介護福祉士とはどんな仕事?受験資格や国家試験を解説
著者: ゲートウェイ
更新日:2025/01/24
公開日:2020/05/28
介護職の中でも代表的な資格の1つである介護福祉士。介護分野で重要な役割を担うこの資格について、本記事では具体的な仕事内容や年収、国家試験の概要を詳しく解説します。受験資格や合格率、資格取得までの道のりも紹介するため、これから介護福祉士を目指す方はぜひ参考にしてください。
介護福祉士とは?
介護福祉士は、高齢者や障がい者の日常生活を支える専門職です。本記事ではその仕事内容や資格取得のプロセス、介護士との違いについて詳しく解説します。
介護福祉士とは
介護福祉士の主な役割は、高齢者や障がい者が自立した生活を送れるよう支援することです。日常生活の介助だけでなく、利用者の健康状態の把握や家族へのアドバイスも行います。また、介護現場でのリーダーシップを発揮し、他の介護職員を指導することも求められる重要な職種です。
介護福祉士と介護士との違い
介護福祉士 | 介護士 |
---|---|
国家資格を持つ介護のプロフェッショナル | 資格不要で介護現場を支える実務担当者 |
介護福祉士と介護士の大きな違いは、国家資格を保有しているかどうかです。介護士は特定の資格を必要としませんが、介護福祉士は資格が必要で国家試験に合格することで取得できます。また、介護福祉士は専門知識やスキルを活かし、より高度な介護業務や指導的役割を担う点が介護士と異なります。
介護福祉士の資格は国家試験を経て取得できる資格
介護業界にもたくさんの種類の資格がありますが、介護福祉士は介護福祉系資格の中で唯一の国家資格です。実際に行う業務は介護士と共通しているところもありますが、より専門性の高い視点で物事を考え、その人の状況に応じた介護の提案や実行をします。利用者がより安心して生活できるよう貢献しています。
介護福祉士とはどんな仕事?
介護福祉士の仕事内容には、以下の3つがあります。
介護福祉士はこれらの点で専門性の高い知識や能力を活かし、介護サービスを利用する人達が安全で安心な暮らしが実現できるよう貢献しています。ここでは、介護福祉士の仕事内容について、より具体的に解説します。
介護が必要な人の身体介助を行う
身体介助とは、介護を利用する人たちが身の回りの動作を安全に行えるように介護することです。具体的にはトイレや入浴、歩行や食事など日常生活を過ごす上では欠かせない動き全般をサポートします。介護福祉士の資格を持っていない職員と同様の業務内容にはなりますが、介護サービスを利用する人の安全面の配慮や残存機能の維持など、より専門的な視点で介護するため、提供するサービスの質がより高度なものになります。
生活援助でスムーズな暮らしをサポートする
生活援助とは、調理や衣類の洗濯、清掃や買い物など身の回りの行動からさらに範囲を広げた、生活を維持するために必要な場面を援助することです。介護福祉士は、介護を必要とする人が今まで過ごしてきた生活を大切にしながら、ケアマネジャーのプランに沿ったサービスを提供しています。
介護に関する相談や助言を行う
介護福祉士が能力を発揮するのは実際の介護場面だけではありません。介護が必要な方の家族に対して、必要な介護サービスを提案したり、家族のニーズに合った介護方法を一緒に考え、助言を与えたりするのも介護福祉士の大切な仕事です。
介護福祉士の資格を取得するメリットとは?
