利用者さんの感謝の声がなによりのやりがい。自立した生活を支える生活相談員への転職
Sさん(29歳)
更新日:2024/03/26
公開日:2024/03/26
生活相談員は、資格を前提とした仕事であり、未経験からの転職だと勉強時間の確保が重要です。介護事業所の利用者さんや家族のお悩みに寄り添って相談を受ける仕事で、人との関わりを重視して誰かの役に立ちたいと考えている人に生活相談員は向いているでしょう。生活相談員に興味がある、転職したい、という方はぜひ参考にしてみてください。
目次
【前職】人と接することが好きだったため接客業に
私は人と話したり、関わったりすることがもともと好きだったということもあり、サービス業に向いているのではないかと考えていました。前職は、百貨店で洋菓子の販売員をしており、業務内容はレジ対応などの接客、品出しなどの商品管理などの様々な業務をしていました。百貨店に出店していたということもあり、多くの人と関わることができてお客様に感謝の言葉を言ってもらえることがやりがいだったと言えます。多くの人で賑わう百貨店での仕事は、サービス業を志していた私にとってぴったりの仕事と思って働いていました。
販売員として人と関わることにもどかしさを感じた
私は、多くの人と関わることができる百貨店の販売員の仕事自体にはやりがいを感じていました。しかし、販売業では、ほとんどの場合においてお客様とは1回限りの縁で、役に立てた実感が持ちにくかったという側面もありました。商品をお渡ししたら関わりが終わってしまうことに、少し寂しさを感じていたことを今でも覚えています。
もともと、人と関わることが好きな私にとって、1回限りになることが多かった販売員だとお客様のお役にたったという実感が持ちにくかったと言えました。そのため、人とより密接な関係を構築できる職業に就きたいと考えるようになりました。
業務量も多く、人間関係にも悩むように
前職の百貨店の販売員は少数体制であったため、残業が多く、休日をとることもままならない職場であったため、ワークライフバランスをとることも難しかったです。また、自分と同世代の同僚が少なく、売り上げや人間関係のプレッシャーに悩み始めていました。
業務量の多さとプレッシャーから、精神的にも負担が大きくなり、心に余裕がなくなっていきます。お客様と向き合うことが本来の仕事なのに、次第に業務負担や人間関係の悩みの方が大きくなり、仕事が辛くなることもありました。
より深く人と向き合い、自分らしく働くために転職を決意
前職の残業の多さと人間関係のプレッシャーから、百貨店の販売員が向いてないと感じることも多くなりました。しかし、自分の気持ちを整理してみると、人と接してお話ししたり、直接的に誰かの役に立っていると感じたりすることが好きだとわかりました。
人との関わりを持てる仕事を探している中で、見つけたのが生活相談員という仕事です。介護事業所の介護サービスを利用する相談者や相談者の家族のお悩みに寄り添う仕事は、私にはとても魅力的に見えました。サービス業の中でも、生活相談員などの介護サービスは、人とのコミュニケーションのも深さも販売員と異なることも魅力の一つです。
学生時代の友人の声が後押しに
生活相談員という仕事に対して具体的な知識がなかった私ですが、学生時代の友人の声が転職の後押しとなります。学生時代の友人は、新卒で介護サービス関連の仕事についていました。介護の仕事は大変だけど、利用者一人ひとりと向き合えるので、親しみがわくし、やりがいも多いと聞いて生活相談員の仕事についてさらなる興味を感じました。
楽しそうに生活相談員の仕事について語る友人の姿を見て、「もっと自分らしく働ける職場はある」と強く思えるようになり、結果的に転職を決意します。
転職活動をスタートするときに準備したこと
生活相談員になるために必要な資格の勉強をした
私は、転職活動をしているかたわら、生活相談員になるための資格取得に向けて勉強を開始しました。生活相談員になるためには「社会福祉士」と「精神保健福祉士」、「社会福祉主事用資格」のいずれかの資格が必要です。
大学は卒業していたため、通信で勉強していましたが、介護業界の経験がなく、専門知識もなかったため、資格取得のための勉強は大変でした。生活相談員になるためには必要な資格でしたので頑張ることができました。
実際に、資格を取得するときは、都道府県や自治体によって要件が異なる場合もあるので資格取得をする前に確認しておく必要があります。
働くうえで重視する「転職の軸」を決めた
前職での百貨店の販売員では人との関わり方に疑問を感じていたので、なるべく人と深く関われる職場を探しました。「どんな職場であれば自分らしく働けるか」をもとに転職の軸を探すことは、転職活動においても重要です。
また、生活相談員は大変な仕事ですが、人間関係や一人あたりの業務量の負担などに問題があるとせっかく転職しても続かない可能性もあるので、求人を見極めることも大切です。転職を成功させるために、どのように働くかをイメージすることで自分の「転職の軸」を見つめ直すことにしました。
希望する応募先の条件を調べた
