ケアマネージャー試験のまとめ|試験日・試験内容・合格率・勉強方法とは
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2022/02/07
ケアマネージャーは、キャリアアップとして目指される職の1つ。ケアマネージャーになるには、まず資格試験に合格する必要があります。今回はケアマネージャー試験について、試験日や試験内容、合格率や勉強方法などを詳しくまとめています。今後ケアマネージャー試験を受ける予定がある、検討している方は参考にしてください。
目次
ケアマネージャー試験の概要
ケアマネージャー試験は、正式名称を「介護支援専門員実務研修受講試験」といいます。試験は例年10月に各都道府県で実施。受験申込期間は例年5月下旬〜6月下旬となりますので、受験地である各都道府県のホームページで確認してみてください。
ケアマネージャー試験の内容
ケアマネージャー試験は5肢複択の出題で、マークシート方式による解答です。出題数は全60問となり、その内訳は以下の通りです。
区分 | 問題数 | |
---|---|---|
介護支援分野 | 介護保険制度の基礎知識 要介護認定等の基礎知識 居宅・施設サービス計画の基礎知識等 |
25問 |
保険医療福祉サービス分野 | 保険医療サービスの知識等 | 20問 |
福祉サービスの知識等 | 15問 | |
合計 | 60問 |
ケアマネージャー試験における出題傾向は毎年変わり、問題の難易度によって合格基準も補正されます。
ケアマネージャー試験の受験資格
対象となる資格または業務における実務経験が通算5年以上、かつ日数900日以上を満たすことで受験資格が得られます。該当する資格、及び業務は以下の通りです。
資格区分 | ・医師 ・歯科医師 ・薬剤師 ・保健師 ・助産師 ・看護師 ・准看護師 ・理学療法士 ・作業療法士 ・社会福祉士 ・介護福祉士 ・機能訓練士 ・義肢装具士 ・歯科衛生士 ・言語聴覚士 ・あん摩マッサージ指圧師 ・はり師、きゅう師 ・柔道整復師 ・栄養士(管理栄養士含む) ・精神保健福祉士 |
---|---|
業務区分 | ・特定施設入居者生活介護での生活相談員 ・地域密着型特定施設入居者生活介護での生活相談員 ・地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護での生活相談員 ・介護老人保健施設での支援相談員 ・介護予防特定施設入居者介護での生活相談員 ・計画相談支援での相談支援専門員 ・生活困窮者自立相談支援事業での主任相談支援員 |
該当資格の幅が広い点が特徴ですが、その資格において要援護者に対する直接的な対人援助業務を本来業務として明確に位置づけている必要があります。つまりその資格を持っていても、教育業務や研究業務、営業や事務など対人援助業務以外に従事している期間は、受験資格に相当する実務経験年日数には含まれません。
ケアマネージャー試験を受けるまでの流れ
受験にあたり、まずは願書が必要です。願書は各都道府県のケアマネージャー試験実施団体にて、受け取れます。願書と必要書類の用意ができたら、申込期間内に送付します。願書送付先などの詳細は、願書受け取り時に配布される書類を確認してみましょう。
申し込みが完了し手続きが終了すれば、受験票が自宅に送付されますので試験日まで無くさないように保管しましょう。
ケアマネージャー試験合格後の流れ
実は、ケアマネージャー試験に合格するだけではケアマネージャーとして業務を始めることができません。試験合格後は、以下流れを完了することで業務が開始できます。
①介護支援専門員実務研修を受講
②受講後3ヶ月以内に介護支援専門員資格登録簿へ登録申請
③介護支援専門員証の交付申請
※申請先は居住地となる都道府県
申請先や書類形式、手数料などは都道府県によって違う場合もあるため、事前にしっかりと確認しましょう。
ケアマネージャー試験の合格率|難易度は高い?
