介護職は未経験・無資格で転職できる?大変?心構えや志望動機の例文をご紹介
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2019/04/25
介護職に興味はあるけれど、資格なしの未経験で転職できるのか疑問に感じる方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、資格なしの未経験で介護職に転職したい方のために、その心構えや志望動機例を解説します。どのような仕事を行うのか詳細を知りたい方はぜひご参考にしてください。
目次
介護職は未経験・無資格でも転職できる!
介護職に興味はあるけれど未経験で不安を抱えている方は少なくありません。介護人材に関する統計から未経験求人を採用する際の最重要ポイントは「人柄」という結果が出ています。この数字は介護知識や経験を重視すると答えた人数はなんと全体の0.4%にしかすぎず、半数以上を超える58.4%が個人の性格や人柄を一番重視していることが明らかになっています。
また介護職に転職した人の前職についてのアンケートでは、「接客・販売」が25%を占め、コミュニケーション能力に長けた人材の適応率が高いことも判明しました。 このような調査結果からも明らかなように、介護職は未経験がハンディになるということはないといえるでしょう。
未経験で介護職につく前に知っておきたいこと
介護職は未経験でも就業できますが、事前に知っておかなければならないこともあります。次のような6つの項目を理解して、心づもりをしておくと安心です。
「認知症介護基礎研修」の取得が必要
未経験かつ無資格から介護職を目指す人は、2024年4月から「認知症介護基礎研修」を取得することが義務化されています。「認知症介護基礎研修」とは、認知症を有する方への介護技術や基礎知識を学習し、チームとしてアプローチする力を習得するための研修です。認知症の方に対し、介護職員全体でサービスの質を向上させることを目的に、厚生労働省が令和3年度介護報酬改定で定めました。
コミュニケーションが欠かせない仕事である
介護の業務は利用者の介助や動作のサポートと共に、メンタル的なサポートも非常に重要です。コミュニケーションが上手な人は、利用者との自然な交流により健全な関係を築くことができます。人と接する、人助けがしたいというホスピタリティの精神は介護には欠かせない要素です。
責任感の強さが求められる
介護職は介護が必要となった自立が難しい方たちのサポートをする仕事です。未経験でもお世話に当たる職員には責任感が求められます。体調の変化、症状などにはよく注意をしてあげることも重要な任務の一つとなります。また介助中に負傷させるなどの事故つながらないよう慎重に行動することも重要です。
勤務時間が不規則になりがち
介護職は基本的に24時間稼働します。正社員でも夜勤勤務が発生しシフトが交代制になる場合もあるため、勤務時間は不規則であるということは把握しておきましょう。
休暇は定期的ではない
介護職は24時間365日のノンストップ業種です。オフィスワークの様な土日休みというシフトは基本的にありません。連休などの休暇は急な勤務をせまられることもあり、なかなか長期の休暇も取りづらいというのが現状の様です。
実務経験や資格保有が有利になる場合もある
介護現場には、実務経験が豊富な人や資格を持つスタッフが働いていることが多い傾向にあります。実務経験や資格を持っていることはアピール要素になるため、転職する場合には経験者や資格保有者の方が有利になることがあります。未経験でも転職を成功させたい人は、資格取得を目指すのも視野に入れるとよいでしょう。おすすめの資格については、以下で紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
介護職未経験者の主な仕事内容
介護職は未経験でも就業できますが、専門的な業界であることは事実です。そのため、未経験や無資格の人が行える業務は限られています。未経験で働き始めたら、まずやるべきことは「施設の利用者の顔や名前を覚えること」です。関わらせてもらう利用者についてしっかりと知った上で下記のような仕事に従事する必要があります。
清掃業務
トイレや洗面所、食堂など、施設内の設備を清掃します。業者に一任しているケースもありますが、比較的小規模な施設の場合ほど、清掃は介護職員が行います。また住宅型有料老人ホームなどの入居型サービスの場合、利用者の居室を清掃する場合があります。施設内を清潔に保つことは、利用者に快適に過ごしてもらうためにも大切な仕事です。
