東京都の介護職員就業促進事業とは?働きながら介護資格等取得が可能な働き方
著者: ゲートウェイ
更新日:2024/04/26
公開日:2019/04/29
東京都では介護職員就業促進事業を行っており、働きながら介護資格取得が目指せます。勤務期間中は給料もでるので、未経験から介護業界に入ろうとしている方にも嬉しい内容になっています。2023年度も行われるこの東京都の介護職員就業促進事業の内容について、ここでは詳しくご紹介します。
目次
介護職員就業促進事業とは
介護職員就業促進事業とは、介護業務への就業を希望する人が、東京都内の介護施設で実際に勤務しながら介護資格の研修を受講し、資格取得を目指すというものです。
介護職員就業促進事業は旧トライアル雇用事業のことで、事業実施にかかる費用は東京都が負担します。
事業の目的
事業の目的は介護業界での人材確保と定着です。少子高齢化の影響で介護職の需要が高まる中、介護職員が不足している現状を改善するための取り組みです。旧トライアル雇用事業として支援が行われてきましたが、平成31年度から介護職員就業促進事業に名前を変え、事業内容にもいくつか変更があります。
介護職員就業促進事業の事業内容とは
介護業務への就労を希望する人と介護保険施設等の間で雇用契約を結び、実際に介護業務に従事してもらいます。その上で、介護職員初任者研修等の研修を受講してもらい、資格取得を目指してもらうことになります。研修受講中も給与が支払われ、研修の受講料は無料です。
受講可能な研修コース
介護職員就業促進事業において、受講できる研修コースは3つあります。受講可能な研修は対象者の資格の有無により異なります。また、研修対象者1人が事業内で受講できるのはいずれか1つの研修です。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修は、介護職として働く上での基礎知識・技術を身に着けるための研修です。介護業界でのキャリアの入り口となる研修で、介護業界未経験の方がまず受講しておきたい研修です。そのため、無資格の方が受講対象となります。
生活援助従事者研修
平成31年から受講可能となった研修です。生活援助従事者研修とは、訪問介護における基礎知識・技術を身に着けるための研修です。研修内容は介護職員初任者研修と同じ科目で構成されていますが、半分以下の時間で修了できるのが特徴です。のちに介護職員初任者研修を取得する際は、生活援助従事者研修と重複するカリキュラムは省略できます。こちらも基礎知識・技術を身に着ける研修であるため、無資格の方が受講対象です。
介護職員実務者研修
介護職員実務者研修は、より専門的な介護知識・技術を身に着けるための研修です。介護福祉士国家試験の受験資格に必要となる研修でもあります。介護職員初任者研修の上級と位置付けられていることから、有資格者の方が研修対象です。ここで有資格とは、介護職員初任者研修、介護職員基礎研修、訪問介護員養成研修2級課程修了者のことです。訪問介護員養成研修3級課程修了者は有資格者には含まれないので注意してください。
対象者は?
介護業務へ就業を希望する方が対象です。東京都の事業ですが、東京都外に住んでいる方も対象になります。
ただし、現在就業中の方、内定済みの方、以前同一法人で就業していた方、介護福祉士の資格を持っている方、学生の方は対象外となるので注意が必要です。
期間は?
最大6か月の有期雇用契約になります。雇用される介護施設等によっては6か月より短い場合もあるので、雇用契約を結ぶ際によく確認をしてください。また、有期契約期間を満了した場合でも、雇用者と雇用先事業所双方の同意があれば継続しての雇用も可能です。
また、東京都が行う介護職員就業促進事業では事業期間を2024年5月初旬~2025年1月31日(※雇用最終日は2024年11月1日)としています。ただし、実施規模を1,000名程度としており、早期に雇用が達成された場合、事業期間が短くなる可能性があります。介護職員就業促進事業への申し込みを検討している方は、早めの応募をおすすめします。
雇用条件は?
介護職員就業促進事業における雇用者の雇用条件は東京都によって決められています。介護職員就業促進事業にて、実際に働く際の雇用条件は以下です。
雇用形態 | 有期雇用契約(※正規職員での雇用は不可) |
---|---|
就業時間 | 週20時間以上、40時間以内 |
社会保険 | 各種社会保険に加入 |
賃金 | 基本給が東京都内の最低賃金を上回るように設定 原則、月払い |
その他 | 時間外勤務は原則しない ダブルワーク不可 |
上記が東京都によって決められた雇用条件です。さらに詳細な雇用条件は、各介護施設・事業所で上記に反しない形で決められます。詳細な労働条件は事業の応募先の介護施設・事業所で確認をしてください。
対象施設・事業所は?
介護職員就業促進事業へ申請を行った介護施設・事業所にて、実際に勤務しながら研修が受講できます。対象の施設・事業所は人材センターのホームページの一覧に記載されています。
介護職員就業促進事業への応募方法、申込先は?
東京都の介護職員就業促進事業に申し込む場合、どこから応募をすればよいのでしょうか?介護職員就業促進事業の応募先には主に2つあります。
ハローワーク
介護職員就業促進事業の受託介護施設・事業所は、ハローワークへの求人掲載が義務づけられています。そのため、ハローワークにいけば、必ず介護職員就業促進事業の求人が見つかります。また、介護職員就業促進事業の求人は専用の求人ページを設ける必要があるので、検索もしやすくなっています。
求人サイト・求人誌等
ハローワーク以外にも、求人サイトや求人誌などで介護職員就業促進事業を募集する場合があります。ただし、こちらの求人掲載は各介護施設・事業者が独自に行うものなので、就業を希望する介護施設・事業者が必ず求人を出しているとは限りません。
その他にもある東京都の介護事業取り組み
介護業界への人材確保や定着を目的に、東京都では介護職員就業促進事業以外にも取り組みを行っています。介護職に関する主な取り組みは次の2つです。
職場体験事業
介護業務に興味のある方を対象に、介護施設での業務体験や相談を受けつけるというものです。最大3日間の介護業務体験が可能で、受講料は無料です。こちらは介護職員就業促進事業と違い、無給です。介護業界に興味はあるけど、業務内容などに不安がある方が実際に現場を見ることができる絶好の機会です。
介護職員資格取得支援事業
介護業界への就労を希望する学生等を対象に、介護職員初任者研修又は生活援助従事者研修を受講して資格取得を目指すというものです。夏休みコース、平日コース、土日祝コースなど、学生が受講しやすいようスケジュールが豊富に設けられており、受講料も無料です。
介護職員就業促進事業で働きながら介護資格を目指そう!
東京都の介護職員就業促進事業では働きながら介護資格の取得が目指せます。しかも、勤務期間中は有給で、資格取得のための研修の受講料が無料です。介護職未経験の方、介護職でのキャリアを上げたい方の支援なので、とても手厚いサポートが受けられます。東京都以外の方でも応募が可能なので、介護業界への就労を希望する方は応募してみてはいかがでしょうか。介護職員就業促進事業の求人はハローワークや求人サイトに出ていますので、気になった方は是非「ソラジョブ介護」で検索してみてください。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。