ケアマネージャー試験は、介護系資格試験の中でも難関といわれています。ここではケアマネージャー試験の合格率をふまえて、難易度についてみていきます。
ケアマネージャー試験直近5年間の合格率
ケアマネージャー試験の直近5年間の合格率は、以下の通りです。
受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率 | |
---|---|---|---|
第23回(令和2年度) | 46,415 | 8,200 | 17.7% |
第22回(令和元年度) | 41,049 | 8,018 | 19.5% |
第21回(平成30年度) | 49,332 | 4,990 | 10.1% |
第22回(平成29年度) | 131,560 | 28,233 | 21.5% |
第21回(平成28年度) | 124,585 | 16,281 | 13.1% |
例年10〜20%台と、合格率が低い点が特徴です。受験資格を満たすまでに最低でも5年の年月と要することも相まって、ケアマネージャー試験の難易度は高いといわれています。
ケアマネージャー試験と他試験の合格率の比較
他試験の合格率と比較すると、ケアマネージャー試験の難易度の高さがはっきりとわかります。
合格率(令和2年度) | |
---|---|
ケアマネージャー試験 | 17.7% |
介護福祉士試験 | 71.0% |
社会福祉士 | 29.3% |
精神保健福祉士 | 64.2% |
看護師 | 95.4% |
保健師 | 97.4% |
理学療法士 | 86.4% |
作業療法士 | 88.8% |
上記で挙げた資格は、合格率70%以上を占めるものがほとんどです。例年の合格率が10〜20%台、過去最高でも44.1%であるケアマネージャー試験は難関といえるでしょう。
受験資格の厳格化により難易度がアップ
平成30年度の第21回試験より受験資格が変更され、受験者数が大幅に減少しています。平成29年度まで要件に含まれていた介護等の業務やケース・ワーカーが対象外となり、さらには介護職員初任者研修や旧ホームヘルパー2級、実務者研修などの有資格者向けの受験資格制度が廃止されたのです。受験資格が国家資格所有者または相談援助業務に従事している、かつ実務経験が5年以上と厳格化されたことで、受験までの難易度もアップしました。受験資格の厳格化は、ケアマネージャーの資質と専門性の向上を目的としていることがうかがえます。
ケアマネージャー試験の勉強方法とポイント
ケアマネージャー試験に向けてどのように勉強すれば良いのか、独学で合格は可能なのかは気になるポイントでしょう。ここではおすすめの勉強方法と、勉強のポイントをお伝えします。
独学でも可能?おすすめの勉強方法
独学でも合格可能ですが、確実に資格取得したい場合には通信講座や対策講座を受講する方がよいでしょう。自分のペースでスケジュールを立ててしっかりと勉強を進められる方であれば、独学でも問題ないでしょう。しかし、法改正による試験内容の変更・改訂などの最新情報も、自分で把握する必要があります。対策講座や通信講座ではそうした最新情報もいち早く入手することが可能。さらに出題傾向や予想問題、模擬試験など、市販の教材だけではまかなえない部分まで広く対策してくれます。また、わからない点を講師に直接質問できる点も、対策講座や通信講座の魅力の1つです。
講座の受講は独学に比べて費用がかかってしまいますが、手厚いサポート体制のもと勉強したい、決まったスケジュールで勉強を進めていきたい場合には、対策講座や通信講座を活用してみてください。
ケアマネージャー試験の勉強のポイント
難関であるケアマネージャー試験ですが、ポイントを押さえてしっかりと勉強することで十分に合格が目指せます。試験合格のためには、以下ポイントを意識して勉強を進めてみましょう。
・専門用語は確実に理解できるようにする
・過去問を重点的に活用する
・各分野の合格基準点を目指して勉強する
ケアマネージャー試験には、法律や制度に関する難しい専門用語も頻出します。そのため、まずは専門用語を確実に理解できるようにすることがポイントです。そして、重要な問題は繰り返し出題される傾向にあります。出題傾向やよく出題される問題を把握するためにも、過去問を重点的に活用しましょう。また、出題範囲が広いことから、全てを100%の正答率に持ってくるのはかなり難しいといえます。そのため、まずは各分野で70%以上の正答率を目指して勉強するとよいでしょう。
ケアマネージャー試験は難関だが、十分に対策することで合格可能!
ケアマネージャー試験は、介護資格の中でも難関です。合格率だけでなく、受験資格を満たすまでの過程も含めて難易度が高いといえます。しかし、しっかりと対策することで、十分に合格が目指せます。試験は例年10月に実施されるため、受験資格を満たすタイミングも踏まえて試験を受ける年をあらかじめ決めて、十分な対策期間を設けてみてください。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。