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言語聴覚士とはどんな仕事?なり方や給料などもわかりやすく解説!

著者: ゲートウェイ

更新日:2023/12/22

公開日:2022/05/23

言語聴覚士は、医療・福祉・介護業界で働く職種の1つ。理学療法士や作業療法士と同じリハビリ専門職ですが、その中でも歴史が浅い比較的新しい資格です。今回は言語聴覚士の仕事や給料事情、なり方など、言語聴覚士の基本についてわかりやすくご紹介します。

言語聴覚士とは

厚生労働省では、言語聴覚士を以下のように定義しています。

言語聴覚士とは、厚生大臣の免許を受けて、言語聴覚士の名称を用いて、音声機能、言語機能又は聴覚に障害のある人々に対して、その機能の維持向上を図るため、言語訓練その他訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他援助を行うことを業とする者をいう。

 

言語聴覚士は英名「Speech Therapist」でもあることから、通称「ST」と呼ばれることもあります。理学療法士・作業療法士と同じくリハビリの専門職かつ国家資格であり、その中でも音声機能や言語機能、聴覚を領域としているのが言語聴覚士です。生きていく上で欠かせない、ことばによるコミュニケーションの問題に関して専門的にサポートする仕事です。

言語聴覚士の歴史

言語聴覚士の歴史は浅く、資格が制定されたのは1997年12月です。言語聴覚士の必要生は1960年代半ばより叫ばれており、1971年には現国立身体障害者リハビリテーションセンターで言語聴覚士の養成が始まっていました。国家資格として正式に制定されたのは1997年であり、初の国家試験は1999年3月に実施されました。第1回国家試験では4,003名の言語聴覚士が誕生し、2021年3月には36,255名の有資格者が存在します。2006年には一般社団法人となり、日本言語聴覚士協会が管轄しています。

言語聴覚士が働く場所

言語聴覚士は医療機関をはじめ、保健・福祉機関や教育機関と幅広い領域で活躍しています。各分野の主な職場は、以下の通りです。

医療機関 ・大学病院
・総合病院
・専門病院
・リハビリテーションセンター
・地域病院
・診療所 など
保健施設 ・介護老人保健施設
・デイケアセンター
・訪問看護事業所
・訪問リハビリテーション事業所
・保健センター
・保健所 など
福祉施設 ・特別養護老人ホーム
・デイサービスセンター
・肢体不自由児施設
・重症心身障害児施設 など
教育機関 ・小中学校
・特別支援学校
・研究施設
・教育機関(大学、短大、専門学校) など

言語聴覚士の役割・仕事内容

ここでは、言語聴覚士の役割や仕事内容についてみていきます。

言語聴覚士の役割

言語聴覚士はコミュニケーションに必要な「発声」「発音」「聴覚」、食事に必要な「食べること」「飲み込むこと」を専門領域とします。ことばによるコミュニケーション、そして食べる・飲むことは生きていく上で欠かせない動作です。こうした機能に障がいを持つ原因は、生まれつきや事故・病気による後遺症と人によってさまざまです。サポート対象は小さな子どもから高齢者と幅広く、さまざまな背景からその人らしい生活・人生が送れるよう専門的にサポートすることが言語聴覚士の役割です。

言語聴覚士の仕事内容

言語聴覚士の仕事は、コミュニケーションや食べることに関する障害の原因に合わせて必要なサポートを提供することです。ただ機能の維持・向上・回復を図るだけでなく、その人らしい生活・人生を送れるよう包括的にサポートすることが求められます。具体的な仕事内容は、下記のようにさまざまです。

・聴力、音声機能、言語機能などの検査
・障害の状態に合わせた機能回復訓練:発声訓練、発話訓練、コミュニケーション訓練、嚥下訓練など
・助言
・生活環境の整理

言語聴覚士が専門とする障害は言語・コミュニケーションから聴覚、認知や嚥下と多岐にわたります。メインの仕事はリハビリによる機能回復・維持・向上ですが、どんなリハビリを提供するかはその人の障害やその状態、年齢や生活環境などあらゆる要素で変わる点が特徴です。

