准看護師になるには?資格取得の道のりやステップアップについて
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2021/04/13
准看護師は都道府県知事発行の免許のもと、診療補助や看護に携わる看護職です。准看護師は働きながら、そして主婦からでも目指すことができ、資格取得後は正看護師へのステップアップも可能です。今回はさまざまな観点から、准看護になるにはどうするのかをご紹介します。
准看護師になるには
准看護師になるには、中学校卒業資格が絶対条件となります。まずは中学校・高校卒業後に必要課程を修了し、准看護師試験の受験資格を得る必要があります。以下は学生のうちから准看護師を目指す場合の進路です。
中学校卒業後 | 衛生看護科のある高等学校(3年)※定時制の場合は4年 |
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准看護師養成学校(2年) | |
高校卒業後 | 准看護師養成学校(2年) |
看護大学(4年)/短大・専門学校(3~4年) |
上記課程を修了、または修了見込みがある場合に准看護師試験の受験資格が付与されます。その後試験に合格することで都道府県知事より准看護師の免許が発行され、晴れて准看護師として働けるようになります。
准看護師試験の合格率も例年96?98%と高い水準をキープしているため、必要課程での履修と実習をきちんとこなし、試験対策することで合格可能性が高いといえます。
准看護師から正看護師になる方法
准看護師から正看護師へステップアップすることは可能。そのためには正看護師に必要な課程を修了し、看護師国家試験に合格する必要があります。
どの進路に進んだかによっていくつかパターンがあるため、下記で詳しくご紹介します。
中学校卒業後に准看護師になった場合
中学校卒業後に衛生看護科のある高等学校、もしくは准看護師養成学校に進学し准看護師資格となった場合には、前提として3年以上の実務経験が必要です。
その後は看護短期大学で2年、もしくは看護専門学校で2年(定時制の場合は3年)の課程を修了します。修了後看護師国家試験の受験資格が得られるため、試験に合格することで正看護師の免許が取得できます。
高校卒業後に准看護師になった場合
高校卒業後に准看護師養成学校や専門学校などを経て准看護師になった場合は、看護短期大学で2年、看護専門学校で2年(定時制の場合は3年)の課程を修了することで看護師国家試験の受験資格が付与されます。そして同様に国家試験に合格することで、正看護師の免許が取得できます。
この場合、3年以上の実務経験は必要ありません。
准看護師として働きながら通信課程で目指す場合
准看護師から正看護師にステップアップする場合、働きながら通える学校もあります。しかし体力的にも大変で、定時制の場合は3年間の課程が必要です。
焦らずに働きながら正看護師を目指したい場合には、2年間の通信課程の選択肢もあります。通信課程で正看護師を目指す場合は、准看護師として7年以上の実務経験が必須条件となります。
【シチュエーション別】准看護師になる方法
准看護師は正看護師よりも資格取得の要件が低いことから、異業種や主婦からでも目指しやすい看護職。そのため転職や新しいキャリアを歩む上でもおすすめの看護職と言えます。
ここではシチュエーション別に、准看護師になる方法についてご紹介します。
働きながら准看護師になるには
働きながら准看護師を目指す場合でも、准看護師養成所に2年間通う必要があります。准看護師養成所は全日制と半日制の2タイプの課程があります。学校によって細かいカリキュラムは異なりますが、1年目は履修、2年目は実習という点に変わりはありません。
全日制の場合、授業は基本的に朝から夕方まで行います。週3日のとなるケースが多いですが、それ以上のカリキュラムとなる学校もあります。この点は統一ルールがないため、働きながら無理なく通えるカリキュラムの学校であるかを事前に確認しておくことが大切です。
半日制の場合は、午後や夜間の授業となります。授業が半日であるため全日制との差を埋めるために、授業は週5日になる学校が多いようです。学校に通う回数は全日制よりも多くなりますが拘束時間が短いため、他の時間で働きやすいでしょう。
仕事と生活スタイルを考慮して全日制か半日制か、また学校の時間割などを確認して最適な学校を見つけましょう。
正社員としてフルタイムで仕事をしながら通うのは難しいため、准看護師を目指す間はアルバイトなどにシフトチェンジすることをおすすめします。
