グループホームの夜勤はきつい?仕事内容や1日の流れ・働き方の魅力を解説
著者: ゲートウェイ
更新日:2025/04/24
公開日:2019/10/09
グループホームの夜勤は「きつい」と言われることもありますが、実際の仕事内容や働き方を知ることで、不安を解消できます。本記事では、グループホームにおける夜勤の具体的な業務内容や1日のスケジュール、やりがいを詳しく解説。さらに、夜勤が向いている人の特徴や求人選びのポイントも紹介します。
グループホームの夜勤はきついって本当?
グループホームの夜勤は「きつい」「大変」と感じる人も少なくありません。理由としては、昼夜逆転の生活が体調管理の負担になりやすいことが挙げられます。
また、施設によっては夜勤を1人体制で行う場合もあり、緊急時の対応を1人でこなさなければなりません。さらに、入居者の介護には一定のスキルや知識が求められるため、経験や判断力も必要とされます。
【グループホームの夜勤が「きつい」「大変」と言われる理由】
昼夜逆転の生活が負担になりやすいから
夜勤をする場合は昼夜逆転の生活が避けられず、生活のリズムが乱れやすくなります。その結果、睡眠不足や疲労が蓄積し、体調を崩しやすくなることが避けられません。
また、家族や友人と過ごす時間が合わず、プライベートの時間が制限される点も負担に感じやすい理由と言われています。不規則な勤務が続く場合は、生活リズムを意識した健康管理が重要です。
職場によっては1人で夜勤をするケースもあるから
グループホームでは、規定により1ユニット5〜9人の入居者に対し、夜間は最低1人の職員を配置することが義務付けられています。そのため、施設の規模によっては夜勤を単独で担当するケースも少なくありません。夜勤の担当者には大きな責任とプレッシャーが伴います。
また、夜間に入居者の体調が急変した際には、迅速かつ的確な判断が求められ、冷静な対応力と適切なスキルが不可欠です。
一定以上の介護スキル・知識が必要だから
夜勤では、利用者の健康状態を適切に管理するために、基本的な介護スキルや知識が求められます。とくに、急な体調不良や転倒などの緊急事態が起きた場合は、適切な判断と迅速な対応が不可欠です。
また、医療的な知識が求められる場面もあり、経験が浅いと不安を感じることがあります。しっかりとした研修や経験を積み、安心して夜勤をこなせるようになりましょう。
グループホームの夜勤の主な仕事内容
・利用者の見守り・巡回
・夜間の介護業務(食事の介助、起床・就寝時の補助など)
・記録作成・引き継ぎ業務
グループホームの夜勤では、食事介助、起床や就寝の補助、巡回などを行います。場合によって着替えや排泄の介助、朝食の準備なども。基本的に利用者が寝静まった後に巡回をする時間が多いです。勤務する施設によって仕事内容にも違いがあるので、転職を考えると際にはさまざまな求人や施設をチェックしてみましょう。
グループホームの夜勤の働き方【1日のスケジュール例】
時間帯 | 主にやること |
---|---|
16:00 | 申し送りとバイタルチェック 日勤スタッフから入居者の体調の変化や、服薬の注意点などの情報共有を受けます。 |
17:00 | 夕飯 食事介助や服薬介助、食後には口腔ケア介助などを行います。 |
18:00 | 就寝 排泄介助、更衣介助を行い、ベッドへの移乗などの就寝介助をします。 |
22:00 | 消灯(翌日準備) 消灯後は、1~2時間おきに巡回し、排泄介助や寝返り介助、トイレ誘導などを行います。 |
23:00 | 庶務 介護記録の作成や事務作業などを行います。 |
3:00 | 仮眠休憩 複数のスタッフがいる場合には、交代で食事や仮眠をしましょう。 |
6:00 | 起床 車椅子への利用者の移乗、整容介助、排泄介助などを行います。 |
6:30 | 食事 朝食準備、食事介助、服薬介助などを行います。 |
8:00 | 申し送り 日勤スタッフに夜間の状況や入居者の体調の変化などを伝えます。 |
9:00 | 退勤 |
グループホームの夜勤では、入居者の生活リズムに合わせたケアが求められます。勤務開始時の申し送りでは、体調の変化や服薬状況を確認し、夕食時には食事介助や口腔ケアを実施。就寝介助後も、定期的な巡回や排泄介助を行い、夜間の安全を確保します。深夜帯には記録作成や事務作業を進め、仮眠休憩を挟みながら翌朝の準備を整えます。朝食後、日勤スタッフへ申し送りをして1日の業務が終了です。