施設によって条件や待遇などが異なっています。慢性的に人手不足に陥っているため、一人あたりの業務量が多くなっているところや人間関係に問題が生じている職場もあるため、職場選びが慎重に行うことが必要です。また、求人によっては、生活相談業務の割合が少なくケアワーカーの業務ばかり…という場合もあります。
前職でも、業務量の多さと人間関係のプレッシャーで精神的にも大変だったため、生活相談員の職場選びは慎重に確認して選びました。まずは、生活相談員をする上で自分が何を重視するかを見つめ直し、希望の条件に合った転職先を見つけるためにも応募先の条件をしっかり確認しました。
生活相談員への転職活動で大変と感じたこと
生活相談員は、資格取得が必要であり、介護に関する様々な専門知識を学ぶ必要があります。未経験からの転職だったため、生活相談員になるために必要な資格を取得するための勉強時間の確保も大変でした。また、介護サービス関連への職務経験がなかったため、応募先の条件を比較するための知識が少なく、難しい状態でした。
応募先の条件については介護業界で働いている友人と相談することで、なんとか希望通りの条件を探すこともできましたが、転職先選びに慎重になりすぎて、自分に合う職場を見極めることはやはり難しいと言えます。
事業所見学を通して自分で体感しながら志望先を決めた
介護関連の仕事は未経験だった私は、求人サイトの情報だけだと自分に合っている施設か判断できませんでした。そのため、求人を見て気になる施設は、できるだけ多く見学するようにしました。実際に施設見学をすることで、職場の雰囲気を肌で感じられてよかったです。
求人情報のイメージと実際に見学したときのイメージが違うこともあったため、転職をする場合は職場を見学することも重要だと思いました。やはり、文字だけの求人情報だけでは、実際の職場のことはわからないので、施設見学をすることをおすすめします。
「人と関わることが好き」をアピール
前職では、百貨店の販売員をしていたので、接客経験とコミュニケーションスキルを生活相談員の仕事に活かせると考えていました。また、もともと人と関わることが好きで、介護事業所を利用している相談者や家族の悩むに寄り添える介護相談員を目指したことも面接ではお話ししました。
生活相談員は、利用者さんや家族以外にも施設の職員や医療関係者などいろんな人と関わる仕事のため、コミュニケーションが重視されています。コミュニケーションスキルについて、前職の経験をどうのように活かしていくかもアピールしました。
自分が理想とする「人との関わりを大切にする」職場に転職
入念な求人情報の調査や施設見学を通して、デイサービスの事業所への転職を成功させました。前職とは異なり、人数は充足している事業所で業務の役割分担も整っています。業務量の負担も適正になって、精神的な負担も軽減したと思います。転職前に比べて、本来のサービス業のあるべき姿である「お客様と向き合うこと」を第一に考えて働けるようになったのは、転職して一番よかったことです。
利用者の自立を支援し、利用者の介護度が回復すると自分のことのように嬉しく、やりがいを感じたし、介護の素晴らしさを実感できました。
生活相談員への転職を目指す人に伝えたいこと
生活相談員は、介護事業所の利用者さんや家族のお悩みに寄り添って、相談業務を行います。そのため、生活相談員は、人と関わるのが好き、人の役に立ちたいという思いが強い人におすすめの仕事です。
しかし、生活相談員の業務範囲は広く、ときには利用者さんやご家族の対応に難しさを感じする場面もあると思います。生活相談員への転職では、「自分がどう働きたいのか」を明確にすることが重要です。今の仕事内容に不満があるのか、仕事内容以外のところに不満があるかを自分で理解しておくと、転職軸を決めやすくなります。
生活相談員は基本的に資格取得が前提のお仕事
生活相談員は、「社会福祉士」と「精神保健福祉士」、「社会福祉主事用資格」のいずれかの資格を前提とする資格です。自治体によって差がありますが、未経験の場合は、様々な専門知識を学ぶ必要があるため勉強時間の確保が課題。資格取得のために余裕を持った転職活動のスケジュールを組む必要があります。
生活相談員の求人を見てみると、業務範囲や条件など様々なので事前にしっかり確認したり、見学をしたりすることをおすすめします。生活相談員として就職できるかは応募先の事業所の採用判断によるので、応募先の要件はしっかり確認しておくと安心です。
生活相談員に転職したいなら資格勉強が必須
生活相談員は、介護事業所の利用者や家族のお悩みに寄り添うため、多くの人に感謝される仕事です。しかし、生活相談員になるために、「社会福祉士」と「精神保健福祉士」、「社会福祉主事用資格」のいずれかの資格を取得することが必須であり、未経験だと勉強時間の確保が課題と言えます。また、相談者さんや家族への対応への難しさを感じる場面も多くあります。生活相談員は、人と関わることが好きで、誰かの役に立ちたいと感じている方におすすめの仕事です。
転職を成功させるためには、自分が生活相談員としてどのように働くかイメージすることが重要であり、転職する条件を明確に見つめ直すことが大切です。生活相談員への転職を考えているのなら、一人で悩まず信頼できる人に相談してみてください。
※本記事で使用している画像はすべてイメージ画像です。
この転職体験談をシェアする