ケアハウスとは(軽費老人ホーム)とは|料金や特徴、他施設との違い
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2021/10/17
軽費老人ホームは提供サービスや入居条件別に3種類に分かれており、そのうちの1つがケアハウスです。今回はケアハウスの特徴や提供サービス、他施設との違いなどを詳しくご紹介します。軽費老人ホーム、またはケアハウスへの就職・転職を検討している方は、参考にしてみてください。
目次
ケアハウスとは
ケアハウスとは、軽費老人ホームの一種です。また都道府県の指定を受けている「特定施設」の対象となる施設にも該当します。厚生労働省発表のレポート「高齢者の住まい」では、ケアハウスを含む軽費老人ホームのことを以下のように定義しています。
低額な料金で、家庭環境、住宅事情等の理由により居宅において生活することが困難な老人を入所させ、日常生活上必要な便宜を提供する施設
ケアハウスの種類
ケアハウスの多くは、地方自治体や社会福祉法人、医療法人などによって運営されています。入居条件や特徴別に軽費老人ホームA型・B型・C型の3種類があり、ケアハウスは軽費老人ホームC型のことを指します。そしてケアハウスはさらに、一般型と介護型に分かれます。
一般(自立)型 | 自立した生活を送れるが家族の援助が受けられない、独居が不安な方が利用するケアハウス |
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介護型 | 特定施設入居者生活介護の指定を受けており、要介護1以上の方が利用するケアハウス |
ケアハウスで提供するサービス
ケアハウスでは生活相談や介護、生活支援、見守りなどのサービスが提供されます。軽費老人ホームの中でも介護サービスが提供されるのは、介護型ケアハウスのみです。近年、介護型ケアハウスでは看取りや認知症に対応している施設も増えています。一般型は介護を必要としない方が入居することから、介護以外のサービスが提供されます。もし一般型に入居後に介護が必要となった場合、要介護認定2までは外部の介護サービスを受けながら入居が継続可能です。
ケアハウスの入居条件
一般型 | 家族の援助を受けることが難しく、独居に心配のある60歳以上の方 ※要介護2までは外部の介護サービスを利用しながら入居可 |
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介護型 | 要介護度1以上の認定を受けている、65歳以上の方 |
ケアハウスは一般型と介護型で、入居条件の年齢と要介護度の基準が異なります。上記以外にも、「共同生活に支障がない」「身寄りがない」など細かい入居条件を指定している施設も。また、ケアハウスは低額でサービスが受けられることから、収入や資産が少ないほど入居の優先度が高くなります。
ケアハウスの料金
施設によって金額に差はありますが、ケアハウスでは初期費用と月額料金がかかります。初期費用は一般型で30万円ほど、介護型で数十万~数百万円です。月額費用は一般型で6万~十数万、介護型で16万円~20万円ほどが相場です。
ケアハウスの人員基準
管理者 | 1人(兼務可) |
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生活相談員 | 入所者100人につき1人 |
看護・介護職員 | ・要支援者10人につき1人 ・要介護者3人につき1人 ※看護職員のみ要介護者30人までに1人、30人を超える場合は50人ごとに1人 |
機能訓練指導員 | 1人以上(兼務可) |
ケアマネージャー | 入所者100人ごとに1人以上(兼務可) |
ケアハウスは看護・介護職員を中心に、さまざまな職種のスタッフが配置されています。そのため生活の相談から機能訓練、ケアプランの作成など幅広いサポートが受けられます。
ケアハウスの特徴
ここではケアハウスを含む、軽費老人ホーム全体の特徴をみていきます。
有料老人ホームよりも安く入所できる
ケアハウスは「家族の支援を受けることが難しい」「居宅生活が困難」「身寄りがない」などの悩みを抱える、所得・資産の少ない高齢者が入所できる老人ホームです。低所得層に向けた介護保険サービスであり、自治体の助成金を受けて運営されていることから、有料老人ホームと比べると安価に入所できる点が魅力といえます。
バリアフリー住居での共同生活