介護福祉士の資格を取得しようかどうか悩んでいる人は、取得することでどのようなメリットがあるのかを理解しておきましょう。介護福祉士を取得するメリットは、以下の3つです。
社会的な信頼が高くなる
1つ目のメリットは、国家資格なので社会的な信頼が高くなることです。 介護業界には他にも介護職員初任者研修やケアマネジャーといった、代表的な資格もありますが、国家資格は介護福祉士のみです。そのため、他の民間資格に比べて介護福祉士は社会的信頼が高いといえます。実際の介護場面でも国家資格を持っていることがわかるようになっていれば、利用者の家族や周囲のスタッフからの信頼も厚くなり、より責任感を持って仕事に専念できるようになります。
また、介護福祉士は資格更新制度を持たない国家資格でもあるため、転職するときや産前産後休暇や育児休業から復帰するときなどに、資格を持っていれば転職先を探すハードルも低くなるというのも、介護福祉士の資格を取得するメリットです。
給与・年収があがる
2つ目のメリットは、資格取得により給与面での待遇が変わってくることです。
国家資格である介護福祉士の資格を取得していれば、職場によっては資格手当として通常の報酬に3000円から1万円程度の資格手当を支給しているところもあります。そのため、資格を所有していない介護スタッフと比較すると、好待遇で働くことができます。
また、将来的なことを考えると、介護福祉士の資格を取得している人は管理業務も任せられるようになるため、さらに良い条件で働けるようになる可能性があります。
求人の選択肢が広がる
3つ目のメリットは、求人の選択肢が広がることです。
介護福祉士の資格があることで、サービス提供責任者や施設長、生活相談員など幅広い役職につくことができます。2つ目のメリットにも解説したように、現場での介護だけでなく管理職を任されることも多いため、求人の選択肢だけでなく仕事の幅も広がります。そのため、より専門的な分野にも関わることができるので、キャリアアップにも繋がるでしょう。
介護福祉士国家試験を受けるのに必要な受験資格
国家資格である介護福祉士の試験を受けるには、まず受験資格が必要です。介護福祉士国家試験を受験できる資格がある人は次の通りです。
国から定められた日数の実務経験があり実務者研修を修了している人
対象となる施設や事業所で、介護に関する仕事に3年(1,095日)以上従事し、かつ介護職員実務者研修450時間受講していると国家試験の受験資格が与えられます。介護福祉士国家試験の受験者はこの受験資格を持っている方が大多数です。
指定された養成施設を卒業している人
養成施設に通学して介護福祉士を取得する場合、実務経験が必要ないため、高校卒業後に所定の養成施設を卒業すれば、受験資格を得られます。また、1~2年の所定の期間学習していれば、国家試験において実技試験が免除されるため、筆記試験に焦点を当てて勉強すれば良いというメリットがあります。
福祉系高校を卒業している人
この方法は、福祉系高校や福祉系特例高等学校を卒業することで、介護福祉士の受験資格を得ることができます。高校卒業と同時に資格試験を受けられるため、養成施設に通う必要がないというところがメリットです。
ただし、福祉系高校卒業ルートでは実技試験が免除されるのに対して、福祉系特例高等学校ルートでは卒業してから9ヶ月以上の実務経験を積んで、筆記試験と実技試験両方を受験しなければならないという条件があるため注意しておきましょう。
介護福祉士国家試験の概要・合格率
介護福祉士国家試験は、介護職としての専門性を証明する重要な試験です。ここでは、試験の概要と合格率について詳しく解説するので、受験を検討している方はぜひ参考にしてください。
介護福祉士国家試験の概要
試験日 | 2025年1月26日 |
---|---|
試験科目 | 試験科目は下記11科目です。 ①人間の尊厳と自立 ②人間関係とコミュニケーション ③社会の理解 ④こころとからだのしくみ ⑤発達と老化の理解 ⑥認知症の理解 ⑦障がいの理解 ⑧医療的ケア ⑨介護の基本 ⑩コミュニケーション技術 ⑪生活支援技術 ⑫介護過程 ⑬総合問題 |
試験地 | 試験地は35の地域です。 北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
受験手数料 | 18,380円 |
合格発表 | 2025年3月24日(月)14時 |
参考:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「介護福祉士国家試験」
介護福祉士国家試験は、厚生労働省が定める国家資格取得のための試験であり、介護職のプロフェッショナルとしての知識や技術を評価します。筆記試験と実技試験から構成され、受験資格には一定の実務経験や養成施設での教育修了が必要です。試験範囲は介護の基本から医療知識、倫理まで多岐にわたります。
介護福祉士国家試験の合格率
下記は、直近3年間の介護福祉士試験の合格率です。
合格率(%) | 受験者数(人) | 合格者数(人) | |
---|---|---|---|
2024年 | 82.8 | 74,595 | 61,747 |
2023年 | 84.3 | 79,151 | 66,711 |
2022年 | 72.3 | 83,082 | 60,099 |
合格率は約70~80%と、国家資格の中では高めの数値です。筆記や実技は難易度によって点数補正が行われるため、合格基準や合格率は毎年変動しますが、きちんと対策しておくことで合格は難しくありません。
介護福祉士国家試験に合格するための勉強方法