大変なだけじゃない!グループホームの夜勤の4つの魅力
グループホームの夜勤は大変な面もありますが、その分メリットも多く、魅力的な働き方の一つです。ここでは、4つの魅力を紹介します。
夜勤手当がつく分収入アップを目指せる
グループホームで夜勤をすると、夜勤手当が支給されるため、日勤のみの勤務よりも収入アップが期待できます。人手不足の影響もあり、夜勤業務は日給や時給が高めに設定されることが多いです。手当額は施設によって異なりますが、一回あたり1万円以上加算されるケースも少なくありません。
日勤に加えて夜勤を取り入れ、昼間の時間を学業や子育てにあてたりすることで、より柔軟な働き方をしながら収入を増やすことが可能です。
状況に応じた対応スキルが身につきやすい
グループホームの夜勤は、日勤に比べてスタッフの人数が少なく、1人で対応する場面も多いため、判断力や臨機応変な対応力を鍛える絶好の機会になります。夜間は利用者の急な体調変化、時には緊急搬送が必要になるケースもあるので、迅速かつ的確な対応が必要です。
これらの経験を積み重ねることで、介護技術の向上だけでなく、冷静な状況判断ができるスキルも身につきます。将来的にキャリアアップを目指す人にとって、夜勤経験は大きな強みです。
人間関係の悩みを抱えにくい
夜勤は少人数のスタッフで業務を行うため、職場内の人間関係のストレスが比較的少なめです。日勤では多くのスタッフと連携しながら業務を進める必要がありますが、夜勤では限られたメンバーでの対応が中心であるため、煩雑な人間関係に悩まされることが少ないでしょう。
また、夜勤は1人での作業時間も多く、自分のペースで業務をこなせる点も魅力です。人付き合いが苦手な人や、落ち着いた環境で働きたい人にとって、夜勤はストレスの少ない働き方といえます。
求人の選択肢が広がる
夜勤が可能になると、選べる求人の幅が大きく広がる点がメリットです。多くのグループホームでは夜勤スタッフの確保に苦労しており、夜勤ができる人材はとくに重宝されます。日勤のみを希望すると、求人の選択肢が限られるのが現実です。
勤も視野に入れて、条件のよい職場を見つけていきましょう。収入アップを目指しながら、多くの選択肢の中から自分に合った職場を選べる点も、夜勤ならではのおすすめポイントです。
グループホームの夜勤の働き方が向いている人は?
グループホームの夜勤は、少人数での対応や緊急時の判断力が求められるため、向き不向きが分かれる働き方です。ここでは、どんな人が向いているのか解説します。
コミュニケーションや臨機応変な対応が得意な人
グループホームの夜勤は少人数での勤務が基本であるため、利用者や同僚との円滑なコミュニケーションが欠かせません。利用者との信頼関係を築き、安心感を与えられる人は業務がスムーズに進みます。
また、夜間は緊急対応が必要なケースもあり、冷静な判断力と迅速な対応が必要です。状況に応じて柔軟に動ける臨機応変な対応力がある人は、夜勤に向いています。
収入アップを図りたい人
夜勤は、日勤と比べて夜勤手当が加算されるため、収入アップを目指したい人に適しています。施設によっては1回の夜勤で1万円以上の手当がつく場合もあり、安定した収入を確保しやすいのが特徴です。
フルタイムでの勤務に加えて夜勤に入ることで、さらに収入を増やすこともできます。効率的に稼ぎたい人は、夜勤に挑戦してみてください。
昼夜逆転の生活・働き方が苦にならない人
夜勤では、昼間活動する生活リズムとは異なる働き方であるため、昼夜逆転に適応できる人に向いています。とくに体力に自信があり、睡眠や食事の管理を工夫できる人であれば、夜勤の負担を比較的簡単に軽減可能です。
また、日中に自由な時間が確保できるため、家事や育児、趣味などと両立したい人にとっては、夜勤の働き方がメリットになることもあります。
自己管理を徹底できる人
夜勤は生活リズムが不規則になりやすく、身体的・精神的なバランスを崩しやすい働き方です。そのため、健康管理ができる人や、ストレスを適切に発散できる人に向いています。
夜勤明けの休息をしっかり確保したり、食事や運動習慣を意識したりすることで、長く安定して働くことが可能です。夜勤をする場合は、自己管理を特に意識していきましょう。
【介護職向け】自分に合う求人・職場を選ぶ4つのコツ
夜勤のある職場を選ぶ際は、自分に合った環境かどうかを見極めることが大切です。ここでは、働きやすい職場を見つけるための4つのポイントを紹介します。