そして2年の課程を修了し准看護師試験に合格すれば、免許が取得できます。
主婦から准看護師になるには
主婦から准看護師になる場合も上記と同様、准看護師養成所に入学し2年の課程を修了し、准看護師試験に合格するステップとなります。
主婦の場合、お子さまがまだ手を離れていなかったり、パートで働いていたりする方も多いでしょう。もちろん学校に通う間はお子さまの預け先の確保や周りのフォロー体制を整えておくことが大切です。
パートをしている場合も学校に通っていることを理解してもらった上で、シフトに協力してもらう必要があります。特に2年目の実習になると体力的にもきつくなり、今まで通りパートの仕事をこなせない可能性も考えられます。
主婦の場合も生活スタイルに合わせて全日制か半日制かを選ぶようにしましょう。学業と子育て、仕事の両立は大変ですが、周りの協力と理解を得て資格取得を目指してください。
准看護師取得、正看護師へのステップアップに使える奨学金について
准看護師を目指すにあたり、学費だけでなく生活費も必要です。全ての人が費用面で満足した状態であるとは限らないため、そういった場合には奨学金を利用しましょう。
ここでは准看護師を目指す方が使える奨学金についてご紹介します。
日本学生支援機構の奨学金
融資元 | 日本学生支援機構 |
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金額 | 月額3万円から |
返済について | 卒業後に働きながらの返済 |
備考 | 医師会所属病院における学費減免や生活扶助、複数の奨学金を同時に使えるケースもある |
准看護学校は専業学校区分です。そのため返済免除はなく、卒業後に働きながら返済する奨学金となります。月額3万円からの少額融資もあります。
そのほかにも医師会所属病院における学費減免や生活扶助、複数の奨学金を同時に使えるケースもあるため、准看護学校を選ぶ段階で検討しましょう。
都道府県や自治体の奨学金、生活扶助
融資元 | 都道府県や自治体 |
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金額 | 毎月の授業料程度 |
返済について | 卒業後に指定の病院で一定期間働くと免除 |
備考 | 准看護師を目指す多くの方が利用 |
准看護師を目指す多くの方が利用している奨学金です。毎月の授業料ほどの金額が支給され、卒業後は指定の病院で定められた期間働くことで返済が免除されます。
病院附属学校の奨学金、生活扶助
融資元 | 各病院 |
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金額 | 学校による |
返済について | 学校による |
備考 | 病院によって制度はさまざま。付属の病院で働くことで返済が免除される場合や付属の病院で一定期間働くことが必須の場合も |
病院によって条件はさまざまですが、必ずしも奨学金を受けた病院で働かなければいけないという条件つきの奨学金ではありません。
返済免除などの条件も奨学金を出している病院によってさまざまであるため、事前に確認しておくことが重要です。
看護師学校養成所2年課程(通信制)進学者に対する奨学金
融資元 | 日本看護協会 |
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金額 | 年額36万または、48万 |
返済について | 卒業後に一括・月賦・半年賦で返済 |
備考 | 准看護師から正看護師へステップアプする際に、看護師学校養成所に通信課程で修学する方が対象 |
日本看護協会の会員の場合に利用できる奨学金です。これは准看護師から正看護師へステップアプする際に、看護師学校養成所に通信課程で修学する方が対象となります。
他の奨学金との併用が可能であり、年額36万円または48万円が支給されます。
准看護師になるステップを押さえよう
今回は准看護師になるためのステップや利用できる奨学金についてご紹介しました。
准看護師は正看護師よりも資格取得までの要件が低いため、転職としても目指しやすい看護職です。学生のうちから目指す場合でも最短で中学卒業から2年で取得を目指せます。
今回ご紹介したステップや奨学金を参考に、准看護師になる道を目指してはいかがでしょうか。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。