介護福祉士国家試験の合格には、効果的な学習方法と計画的な準備が欠かせません。ここでは、試験に合格するための具体的な対策方法を紹介します。
試験範囲を理解し学習スケジュールを作成する
介護福祉士国家試験の試験範囲は広く、内容を正確に把握することが重要です。そのため、まずは試験科目ごとの重要分野を洗い出し、優先順位を付けて取り組むことがおすすめ。次に、日々の学習スケジュールを立て、無理なく継続できる計画を作成することが合格への近道となります。
効率的に学習を進める
効率よく学習を進めるには、過去問題集や模擬試験を活用し、出題傾向を把握することが有効です。さらに、参考書やオンライン講座など、質の高い教材を選び活用することで、より効率的に学習を進められます。さらに、復習を習慣化することで、学習した内容の定着に繋がるでしょう。
勉強会や学習グループに参加する
勉強会や学習グループには、実務経験を持つ人も参加しています。実務経験者は日々の業務から知識やスキルを得ているため、試験内容への理解が深いです。そのため、勉強会や学習グループに参加し、意見交換や知識共有をすることで試験準備の大きな助けとなります。
介護福祉士国家試験の合格後の注意点
・介護福祉士の「資格登録」を行うのに必要な書類
・介護福祉士の「資格登録」を行う流れ
介護福祉士国家試験に合格しても、正式な活動には必要な手続きがあります。ここでは、資格登録に関する注意点を解説します。
介護福祉士の「資格登録」を行うのに必要な書類
登録申請書 | 合格通知とともに送付される申請書です。必要事項を記入する必要があります。 |
---|---|
収入印紙 | 9,000円分の収入印紙を郵便局等で購入し、登録申請書の所定欄に貼付します。 |
登録手数料 | 3,320円を郵便局で払い込み、受け取った「振替払込受付証明書(お客さま用)」の原本を用意します。 |
身分証明書類 | 下記のいずれか1通が必要です。 ・戸籍の個人事項証明書の原本 ・戸籍抄本の原本 ・「本籍を記載した」住民票の原本 外国籍の方は、在留資格に応じて以下の書類が必要です。 ・中長期在留者、特別永住者: 国籍等を記載した住民票の原本 ・短期滞在者: パスポートその他の身分を証する書類のコピー |
(必要な場合)介護福祉士養成施設の卒業証明書の原本 | 養成施設を卒業した方は、卒業証明書の原本が必要です。 |
介護福祉士の資格登録には、登録申請書、9,000円分の収入印紙、3,320円の登録手数料の振替払込受付証明書が必要です。身分証明書として戸籍や住民票の提出が求められ、外国籍の方は追加書類が必要です。養成施設卒業者は卒業証明書も準備します。不備がないように確認しましょう。
介護福祉士の「資格登録」を行う流れ
1 登録資格の確認 | 登録資格要件を満たし、欠格事由に該当しないことを確認する。具体的には、社会福祉士または介護福祉士としての登録資格を有すること、法令に基づく欠格事由に該当しないこと。 |
---|---|
2 必要書類の提出 | 登録申請書や必要書類を簡易書留で提出する。書類に不備がないよう事前に確認が必要。 |
3 試験センターでの受理 | 書類が受理された後、審査を経て登録簿に登録される。通常1か月程度の期間を要する。 |
4 登録証の交付 | 登録証は、提出書類に不備がなければ1か月程度で交付。不備がある場合、不備解消後に発送。不在時は郵便局で保管され、期限内に受領する必要がある。住所変更がある場合は転居届を事前に提出することが推奨される。 |
介護福祉士の資格登録手続きは、1登録資格の確認、2必要書類の提出、3試験センターでの受理、4登録証の交付の4つのステップで進みます。登録資格を満たし、必要書類を簡易書留で提出した後、試験センターで審査が行われ、通常1か月程度で登録証が交付されます。不備がある場合、手続きが遅れるため、書類の事前確認や住所変更などの準備が重要です。
介護福祉士の主な就職先5選
介護福祉士はさまざまな施設や事業所で活躍しています。ここでは、代表的な5つの就職先について解説します。
特別養護老人ホーム(特養)
特別養護老人ホームは、終身介護が必要な高齢者が生活する施設です。要介護3以上の認定を受けた高齢者を対象とし、食事や入浴、排せつの介助をはじめとする生活全般の支援を行います。高齢者の尊厳を守りつつ、日常生活を安全かつ快適に過ごせるようにサポートする役割を担います。
介護老人保健施設(老健)
介護老人保健施設は、自宅復帰を目指す高齢者がリハビリを受けるための施設です。要介護1以上で医療ケアとリハビリが必要な高齢者が利用し、リハビリ支援や日常生活の補助が中心となります。医療と介護の連携が重要で、利用者の社会復帰を手助けする役割があります。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは民間運営の施設で、比較的高い水準のサービスを提供しています。自立した高齢者から要介護者まで幅広く対応可能で、入居者の生活支援やケアプランの実施が主な業務です。快適な生活環境と充実したサービスを提供する点が特徴です。
訪問介護事業所
訪問介護事業所では、介護福祉士が利用者の自宅を訪問し、個別のニーズに応じたケアを提供します。要介護認定を受けた高齢者を対象に、家事援助や身体介護といった生活を支える業務を行います。利用者が自宅で安心して生活できるようサポートするのが目的です。
デイサービス
デイサービスは日帰り型の施設で、介護やレクリエーションを提供します。要支援・要介護認定を受けた高齢者が対象で、送迎、日常生活の支援、そしてレクリエーションの実施が主な業務です。利用者に社会的交流や活動の場を提供し、日常生活の質を向上させます。
介護福祉士は今後将来性がある?
