訪問介護の2時間ルールとは?合算して良い?例外や具体例も交えて徹底解説
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2021/05/24
訪問介護には、2時間ルールと呼ばれる規定が存在します。訪問介護現場で働くにあたり、この2時間ルールは必ず押さえておくべきポイントです。そこで今回は、訪問介護の2時間ルールについて詳しく解説します。介護報酬の算定に関わるものであるため、訪問介護現場に就職・転職する方は必見です。
目次
訪問介護の2時間ルールとは?
訪問介護とは、日常生活における身体介護や生活援助が必要なご利用者さまの自宅に、ホームヘルパーが出向く介護サービスです。身体介助をはじめ、家事などの生活援助や通院介助を行います。
ご利用者さまは1日に複数回、訪問介護サービスを利用することができます。その場合、サービス利用の間隔を原則2時間以上空ける規定があり、これを訪問介護の「2時間ルール」と言います。なぜなら2時間以上空けない場合、利用する訪問介護サービスが違っていても、1回の同じサービスとみなされるからです。
訪問介護の単位数と2時間ルール
訪問介護サービスは、サービス提供の所要時間を合算して報酬を算定します。介護保険によりご利用者さまの自己負担は基本的に1割ですが、サービス利用時間やそれに伴う単位によって自己負担額も変動します。ただし1単位あたりの単価は地域によって異なるので注意が必要です。以下は訪問介護サービスの種別と、所有時間に伴う単位です。
身体介護中心型 | 所要時間 | 所要時間に対応する単位数 |
---|---|---|
20分未満 | 167単位 | |
20分以上30分未満 | 250単位 | |
30分以上1時間未満 | 396単位 | |
1時間以上1時間30分未満 | 579単位 | |
生活援助中心型 | 20分以上45分未満 | 183単位 |
45分以上 | 225単位 |
2時間ルールがあることで、単位数の計算方法が変わります。たとえば1日2回、それぞれ25分の身体介護サービスを受けたとします。サービス利用の間隔を2時間以上空けた場合は、250単位×2で500単位の加算です。しかしサービス利用の間隔が2時間未満の場合、同一サービスとして扱われるため、所要時間50分とみなされ単位は396単位となります。
所要時間が同じであっても、2時間ルールが適用されることで単位数は大幅に変わり、それに伴いご利用者さまの自己負担額も大きく変動します。
訪問介護は、ご利用者さまの生活に密着したサービスです。そのためご利用者さまの生活パターンに合わせてサービスが提供されるべきとの考え方から、サービスごとに単位が加算されるよう、2時間ルールが設けられました。
訪問介護の2時間ルールに関する例外
基本的に2時間ルールが設けられている訪問介護ですが、例外についても押さえておきましょう。現時点では、以下の2つのケースで2時間ルールが例外とされています。
指定訪問介護事業所による20分未満の身体介護の場合
頻回で訪問可能な指定訪問介護事業所の場合、前後のサービス利用間隔が2時間未満であっても、所要時間を合算せず、それぞれに応じた単位数を加算することが可能です。たとえば1日3回の訪問介護サービスを利用し、うち1回が指定訪問介護事業所による20分未満のサービス利用だとします。その場合、前のサービス利用から2時間未満の間隔であっても、合算せずに167単位が加算されます。
看取り期の対応の場合
看取り期は、通常よりも頻回の訪問介護が必要とされることから、単位数についても柔軟な対応が求められてきました。そこで2021年度の介護報酬改定により、看取り期の2時間ルールの運用弾力化が実現。そのため看取り期であれば、訪問間隔が2時間未満でも所要時間を合算せずに、それぞれの単位数が算定できるようになりました。
訪問介護の2時間ルール適用の具体例
ここでは訪問介護の2時間ルールをより理解できるよう、3つのサービス利用の具体例を挙げて解説します。
2時間ルール適用の具体例1
1日2回、それぞれ20分以上30分未満の身体介護サービスを受けたとします。サービス利用の間隔が2時間未満の場合、両サービスの所要時間は合算され、30分以上1時間未満とみなされます。そのため加算される単位数は、396単位です。
2時間ルール適用の具体例2
1日3回、それぞれ20分以上30分未満の身体介護サービスを受けたとします。1つ目の間隔が2時間未満、2つ目の間隔が2時間以上だった場合、1つ目と2つ目は所要時間が合算されて30分以上1時間未満とみなされます。一方2つ目と3つ目の間は2時間以上空いていることから、独立した所要時間として扱われます。そのため加算される単位数は、396+250の合計646単位です。
2時間ルール適用の具体例3
頻回訪問が可能な指定訪問介護事業所のサービスを利用しており、1日2回、20分以上30分未満と20分未満の身体介護サービスを受けたとします。この場合、サービス利用間隔が2時間未満でも合算せず、独立した所要時間とみなされます。そのため加算される単位数は、250+167の合計417単位です。
訪問介護の2時間ルールにより、加算される単位数が変わる!
今回は訪問介護の2時間ルールについて、詳しく解説しました。2時間ルールは訪問介護には欠かせない規定です。例外もあるため、ルール適用のパターンは必ず押さえるようにしましょう。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。