グループホーム(認知症対応型共同生活介護)にはどんな種類がある?それぞれ異なるサービス内容を解説
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2021/09/30
グループホームは、日常生活に近い形でサポートを受けながら共同生活するための地域密着型サービスです。グループホームにはさまざまな種類の施設があり、サービス内容もそれぞれ異なります。今回はグループホームの種類や、それぞれのサービス内容について詳しく解説します。グループホームへの就業を検討している方は、各サービスの特徴を押さえてみましょう。
目次
グループホームの種類とは
グループホームは認知症高齢者や障がいのある方などが、専門スタッフのサポートを受けながら共同生活する施設です。正式名称は「認知症対応型共同生活」と言われるため、認知症の方に限られた施設と思う方も多いでしょう。しかし身体、または知的障がいのある方も利用できるサービスもあります。地域密着型サービスの1つで、住民票と同一地域内のグループホームが利用でき、グループホームは目的別に、以下4タイプの種類に分かれています。
・介護サービス包括型
・外部サービス利用型
・日中サービス支援型
・サテライト型
グループホームの種類によって、特徴やサービス内容が異なります。下記では種類別に、それぞれのグループホームの特徴やサービス内容を詳しく解説していきます。
介護サービス包括型の特徴とは
夜間や休日に食事や入浴、排せつのような日常生活におけるサポートを提供するのが、介護サービス包括型のグループホームです。
障がい支援区分「4/5/6」と、障がいが重い方が利用する傾向にあります。基本的なグループホームは、入居者さまが自立的な生活ができるよう、最低限の介助を行う程度です。しかし介護サービス包括型は、生活介助が必要な障がいの重い方が利用しているため、介護サポートがメインとなります。
グループホームの中では施設数、利用者数ともに数が多く、需要の高いサービスです。
介護サービス包括型のサービス内容
・食事、入浴、排せつなどの介助
・調理、洗濯、掃除などの家事
・日常生活や社会生活上の相談や助言
・就労先やその他の関係機関との連絡
・そのほか日常生活に必要な援助
介護サービス包括型のグループホームに入居する方は、夜間や休日においても介護が必要な方たちです。そのためスタッフは1日を通して入居者さまを見守り、必要に応じて介護を提供します。
外部サービス利用型の特徴とは
事業所のスタッフだけでなく、外部のヘルパー事業所などから派遣されたスタッフも在籍しているのが、外部サービス利用型のグループホームです。一般的には相談や家事などの日生活に密着したサポートは事業所のスタッフが行い、本格的な介護は外部の事業者が行うケースが多く見られます。外部サービス利用型は、障がい支援区分「1 / 2 / 3」と、障がいの軽い方が利用する傾向にある点が特徴です。また介護サービス包括型と同様に、夜間や休日のサービス提供となります。
外部サービス利用型のサービス内容
・食事、入浴、排せつなどの介助
・調理、洗濯、掃除などの家事
・日常生活や社会生活上の相談や助言
・就労先やその他の関係機関との連絡
・そのほか日常生活に必要な援助
食事や入浴、排せつなどの本格的な介助は、外部の介護スタッフが対応します。一方家事や相談など、入居者さまの日常生活に寄り添った支援は事業所のスタッフが提供します。本格的な介護は専門スタッフが対応してくれるため、入居者さまやそのご家族も安心できるでしょう。
日中サービス支援型の特徴とは
夜間や休日を過ごす介護サービス包括型や外部サービス利用型と異なり、日中もグループホームで過ごせるのが日中サービス支援型です。2018年に制度化されたグループホームで、重度の障がいのある方や障がいのある高齢の方が利用します。利用者の障がいの程度や体調に合わせてサービスを提供するため、スタッフの配置人数が手厚い点が特徴です。
日中サービス支援型のサービス内容
・食事、入浴、排せつなどの介助
・調理、洗濯、掃除などの家事
・日常生活や社会生活上の相談や助言
・就労先やその他の関係機関との連絡
・そのほか日常生活に必要な援助
24時間体制のサービスであり、さらに短期入所施設が併設されているため、入居者さまに合わせて幅広いサービスを提供する点が特徴です。また在宅で生活する方が、一時的な宿泊として利用するケースもあります。利用者さまや入居者さまの特徴もさまざまであるため、スタッフは柔軟なサポートが求められます。
サテライト型の特徴とは
グループホームの近くのワンルームマンションなどで、一人暮らしをしている利用者さまをサポートするのがサテライト型グループホームです。
サテライト型を利用する方は主にグループホームを出て一人暮らしを目指している、軽・中度の障がいのある方です。グループホームは「本体」で、利用者のいるマンションなどは「出先」とされています。サテライト型を利用できるのは原則2年間であり、利用者さまはその間に自立を目指します。
サテライト型のサービス内容
・食事、入浴、排せつなどの介助
・調理、洗濯、掃除などの家事
・日常生活や社会生活上の相談や助言
・就労先やその他の関係機関との連絡
・そのほか日常生活に必要な援助
利用者さまは外から見ると一人暮らしとなりますが、必要に応じてグループホームにいるスタッフの支援が受けられます。
サテライト型グループホームは、将来的に独立して生活したい方が利用するサービスです。そのためスタッフは利用者さまが独立するにあたり、必要な力を身につけるための支援を提供する役割を果たします。
グループホームの種類別に特徴や役割を押さえよう
今回はグループホームの種類について、それぞれの特徴やサービス内容を解説しました。サービス内容は基本的にどの施設でも同じですが、サービスの特徴が大きく異なります。どのタイプのグループホームに就業するかによって、仕事内容や求められる役割も異なるでしょう。そのため今記事を参考に、種類別にグループホームへの理解を押さえてみてください。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。