生活支援コーディネーターとは?仕事内容・役割・資格要件をわかりやすく解説
著者: ゲートウェイ
更新日:2026/04/28
公開日:2023/10/06

生活支援コーディネーターは、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、地域の人やサービスをつなぐ仕事です。介護保険法改正後の地域支援事業の中で位置づけられた職種で、今後ますます必要とされる仕事として注目されています。本記事では、役割や仕事内容をわかりやすく整理するとともに、活動範囲の違いや資格要件、給料の目安、ケアマネジャーとの違いまで幅広く紹介します。
目次
第3層(サービス提供の主体):地域の支援ニーズと取り組みのマッチング
生活支援コーディネーターと生活支援員・ケアマネジャーとの違い
Q. 生活支援コーディネーター(SC)のSCは何の略ですか?
生活支援コーディネーターとは
生活支援コーディネーターとは、高齢者の生活支援・介護予防サービスの体制整備を推進するため、地域の多様な主体による取組をコーディネートする役割があります。
平成26年の介護保険法改正を受け、平成27年度から地域支援事業(包括的支援事業)の生活支援体制整備事業に位置づけられたのが生活支援コーディネーターであり、別名「地域支え合い推進員」とも呼ばれます。地域の「住まい・医療・介護・予防・生活支援」を一体的に支える体制の中で、重要な役割を担う職種です。
生活支援コーディネーターが誕生した背景
生活支援コーディネーターが誕生した背景には、団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据え、医療・介護需要の増加に対応する必要性が高まったことがあります。
地域包括ケアシステムの構築を進める中で、生活支援体制整備事業の一環として配置が進められたのが生活支援コーディネーターです。高齢者が尊厳を保ちながら住み慣れた町で自分らしく生活できるように、生活支援体制整備事業で「協議体」とともに配置が位置付けられました。
【参考】地域包括ケアシステムとは
団塊世代が75歳以上を迎える2025年までに、高齢者が尊厳を保ちながら住み慣れた町で自分らしい人生を送れるよう、地域の中で住まい・医療・介護・予防・生活支援を包括的に提供できる体制を整えようとするもの。
【参考】生活支援体制整備事業の「協議体」とは
市町村が主体となって設置し、生活支援コーディネーターと生活支援等サービスの多様な提供主体等が参画する、定期的な情報共有や連携強化の場。
生活支援コーディネーターの役割とは

・地域の人やサービスをつなぐ
・高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせる環境を作る
・地域の助け合いの活動を広げる
生活支援コーディネーターの主な役割は、地域の人やサービスをつなぐことです。高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる環境を作るために、ボランティアやNPO法人などさまざまな団体や人と協力しながら地域の助け合いの活動を広げていきます。地域全体で支え合える仕組みを育てることが、この仕事の大切な使命です。
生活支援コーディネーターの3つの仕事内容
生活支援コーディネーターの主な活動単位は第1層(市町村区域)と第2層(日常生活圏域)で、資料上は第3層の機能が示される場合もあります。それぞれについて、詳しく解説します。
第1層(市町村区域):生活支援の担い手養成と資源開発
所属する地域において、生活支援や介護サービスの担い手がどの程度あるか、加えてその地域でどのようなサービスのニーズがあるかなどを適切に把握します。
昨今の介護職員不足等の問題から、介護人材の確保が課題となる地域もあります。そういった環境下でも、いかにニーズに応じたサービスの創出や開発を行っていけるかも生活支援コーディネーターの役割のひとつです。
第2層(日常生活圏域):関係機関のネットワーク構築
地域包括ケアシステムの枠組みを構築する上で、関連機関とのネットワーク構築は必須です。より質の高いサービスを提供するためには、必要な関係機関との連携を密に行いながら、情報を共有できる仕組みを構築していかなければなりません。
いざというときに、自治体だけでなく、関連する介護事業者や医療機関と迅速にやり取りを行える環境が整っていることで、高齢者も安心して日々の生活を送れるでしょう。
第3層(サービス提供の主体):地域の支援ニーズと取り組みのマッチング
地域が求めるニーズとサービスを提供する主体をマッチングさせる取り組みは、生活支援コーディネーターの主な仕事のひとつです。
とても魅力的なサービスがあっても、そのサービスを利用したい人に届かなくては意味がありません。地域住民のニーズに合うサービスが何かを検討し、適切な場所に適切なサービスを提供する体制を整えるという仕組みづくりは、生活支援コーディネーターの主要業務ともいえるでしょう。
生活支援コーディネーターの主な就業先5選

・地域包括支援センター
・市区町村(自治体の福祉課など)
・社会福祉協議会
・NPO法人・地域団体
・介護サービス事業所(デイサービス・訪問介護など)
生活支援コーディネーターが働く場所はさまざまです。地域包括支援センターや市区町村の福祉課・社会福祉協議会は、地域全体の支援体制を整える立場から生活支援コーディネーターを配置していることが多い働き先です。NPO法人や地域団体では、住民に近い目線で活動できる点が特徴で、デイサービスや訪問介護などの介護サービス事業所でも、利用者さんや地域のニーズをつなぐ役割として働く場があります。
生活支援コーディネーターの給料は?