ケアハウスでは、他の入所者との共同生活となりますが、個室を用意している施設も多く、プライバシーを守りながら生活することが可能です。また、施設はバリアフリー設計になっているものがほとんどで、介護が必要な方や車椅子の方、足腰の弱い方が暮らしやすい住まいとなっています。
自由に生活できる
日常生活上での必要な支援が提供されるケアハウスですが、入所していても自由に外出や外泊できる施設も多くあります。要介護度にもよりますが、一般型であれば自分の自宅にいるかのように自由に生活できる点が特徴です。なかには、友人やご家族と旅行に出かける利用者もいらっしゃいます。
ケアハウスと他介護施設の違い
ここでは、ケアハウスと他介護施設との違いもみていきます。
ケアハウスとグループホームの違い
グループホームは、認知症の診断を受けた65歳以上、かつ要支援2または要介護1以上の認定を受けている方が入所できる施設です。認知症の悪化や進行防止のため、9人以下の小規模かつアットホームなユニットで共同生活を送ります。認知症に対応しているケアハウスは一部であるため、認知症の診断を受けている場合にはグループホームへの入所となる可能性もあります。
ケアハウスと有料老人ホームの違い
有料老人ホームには、介護型ケアハウスと同じく特定施設入居者生活介護に指定される「介護付き有料老人ホーム」があります。また、介護付き有料老人ホームは介護型ケアハウスと同様に、要介護者専用の介護型と自立の方も入所できる混合型があります。
一般型ケアハウスと類似するのは、住宅型有料老人ホームと健康型有料老人ホームです。住宅型は要介護者が入所できるホームもあれば、自立状態にある方のみと条件はさまざまです。ケアハウスと同様にバリアフリー施設で、生活支援を中心としたサービスが受けられます。また、健康型は自立状態にある方のみ入所できるホームで、独居が不安な高齢者が娯楽を楽しみながら過ごせる施設です。
ケアハウスは低額で利用できる一方、有料老人ホームは施設によって利用料がさまざま。健康型有料老人ホームで設備やサービスが充実している場合は、初期費用が億を超えるケースもあるほど。ケアハウスは所得や資産の少ない方が優先されるため、ケアハウスに空きがない場合は有料老人ホームを利用するケースもあります。
求人例から見るケアハウスの特徴や仕事内容
職種 | 介護スタッフ |
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仕事内容 | 軽費老人ホームでの見守りと生活支援のお仕事
具体例 ケアハウス(軽費老人ホーム)は、高齢により自宅での生活に不安がある方のための、生活支援を受けながら暮らせる介護施設です。 |
給与 | 月給200,000円~ 夜勤手当別途支給(3,850円~4,750円/回 ※金額は資格による) |
雇用形態 | 正社員 |
勤務時間 | (1) 07:00~16:00 [ 月~日 (祝) ] (2) 09:00~18:00 [ 月~日 (祝) ] (3) 11:00~20:00 [ 月~日 (祝) ] (4) 16:00~10:00 [ 月~日 (祝) ] 変形労働時間制 |
応募資格 | 学歴不問 PCスキル不要 無資格OK |
社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
求人の特徴 | 健康診断、育児・介護休暇、育児・介護短時間勤務制度、制服貸与、財形貯蓄制度、資格取得支援制度、ウェルカムバック制度 |
身体介護業務がなく、家事などの生活支援や見守りが主な仕事となります。ケアハウスは介護型でなければ介護サービスは提供しないため、介護業務のある施設と比べると身体的な負担が軽い点が特徴です。ただし、入居型の施設であるため夜勤に入ることもあります。
ケアハウスは身体介護がなければ無資格でも応募できる求人が多く、未経験からでも介護業界にチャレンジできます。
ケアハウスは低額料金で生活支援などのサポートが受けられる施設
ケアハウスは、家庭・住宅の事情で独居ができない、所得・資産の少ない高齢者が低額で入所できる施設です。自立状態にある方が利用できる一般型と、要介護1以上の方が利用できる介護型の2種類があります。ぜひ今記事を参考にケアハウスの特徴や役割を押さえ、介護業界の就職・転職先選びに役立ててください。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。