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外国人介護人材の受け入れについて-現状や問題点、指導方法を解説

著者: ゲートウェイ

更新日:2023/06/30

公開日:2023/06/30

日本において介護の需要が高まる中、人手不足を解消するため、外国人の労働者を受け入れるケースが増えてきています。そこで今回は、受け入れの現状や4つの制度について解説。受け入れで考えられる問題や指導のポイントもご紹介します。国籍にかかわらず、みんなで力を合わせて日本の介護を支えていきましょう。

外国人介護人材の受け入れの現状

厚生労働省による2021年10月末に実施された「『外国人雇用状況」の届出状況」によると、日本における外国人労働者は約173万人。2020年のデータと比べると2,893人増加しており、この増加傾向は過去数年にわたって続いています。
同調査の産業別調査によると、外国人労働者の割合は製造業で最も多く27%。医療・福祉業界は5.8%と、他の業種に比べると多くはないですが、前年比19.2%と大幅に増加しています。

ここからは介護業界で何故外国人の人材が必要とされているのか、受け入れの現状がどうなっているのか解説します。

外国人介護人材の受け入れ背景

外国人の介護人材の受け入れが進められた背景には、日本の介護士不足があります。

日本では急激な少子高齢化が進んでおり、労働人口は減少しているにもかかわらず、介護の対象となる高齢者は年々増加中です。これにより追加で2025年までに32万人、2040年までに69万人の介護士が必要になるといわれています(※)。
また比較的低賃金かつ重労働であるという性質により、志望者数が多くない状況も介護士不足の原因の一つです。

状況を改善するため、国を挙げて介護士の待遇改善に向けた制度作りが行われており、同時に外国人介護士の積極受け入れが進められています。

外国人介護人材を受け入れるための4つの制度

(引用:厚生労働省「外国人介護人材受入れの仕組み」)

日本で外国人介護人材を受け入れるには、経済連携協定・在留資格「介護」・技能実習・特定技能「介護」の4つの制度があります。趣旨や受け入れ条件は制度ごとに異なるため注意しましょう。ここでは各制度の具体的な内容をくわしく解説します。

(注1)平成29年度より、養成施設卒業者も国家試験合格が必須。ただし令和8年度までの卒業者は卒業後5年間の経過措置有り。
(注2)4年間にわたりEPA介護福祉士候補者として就労・研修に適切に従事したと認められる者は、「特定技能1号」への移行に当たり、技能試験及び日本語試験等を免除。

在留資格「介護」

制度趣旨:就労を目的として専門的・技術的な分野で外国人を受け入れる制度
日本での勤務期間:永続的に可能
業務範囲:介護にかかわる全ての業務が可能
転職の可否:制約があるが可能

在留資格「介護」の取得には、育成施設ルートと実務経験ルートがあります。どちらも介護福祉士の資格を取得した際に在留資格「介護」を得ることができるという流れです。

育成施設ルートでは、在留資格「留学」として入国し、介護福祉士養成施設で2年以上学ぶのが条件。ただし介護福祉士養成学校在学中の段階から週28時間までは、アルバイトとして勤務可能なのが特徴です。

実務経験ルートは、2020年4月から施行されたもので、「技能実習」や「特定技能」などの別の制度を利用した外国人が対象。介護施設などで3年以上の就労・研修を行いつつ、介護福祉士の資格取得を目指します。

在留資格「介護」の場合、就職支援を行う専門機関がありません。事業者が学校と連携して外国人介護人材の採用を行う必要があります。

EPA

制度趣旨:フィリピン、インドネシア、ベトナムとの経済連携を目的として外国人労働者を受け入れる制度
日本での勤務期間:4年間(在留資格「介護」を取得できれば永続的に可能)
業務範囲:介護にかかわる全ての業務が可能
転職の可否:原則不可

EPAは、自国で看護や介護、日本語について学んだ人が介護福祉候補生として入国するための制度。訪日後は日本語研修を受けたあと、すぐに病院や介護施設で就労・研修を行います。人材不足解消というよりも経済活動連携強化が目的なので、滞在期間は比較的短い4年間と設定されています。
ただし滞在期間中、国家試験に合格すれば、在留資格「介護」を取得できるので、そのまま働き続けることも可能です。

EPAは即戦力になる実力が必要なため、入国対象者への条件が厳しいのが特徴。受け入れ人数の制限もあります。事業者は候補生しか採用することができず、負担する費用も比較的高価です。

技能実習「介護」

制度趣旨:母国への技術移転を目的とした外国人受け入れ制度
日本での勤務期間:通常3年、最長で5年
業務範囲:制約あり(1人での夜勤や服薬介助不可)
転職の可否:原則不可

技能実習「介護」では、介護経験もしくは介護に関する一定時間の講習の受講経験があることや日常会話レベルの日本語が条件です。即戦力として期待できる人材が利用する制度ともいえます。

受け入れ期間により団体管理型と企業単独型にわかれており、団体監理型は、非営利の管理団体が受け入れを対応。傘下の企業で技能実習を行います。企業単独型は、日本の企業が海外の現地法人などから職員を受け入れ技能実習を行う形です。

開発途上国の外国人に技能を教える国際貢献が目的の制度なので、転職ができません。また、技能実習中に実技試験や学科試験を受ける必要があります。事業者側にとっては、決まった年数の人材確保ができることがメリットといえるでしょう。

