介護職の夜勤手当の相場は?高収入を得るポイントや長く働くコツも解説
著者: ゲートウェイ
更新日:2025/04/11
公開日:2025/04/11
介護職の夜勤手当の相場はどのくらいなのでしょうか?手当の相場を正しく理解することで、自分の働き方や将来設計を見直すきっかけになるでしょう。本記事では、介護職における夜勤手当の平均相場や施設ごとの違い、その他の手当との比較、さらに収入を増やすポイントや長く続けるための工夫までを詳しく解説します。
目次
介護職の夜勤手当の相場は?
介護職における夜勤手当の相場は、1回あたりおおよそ5,000円~8,000円程度が全国平均とされています。たとえば、月に5回夜勤を行えば、合計で25,000円~40,000円程度が加算される計算になるでしょう。
ただし、手当の金額や回数は施設の形態や雇用形態によって異なり、月ごとの収入にも差が生じます。
【夜勤手当の高い施設・低い施設】
夜勤手当の高い施設 | 夜勤手当の低い施設 |
---|---|
・医療機関併設や大手法人が運営している ・都市部や人手不足の地域に立地している ・夜勤体制が厳格で業務負担が大きい |
・小規模な事業所や家族経営の施設が多い ・地方に立地し人件費が抑えられている ・夜勤業務や負担が比較的軽めである |
夜勤手当の金額は施設によって大きく異なります。ここでは、夜勤手当が高い施設と低い施設それぞれの特徴を紹介し、違いを解説します。
夜勤手当の高い施設
夜勤手当が高い施設には、医療機関併設や大手法人が運営しているところが多くみられます。こうした施設は都市部や人手不足の地域に立地していることが多く、人材確保のために手当を高めに設定している傾向があるでしょう。
また、夜勤中の業務負担が大きく、体制も厳格であるため、それに見合った手当が支給されやすい点が特徴です。
夜勤手当の低い施設
夜勤手当が低めに設定されている施設は、小規模な事業所や家族経営の介護施設に多く見られます。これらは主に地方に立地し、人件費を抑える運営方針であることが理由の1つです。
また、夜勤業務の負担が比較的軽く、スタッフ同士の協力体制も整っていることから、手当の水準が低くなっているケースがあります。
介護職の夜勤手当とは?
介護職における夜勤手当とは、夜間に勤務した際に基本給とは別に支給される企業独自の手当を指します。これは、法的に義務付けられたものではなく、各事業所の就業規則や労使協定によって、支給の有無や金額が定められることがほとんどです。
夜勤による身体的・精神的負担への配慮として支給されるケースが多く、正社員に限らず契約社員やパート職員にも適用されることがあります。勤務時間や日数により支給額は変動するため、求人を検討する際には内容をよく確認することが大切です。
【夜勤手当と深夜割増賃金の違い】
夜勤手当 | 企業が夜間勤務に対して任意で支給する手当 |
---|---|
深夜割増賃金 | 午後10時~午前5時の勤務に対して法律で義務付けられた割増賃金 |
夜勤手当は、企業が夜間勤務の負担に対して任意で支給する手当であり、法的な義務はありません。就業規則や労使協定に基づいて金額や支給条件が決められており、事業所によって内容は異なります。そのため、求職者は求人を選ぶ際に夜勤手当の有無を確認することが重要です。
一方、深夜割増賃金は労働基準法により定められています。午後10時から午前5時の間に働いた場合、通常賃金の25%以上の割増賃金が必ず支給されるでしょう。
介護施設別の夜勤手当の相場
施設 | 夜勤手当の相場 |
---|---|
6,724円 | |
7,684円 | |
5,550円 | |
5,400円 | |
5,863円 | |
6,040円 | |
7,350円 |
介護職の夜勤手当は、施設の種類によって金額に差があります。ここでは、代表的な介護施設ごとの夜勤手当の相場を紹介し、その特徴を詳しく解説します。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームにおける夜勤手当の相場は6,724円程度です。入居者が長期的に生活する施設であり、夜間も一定の介護ニーズが継続します。
そのため、夜勤回数が多くなる傾向にあり、手当の支給も安定しやすいのが特徴です。業務量も比較的多く、身体介助が中心となることが多いため、一定の体力や経験が求められます。
介護老人保健施設(老健)
老健では、夜勤手当の相場が7,684円と比較的高めです。医療ケアとリハビリが中心の施設で、看護師との連携が求められる特徴があります。
夜間も利用者の容体変化に対応する必要があるため、夜勤の負担が大きい場合があるでしょう。医療体制が整っている施設では、その分手当が高く設定される傾向にあります。
