サ責(サービス提供責任者)に向いてない人の特徴とは|サ責の適性を知ろう
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2022/03/12
在宅介護の需要が高まっている中、訪問介護事業所に必須のポジションであるサ責サービス提供者)の需要も増加しています。しかし、サ責の離職率は、採用率を上回っているのが現状。就職・転職してからサ責に向いていなかったと後悔しないよう、今記事を参考にサ責に向いていない人の特徴や適性を押さえてみてください。
目次
サ責(サービス提供責任者)の離職について
サービス提供責任者、通称「サ責」は、ケアマネやヘルパーと連携しながら訪問介護事業所におけるコーディネイト業務を行います。業務内容は幅広く、代表的な業務には訪問介護計画書の作成や利用者・関係者の窓口、ヘルパーのマネジメントや現場での介護業務があります。現場に関わりつつヘルパーのマネジメントなど管理業務も担当するなど、マルチに活躍する点が特徴です。さらに訪問介護事業所ではサ責の配置が義務付けられているため、欠かせない存在です。
需要の高い職種である反面、サ責の離職率は採用率を上回っています。介護労働安定センターの「令和元年度 介護労働実態調査の結果」によると、採用率11.8%に対し離職率は12.6%です。離職率が高い理由はさまざまですが、「実際に働いてみてサ責に向いていなかった」ことも原因の1つでしょう。サ責になって「失敗した」「後悔した」ということにならないよう、昇格・転職前にサ責の仕事や適性について理解を深めておくことがポイントです。
サ責に向いてない人の特徴
キャリアアップのためになんとなくサ責になった、表面的にしかサ責を理解していないなどの場合、仕事を始めてから「向いていない…」と後悔してしまうことも。そのため、キャリアの中で、サ責になることを視野に入れている場合は、ご自身の適性や性格を踏まえて、サ責に向いているかを判断することが重要です。以下のような特徴の方は、サ責に向いていないといえます。
人に指示・指導するのが苦手
サ責は職種名の通り、訪問介護事業所におけるサービス提供の責任者です。事業所のまとめ役となり、ヘルパーのマネジメントなども行います。良い介護サービスを提供するには、必然的にヘルパーへの指示出しや指導が発生します。時には利用者やご家族からクレームが入り、そのことについて指導するといった、心苦しいシーンも出てくるでしょう。そのため、人に対して指示・指導することが苦手な方はサ責の仕事にストレスを感じてしまうため、向いていないといえます。
人と話すのが苦手
サ責の業務は利用者やヘルパーをはじめ、利用者のご家族やケアマネージャーなど多くの人と連携・調整を図る立場にあります。また、訪問介護計画書を作成するには、利用者やご家族から介護ニーズを引き出すなど、コミュニケーション能力が求められます。一般介護職にもコミュニケーション能力は求められますが、多くの人と連携しながら業務を行うサ責はそれ以上にコミュニケーション能力が必要です。そのため、人と話すのが苦手な方はサ責に向いてないでしょう。
現場での介護が好き
サ責は現場に出向いて介護業務を行うこともありますが、メイン業務は介護計画書作成や手続き関連の事務業務、マネジメント業務です。そのため、直接利用者に関わる機会が少なく、現場でのやりがいを感じることが少ないといえます。現場での介護業務が好き、やりがいを感じている方は、現場から一歩引くサ責の仕事には向いていないかもしれません。
マルチタスクが苦手
サ責の業務内容は幅広く、かつそれらを並行して行わなければなりません。介護計画書の作成やヘルパーのシフト作成、サービス担当者会議の出席など、サ責にしかできない仕事がほとんどです。特に介護計画書の作成やヘルパーのシフト作成などは、期限内に行わないとサービスが回らなくなってしまいます。複数の業務を並行しつつスケジュール管理も徹底しなければならないため、マルチタスクをこなすのが苦手な方はサ責の仕事を辛く感じてしまうでしょう。
割り切って考えることが苦手
サ責は、いくつもの業務を並行してこなしていかなければなりません。連携・調整を図る対象が多いことからも、細かいことを1つひとつ気にしすぎていると効率的に業務が遂行できなくなってしまいます。だからといっていい加減に仕事をしてはならないので、時には割り切って考えることも必要です。そのため細かいことを気にしすぎてしまう方や割り切って考えることが苦手な方は、サ責に向いていないでしょう。