特定技能「介護」

制度趣旨:就労目的の外国人を受け入れ、人手不足解消につなげることを目的とした制度
日本での勤務期間:通常3年、最長で5年
業務範囲:介護にかかる全ての業務が可(訪問以外)
転職の可否:制約があるが可能

特定技能「介護」は介護人材不足解消を目的とし、2019年から施行された比較的新しい制度です。介護に関する専門性や技能を持つ外国人の受け入れを目的としています。大都市だけでなく介護人材が不足しがちな地域への就労にも配慮されている点が特徴。制度の利用には介護技術とハイレベルな日本語の習得が必要なので、即戦力の獲得が期待できるでしょう。

また仕事を覚えれば指導員なしで業務を行えるのが大きなメリットです。ただし原則3~5年で帰国する前提の制度なので、長期の雇用を希望する事業者は利用しにくいかもしれません。また、制約はありますが転職が可能なため、離職のリスクもあります。

外国人介護人材の受け入れにおける問題

メリットも多い外国からの介護人材の受け入れですが、実はまだまだ課題があります。ここでは、外国人介護人材の受け入れで考えられる問題点を解説します。

受け入れ費用

現状、外国人介護人材を受け入れる施設の費用負担はかなり大きいです。住居を含む生活環境にかかる費用や、入国管理事務や現地面接にかかる費用、採用サポートを行う団体へ依頼する場合は委託費用や紹介費用なども必要になります。
費用対効果を考えると、利用しにくい状況といえるでしょう。

日本語力

日本語でのコミュニケーションがうまく取れないと、施設の利用者はもちろん、外国人介護人材にとっても日本人の介護スタッフにとってもストレスになります。例えば、申し送りの際など、周りとうまくコミュニケーションがとれないと、介護業務に支障が出てしまうでしょう。

また現状、必要な日本語能力は受け入れ制度ごとに違うため、どの制度を利用すべきかの検討も必要です。就労可能な目安は、日本語能力試験のレベルN3以上といわれています。日常生活の会話をある程度理解できるレベルでないと就労は難しいでしょう。

職場への定着率

制度によっては滞在や就労できる期間に定めがあるため、外国人介護人材は職場への定着率が低い傾向があります。EPA介護福祉士候補生の場合、5年目に行われる国家資格に落ちてしまうと強制送還される可能性も。
事業者側とのコミュニケーション不足によるストレスで離職してしまうケースも少なくありません。

外国人の介護に対する抵抗感

受け入れる側に、外国人介護士への抵抗がある場合も考えられます。例えば、要介護者やその家族が、文化や言語の違う外国人介護士へ不安を抱いたり、日本人の介護職員のなかに外国人介護士と働くことに抵抗を感じる人がいる可能性も考えられます。この原因は外国人に対する偏見やコミュニケーション不足です。

外国人介護人材を受け入れる際には、在籍する介護スタッフへの事前研修などを行い、理解を求める必要があるでしょう。

外国人介護人材の受け入れに必要な環境・指導方法

・外国人介護士が働きやすい環境の整備
・受け入れる日本人の受け入れ態勢の整備

外国人介護人材の受け入れには、働きやすい環境とわかりやすい指導方法の事前準備が不可欠です。外国人介護人材の受け入れ前に施設内で研修などを開き、接し方や指導方法を共有するとよいでしょう。また、外国人介護士を指導する担当職員を決めておくとスムーズです。

同僚となる日本人職員は、外国人介護士が話しやすい職場をつくるよう心がけましょう。日本人介護士と外国人介護士の間に壁があると、施設利用者も不安を感じてしまいます。逆に既存職員が雰囲気よく迎え入れていれば、利用者の理解も得やすいはずです。

また、仕事の評価をする際は、日本語の理解度にかかわらず、業務にフォーカスした正当な評価をするよう心がけましょう。外国人介護士のやりがいにつながります。

外国人介護人材と一緒に働くときのポイント

外国人介護人材と一緒に働くときは、外国の文化を知り価値観の違いを理解するよう心がけましょう。育った文化が違うため、日本人の感覚とは違う言動が見られるかもしれません。受け入れた上で、利用者に受け入れられるやり方を教えるとよいでしょう。

また、話すときはストレートにはっきり伝えましょう。遠回しな言い方をせず、はっきり伝えたほうが相手も理解しやすいです。言葉だけではなく、ジェスチャーを交えてコミュニケーションを取るのもおすすめです。写真を使い説明するのも具体的で伝わりやすいでしょう。

また、まだ日本語の勉強中で言葉がスムーズに通じない場合もあります。その際は簡単な言葉で、短く話すと伝わりやすいでしょう。

外国人介護人材の受け入れは、今後も増えていくと予想される

超高齢社会に入り、介護の人材が不足する中、外国人介護人材の受け入れは、国を挙げて進められています。ただしひとえに受け入れといっても4つの方法があり、制度によって3~5年で帰国する場合もあれば、長年働ける場合もあります。受け入れる事業者は定着して働いてもらえるよう、外国人介護人材が働きやすい環境作りや指導方法の工夫を行っていきましょう。

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ゲートウェイ

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異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。

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