グループホーム
グループホームの夜勤手当の相場は5,550円前後です。認知症の方を対象にした少人数ケアが特徴であり、夜勤中も家庭的な雰囲気の中で業務を行います。
夜間は比較的落ち着いた時間が流れることもありますが、個別対応が求められる場面も多いため、臨機応変な対応力が必要とされるでしょう。
小規模多機能型居宅介護
小規模多機能型居宅介護では、夜勤手当の相場は5,400円程度です。通い・訪問・宿泊を組み合わせたサービス形態で、夜勤は宿泊利用者への対応が中心となります。
日によって業務内容や利用者の人数が異なるため、柔軟な働き方が求められるでしょう。施設によって、夜勤の回数にも差があることが特徴です。
看護小規模多機能型居宅介護
この施設の夜勤手当の相場は5,863円です。医療ニーズの高い利用者が多いため、夜間も看護職と連携しながら対応する場面がみられます。
介護職としても観察力や対応力が求められるため、手当の水準もやや高めに設定されているでしょう。医療と介護が融合した現場での経験が積める点も特徴です。
単独型短期入所生活介護
単独型短期入所生活介護施設では、夜勤手当の相場は6,040円ほどです。ショートステイ専用の施設であり、利用者の入れ替わりが多く、夜間も対応力が求められます。
常連の入居者ではないため、一人ひとりの状態把握や柔軟なケアが求められる点が特徴です。業務は多岐にわたりますが、やりがいも感じられる現場でしょう。
介護医療院
介護医療院における夜勤手当の相場は7,350円程度です。医療と介護が一体となった施設であり、長期療養が必要な高齢者が多く入所しています。
夜間も医療的ケアに関わることが多く、業務の専門性が高いため、比較的高水準の手当が支給される傾向にあるでしょう。夜勤者にとっては責任の大きい環境です。
【夜勤手当以外も】介護職の他手当と相場
項目 | 平均給与 |
---|---|
268,680円 | |
300,240円 | |
302,430円 | |
331,080円 |
介護職では夜勤手当以外にも、資格や経験に応じた手当が支給されることがあります。保有資格ごとの平均給与や、業務内容を把握しておくことが重要です。
保有資格なしの介護職
資格を持たない介護職の平均給与は268,680円です。無資格者であっても、利用者の見守りや清掃、食事の配膳などの基本的な業務に従事することができます。
手当は資格保有者と比較すると低めに設定される傾向があるため、実務経験を積みながらステップアップを目指す方が多い傾向にあるでしょう。
介護職員初任者研修修了者
介護職員初任者研修修了者の平均給与は300,240円です。介護の基礎的な知識や技術を習得した入門資格で、無資格者に比べて手当が上乗せされることが多くなります。
見守りやオムツ交換、食事介助といった基本的なケア業務に携わりながら、職場での信頼も得やすくなるでしょう。資格取得が給与アップの第一歩です。
介護福祉士実務者研修修了者
実務者研修修了者の平均給与は302,430円です。この研修は介護福祉士国家試験の受験要件でもあり、中級レベルの知識と技術を学んだ人にあたります。
医療的ケアも一部実施できるため、夜勤時の対応範囲が広がることがあるでしょう。初任者研修修了者よりも、専門的な業務を担当する場面が増えるのが特徴です。
介護福祉士
介護福祉士の平均給与は331,080円で、介護職の中でも最も高水準の資格手当が支給される傾向があります。
国家資格を有し、高度な知識や技術を用いた介護を行う専門職としての位置づけです。職場によってはリーダー的な役割を任されることもあり、無資格者や後輩職員への指導・育成を担うケースも少なくありません。
【夜勤手当以外も】介護職の夜勤で給料を上げる3つのポイント
介護職で夜勤を担当する場合、夜勤手当以外にも収入を増やす方法があります。資格取得や勤務形態の工夫により、給与アップを目指すことが可能です。
資格を取得して手当を増やす
介護福祉士や実務者研修などの資格を取得すると、毎月の給与に資格手当が加算されるケースがあります。さらに、施設によっては、認定特定行為業務従事者などの専門資格で追加の手当が支給されることもあるでしょう。
加えて、資格を有することで夜勤時の責任者やリーダーとして配置され、役職手当が付く可能性も高まります。専門性を高めることで、より効率的な収入アップが期待できる手段です。
夜勤専従や夜勤回数を増やす
夜勤を専門に担当する「夜勤専従職員」になると、通常よりも高額な夜勤手当や特別手当を受け取れる場合があります。また、夜勤回数を増やすことで、手当の合計額を増やすことも可能です。
