サ高住の仕事内容を詳しくご紹介!職種別の仕事内容や資格、働き方など
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2022/10/26
介護業界への転職を検討していると、サ高住も選択肢の1つです。サ高住は一般的な介護施設とは異なるサービスであるため、サ高住での仕事内容や働き方など気になる点も多いでしょう。そこで今回はサ高住とは何かを踏まえて、職種別にみた仕事内容やサ高住での働き方、必要な資格などについて詳しくご紹介します。
目次
サ高住とは
サービス付き高齢者向け住宅、通称「サ高住」は下記のように定義された高齢者向けの住まいです。
状況把握サービス、生活相談サービス等の福祉サービスを提供する高齢者のための住宅
サ高住は60歳以上の単身高齢者・夫婦世帯、または60歳未満の要介護・要介護認定を受けている方が住める住宅です。バリアフリー構造かつ一定面積・設備の基準を満たした住宅であり、ケアの専門家による安否確認・生活相談サービスが付帯しています。サ高住の性質はあくまで住宅であるため、高齢者は賃貸借契約を結んでサ高住に居住します。介護施設よりも入居者の生活の自由度が高いため、サ高住で働く職員は入居者の生活スタイルに合わせた柔軟な対応が求められます。
【職種別にみる】サ高住の仕事内容
サ高住には、介護職員をはじめさまざまな職種の職員が働いています。サ高住での主な仕事内容は、必須の付帯サービスである安否確認と生活相談です。さらに、近年は高齢者のさまざまな生活ニーズに応えるため、独自のサービスを提供しています。そのためサ高住によって仕事内容が異なることもありますが、ここでは基本的な仕事内容を職種別にご紹介します。
介護職員
介護職員の主な仕事内容は、サ高住の付帯サービスである安否確認と生活相談です。安否確認は定期的な巡回訪問で入居者の安否を確認し、生活相談は日常生活における困りごとや不安を解決し、入居者が安心して暮らせるようサポートします。サ高住は要介護度の低い高齢者が多いため、基本的に介護業務は行いません。しかし、介護付のサ高住であれば介護職員が食事や入浴、排せつの介助など基本的な身体介護を提供します。そのほか、生活支援サービスが付帯するサ高住であれば、買い物代行や外出の付き添い、送迎や掃除・洗濯などの家事も仕事の1つです。
看護師
看護師も介護職員と同じく安否確認や生活相談を行います。生活相談では、医療的な立場から生活における悩みごとや不安を解決するためにサポートします。なお、サ高住によっては医療依存度の高い入居者もいるため、下記のような一部医療行為を行うこともあります。
・在宅酸素
・痰吸引
・胃ろう
・人工透析
・経鼻経管栄養
・カテーテル
・ストマ
・インスリン注射 など
なお、看護師は常駐と訪問のいずれかの働き方です。どちらの場合も仕事内容に違いはありませんが、常駐の場合はサ高住の運営に関わることもあります。
ケアマネ
サ高住でのケアマネの仕事内容は、以下の通りです。
・ケアプラン作成
・モニタリング
・要介護認定の申請手続き
・介護報酬の給付管理
・生活相談
サ高住でも、ケアマネの仕事内容は一般的な介護施設と大きく違いはありません。また管理上に支障がない場合、ケアマネは当該事務所のその他職種や同一敷地内にある他事業所・施設の職種と兼務することが可能です。そのため、サ高住によっては介護業務や他業務を行うこともあります。
管理者・施設長
管理者・施設長の主な仕事内容は、サ高住の運営・人事・労務・収支管理です。
運営管理 | ・入居希望者への説明、見学対応・入退去手続き・入居者や家族の相談対応・介護サービス事業者や医療機関、行政との連携 など |
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人事管理 | ・採用業務(求人作成、管理など)・採用面接、スケジュール調整・職員の育成・人事考課・退職手続き など |
労務管理 | ・シフト管理・職員の業務調整・給与、福利厚生などの事務手続き・職場の安全衛生管理 など |
収支管理 | ・請求業務・敷金や退去費などの精算手続き・経費管理・入居者獲得のための営業 など |
現場の仕事は離れ、施設管理や職員管理を行う点が特徴です。
コンシェルジュ
サ高住によってはコンシェルジュを配置しています。主な仕事内容は、介護職員と同じく安否確認や生活相談です。そのほか、郵便物の受け取りやタクシー手配、来客対応のような仕事も行います。サ高住のコンシェルジュは、マンション管理人やホテルのフロントのようなイメージを持つと良いでしょう。
サ高住での働き方
仕事内容とあわせて、ここではサ高住での働き方をみていきます。
勤務形態
サ高住で働く職員の勤務形態は正社員とパートが中心となり、サ高住によっては派遣として働けるケースもあります。正社員であれば常勤として、1日8時間勤務・週休2日での働き方が一般的です。業務上、必要であれば残業や夜勤にも対応します。パートは午前や午後のみ、働ける時間帯のみなど柔軟かつ自由度の高い働き方ができる点が特徴です。また派遣の場合も、派遣先によって勤務時間や残業・夜勤有無が選択できるため、比較的自由度の高い働き方ができます。
勤務時間・夜勤について
サ高住の勤務時間は日勤で実働8時間、夜勤はサ高住によって異なりますが14〜16時間が一般的です。勤務はシフト制が多く、夜勤は2交代制か3交代制が多くみられます。なお、サ高住によっては夜間に職員を配置しないため、夜勤がない場合もあります。勤務開始時間もサ高住によってさまざまですが、7〜9時と入居者の生活リズムに合わせて始業します。シフトがしっかり組まれていれば残業も少なく、サ高住によっては完全週休2日制で土日休みになるケースもあるようです。この点はサ高住によってさまざまであるため、転職する際は志望先のサ高住の特徴を押さえてみてください。
サ高住で働くには資格が必要?