食事の準備・提供
食事に入る前のセッティングの準備や、配膳などを行います。嚥下状態や疾患によって、利用者ごとで食事内容や形態は異なります。そのため、提供ミスが起こらないように正しく配膳しなければなりません。座席表や食札などを確認することが大切です。食事を食べ終わったら下膳や口腔ケアを行い、テーブルを拭くなど綺麗に片付けます。
シーツ等の洗濯・交換
入居型施設の場合、利用者のベッドシーツを定期的に洗濯したり、交換したりします。専門知識やスキルが求められる業務ではないため、未経験者が担当することが多い傾向にあります。ただし、介護度が高く起き上がりに介助が必要な人や、皮膚が脆弱な人は、床ずれを起こすかもしれません。そのため、シーツにシワが寄らないように交換するなど、意識してベッドメイキングを行う必要があります。
身体介護(有資格者のサポート)
未経験者の場合、資格を持つ介護職員のサポート的なポジションで、身体介護業務を行います。身体介護とは、以下のような利用者に直接的に接触する業務を指します。
・排泄介助
・入浴介助
・食事介助
・移乗介助
・着脱介助 など
身体介護を行えるのは、基本的には介護福祉士などの介護資格を持ったいわゆる「有資格者」に限定されます。施設内であれば、有資格者の指示のもと身体介護の実施が可能です。
利用者の送迎
デイサービスなどの施設で働く場合、利用者の送迎を担当することがあります。送迎車への移乗介助と利用者の安全を考慮した走行が求められます。送迎に特化した専用ドライバーを雇用している施設がありますが、介護職員が分担して送迎を行うケースが多いのも事実です。ただし、車で送迎するため、運転免許の保有者限定になります。
介護事務
介護施設における、以下のような事務作業を担当します。
・来客や電話対応
・オムツや洗剤など備品の発注
・介護報酬の請求業務
・書類整理
PCスキルがあったり、事務職での経験があったりする方は、事務作業を無資格で行えます。一方、介護報酬の請求業務は、介護保険に関する知識が必要なため、未経験の方が担当する機会はあまりないかもしれません。
【介護職未経験者向け】志望動機の例文4選
未経験でも就職するためには志望動機を効果的にアピールできることがキーと言えます。いくつかのパターンを例に上手に志望動機を説明するスキルも学んでおきましょう。
例1…無資格でも資格取得を目指しているということをアピール
異業職に一度就職しましたが、介護業界に興味があり就職を志望しています。未経験ではありますが、実際の現場で介護実務経験を積みながら、介護資格取得を目指すつもりです。御社では介護資格取得のサポートが手厚く受けられるということで具体的な目標を立てやすくなりました。
例2…家族の介護に接しプロを目指すことに目覚めたケース
大学を卒業して15年間企業で働いておりましたが、母親の介護をきっかけに退職することになりました。訪問介護をお願いして一人では難しいお風呂などの介助に来ていただきました。私一人だと自由のきかない母が機嫌を損ねてしまうこともありますが、ヘルパーさんの来る日はとても気持ちが高揚するようで訪問を楽しみにしています。こんな日常を通して介護の仕事で多くの方に喜んでもらいたいと介護職に興味を持つようになりました。家族の介護にあたってみて業務の奥深さを知り、さらに専門知識を深めることで実践に当たっていきたいという意欲でいっぱいです。
例3…未経験だがコミュニケーションに長けていることをアピール
前職で企業の販売部門に長く勤務してきましたが、高齢化社会の進展で需要の高まる介護業界で、自信が前職で培ったコミュニケーション能力を生かしたいと思っています。また本格的に資格取得の学習をしてキャリアップを目指したいと考えています。利用者の話し相手となって気持ちのつながる介護を目指して頑張って行く所存です。
例4…介護業でさらにステップアップしたいことをアピール
初任者研修資格を取得してから介護業界で就業して3年以上が経過しました。とてもやりがいがあり奥の深い業種であることを再認識しています。これからの更なるステップアップのために、「ケアマネージャー」などの資格を取得したいと考えています。最終目標は国家資格の「介護福祉士」取得することで、プロの道を究めたいと高い目標を掲げています。
未経験で介護職に転職するなら資格取得がおすすめ
未経験でも働ける介護職ですが、長く働きたい人は資格取得がおすすめです。ここでは、資格取得によるメリットやおすすめの資格を紹介します。