中には、一定期間に夜勤を多く担当した職員に対し、特別加算や夜勤強化手当を支給する施設も存在します。働き方を調整するだけで、効率良く収入を上げられる選択肢といえるでしょう。
処遇改善加算や特別手当がある施設を選ぶ
介護職員処遇改善加算の対象施設では、基本給に加えボーナスや手当という形で支給されるケースが増えています。さらに、特定処遇改善加算に対応している事業所では、勤続年数や保有資格に応じて手当が上がる制度を導入していることもあるでしょう。
夜勤手当の金額や支給基準は施設によって異なるため、待遇の良い職場への転職を視野に入れることも、収入アップへの有効な手段です。
介護職の夜勤で長く働くための3つのコツ
介護職の夜勤は体力的・精神的に負担が大きいため、無理なく長く続けるには工夫が必要です。生活習慣や職場環境を見直すことで、安定した勤務が可能になります。
夜勤に適した生活リズムを整える
夜勤に慣れるには、昼夜逆転の生活でも体調を崩さない工夫が求められます。夜勤前後の睡眠を計画的にとり、短時間の仮眠や休憩も規則正しく行うことが大切です。
また、栄養バランスの取れた食事とこまめな水分補給を意識することで、疲労や不調を軽減できます。自分の体に合った生活リズムを確立することで、夜勤でも安定して働ける基盤が整うでしょう。
夜勤中の負担を軽減する工夫をする
夜勤の業務負担を減らすには、作業の効率化やチーム内での分担が欠かせません。ナースコールや見回りのタイミングを調整し、無駄な動きを減らすことがポイントです。
また、防寒グッズやクッションなどの疲労回復アイテムを使い、身体へのストレスを軽減することも効果的です。小さな工夫を積み重ねることで、夜勤中の負担を抑えることができます。
職場選びとキャリアプランを考える
無理なく夜勤を続けるには、自分に合った勤務形態や回数を選べる職場を探すことが重要です。2交代制か3交代制かなど、働きやすさに直結する条件を見極める必要があります。
処遇改善加算や夜勤手当が整備された施設であれば、経済的な安心感も得られるでしょう。さらに、将来的なキャリアアップを見据えて資格取得や役職への挑戦も視野に入れると、働く意欲の維持につながります。
介護職の夜勤手当の相場に関するよくある質問
Q.介護職の夜勤手当の相場はどのくらいですか?
A.一般的に、1回あたり5,000~8,000円程度です。
介護職における夜勤手当の相場は、1回あたり5,000円~8,000円程度が一般的とされています。ただし、勤務先の施設形態や地域によって支給額には差があるでしょう。夜勤回数によって月収も変動するため、給与全体への影響も大きいといえます。
Q.夜勤手当は全ての介護施設で支給されますか?
A.多くの施設で支給されますが、すべてではありません。
夜勤手当は多くの介護施設で支給されていますが、必ずしもすべての施設で適用されるわけではありません。事業所の規模や運営方針、就業規則によって異なるため、事前の確認が重要です。また、夜勤回数や時間帯に応じて手当の有無や額が変わる場合もあるため、雇用契約時には詳細を確認することが望まれます。
Q.夜勤手当の金額は資格によって変わりますか?
A.手当自体は一律でも、資格手当が加わることがあります。
夜勤手当自体は資格の有無に関わらず一律で支給されるケースが多いですが、介護福祉士などの資格を保有していると、別途「資格手当」や「役職手当」が加算されることがあります。その結果として、資格を持つ職員の夜勤時の総支給額が高くなる傾向にあるでしょう。給与面での評価にもつながるため、資格取得は収入アップの一助となります。
Q.夜勤手当以外に追加で支給される手当はありますか?
A.処遇改善加算や、特別手当などが加算される場合があります。
夜勤手当に加えて、処遇改善加算による手当や特定処遇改善手当が支給されることがあります。これらは資格の有無や勤続年数などに応じて金額が変動し、賞与や一時金として支給される場合もあるでしょう。また、施設によっては夜勤強化手当やリーダー手当など独自の制度を設けているところもあり、総合的な手当が収入に大きく影響する要素となっています。
介護職の夜勤手当の理解を深めて自分に合った職場を選ぼう
介護職の夜勤手当の相場や手当の仕組み、給与アップのコツについて理解を深めることで、自分に合った働き方や職場選びがしやすくなります。本記事では、相場や施設別の違い、他手当、収入アップの工夫、そして夜勤を長く続けるためのコツまでを解説しました。働くうえで「知っているかどうか」は大きな差となります。待遇への理解を深めることで、自分に合った働き方を選ぶ土台が整うでしょう。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。