有料老人ホームとはどんな施設?有料老人ホームの種類や仕事内容、人員基準を紹介
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2021/05/21
介護施設にはさまざまな種類がありますが、その1つに有料老人ホームがあります。有料老人ホームは、施設によってご利用者さまの身体状況や働き方が異なるため、各施設の特徴を知っておくことが重要です。そこで今回は、有料老人ホームについて詳しくお伝えします。特徴を踏まえて、有料老人ホームの仕事内容や求人例もご紹介するため、ぜひ参考にしてください。
有料老人ホームとは?
有料老人ホームとは、入居者さまが心身の健康を保ち、安定した生活を送るための住まいです。65歳以上の高齢者が入居しており、「食事」「介護」「家事」「健康管理」のうちいずれかのサービスを1つ以上提供している施設を有料老人ホームと定義します。有料老人ホームは3タイプの施設があり、施設によってご利用者さまの身体状況や提供サービスが異なります。またサービス内容に応じて、施設の価格帯も幅広い点が特徴です。
有料老人ホームの種類と特徴
有料老人ホームには、「介護付有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」「健康型有料老人ホーム」の3種類があります。以下一覧で、それぞれの有料老人ホームの特徴をまとめています。
介護付有料老人ホーム | 住宅型有料老人ホーム | 健康型有料老人ホーム | |
---|---|---|---|
入居対象 | 要介護の高齢者 ※「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている |
自立度の高い高齢者 | 介護サービスの必要ない高齢者 |
費用 ①入居金 ②月額 |
①0~580万円 | ①0~21万円 | ①0~1億円以上 |
②15.7~28.6万円 | ②9.6~16.3万円 | ②12~40万円 | |
付帯サービス | ・身体介護 ・生活支援 ・機能訓練 ・レクリエーション ・サークル活動 |
・生活支援 ・レクリエーション ・イベント活動 ・サービス事業所の併設 |
・家事や食事のサポート ・レクリエーション ・イベント活動 ・温泉やスポーツジムなどの設備 |
終の棲家としての利用 | ◯ | ◯ | × |
下記で、それぞれの施設について詳しく解説します。
介護付有料老人ホーム
身体介護サービスが付帯しているため、要介護の方でも入居できる施設です。介護サービスを利用している入居者さまは、都道府県から「特定施設入居者生活介護」を受けていることが条件です。介護サービスのほか、生活に必要な支援や医療体制も整っています。将来的に介護などの支援が必要になっても、ホームの提供する介護サービスを利用しながら住み続けることが可能です。
介護付有料老人ホームの中でも施設の職員が介護サービスを提供する「一般型」と、外部事業所が提供する「外部サービス利用型」に分かれます。
住宅型有料老人ホーム
自立度の高い高齢者を対象としている施設で、付帯サービスは料理や掃除、洗濯などの生活支援が中心です。そのため施設の職員は、介護サービスを提供しません。将来的に介護が必要になった場合、入居者さまは訪問介護や通所介護など、地域の居宅系介護保険サービスを利用する必要があります。そのようなケースに備えて、訪問介護事業所やデイサービスなどの在宅サービス事業所が併設されているホームも多い点が特徴です。
健康型有料老人ホーム
食事や洗濯、掃除などのサービスが提供され、温泉やスポーツジムといった設備が充実しているホームです。身の回りのことを自分でできる高齢者が対象であるため、介護が必要となった場合は退去する必要があります。そのため基本的に身体介護業務がなく、家事などの生活支援が主な仕事です。施設数がとても少ないため、入居に関する費用も高額となっています。
有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の違いとは