夜勤の人員体制を把握する
グループホームの夜勤体制は施設によって異なり、複数名で対応する場合もあれば、1人で業務を担うことが求められる場合もあります。とくに人員が少ない職場では、緊急時の負担が大きくなることは必然です。
そのため、求人を探す際には、夜勤時に何人のスタッフが配置されているのかを事前に確認しましょう。求人情報だけでは詳細が分からない場合もあるため、面接時に直接聞くなど、具体的な情報を得ることが重要です。
シフト体制や休憩時間・労働条件を確認する
確認する項目 | 詳細 |
---|---|
シフト体制 | 【2交代制 1日の勤務を2つに分ける方式】 (例)日勤→9:00~17:00、夜勤→17:00~9:00 【3交代制 1日の勤務を3つに分ける方式】 (例)早番→6:00~14:00、遅番→14:00~22:00、夜勤→22:00~6:00 |
休憩時間 | 一般的に120分 |
労働条件 | ・給与 ・勤務時間 ・勤務日数 ・福利厚生 ・契約更新 など |
グループホームの夜勤は、施設ごとに2交代制や3交代制など異なるシフト体制が採用されています。多くの施設では120分の休憩(仮眠)時間が設けられていますが、夜間の緊急対応が必要な場合には十分に休憩が取れないことも珍しくありません。
そのため、求人情報を確認する際は、実際のシフト体制や休憩時間について詳しく調べることが大切です。
また、給与や手当、勤務日数、契約更新の有無など、労働条件にも差があるため、不明点は事前に確認してください。とくに夜勤手当の金額や勤務時間の詳細は、待遇に直結するため慎重に比較しましょう。
求められる介護レベルを確認する
グループホームの利用者は、要支援2~要介護1以上の方がほとんどで、求められる介護レベルは高くありません。しかしその中でも、施設や入居している方によって求められるレベルには違いが生まれます。自分のスキルと業務内容を比較して、無理がないか確認しておきましょう。
「夜勤専従」の働き方を検討する
夜勤専属ヘルパーというのは、夜勤だけを専門に行うヘルパーのことです。労働基準法では1日の勤務時間は8時間までと決められていますが、夜勤の場合の基準は「1週間で40時間以内」とされています。夜勤専従になるメリットといえば、日勤と比べて少ない勤務日数で高収入が狙えることです。
グループホームの夜勤の働き方に関するQ&A
最後に、グループホームの夜勤の働き方に関するよくある質問を、Q&Aの形式で解説します。
Q.グループホームの夜勤は無資格・未経験の人もできる?
A.施設によっては無資格・未経験でも可能ですが、業務の範囲は日常生活援助や食事・入浴・排せつの介助と限定されます。
グループホームの夜勤は、入居者の見守りや生活介助が主な業務です。一部の施設では、無資格・未経験者でも研修やOJTを通じて業務を学べる環境が整っています。ただし、夜間は少人数で対応するため、最低限の介護知識や対応力が求められることが多いです。
Q.グループホームの夜勤に未経験から挑戦するとき、どんな準備をしたらいい?
A.介護の基礎知識を学び、施設の業務内容を理解した上で、見学や事前研修を受けるのが有効です。
夜勤は突発的な対応が求められる場面も多いため、基本的な介助技術や夜間の業務内容を事前に学ぶことが大切です。可能であれば、日勤で経験を積んでから夜勤に移行することをおすすめします。また、夜勤のシフトに備えて生活リズムを整え、昼夜逆転の生活に体を慣らしておきましょう。
Q.グループホームで夜勤専従として働く場合の注意点は?
A.体調管理に気をつけ、夜勤手当や勤務時間などの条件を事前に確認することが重要です。
夜勤専従は生活リズムが昼夜逆転しやすいため、十分な睡眠時間を確保し、体調を崩さないように工夫が必要です。また、夜勤手当の有無や金額、勤務時間の長さなど、労働条件をしっかり確認し、無理のない勤務体系を選びましょう。
グループホームの夜勤は高収入が狙える!興味があれば求人を探してみよう!
グループホームの夜勤は高収入な求人が多く、少ない日数で収入をプラスしたい方には特におすすめです。業務内容は施設によっても異なりますが、基本的にそれほど高い介護レベルは求められていないので、無資格や介護業界未経験の方でも気軽にエントリーできます。興味があれば、さっそく自分に合った求人を探してみてください。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。