生活支援コーディネーターの給料は、月給20万〜30万円程度です。
生活支援コーディネーターの給料は、勤務先や雇用形態によって変わります。目安として月給は20万〜30万円程度、年収は300万〜450万円くらいが相場です。市区町村や社会福祉協議会に正社員として採用された場合は、安定した給与水準になりやすい傾向があります。
一方、非常勤や委託での働き方も多く、週の勤務日数や契約内容によって収入に差が出やすいのも特徴のひとつです。また、介護福祉士や社会福祉士などの資格を持っていると、手当が付くケースもあります。
生活支援コーディネーターの資格要件とは?
生活支援コーディネーターになるために、必ずしも特定の資格が必要ということはありません。ただ、生活支援コーディネーターは、地域のさまざまな機関と調整や連携をする重要な仕事のため、高齢者の介護予防サービスや生活支援についての専門知識は持っておいたほうがよいでしょう。募集要件は自治体や委託先によって異なるため、応募時は個別条件を確認しましょう。
また、以下のような資格を取得していれば対応できる仕事の幅が広がり、さまざまな場面で応用的な立ち回りができます。
・介護福祉士
・社会福祉士
・精神保健福祉士 など
生活支援コーディネーターは研修が必要な場合がある
自治体などで、生活支援コーディネーター向けの研修が実施される場合があります。研修では、生活支援コーディネーターの基本的な役割や仕事内容、業務を行ううえでの知識・技能について学べるため、生活支援コーディネーターに興味を持ったらまずはこういった研修を受けるのもよいでしょう。
また、自治体によっては研修が必要な場合があり、研修は初任者研修と現任者研修の2種類があります。前者は基礎的な内容を学ぶ入門編、後者は基礎を踏まえた、より実践的な内容の応用編というように分けられており、自分の知識レベルにあわせて受講可能です。
【東京都の例】
・生活支援コーディネーター初任者研修
・生活支援コーディネーター現任者研修
生活支援コーディネーターと生活支援員・ケアマネジャーとの違い
生活支援コーディネーターは、まだ知名度がそれほど高くないため、他の関連職種と混同してイメージされやすいです。生活支援コーディネーターと関連職種の違いを理解して、自分に合った職種を探しましょう。
生活支援コーディネーターと生活支援員の違い
| 生活支援コーディネーター | 生活支援員 |
|---|---|
| 地域の支え合いをサポート | 障がい者の方の自立をサポート |
生活支援コーディネーターとよく間違えられる職種のひとつに、生活支援員があります。名前は似ていますが、役割が違うことを覚えておきましょう。
生活支援員は、身体・知的・精神に障がいを持つ方を直接支援する職種で、生活習慣や職業訓練等の指導・支援を行います。一言でいえば、生活支援員は主に障がい者の方の自立をサポートする職種です。
生活支援コーディネーターとケアマネジャーの違い
| 生活支援コーディネーター | ケアマネジャー |
|---|---|
| 介護サービスの提供体制をサポート | ケアプランを作成し介護サービスの利用をサポート |
ケアマネジャーもまた、生活支援コーディネーターと混同されやすい職種のひとつです。ケアマネジャーは、介護保険サービスが必要な人に対し、要望を聞いてケアプランを作成したり、ケアサービスを提供する事業者との連携や調整をしたりします。
一方、生活支援コーディネーターは、地域包括ケアの実現を目標とし、介護サービスの提供体制をサポートすることが主な目的です。一人ひとりの利用者さんのニーズをくみ取るのがケアマネジャー、自治体のニーズをくみ取るのが生活支援コーディネーターと捉えるとイメージしやすいでしょう。