有料老人ホームに類似した施設に、サービス付き高齢者向け住宅、通称「サ高住宅」があります。サービス付高齢者向け住宅は民間事業者が運営している、原則60歳以上の自立〜軽度要介護の高齢者を対象としたバリアフリーの賃貸住宅です。介護サービスはなく、安否確認や生活相談、掃除や買い物代行などの生活支援サービスが付帯します。有料老人ホームのように介護や生活支援サービスをメインとしておらず、住居の提供がメインとなるサービスです。そのため心身の健康や家事の実施に問題はないが、1人暮らしが不安な方やバリアフリー環境で生活したい方が利用しています。介護が必要になっても入居することは可能ですが、個別で外部の介護サービスを利用する必要があります。
有料老人ホームの仕事内容とは
有料老人ホームは、前述したように3タイプに分かれているため、入居者さまの身体状況などに応じて仕事内容もさまざまです。基本となるのは身体介護や生活援助、レクリエーションの企画などですが、施設のタイプによって仕事の比率は大きく変わります。たとえば介護付有料老人ホームであれば身体介護がメインとなりますが、健康型有料老人ホームでは食事の用意や掃除などの生活援助が中心となります。そのため同じ有料老人ホームでも、施設タイプごとに仕事内容が異なる点を押さえておきましょう。
また有料老人ホームは、24時間体制の施設であることから夜勤が発生します。施設によって勤務体制もさまざまですが、日勤と夜勤の2交代制を採用しているケースが多いようです。同一施設であっても、日勤と夜勤とでも仕事内容が変わります。
有料老人ホームの職種について人員基準をもとに紹介
職種 | 配置人数 |
---|---|
管理者 | 1人(兼務可) |
生活相談員 | 100:1 |
看護・介護職員 | 要支援者/10:1 要介護者/3:1 |
機能訓練指導員 | 1人以上(兼務可) |
計画作成担当者 | 介護支援専門員1人以上(兼務可) |
上記は、有料老人ホームにおける人員基準です。施設運営には、上記の人員基準を満たしている必要があります。メインとなる介護職員をはじめ、管理者や生活相談員、機能訓練指導員とさまざまな職種の人が配置されます。介護職員の比率は、要支援者や要介護者の施設内人数に応じて配置人数が異なります。
有料老人ホームの求人例
職種 | 介護スタッフ |
---|---|
仕事内容 | ゲストさまに、より安全に安心にお過ごしいただくためのサポートをしていただきます。 定員144名、職員配置基準3:1に対して2.2:1を配置しております。無理なく勤務いただける環境です。 |
具体例 | 身体介助(食事介助、排泄介助、入浴介助) 生活支援①(水分補給補助、居室整備、リネン交換) 生活支援②(買い物同行、外出介助) 介護記録作成、レクリエーションの企画・運営。 |
給与 | 月給238,000円~359,500円 ※資格手当・住宅手当・精勤手当・処遇改善手当含む |
雇用形態 | 正社員 |
勤務時間 | 週5日/1日8時間 (1) 07:00~20:00 [ 月~日+祝 ]休憩60分 (2) 17:00~10:00 [ 月~日+祝 ]休憩120分 ※シフト制、夜勤平均5回/月 |
応募資格 | 学歴不問 PCスキル不要 必須資格:介護職員初任者研修、介護福祉士資格 |
社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
求人の特徴 | 健康診断、育児・介護休暇、育児・介護短時間勤務制度、制服貸与、資格取得支援制度、退職金制度、人間ドック(40歳以上自己負担なし)、夜勤時夜食補助、インフルエンザ予防接種(自己負担なし)、勤続永年表彰制度(5年以上50,000円)、福利厚生制度(リロクラブ)、各種お祝い金 |
正社員介護スタッフの求人例です。応募には、介護職員初任者研修以上の資格が必要となります。身体介護や生活支援が主な仕事となり、介護記録作成やレクリエーションの企画・運営も担当します。介護業務全般が経験でき、かつ資格取得支援制度もあることから、スキル・キャリアアップしやすい環境です。
有料老人ホームには「介護付」「住宅型」「健康型」の3種類がある
有料老人ホームには3種類の施設があり、入居者さまの身体状況や施設の特徴、仕事内容は施設に応じて異なります。そのため身につけたいスキルや仕事内容に応じて、職場が選べます。ぜひ今記事を参考に、各有料老人ホームの特徴などを押さえましょう。またソラジョブでは、有料老人ホームの求人を多数掲載しています。就職や転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。