サ責に向いている人の特徴
一般介護職の適性だけでサ責として、仕事をこなしていくのは難しいといえます。ここではサ責に向いている人の特徴をみていきます。サ責へのキャリアアップを検討している、将来的にサ責を目指すことを考えている方は、ぜひご自身の適性にマッチしているかをチェックしてみてください。
連携・調整を円滑に行える
サ責は利用者やご家族だけでなく、利用者のケアマネや事業所内のヘルパーなど多くの人とのパイプ役となり、連携・調整を図るポジションです。それぞれの要望や意見を調整し、より良いサービスを提供する役割を持ちます。たとえば、ヘルパーの能力を考慮し、利用者のニーズに合ったサービスを提供できるか否かはサ責次第です。周囲の状況を把握しながら、必要な連携・調整を図ることに長けている人は、サ責として活躍できます。
傾聴力がある
ヘルパーや利用者の要望、ケアマネの意見など、サ責は多くの人の窓口となる立場にあります。つまり事業所を円滑に運営できるか、利用者により良いサービスを提供できるかは、サ責の腕にかかっているのです。そのためにも、まずは各々の要望や意見を受け入れ、その後に最適な答えを導き出す必要があります。しっかりと聞き入れずに勝手に行動してしまうと、周囲からの信頼を失ってしまいます。みんなから頼られる立場にあるからこそ、傾聴力が重要です。
効率的に仕事をこなせる
サ責は責任ある業務を、いくつも並行して担当します。サービスを管理する立場であることからも、効率的かつ正確に仕事をこなす必要があります。スケジュール管理や自己管理を徹底しながら、マルチタスクを効率的にこなせる方はサ責に向いているでしょう。
マネジメントが得意
現場のヘルパーをまとめ、良いサービスが提供できるよう努めるのがサ責です。直接介護を提供するのはヘルパーであり、ヘルパーが提供したサービスの責任を請け負う立場にあります。良いサービスを提供するにはヘルパーのマネジメントが重要であるため、指示出しや指導することに抵抗なくマネジメントが得意な方はサ責に最適です。
サ責によくある悩み・大変と感じること
大変なことがいくつも重なってしまったり、悩みを抱え込んでしまうと「自分はサ責に向いていないのでは…」と考えてしまいがちです。しかしサ責に向いている人でも、悩み抱えたり、大変さを感じたりすることはあります。「サ責に向いていないかも」と判断してしまう前に、サ責に共通する悩みや大変と感じることをチェックしてみてください。
クレームや相談業務が大変
サ責は利用者やご家族、ヘルパーと多方面の窓口になるため、相談にのったりクレームを受けることが多くあります。特に現場ヘルパーに対するクレームに対して、謝罪しなければならないことも。また、各方面からの相談を調整し、1つの解決策や改善策にまとめるのもサ責の役割です。成長の機会が多く、頼りにされるやりがいのあるサ責ですが、この点を負担に感じてしまう方も少なくありません。
事務作業で残業が発生しがち
多くの業務を並行して行う中、どうしても現場に直接関係ない事務作業は後回しになってしまいがちです。日中はヘルパーの連絡や介護計画書業務などを優先して行うため、請求業務やその他書類関連の事務作業は残業で行うしかない場合もあります。
うまく連携が取れない
良い介護サービスを提供するには訪問介護計画書を作成するサ責をはじめ、現場のヘルパーや利用者のケアマネなど多方面と連携する必要があります。しかし、ヘルパーに伝えた要望やケアマネの作成した介護計画書の調整を依頼しても、なかなか受け入れてもらえないケースも。うまくコミュニケーションが取れずに、連携が図れない点に悩んでいるサ責も多くいます。この点はヘルパーやケアマネとの相性もあるため、一概に本人だけに原因があるとは言えない難しいところです。
サ責に向いていない人の特徴を押さえ、適性があるかをチェックしよう
サ責に向いていないかを判断する前に、まずはその悩みが解決できるものなのかを考えることが大切です。そしてこれからサ責を目指す方は、サ責の業務や役割を理解した上で、サ責に向いてない人の特徴に当てはまるか、自分の強みやスキルがサ責の適性にマッチしているかを確認してみてください。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。