言語聴覚士の仕事内容を詳しくご紹介!主な職場や1日の流れとは
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2023/02/17
医療・保健・介護・福祉の現場でリハビリ専門職として働く言語聴覚士。生きる上で欠かせないコミュニケーション・食べる分野を専門領域とし、子どもから高齢者まで幅広い方を対象にリハビリを提供します。今回は、言語聴覚士の仕事内容や1日の仕事の流れなどを詳しくご紹介します。
目次
【障害別】言語聴覚士の仕事内容
言語聴覚士の主な仕事内容は、障害に応じたリハビリの提供です。言語聴覚士が専門とする障害は以下のように複数あるため、ここでは障害別に言語聴覚士の仕事内容を詳しくご紹介します。
言語・コミュニケーション障害
聴覚障害
子どもの言語発達・コミュニケーション障害
認知機能障害
摂食・嚥下障害
言語・コミュニケーション障害
言語・コミュニケーションに関する主な障害に、失語症や音声障害、構音障害や高次脳機能障害が挙げられます。
失語症 | 「言葉が出ない」「適切な言葉が選べない」「言い間違える」「話の内容が理解できない」「文字が読めない」などの症状。大脳の言語中枢がダメージを受けて発症する。 |
---|---|
音声障害 | 声帯の損傷などにより、声の大きさや高さ、声質に異常がある。 |
構音障害 | 唇や舌、顎や喉など声を出すのに必要な器官に異常があることで「声が出せない」「ろれつが回らない」「はっきりと発音できない」などの症状を引き起こす。 |
上記以外にも、認知機能に関わる高次脳機能障害も言語・コミュニケーション障害に関係します。言語・コミュニケーションの障害に対しては状態を観察し、原因などを踏まえて発声・発話に必要な呼吸法・姿勢などの指導、言葉の理解や表現の訓練を行います。
聴覚障害
聴覚障害は病気や事故、高齢化で発症する後天的なもの、そして生まれつきの先天性のものがあります。まずは聴覚検査を行い障害の状態や種類を調べてから、言語訓練とあわせて人工内耳や補聴器の調整を行います。聞き取れる音を少しずつ増やし、聴覚の回復を図ります。
子どもの言語発達・コミュニケーション障害
発達障害や知的障害などにより、同年齢の子どもよりも言語発達が遅れている子どもに対して、言語訓練やコミュニケーション訓練を行います。絵本を見せて言葉を引き出す、語彙や文法の習得訓練などリハビリ方法はさまざま。その場で訓練するだけでなく、ご家族や教育機関と連携して子どもの生活環境を整えることも役割の1つです。
認知機能障害
認知機能障害に関係する代表的な障害に、高次脳機能障害が挙げられます。高次脳機能障害は病気や事故で脳に損傷を受けた後に起こる後遺症であり、脳梗塞やくも膜下出血、脳の外傷などが原因で発症。社会生活に適応するために必要な記憶や知覚、思考力や判断力が低下してしまいます。言語聴覚士はこうした障害を抱える方だけでなく、認知症を患う方に対してもリハビリを実施。認知機能の程度を踏まえ、リハビリを通して社会復帰を目指します。
摂食・嚥下障害
摂食・嚥下障害とは、「食べ物がうまく飲み込めない」状態のことです。脳卒中などの病気の後遺症のほか、加齢による舌や顎の衰えなど障害を引き起こす原因はさまざま。食べる・飲み込む行為ができないと、胃ろうやチューブで栄養を取らなければいけなくなってしまいます。そうならないために、反射を高める訓練を実施し食事機能の維持・回復を図ります。摂食・嚥下障害は高齢者に多い障害であり、生きていく上で最も必要な行為であることからも、言語聴覚士が担当することの多い分野です。
言語聴覚士の1日の仕事の流れ
働く場所によって1日の流れはさまざまですが、ここでは病院勤務の言語聴覚士の1日の仕事の流れをご紹介します。
08:30 | ミーティング | 医師、看護師、理学療法士、作業療法士など他職種のスタッフを交えてミーティングを実施。患者さんの状況など情報共有を行います。ミーティングで共有されたことは、その日の訓練にも反映していきます。 |
---|---|---|
09:30 | 午前の訓練開始 | 患者さんの障害にあわせて訓練を実施。1対1で訓練することもあれば、数名の患者さんに対応することもあります。 |
12:00 | 昼休み | |
13:00 | 午後の訓練開始 | 午前と同様に、その日のスケジュールにあわせて患者さんの訓練を実施。夕方以降は保育園や学校終わりのお子さんの訓練が入ることもあります。 |
17:00~ | 診療記録作成 | 本日の訓練が全て終了したら、患者さんの診療記録を作成。その日の検査結果や訓練の成果、今後プログラムなどを検討しながら、明日の準備を行います。診療記録が作成し、残業がなければ退勤。 |
1日の仕事内容のほとんどは、患者さんの訓練です。メイン業務はリハビリですが、その前後にあるミーティングや診療記録の作成も重要な仕事の1つ。良いリハビリを提供するには、他職種との連携が欠かせません。
実際の求人から言語聴覚士の仕事内容をチェック!
下記はデイサービスにおける、言語聴覚士の求人です。言語聴覚士は、介護業界では機能訓練指導員として働くケースがほとんどです。機能訓練指導員は言語聴覚士のほか、理学療法士や作業療法士、看護師など特定の資格を持つことで就けるポジションです。病院ほど本格的なリハビリではなく、日常生活を送るために必要な機能維持・向上を目的として必要な支援を提供します。施設によっては、介護業務も行います。
職種 | 機能訓練指導員 |
---|---|
仕事内容 | 高石市加茂の介護福祉施設「デイサービス ソラスト高石」で機能訓練指導員の求人募集です。 理学療法士・作業療法士・柔道整復師などの資格を活かし、正社員として安定してお仕事できる環境です。 具体例 ☆車いすの方や麻痺のある方でも、気軽に参加いただいていますので、利用者様の機能訓練指導業務全般をお任せします。 |
給与 | 月給277,000円~ 入社1年経過後、毎年入社月に10,000円支給。 結婚祝い金(正社員:30,000円、パート:20,000円)、出産祝い金(正社員:20,000円、パート:5,000円) |
雇用形態 | 正社員 |
勤務時間 | 週5日/1日8時間 08:30~17:30 [ 月~土 (祝) ] 休憩60分 シフトにより早出・遅出の可能性あり。 |
応募資格 | 学歴不問 PCスキル不要 必須資格:看護師資格、准看護師資格、理学療法士資格、あん摩マッサージ指圧師資格、言語聴覚士資格、作業療法士資格、柔道整復師資格…のいずれかの資格をお持ちの方 |
社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
福利厚生 | 健康診断、育児・介護休暇、育児・介護短時間勤務制度、制服貸与、財形貯蓄制度、資格取得支援制度、社員持株会制度、ウェルカムバック制度 |
言語聴覚士の主な仕事内容はリハビリの提供!障害に応じてさまざまなリハビリを実施
言語聴覚士の仕事内容は、障害の回復・機能の維持向上を目的としたリハビリの提供です。担当する患者さんは老若男女、それぞれが抱えている障害もさまざま。そのため1人ひとりの状態を把握し、日々適切なリハビリを提供することが求められます。今記事を参考に、言語聴覚士の仕事内容への理解を深めてみてください。
この記事は役に立ちましたか?
このコラムをシェアする
著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。