介護派遣の実態を調査!派遣の時給やメリット、あるあるとは
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2021/05/20
介護需要が高い中、介護職員の半数以上は非正規雇用といわれています。多様な雇用形態がありますが、その1つに派遣があります。介護職に就きたい方の中には、さまざまな理由から派遣として働きたい方も多いでしょう。そこで今回は介護派遣の実態について、さまざまな観点からご紹介します。
介護業界における派遣の現状と求人の実態
慢性的な人手不足が課題となっている介護業界では、派遣求人も多くみられます。派遣として働く場合は、介護施設ではなく派遣会社との雇用契約になります。そして一定期間、さまざまな介護施設に派遣されるスタイルです。まずは介護業界における派遣の現状や、求人の実態についてお伝えします。
派遣の方が高時給なのは本当なのか?
介護派遣は、正社員よりも時給が高いイメージがある方も多いでしょう。実はそのイメージは間違いではなく、時給相場では正社員よりも派遣の方が高い傾向にあります。1日8時間のシフトで働いている東京都の介護派遣の平均時給は約1,400円です。一方「平成28年賃金構造基本統計調査」によると、正社員の給与を時給換算すると約1,200円でした。
また介護施設には「人員基準」が設けられており、一定の人員配置が必須です。急な離職や産休などにより、空いてしまった人員を埋めるには、短期間で契約が結べる派遣は貴重な存在です。派遣は正社員と同じく常勤扱いとして、人員基準を満たすことができます。そのため正社員より人件費が高くなってしまっても必要とされることから、おのずと時給も高くなるのです。
派遣の夜勤勤務について
日勤の人手は足りている介護施設も少なくないものの、夜勤が不足しているケースが多いようです。そのため夜勤専門として働く「夜勤専従」の求人も多くみられます。日勤、夜勤を問わず、全体でみると人手が足りていない施設の方が多いため、派遣だからと必ずしも「夜勤に入らなければいけない」「夜勤が多い」とは限りません。大抵の場合、夜勤は希望した場合のみ入るケースが多いでしょう。
介護派遣の平均時給や月収相場はどれくらい?
介護派遣として働くにあたり、お金事情は多くの方が気になるポイントでしょう。ここでは平均時給や月収相場をみていきます。
介護派遣の平均時給
1日8時間のシフトで働いている東京都の介護派遣の平均時給は約1,400円です。時給に関しては、資格有無や取得している資格内容、地域によって個人差があります。取得難易度の高い資格を持っている方ほど、時給も高くなります。
介護派遣の月収相場
介護派遣の月収相場は、個人の時給や出勤回数、夜勤に入るかによって個人差が大きいものです。平均時給が正社員よりも高い傾向から、正社員並みのシフトで働くことで、正社員よりも月収は高くなるといえます。しかし人手不足を臨時で補う側面が強い派遣は、即戦力の人材が求められる傾向にあります。そのため未経験・無資格の方の場合は、パートやアルバイトほどの月収となるケースもあるでしょう。
介護において派遣で働くメリット!正社員より派遣の方がいい理由
ここでは、介護派遣で働くメリットについてもご紹介します。
時給が高い
前述したように、派遣は正社員よりも時給が高い傾向にあります。また派遣会社によっては、人事評価による昇給やボーナスなどにも期待できるでしょう。さらに資格取得や夜勤に入るなど、努力や働き方次第で給料アップが狙えるのも嬉しいポイントです。
希望に合う勤務先を探してもらえる
最大のメリットは、派遣会社が自分の希望に合う職場を探してくれることです。正社員やパートとして働く場合には、職場探しや条件交渉などは自分で行わなければなりません。この点を派遣会社に任せられるだけで、働くまでの精神的負担が軽くなり、かつ希望に近い条件の職場で働くことができます。
さまざまな職場が体験できる