看護師やケアマネなど、そもそも資格がなければ働けない職種の場合は資格が必要です。一方、介護職員やコンシェルジュのような職種は、無資格・未経験からでもサ高住で働けます。というのも、サ高住は身体介護を提供する機会が少ないからです。しかし、高齢者相手の仕事であるため、介護系の資格があれば採用で優遇されやすくなります。さらに完全に無資格・未経験可の求人は募集枠も少なく、キャリアアップもしにくいため、資格を取得して損することはありません。介護職員初任者研修は介護職未経験からでも取得しやすい資格であるため、今後のキャリアを広げるためにも資格取得を目指してみてください。
サ高住で働くメリット・デメリット
ここでは、サ高住で働くメリット・デメリットをみていきます。
サ高住で働くメリット
・身体的負担が少ない
・未経験からでも働きやすい
・接遇やマナーが身につけられる
・入居者と中長期的に関わることができる
サ高住は介護付施設でなければ、基本的に身体介護業務を行うことがありません。介護業務の身体的負担は介護職の悩みの1つでもあるため、体力的な面で不安がある方には最適な環境です。さらに、介護業務がない点で未経験からでも働きやすい点はメリットといえます。またサ高住の仕事を通して、接遇やマナーを身につけることもできます。そして入居者の暮らしの場であることからも、生活に寄り添いながら中長期的に関わりを持つことができる点は、サ高住の特徴であり魅力です。
サ高住で働くデメリット
・入居者の個々の生活スタイルに合わせて仕事の流れも変わる
・人によっては仕事に物足りなさを感じる
・スキルを身につけにくい
サ高住は介護施設とは異なり、入居者は個々の生活リズムで過ごします。そのため施設全体で1日のスケジュールは決まっておらず、職員は入居者の生活リズムに合わせて仕事していきます。初めは入居者の生活リズムやスタイルを把握するのが難しく、慣れまでは大変かもしれません。イレギュラーな仕事が発生することも多いため、その場その場で柔軟な対応力が求められます。またしっかり働きたい方からすると、仕事に物足りなさを感じることもあるでしょう。加えて介護スキルを身につける機会も少ないため、スキルアップを目指している方には向かない仕事といえます。
【求人からみる】サ高住の仕事内容
最後に、実際の求人からサ高住の仕事内容や給与、待遇などをご紹介します。
職種 | 介護スタッフ |
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仕事内容 | 小金井市の介護福祉施設「サービス付高齢者向け住宅 せらび小金井」で介護士正社員募集。 ケアワーカーとして長期・安定してお仕事できる環境です。 具体例 「せらび」を実現させるために、研修制度は充実しています。先輩スタッフは丁寧にサポートしてくれるので安心してください! |
給与 | (1) 月給248,000円~ ※介護職員初任者研修・ホームヘルパー2級 (2) 月給254,000円~ ※介護職員実務者研修・基礎研修・ホームヘルパー1級 ※夜勤手当5回分(50,000円)含む。6回目以降は別途支給(10,000円/回) |
雇用形態 | 正社員 |
勤務時間 | (日勤) 07:30~20:00 ※時間内で実働8時間 (夜勤) 17:00~10:00 |
応募資格 | 学歴不問 必須資格:介護職員初任者研修、介護職員実務者研修、介護職員基礎研修、ヘルパー2級、ヘルパー1級…のいずれかの資格をお持ちの方 |
社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
福利厚生 | 健康診断、育児・介護休暇、育児・介護短時間勤務制度、制服貸与、資格取得支援制度、社員持株会制度、ウェルカムバック制度 |
サ高住は自由度の高い施設であるため、その分職員の仕事内容や働き方、サ高住が提供するサービスもさまざまです。転職の際にはサ高住ごとに特徴を押さえ、自分に合った働き方ができるサ高住を見つけてみてください。
サ高住の主な仕事内容は安否確認と生活相談!仕事内容はサ高住によってさまざま
サ高住は高齢者の住まいであり、基本付帯するサービスは安否確認と生活相談です。そのためサ高住で働く職員の主な仕事内容も安否確認・生活相談が中心となります。加えて、具体的な仕事内容は職種やサ高住によっても異なるため、転職する際は各サ高住の特徴や付帯サービスを把握することが、自分に合った職場を見つけるためのポイントです。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。