資格を取得する利点
・携われる業務の幅が広がる
・訪問介護での介護行為ができる
・給与アップが見込める
介護職が未経験で、かつ無資格の場合、資格を持つ介護職員のサポートのみなど、携われる仕事の範囲が限定されてしまいます。介護系の資格を取得することで、よりしっかりと介護業務に携われるようになるでしょう。特に訪問介護では、介護職員初任者研修以上の資格取得が義務化されています。単独で利用者の自宅などでケアを行うことが多いため、ある程度の知識とスキルを持っておく必要があります。勤務先によっては、資格保有による手当が支給されるケースがあり、給与アップも目指せるでしょう。
介護未経験者におすすめの資格
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修とは、介護の基本的な知識や技術を学べる資格です。食事や排泄、入浴といった身体介護など、基礎的な内容を中心に学習します。資格取得の条件は、130時間にわたる研修受講と終了試験の合格です。試験の難易度はあまり高くないため、経験のない人でも勉強しやすい資格といえます。
【こんな人におすすめ!】
・介護のもっとも基礎的な知識・技術を身につけたい
介護職員実務者研修
介護職員実務者研修とは「介護職員初任者研修」の次に取得すべき資格で、介護に関する実践的な内容が学べます。介護関連の資格を保有していなくても、研修を受けられます。介護福祉士の国家試験を今後受けようと検討している人は、修了が必須条件です。初任者研修を履修しているケースでは、130時間が免除となり、320時間での研修受講になります。
【こんな人におすすめ!】
・より実践的な介護の知識・技術を学びたい
・介護職でステップアップを目指したい
介護福祉士
介護福祉士は、介護系資格の中で唯一の国家資格になります。介護福祉士は、介護分野のより専門的な知識と技術を身につけることに加え、現場で働くスタッフのマネジメントも行う職種です。介護関連のスキルと知識を保有している証明になるため、転職するときにも有利です。業務の幅が広がり、やりがいを感じながら仕事が行えるでしょう。
【こんな人におすすめ!】
・介護分野の専門的な知識・技術を深めたい
・マネジメントなど業務の幅を広げたい
未経験・無資格OKの介護求人はある?
「ソラジョブ介護」では、下記のような未経験OKの正社員やパート・アルバイト求人を取り扱っています。2つの求人例について、給与や業務内容などをくわしくみていきましょう。
【正社員の求人例】
職種 | 介護職員(ヘルパー)(介護助手) |
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仕事内容 | ・ご利用者様の食事や入浴介助やトイレ誘導 ・入所・退所時の送迎業務(※慣れていただいてから) ・季節に合わせたイベントやレクリエーションの実施 ・その他事務業務 など |
雇用形態 | 正社員 |
給与 | 月給18万円〜※介護助手(無資格) 基本給 :165,000円 職務手当:15,000円~20,000円 資格手当:0円~8,000円 夜勤手当1回3,000円(半年経過後、1回5,200円)※慣れてから、夜勤は月5回程度~ 昇給制度あり(年1回)、賞与制度あり(年2回)、交通費支給 |
シフト | 週5日〜週5日 (1)07:00 〜16:00 [ 月〜日 ] 実働 8h / 休憩 1h (2)08:30 〜17:30 [ 月〜日 ] 実働 8h / 休憩 1h (3)10:00 〜19:00 [ 月〜日 ] 実働 8h / 休憩 1h |
応募条件 | 学歴不問 必須PCスキル:PCスキル不要 未経験OK |
社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
福利厚生 | 退職金制度(勤続2年以上の常勤)、各種お祝い金・見舞金制度、看護/介護休暇(10日)、育児/介護 短時間勤務・時差勤務(育児:3年生迄) など |
ヘルパーと介護助手の正社員求人です。介護助手であれば、無資格で働けます。夜勤があるため、追加で収入をアップさせたい人にはおすすめです。育児や介護中の職員向けに、時短勤務や時差勤務などがあり、福利厚生が充実している点も魅力的です。
【パート・アルバイトの求人例】
職種 | 介護職員(ヘルパー) |
---|---|
仕事内容 | ・ご利用者様の食事や入浴介助やトイレ誘導 ・季節に合わせたイベントやレクリエーションの実施 ・その他事務業務 など |