介護福祉士は、進行する高齢化社会において極めて重要な職業で将来性があるといえるでしょう。高齢化が進む日本では、介護を必要とする高齢者の数が増加しており、専門的な介護スキルを持つ人材への需要が高まっています。
さらに、訪問介護や施設介護、地域包括ケアシステムなど、多様な働き方が選べる点も特徴であり、ライフステージに応じた柔軟なキャリア設計が可能です。これらの要因から、介護福祉士は将来的にも安定した需要が見込まれる職業といえます。
介護福祉士に関するよくある質問
介護福祉士の主な仕事内容は何ですか?
A.高齢者や障がい者の日常生活を支援し、安心して生活できる環境を提供する仕事です。
介護福祉士の主な仕事内容は、高齢者や障害者の日常生活を支援することです。具体的には、食事や入浴、排せつの介助、リハビリテーションのサポート、さらには精神的ケアや家族への助言・支援も行います。また、医療・福祉関係者との連携を図りながら、利用者が安心して生活できるよう支援する専門職です。
介護福祉士の給料はどのくらいですか?
A.平均月給は約33万1,080円です。
介護福祉士の平均的な給料は、厚生労働省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」によると、平均月給が約33万1,080円となっています。この金額には夜勤手当や介護職員処遇改善加算が含まれています。また、経験年数や施設の種類、地域によっても大きく差が出る場合があります。
介護福祉士とヘルパーの違いは何ですか?
A.介護福祉士は国家資格を持ち、より専門性と責任が求められるのに対し、ヘルパーは資格取得が比較的容易で業務範囲が限定される点が違います。
介護福祉士は国家資格であり、介護現場でのリーダー的役割を担うことが期待される専門職です。一方、ヘルパー(介護職員初任者研修修了者など)は資格取得のハードルが低く、比較的短期間で現場に立つことが可能です。また、介護福祉士は医療行為に関わる一部の業務(喀痰吸引等)も担えるのに対し、ヘルパーはそれが制限される場合があります。
介護福祉士の将来性やキャリアパスにはどのような選択肢がありますか?
A.介護福祉士は需要が高く、ケアマネジャー資格取得や管理職、教育者など多様なキャリアパスが選べます。
介護福祉士は高齢化が進む社会において需要が高まり続ける職業です。将来性があるだけでなく、キャリアパスも豊富です。現場で経験を積むことで管理職やケアマネジャー(介護支援専門員)として活躍する道が開けます。また、介護教育者や福祉施設の運営に携わるなど、多様な分野でキャリアを広げることができます。
介護福祉士の仕事内容を理解し新たな一歩を踏み出そう
介護福祉士は、専門知識と技術を活かしながら人々の生活を支える重要な職業です。その仕事には高いやりがいがあり、社会的にも重要な役割を担っています。資格を取得することでキャリアアップの可能性が広がり、就職先の選択肢も多岐にわたります。本記事で紹介した情報を活用し、介護福祉士としての第一歩を着実に進めましょう。
ソラジョブでは、介護職の求人を数多く紹介しています。地域や職種などから絞り込んで検索が可能です。また、面接では聞きづらい給与や待遇面なども記載されているため、選ぶ際の参考になるでしょう。ぜひ、ソラジョブで介護職の転職先を探してください。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。