介護職は、職場によって仕事内容や特徴も大きく変わります。派遣の場合、短期間でさまざまな施設で働くため、多くの現場を体験できます。正社員の場合は転職の手間もあり、短期間でさまざまな職場を体験するのは難しいものです。派遣であればさまざまな現場で多くの仕事が身につけられるため、スキルアップにもつながります。将来的に介護職でキャリアアップしていきたい場合、派遣での経験は大きな糧となるでしょう。
介護において派遣で働くデメリットと注意点
メリットと合わせて、介護派遣のデメリットと注意点についてもみていきます。
社会保険や福利厚生、ボーナスについて
社会保険や福利厚生は、派遣会社のものが適用されます。派遣会社によって内容は大きく変わるため、派遣会社は社会保険や福利厚生を確認して慎重に選びましょう。
またボーナスが見込めることもありますが、傾向としては多くないのが現状です。
即戦力を求めている施設も多い
臨時的な人員不足を補うために必要とされる傾向にある派遣会社は、即戦力が求められるケースが多いといえます。そのため未経験・無資格の場合は、条件に合った派遣先で働くのが難しいかもしれません。とはいえ未経験・無資格だからといって、介護派遣として働けないわけではありません。また資格取得をサポートしてくれる派遣会社もあります。そのため将来的に介護業界で働き続けたい場合には、サポートなどにも着目して派遣会社を選んでみてください。
管理職を目指すのは難しい傾向にある
契約期間の決まっている派遣は、同じ職場で長期間働くことはほとんどありません。そのため管理職を目指すのは難しい傾向にあります。管理職などの役職は基本的に正社員が担うため、派遣が役職に就くことはあまりありません。
介護派遣は未経験・無資格からでも可能?
デメリットと注意点でお伝えしたように、介護派遣の場合は即戦力を求めている施設も多くあります。しかし全体的に人手不足でもあるため、無資格・未経験からでも介護派遣として働くことは可能です。資格がない場合は、介護補助・助手として現場に関わることになります。もちろん資格があることで派遣先の選択肢が増えたり、時給がアップしたりするなどメリットは多くあります。とはいえ、介護業務は経験が大切なので、未経験・無資格であってもまずは働いて経験を積むことも大切です。
将来的に資格を取得したい場合には、資格取得のサポートがある派遣会社を選んでみると良いでしょう。また介護職員初任者研修や介護職員実務者研修は、働きながらでも資格取得が目指せるため、取得を検討してみてはいかがでしょうか。
介護の派遣あるある3選
最後に、介護派遣のあるあるについてもご紹介します。
夜勤や残業が少ない
派遣の雇用元は介護施設ではなく派遣会社であるため、勤務条件は派遣会社に準じます。そのため希望しなければ、夜勤や残業は基本的にありません。なぜなら施設側は派遣に対して、契約外となる残業や夜勤をさせることはできないからです。
職場の人との関係が構築しにくい
職場が変わることも多いため、職場に馴染むのが難しいとの声もみられます。職場の人とのドライな関係を望む場合には、最適な環境かもしれません。とはいえ、環境を変えることもできる介護派遣は、その分自分に合った職場を見つけやすいとも言えます。
就職・転職へのストレスが少ない
派遣会社であれば、就職・転職のハードルがとても低くなります。派遣先に希望条件を伝えるだけで職場を探してもらえ、かつ辞めるときも派遣会社が勤務先に契約更新しない旨を伝えてくれます。実際に働いてみて職場が合わなければ、契約更新しない形で円満に辞めることが可能です。こうした点でストレスを抱えることのない介護派遣は、精神的負担の少ない雇用形態といえます。
介護派遣は高時給で、さまざまな介護現場の経験が積める
今回はさまざまな観点から、介護派遣の実態についてお伝えしました。
即戦力として活躍できる経験者はもちろん、未経験・無資格の方でも介護派遣として働くことができます。さまざまな介護現場を経験できるのは派遣の強みであり、経験を重ねていくことでスキルアップできます。ぜひ選択肢の1つとして、介護派遣も検討してみてください。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。