雇用形態 | パート・アルバイト |
給与 | 時給925円〜925円 ※介護スタッフ(初任者研修・実務者研修の場合) 昇給制度あり(年1回)、賞与制度あり(年2回)、交通費支給 |
シフト | 週3日〜週5日 (1)09:00 〜16:00 [ 月〜日 ] 実働 6h / 休憩 1h |
応募条件 | 学歴不問 必須PCスキル:PCスキル不要 未経験OK 無資格・未経験の方も歓迎 |
社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
福利厚生 | 退職金制度(勤続2年以上の常勤)、各種お祝い金・見舞金制度、看護/介護休暇(10日)、育児/介護 短時間勤務・時差勤務(育児:3年生迄) など |
ヘルパースタッフのパート・アルバイト求人です。初任者研修か実務者研修の資格が必要ですが、パート勤務で昇給・賞与制度があるため、高収入が狙えます。週3〜5日で9時からの勤務なため、子育て世代の人も働きやすい時間帯といえます。
介護職未経験に関するQ&A
未経験で介護職へ転職する場合、どれくらいで慣れるのか、給料はどうなのかなど、さまざまな疑問を抱えているはずです。ここでは、介護職未経験の人が悩みやすい質問とその回答についてまとめましたので、くわしくみていきましょう。
Q.介護職未経験・無資格の人は慣れるまで大変?
A.仕事を始めて最初の3ヶ月間は、慣れるまでに時間を要します。
介護職の仕事は、入浴や排泄、食事介助など、業務内容が多岐にわたります。利用者の顔と名前も覚えなければならないため、慣れるまでにある程度の期間が必要です。シフトの時間数によっても慣れるまでの期間は変わります。個人差がある点を理解した上で、焦らずに業務を覚えてください。
Q.未経験の30代・40代・50代も介護職に転職できる?
A.30代・40代・50代以上の未経験の人も、介護職へ転職し活躍されています。
未経験であり、かつ30代以降で活躍している人の割合が多い介護の職場はいくつもあります。実際に「未経験OK」「50代以上活躍中」といった求人が多数存在しているのも事実です。年齢問わず働ける職種なため、自信を持って転職活動を進めましょう。
Q.介護職未経験者におすすめの職場は?
A.教育体制が整い、介護度が高くない利用者が多い職場です。
未経験で介護職に携わる場合、研修や先輩との振り返りなど、教育体制が整っている職場の方が、学習した知識をすぐに実践できるため早く覚えられます。また、介護度が高い利用者が多い施設では、医療依存度が高くなる傾向にあります。そのため、必要とされるスキルも比例して高くなりやすい点が特徴です。じっくり時間をかけて学びたい人は、介護度の低い利用者が多い施設への転職がおすすめです。
Q.介護職未経験でも夜勤シフトがある?
A.入居型施設で勤務する場合、夜勤シフトがあります。
24時間体制の入居型施設などの場合は、夜勤シフトがあります。日勤帯よりも少ない職員数で対応するため、知識やスキルにくわえ、ある程度の経験も必要です。3〜6ヶ月ほど日勤を続けてから夜勤に入るケースがほとんどなため、子育て中などで勤務が難しい人は、事前に面接で伝えておきましょう。
Q.介護職未経験は給料が低い?
A.介護職未経験の人は、有資格者よりも給料が低くなる傾向にあります。
資格保有者の場合は、手当が支給される事業所が多く、介護職未経験者よりも給料が高くなる傾向にあります。「令和3年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、介護職未経験の平均給与は約27万円で、有資格者は約32万円です。介護職で給与アップを目指すなら、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。
介護職は未経験でも就職可能!キャリアの幅を広げよう!
介護資格のない人でも介護職に就くことはできます。ご紹介した心得7点からお分かりいただける通り、介護は技術や知識よりも適切な処置であったり、人と交流が持てる人柄だったりということが実践では重要になってきます。しかし基本的な介護の知識を所有していることでヘルプ業務はさらに効率的で有効になることは間違いありません。
無資格でも介護職に興味をもったら、介護のお仕事が豊富な「ソラジョブ介護」で検索してみましょう。生涯にわたってやりがいのある仕事にであうことができますよ。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。