介護の仕事は資格なしでもできる?できること・できないことや求人例もご紹介
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2019/04/12
介護の仕事に就きたいと思っても、資格がないからと諦めていませんか?実は無資格・未経験でであっても介護職として働くことは十分に可能です。今回は、無資格で介護の仕事につく場合、どんな仕事ができるのか、給料はどれくらいなのか、実際の求人例などについてご紹介します。
資格なしでも介護職として働ける?
介護に関わる仕事はさまざまなので、資格を持っていない人であっても介護職として働けます。ただし、無資格で行える仕事と、資格がなければできない業務があります。無資格や未経験の人でも経験を重ねれば、介護資格の取得にチャレンジすることも可能です。まずは「資格なしで可能な介護の仕事」にどのようなものがあるのか確認してみましょう。
資格なしでも働けるようになった背景
2025年は団塊の世代が75歳に到達し、後期高齢者数の増加が予測されるので、介護職の需要はさらに高まるといえます。厚生労働省はこの予測を踏まえ、介護業界の人材確保に向けた施策をすすめてきました。介護業界は慢性的な人材不足ですが、介護職の処遇改善により離職を防ぐなど、2025年を意識した働きかけが行われています。
また、有資格者が行う業務を細分化することで、無資格であっても介護業界で働けて、人材不足の解消につながります。経験を積めば資格取得が目指せる「実務経験ルート」があるので、キャリアの道は開かれているといえるでしょう。
介護業界で新人に求められるのは人柄の良さ
介護業界未経験者の採用にあたり、一番重視されるのは「人柄」です。これは、介護職員に限らず多くの職種でいえますが、介護業界では特に重視されます。
介護の仕事は、高齢者や障害者などの身の回りのお世話や介護を行うので、コミュニケーションがメインになります。そのため、利用者はもちろん、職員とのコミュニケーションが欠かせません。
また未経験者の場合は、自分から仕事を積極的に覚えようとする姿勢も問われます。資格がなくても人柄とコミュニケーション能力を持っている人は採用に有利です。
資格がなくてもできる介護の仕事内容
資格がなくても行える介護業務には、さまざまなものがあります。無資格で何が行えるのか把握しておかなければ、業務を行うときに利用者や家族とトラブルに発展するかもしれません。ここでは具体的な仕事内容についてくわしくご紹介します。
生活援助
生活援助とは、食事作りや買い物などの支援を指します。訪問介護や有料老人ホームなど、施設・在宅を問わず必要とされる支援のひとつです。食事作りでは、利用者の味の好みや病歴などを把握して、要望にあった献立を考えます。バランスの取れた食べやすい食事作りが重要です。一方、買い物では日用品や食材の買い出しを行います。
掃除、洗濯
自宅で生活している利用者や介護施設での掃除、洗濯を行います。掃除のあとの備品補充など環境整備も含まれます。ただし、自立支援の目的があるので、空き部屋の掃除やクリーニングなど生活に必須ではないことは行えません。一方で、介護保険適用外での利用であれば10割負担で提供するヘルパー事業所もあります。また家族など同居人がいる場合、掃除や洗濯は利用できません。
送迎業務
デイサービスなどの通所事業所や小規模多機能型居宅介護では、要介護者の送迎が必要です。利用者の負担軽減を考慮して、片道で30分程の距離までを目安とするのが一般的です。普通自動車免許は必要ですが、介護の資格がなくてもできます。運転手として、送迎時間のみ出勤するパートタイムの働き方もあります。
事務系業務
介護の仕事では、以下のような事務系の仕事を担うこともあります。
・ 請求事務
・ 郵送物の発送
・ 備品の発注
・ 訪問者や家族への受付応対 など
・ 介護報酬請求
・ シフト管理
介護報酬の請求やシフト管理を行う場合「介護事務」として事務系業務を専任で行うケースが多い傾向にあります。生活援助や掃除など体力的な負担が少ない点がメリットです。
無資格だとできない介護の仕事内容
無資格の介護職ができない仕事は訪問介護の身体介護です。
訪問介護とは、要介護者の自宅に出向き、介護や生活援助を行う仕事です。そのうち、実際に要介護者の身体にふれて行う身体介護(入浴介護や排泄介護、食事介護など)は介護の資格がないとできません。これは訪問介護が基本的に1人で介護サービスを行うことが多いためです。身体介護は有資格者の指導のもとであれば無資格者も行えます。
そのように、介護施設では資格がなくても有資格者の指導のもと身体介護業務につくことができます。
コロナウイルス渦における特例
ここ数年の新型コロナウイルス感染症まん延に伴い、厚生労働省より、介護サービスに関する臨時的な取り決めが出されました。その中で、新型コロナウイルス感染症の影響で有資格者の人員の確保が一時的に難しい場合、下記の基準を満たすことで資格を持っていなくても訪問介護に従事することが認められています。
