小規模多機能居宅介護の30日ルールとは?どこよりもわかりやすく解説!
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2021/09/26
小規模多機能型居宅介護は、中重度の要介護者ができる限り在宅で生活を継続できるよう支援する介護保険サービスです。介護保険サービスを利用するにあたりさまざまなルールが設けられていますが、そのうちの1つに30日ルールがあります。今回は小規模多機能型居宅介護で働く上で必ず押さえておくべき、30日ルールについて詳しく解説します。
目次
小規模多機能型居宅介護の30日ルールとは
小規模多機能型居宅介護を提供する上で、30日ルールについて知っておく必要があります。
小規模多機能型居宅介護における30日ルールとは、訪問診療に関する内容です。ここでは小規模多機能型居宅介護における、訪問診療の30日ルールについて解説します。
訪問診療に関する30日ルール
小規模多機能型居宅介護にて宿泊サービスの利用中に訪問診療を受ける場合は、以下ルールが設けられています。
ショートステイ利用前の30日以内に、自宅で訪問診療サービスを受けている必要がある
この30日ルールのポイントは、「自宅で」訪問診療サービスを受けている必要がある点です。自宅で受けていることが条件となっているため、小規模多機能型居宅介護サービスを受ける以前に他介護施設で訪問診療サービスを受けていた方は対象外となってしまいます。そのため自宅外で訪問診療サービスを受けていた方が、引き続き小規模多機能型居宅介護にて訪問診療サービスを受けるには、一旦自宅へ戻って訪問診療サービスを受けなければならないケースもありました。
一方小規模多機能型居宅介護での宿泊サービスの利用が短期間や単発である場合は、訪問診療の30日ルールは意識しなくても問題ないでしょう。しかし長期的に宿泊サービスを利用する可能性がある場合は、注意が必要です。
令和2年度の診療報酬改定で30日ルールが緩和
これまでは上記で解説したように、サービス利用開始前の30日以内に自宅で訪問診療サービスを受けている必要がありました。しかし令和2年度の診療報酬改定により、30日ルールが見直されました。
退院直後に小規模多機能型居宅介護または看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)を利用する医療的なニーズの高い患者について、自宅への生活へスムーズに移行できるよう、宿泊サービス利用開始前30日以内の訪問診療の算定がない場合においても訪問診療を行うことを可能とする。
つまり、退院直後に小規模多機能型居宅介護を利用した場合に限り、30日ルールの適用なく小規模多機能型居宅介護の宿泊サービスで訪問診療を受けることができます。「退院日から」という条件はあるものの、診療サービスを必要とする利用者にとって小規模多機能型居宅介護の利便性が向上しました。なお医療機関から退院した場合を除いて、これまで通りの30日ルールが適用されるため要注意です。
小規模多機能型居宅介護とショートステイの30日ルール
小規模多機能型居宅介護における30日ルールとは訪問診療に関するものですが、ショートステイ単体では宿泊日数に関するルールのことを指します。ここではショートステイにおける30日ルールを踏まえて、小規模多機能型居宅介護での適用有無をみていきます。
ショートステイにおける30日ルールとは
小規模多機能型居宅介護でも宿泊(ショートステイ)サービスが提供されますが、介護サービスには単体のショートステイサービスも存在します。単体のショートステイサービスには、要介護度や医療ケアの必要性などに応じて以下3種類のサービスがあります。
・短期入所生活介護
・短期入所療養介護
・保険適用外のショートステイ
それぞれ受けられるサービスや、提供する事業所が異なります。ショートステイは短期的な入所を想定したサービスであるため、利用にあたって以下ルールが設けられています。
・連続30日を超えての利用はできない
・介護認定期間の半数を超えての利用はできない
連続30日を超えてショートステイが利用できないことを、30日ルールと呼んでいます。小規模多機能型居宅介護における30日ルールとは内容が違うため、それぞれの内容を押さえておきましょう。
30日以上の滞在をする場合は理由届出書が必要
やむを得ない理由で30日以上の連続利用をしなければいけない状況になることもあり得ます。その場合には理由届出書が必要です。
理由届出書はケアマネージャーが作成し、自治体へ提出します。利用期間を超える妥当性が判断され認められれば30日以上の利用が可能になります。
理由届出書の概要
記入者 | 事業者(ケアマネジャー) |
---|---|
提出先 | 各自治体 |
フォーマット | 自治体による |
記入方法 | 自治体の書式に則る |
連続に数えられるケースと数えられないケースについて
連続として数えられないケース |
---|
・他のサービスに入所する ・一度自宅に帰宅する |
上記2つのケースでは、連続利用とみなされません。30日の段階で1日帰宅すれば、その次の日からは1日目としてカウントされます。またショートステイ以外のサービスに入所すると連続使用とは見なされなくなります。これは裏返せば、ショートステイから別の施設のショートステイに移動しても意味がないということです。30日目に別のショートステイに変更したとしても、1日目ではなく31日目と数えられてしまいます。
小規模多機能型居宅介護の30日ルールは訪問診療に関する内容
小規模多機能型居宅介護における30日ルールとは、宿泊サービス利用中の訪問診療に関する内容です。小規模多機能型居宅介護の宿泊サービスで訪問診療を受けるにあたり、サービス利用開始以前30日以内に自宅で訪問診療を受けている必要があります。ただし現在は、退院直後にサービス利用する場合のみ30日ルールが適用外となりました。ショートステイ単体との30日ルールと混同しないよう、今記事を参考に内容を押さえてみてください。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。