生活支援コーディネーターに向いている人の3つの特徴

・人とのコミュニケーションが得意
・どちらにも偏らず公平に物事を見られる
・介護・福祉の分野で人のために働きたい
自治体や地域団体、介護事業者など立場の違う人たちと話し合いながら進める場面が多いので、人と関わることが好きな方は力を発揮しやすい仕事です。さまざまな立場の意見をバランスよく受け止めながら公平に判断する場面も多く、どちらにも偏らない視点を持てる方は、調整役として力を発揮しやすいです。
また、介護・福祉の分野で誰かの役に立ちたいという気持ちがある方は、毎日の仕事の中でやりがいを感じながら長く続けていけるでしょう。
生活支援コーディネーターに関するよくある質問
生活支援コーディネーターについて、よく寄せられる疑問を4つ取り上げてわかりやすくお答えします。転職や求人探しの参考にしてみてください。
Q. 生活支援コーディネーター(SC)のSCは何の略ですか?
A.SCは、生活支援コーディネーターの略称として使われます。
行政や福祉の現場では「SC」という略称が広く使われており、生活支援コーディネーターの呼び名として定着しています。求人票や行政の資料にもSCと記載されることがあるため、覚えておくと情報収集のときに役立つでしょう。
Q. 生活支援コーディネーターが辞めたいと感じる理由には何がありますか?
A. 仕事の幅の広さや、関係機関とのやり取りの難しさ、成果の見えにくさに負担を感じることがあります。
地域のさまざまな機関と調整しながら進める仕事のため、思うようにうまくいかないことがあったり、取り組みの成果がすぐには実感しにくかったりすることがあります。また、非常勤や委託で募集される場合は、給与や待遇面に不安を感じることもあります。こうした悩みが重なると、転職を考えるきっかけになることも少なくありません。
Q. 生活支援コーディネーターの配置義務とはなんですか?
A.市町村は、生活支援体制整備事業の中で生活支援コーディネーターの配置を進めます。
平成27年の介護保険法改正により、地域の支え合いを支える事業のひとつとして「生活支援体制整備事業」が定められました。この仕組みの中で、市町村区域の第1層と日常生活圏域の第2層で配置が進められます。自治体や関係団体で募集される場合があるため、地元で求人を探す際は公開情報を確認しましょう。
Q. 生活支援コーディネーターの求人を探すポイントは?
A. どんな場所でどんな形で働くか、必要な資格や経験の条件をチェックしましょう。
生活支援コーディネーターの求人は、市区町村や社会福祉協議会のほか、介護・福祉系の求人サイトに掲載されることが多いです。正社員か非常勤かによって給与や働き方が大きく変わるため、雇用形態はしっかり確認しておきましょう。また、求められる資格や経験の条件を事前に把握しておくと、応募先を絞り込みやすくなります。
生活支援コーディネーターの仕事で地域を支え合おう
生活支援コーディネーターは、地域の人やサービスをつなぎながら高齢者が安心して暮らせる環境を作る、やりがいのある仕事です。必須の資格がなく挑戦しやすく、経験を積みながら少しずつ成長できる点も魅力といえるでしょう。
実際の募集内容を見ると、介護職の業務の範囲、関わる機関などに違いがあり、働き方のイメージも具体的につかみやすくなります。
ソラジョブ介護では、介護・福祉分野の求人を多数掲載しています。雇用形態や勤務地などさまざまな条件の求人があるので、自分の目指す働き方に近い職場があるか一度ご覧ください。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。