・高齢者へのサービスを提供した経験がある
・利用者へのサービス提供に支障がない
あくまでもこれは臨時的な取り決めのため、基本的には有資格者の対応が優先です。
無資格の介護職員の給料
無資格で介護職員として働く場合の常勤と非常勤の給与相場についてご紹介します。まずは無資格から働きたい人や、資格取得のためにいずれはスキルアップを図りたいと考えている人はぜひご参考ください。
常勤の場合(月収)
無資格の介護職員の平均年収 | 無資格の介護職員の平均月収 |
---|---|
325万5,120円 | 271,260円 |
有資格者の平均年収は383万3,520円なので、無資格と比較すると578,400円の年収差があります。どの介護資格を保有しているかによって、年収差が異なるので、目安として考えてください。ちなみに、未資格者が働きながら取りやすいとされている資格「介護職員初任者研修」の保有者は年収360万6,120円です。年収アップを図りたい人は、まずは初任者研修の取得にチャレンジしてはいかがでしょうか。
非常勤の場合(時給)
無資格の介護職員の平均年収 | 無資格の介護職員の平均月収 |
---|---|
137万8,920円 | 114,910円 |
無資格で非常勤の介護職員の場合、月の平均実働時間は91.7時間なので時給はおよそ1,253円です。一方有資格者は、月の平均実労働時間は79.4時間で、平均年収は135万8,880円。この結果から、時給で働く無資格の介護職員は、資格保有者よりもやや長時間労働であるといえます。勤務時間が長くなる分、無資格者の平均年収は、有資格者よりも高いという実情があります。
※手当や一時金などを含む
※平均年収は「平均月収×12」にて算出
参考:厚生労働省「令和3年度介護従事者処遇改善状況等調査結果
サービス形態などによっても給与は異なるため、無資格の人が就職した場合、職場によっては平均基本給より低い給与になる可能性もあります。
しかし、近年は介護職員の需要増加にともない、処遇が改善されています。賃金も上昇の傾向にあり、特に勤続年数が長い職員の賃金について国は特別な処遇改善の指針を打ち出しています。
資格を持っておらず、未経験であっても勤続年数が伸びるに従い、処遇が改善される可能性が高いといえるでしょう。また、経験を積むことで「実務者ルート」による資格取得の道が開ける利点もあります。
【2024年4月から】無資格者も認知症介護基礎研修の義務化へ
2024年4月から、無資格介護職員に対する「認知症介護基礎研修」の受講が義務付けられました。厚生労働省の「令和3年度介護報酬改定の主な事項について」に明記され、介護職員の認知症介護サービスに対する質向上を目指しています。認知症に関する基礎的な知識について6時間ほどの講習で学習する流れです。今後は、無資格で介護職に従事することができなくなっていくと予測されます。
無資格OKの介護職の求人例
介護求人をみると、無資格でも応募可能な職場が多いことがわかります。
職種 | 介護職管理職(施設長・所長) |
---|---|
仕事内容 | サービス付き高齢者向け住宅の介護業務や事業所運営、マネジメント全般 具体的には… ・利用者さまの受け入れや相談の対応 ・保険請求や行政の対応(消防計画の提出など)、契約関連 ・スタッフの採用や教育、労務管理 ・介護業務、生活援助…など 介護度が比較的軽い方が対象となる高齢者向け賃貸住宅です。見守りや介護相談など、介護サービスや身の回りのお世話を行います。 |
雇用形態 | 正社員(試用期間3ヵ月、雇用期間の定めなし |
給与 | 月給380,000円~ 月額328,640円+定額時間外手当51,360円(20時間/超過分は別途で支給) 交通費支給あり(全額支給)、昇給制度あり(年1回)、賞与制度あり(年2回) |
シフト | 9:00~18:00【月〜日(祝)】 週5日/1日8時間 休憩60分 有給休暇制度あり |
福利厚生 | 各種社会保険制度あり(法令通り) 健康診断、育児・介護休暇、育児・介護短時間勤務制度、財形貯蓄制度、資格取得支援制度 |
介護職は、資格がなくても応募可能な求人が多いです。年齢制限なしで、無資格での管理職求人があるので、高給与も狙える職種と言えます。また、60歳以上の人が定年後に再就職するケースも珍しくありません。
介護職は資格なしでも働ける!すぐに働きたいなら求人をチェック
介護職は資格なしでも生活支援や送迎業務などの仕事で働けます。有資格者よりは、できる業務が限定されますが、利用者の話や要望を聞くなど、コミュニケーションを図りながらやりがいを持った仕事が行えるでしょう。介護職は資格なしで働ける求人数が多いので、ライフスタイルに合わせた理想の求人が見つかりますよ。まずは「ソラジョブ介護」で、介護職求人をチェックしてみてください。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。