例】
私はこれまで一般企業で営業事務として勤務し、正確なデータ入力や顧客対応を通じて事務処理能力とコミュニケーション力を培ってまいりました。患者さまの不安を和らげ円滑な診療を支える医療事務の役割に魅力を感じ、地域医療に貢献したいと考えております。未経験ではありますが、これまでの経験を活かして正確な業務遂行と丁寧な接遇を実践し、医療事務管理士などの資格取得にも挑戦しながら成長を重ね、長く地域に根ざした医療機関の一員として力を発揮していきたいです。
【医療事務経験ありの志望動機例】
私はこれまで3年間、内科クリニックで医療事務として勤務し、レセプト業務や電子カルテ入力、患者さま対応など幅広い実務を経験してまいりました。医療スタッフが診療に専念できる環境を整え、患者さまから感謝のお言葉をいただくたびに、この仕事のやりがいを実感しております。今後は診療報酬請求事務能力認定試験の取得を目指し、より高度な知識を身につけながら地域医療を支える役割をさらに強化したいと考えています。これまで培ったスキルを生かしつつ、貴院で長期的に成長し貢献していく所存です。
やりがいのある医療事務になるための面接対策
医療事務の面接では、業務理解や専門知識に加えて、現場で活かせるスキルや将来の目標を具体的に伝えることが重要です。以下のポイントを押さえて準備を整えましょう。
医療事務に求められる基本知識や業務内容を理解しておく
受付や会計、レセプト業務など医療事務の主な業務を把握し、面接で具体的に説明できるように準備することが欠かせません。診療報酬や保険制度の基礎知識を理解しておけば、質問された際にも自信を持って答えられます。さらに電子カルテや予約システムなどITスキルの必要性を理解し、自身の習熟度を効果的に示すことで、実務への即応性を伝えられます。
活かせるコミュニケーション力を具体的にアピールする
患者の不安を和らげるための傾聴力や共感力を備えていることを、実際のエピソードを交えて伝えることが効果的です。医師や看護師など多職種と連携して業務を進めた経験や、協調性を発揮した事例を示すと説得力が増します。クレーム対応やトラブル時に冷静に対処した経験を簡潔に説明すれば、医療現場で求められる柔軟性と信頼性を印象づけることができます。
志望動機や将来のキャリア目標を明確に言語化して熱意を伝える
医療事務を志望する理由を、自身の経験や価値観と結び付けて具体的に語ることで面接官に真剣さが伝わります。将来的に専門資格を取得したい、管理職を目指したいといった成長意欲を示すことも大切です。応募先医療機関の理念や特徴に共感し、地域医療に貢献したい姿勢を強調することで、長く活躍できる人材としての熱意を印象づけられます。
医療事務で自分らしいやりがいのあるキャリアを築くために
医療事務は受付や会計、レセプト業務を通じて医療現場を支える重要な役割を担い、患者から感謝される瞬間に大きな充実感を得られる職種です。本記事で解説した仕事内容や大変さ、志望動機の作り方、面接対策を理解しておけば、自信を持って選考に臨むことができます。正確さと柔軟な対応力を兼ね備えた人こそが、医療事務として長く活躍できるでしょう。
次は具体的な求人探しが鍵となります。医療事務の募集は病院やクリニックだけでなく、企業系医療施設など多様な選択肢があります。勤務形態やスキルアップ支援など、自分に合った条件を見極めながら探すことが成功への近道です。ソラジョブ医療事務ではさまざまな求人が豊富に掲載されているため、ぜひ一度検索してみてください。
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著者プロフィール
そだねー
北国出身。前職はコールセンターの採用を担当し、ソラストに転職後、医療事務採用業務に6年従事している。営業や現場とのパイプを持ち、日々変化し続ける医療事務の情報をキャッチアップすることに強みを持つ。