言語聴覚士になるには

言語聴覚士は国家資格であるため、なるには国家試験に合格しなければなりません。ここでは、言語聴覚士になるためのルートや国家試験についてご紹介します。

言語聴覚士になるためのルート

国家試験を受けるには、受験資格を満たしている必要があります。受験資格取得ルートは、主に以下2つです。

▼高校卒業後、①②いずれかのルートに進む
①養成課程のある3〜4年制の大学・短大・専門学校を修了
②一般の4年制大学を卒業後、養成課程のある大学・大学院・専門学校を修了

言語聴覚士の養成課程を満たす大学・短大・専門学校のいずれかに進むことが必須条件です。高校卒業から最短で国家試験を受けたい場合は、3年制の短大または専門学校へ就学します。なお、一旦社会人になった後に言語聴覚士を目指す場合も上記ルートに則って必要なルートへ進みます。つまり高卒で就職した場合には3〜4年制の学校へ、一般の4年制大学を卒業している場合は養成課程を満たせる学校へ進学します。

言語聴覚士国家試験の概要

言語聴覚士の国家試験は2月中旬に試験実施、3月下旬に合格発表が例年のスケジュールです。2022年の国家試験は2月19日(土)が試験日、3月25日(金)が合格発表でした。そして、開催地は北海道、東京都、愛知県、大阪府、広島県、福島県の全国6都市。試験は下記12科目から基礎科目100問・専門科目100問の全200問が出題され、1問1点で正答率6割以上が合格基準です。

1. 基礎医学
2. 臨床医学
3. 臨床歯科医学
4. 音声・言語・聴覚医学
5. 心理学
6. 音声・言語学
7. 社会福祉・教育
8. 言語聴覚障害学総論
9. 失語・高次脳機能障害学
10. 言語発達障害学
11. 発声発語・嚥下障害
12. 聴覚障害学

言語聴覚士国家試験の合格率・難易度

下記は、過去5年間の言語聴覚士国家試験の合格率です。

受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
第24回(2022年) 2,593 1,945 75.0
第23回(2021年) 2,546 1,766 69.4
第22回(2020年) 2,486 1,626 65.4
第21回(2019年) 2,367 1,630 68.9
第20回(2018年) 2,531 2,008 79.3

受験者数に大幅な増減はなく、合格率は直近では上昇傾向にあります。また作業療法士や理学療法士と比較すると合格率は低く、リハビリ専門職の中では難易度が高い資格といえます。

言語聴覚士の給料

厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」によると、言語聴覚士を含むリハビリ職の平均年収は426.5万円です。作業療法士・理学療法士・言語聴覚士のリハビリ3職種の中で、言語聴覚士の給料水準は低い傾向にあると言われています。言語聴覚士は作業療法士・理学療法士よりも歴史の浅い資格であり、就業者の平均年齢が若いことが背景にあります。リハビリ職は年齢に応じて給料が上がる傾向にあるため、平均年齢が若いことが給料にも影響すると考えられます。しかし、現在では作業療法士・理学療法士と差も大きくなく、給料差は職種よりも勤務先によって差が出ることの方が多いようです。

言語聴覚士の魅力・やりがい

言語聴覚士のやりがいは、生きていく上で欠かせない「話す」「聞く」「食べる」機能のサポートに徹することです。普通の人にとって当たり前であることでも、障がいのある方や患者さんにとっては難しいもの。リハビリを通して「会話を楽しめた」「少しずつ話せるようになった」「固形のご飯が飲み込めた」など、間近でその達成感を一緒に味わえます。自分のリハビリで機能が回復し、障がいのある方や患者さんが生きる喜びや楽しさを取り返してくれる姿を見られるのは言語聴覚士の大きなやりがいでもあり、魅力です。

言語聴覚士は国家資格をもつ「話す」「聞く」「食べる」分野のリハビリ専門職!

国家資格を持つリハビリ専門職の言語聴覚士は、コミュニケーションや食べる分野を専門領域とします。活躍の場は医療から保健・福祉、教育とさまざま。さらにサポート対象も子どもから高齢者と幅広く、さまざまな分野を専門とする点で活躍の幅が広い点が特徴です。今記事を参考に、言語聴覚士とはどんな仕事か理解を深めてみてください。

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ゲートウェイ

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異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。

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