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ショートステイの利用料金はどのように決まる?内訳や介護保険適用範囲などの基礎知識

著者: ゲートウェイ

更新日:2023/12/22

公開日:2021/06/23

在宅介護をする人にとって、ショートステイ(短期入所生活介護)はとてもありがたいサービス。「興味はあるけど費用がどのくらいか知りたい」という方向けに、利用料金の内訳、介護保険適用範囲と自己負担分など、徹底解説します。費用の推移動向もご紹介していますので、ショートステイで働きたい人も業界理解の一助としてご参考ください。

ショートステイ(短期入所生活介護)の利用料金について

ショートステイ(短期入所生活介護)は1日単位で施設に入所し、食事や入浴、排泄介助など日常生活の支援や、レクリエーション、機能訓練が受けられるサービスです。利用にかかる費用は、「基本料金」「特別サービス利用時の加算分」「介護保険提供外の自費負担分」の主に3つです。

ショートステイ(短期入所生活介護)利用料金の内訳について

ショートステイ費用の主な内訳
基本料金
特別サービス利用時の加算分の料金
介護保険提供外の自費負担分の料金

基本料金

介護サービスにかかる基本料金は、原則として介護保険が適用されるため自己負担は1割(一定以上の所得者の場合は2~3割)です。金額は、施設の形態(特養併設型、単独型等)、居室の種類(多床室、従来型個室、ユニット型個室等)、要介護度などによって異なります。また居住地域がどの地域区分(1級地~7級地、その他)に属しているかによっても、変わってきます。

特別サービス利用時の加算分

施設によっては、職員の配置や個別機能訓練、送迎など、専門的なサービス提供体制や特別サービスを整えています。そういった施設を使用してサービスを受ける場合は、その分の費用が基本料金にプラスしてかかります。

介護保険提供外の自費負担分

上記のほか、居住費、食費、理美容代、その他日常生活費用が必要です。これは介護保険適用外のため自費負担となり、施設によって料金が変わってきます。なお低所得者の場合は、所得に応じた限度額を超えた居住費・食費の負担額が、介護保険から支給される措置があります。負担限度額は所得段階、施設の種類、部屋のタイプによって異なります。また月々もしくは年間の自己負担額が高額になった場合も、所得区分ごとの上限額を超えた分が介護保険から支給されます。

介護保険の適用範囲について

介護保険施設でのショートステイ(短期入所生活介護)を利用した場合、基本料金およびサービス加算に介護保険が適用されます。自己負担は1~3割(所得による)です。ただし居住費、食費、理美容代などの日常生活費用については、介護保険適用外のため、自己負担が必要です。

介護保険対応になっていない一部の有料老人ホームで提供されているショートステイを利用する場合は、「有料ショートステイ」として介護保険適用外となります。この場合は基本料金も含め、全額自己負担が必要です。

ショートステイ(短期入所生活介護)利用料金表の一例

ショートステイ(短期入所生活介護)の利用料金の一例として、「併設型の施設」「自己負担1割」の場合 の基本料金表(1日)をご紹介します。

施設の種類 居室の種類 要介護度 利用者負担(1割)/日
特別養護老人ホームなどに併設された事業所の場合
従来型個室
(居室定員1名)
要支援1 438円
要支援2 545円
要介護1 586円
要介護2 654円
要介護3 724円
要介護4 792円
要介護5 859円
多床室
(居室定員2名以上)
要支援1 438円
要支援2 545円
要介護1 586円
要介護2 654円
要介護3 724円
要介護4 792円
要介護5 859円
ユニット型
(食事や談話ができる共同スペース+個室で構成)
要支援1 514円
要支援2 638円
要介護1 684円
要介護2 751円
要介護3 824円
要介護4 892円
要介護5 959円

上記に加えて、居住費や食費、理美容代、その他日常生活費用は全額自己負担が必要です。食費、居住は所得に応じて負担限度額が以下の通り決まっています。限度額を超えた分は介護保険から支給されます。

基準費用額(日額) 所得認定区分別の負担限度額(日額)
第1段階 第2段階 第3段階
食費 1,380円 300円 390円 650円
居住費 従来型個室 1,150円 490円 490円 1,310円
多床室 840円 0円 370円 370円
ユニット型個室 1,970円 820円 820円 1,310円
ユニット型個室的多床室 1,640円 490円 490円 1,310円

短期入所療養介護(短期入所生活介護)の料金表一例

短期入所生活介護と同様の介護サービスとして、「医療型ショートステイ」と呼ばれる「短期入所療養介護」があります。リハビリテーションや医療的ケアを利用できるのが特徴で、短期入所生活介護と同様に日常生活援助のサービスも受けられます。短期入所生活介護に比べると、医学的管理が必要なことから料金は高く設定されています。

ご参考までに、短期入所療養介護の料金例として、「併設型の施設」「自己負担1割」の場合 の基本料金(1日)をご紹介します。

施設の種類 居室の種類 要介護度 利用者負担(1割)/日
特別養護老人ホームなどに併設された事業所の場合
従来型個室
(居室定員1名)
要支援1 580円
要支援2 721円
要介護1 755円
要介護2 801円
要介護3 862円
要介護4 914円
要介護5 965円
多床室
(居室定員2名以上)
要支援1 613円
要支援2 768円
要介護1 829円
要介護2 877円
要介護3 938円
要介護4 989円
要介護5 1,042円
ユニット型
(食事や談話ができる共同スペース+個室で構成)
要支援1 623円
要支援2 781円
要介護1 835円
要介護2 880円
要介護3 942円
要介護4 995円
要介護5 1,046円

施設によって変わるサービス加算費用

専門的なサービスや、スタッフの配置等による特別なサービス提供体制を整えている施設を利用する場合、基本料金にプラスして「サービス加算」がかかります。加算は施設によって変わり、必ずかかるものと利用した場合にかかるものがあります。また一つひとつは少額なものがほとんどですが、サービスの数が増えると高額になってきます。どのようなサービスが受けられるかで判断するためにも、施設ごとによく比較し事前に確認しておくようにしましょう。

サービス加算(例) 説明
送迎加算 利用者の自宅と入所施設間の送迎をした場合にかかる
機能訓練加算 機能訓練指導員を配置の上、利用者に個別機能訓練計画書を作成して、その計画に基づいた機能訓練を実施する場合にかかる
医療連携強化加算 医療機関との連携強化や緊急時の対応強化を目的として、重度者の利用を想定した受け入れ態勢を整えている場合にかかる
緊急短期入所受入加算 利用者やその家族の状況に合わせ、ケアプランに利用計画のない利用者を緊急で受け入れる場合にかかる

ショートステイ(短期入所生活介護)費用の推移

要介護者の増加を受け、ショートステイ(短期入所生活介護)の費用は年々増加しています。社会保障審議会(介護給付費分科会)によると※、サービス種類別介護費用額割合の推移において、短期入所生活介護が占める割合は増加傾向にあります。

年度 短期入所生活介護が占める
サービス種類別介護費用額の割合
H13年度 2.6%
H19年度 4.1%
H24年度 4.5%
H30年度 4.3%
参考:第180回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料「04_短期入所生活介護」より

 

平成30年度の短期入所生活介護の費用額は約4,275億円(介護予防短期入所生活介護を含む)、平成19年度と比較すると約1.7倍となっています。ショートステイ(短期入所生活介護)の存在感が増している平成30年度の「総費用等における提供サービスの費用額」では、居宅サービスの中でショートステイ(短期入所生活介護)の費用額は第4位となっています。費用が増加傾向で推移していることからも分かるように、ショートステイ(短期入所生活介護)は年々需要が高まっていると言えます。

今後超高齢化社会が更に加速していく中で、ショートステイ(短期入所生活介護)の存在感・必要性もますます増していくでしょう。これから介護施設で働きたい人にとっても見逃せないポイントです。

提供サービス(居宅) 費用額
(百万円)
利用者数
(千人)
事業所数
第1位 通所介護 1,243,519 1,604.50 23,881
第2位 訪問介護 900,694 1,456.70 33,176
第3位 特定施設入居者生活介護 532,291 280.6 5,550
第4位 短期入所生活介護 422,572 739.1 10,615
第5位 通所リハビリテーション 409,205 621.8 7,920
第6位 福祉用具貸与 302,033 2,413.10 7,113
第7位 訪問看護 257,052 701 11,795
第8位 居宅療養管理指導 111,247 1,053.50 39,123
第9位 短期入所療養介護 57,484 152.9 3,781
第10位 訪問入浴介護 52,495 123 1,770
第11位 訪問リハビリテーション 42,823 153.6 4,614
4,331,418 3,930.20 149,338

ショートステイの重要性は高まっている!ショートステイの求人を探すならソラジョブへ

ショートステイ(短期入所生活介護)は、利用者の心身の機能維持向上だけでなく、介護者の負担軽減としても重要な役割を担っています。サービスにかかる費用は、施設や居室の種類、要介護度によって変わったり、食費などが介護保険適用外だったりと少々複雑です。

しかし、介護者に冠婚葬祭などの外せない用事があるときや、体調不良時、レスパイト(=休息、息抜き)としても非常に頼れるサービスです。いざというときに安心して利用できるよう、料金の仕組みについてあらかじめよく理解しておきましょう。

これから介護業界で働きたい人にとっても、ショートステイは今後も引き続き高い需要が見込まれるサービスです。ソラストでは、ショートステイを提供している施設の求人も多数掲載しているため、ぜひ参考にしてください。

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著者プロフィール

ゲートウェイ

ゲートウェイ

異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。

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