介護福祉士への転職体験談-実体験を強みに未経験業界に挑戦
Fさん(47歳)
更新日:2024/03/26
公開日:2024/03/28
今回は、介護福祉士への転職体験談を紹介します。少子高齢化の影響もあり、転職市場において、現在需要が高い職業の1つが介護福祉士です。需要の高まりとともに、異業種から転職を考えている人も多いのではないでしょうか。未経験から介護の業界に転職を果たした方が転職にあたって準備したことや、実際に働いてみての仕事のやりがいなどについて紹介します。
目次
【前職】人と関わりたくて自分が好きな化粧品会社に入社
学生時代から人と関わることが好きで、大学卒業後は化粧品メーカーに就職しました。配属は店頭の販売スタッフで、お客様一人ひとりに合った化粧品の提案が主な業務です。化粧品メーカーでは、自分が提案し商品を購入してもらえることはもちろん、直接感謝の言葉をお客様からいただけることにとてもやりがいを感じる日々を送りました。
販売だけでなく後輩社員の指導なども努め、10年目で、結婚・出産を機に退職。その後は、専業主婦として家事や育児に追われる毎日を過ごしました。
また接客業に戻りたいと思い始める
退職から10年ほどが経ち、子育ても落ち着き始め、時間ができたことや子どもたちの学費を貯めるためにも、仕事に戻りたいと考え始めるようになったのが数年前です。人と関わることに仕事のやりがいを感じていたため、接客業などコミュニケーションがメインの仕事を中心に探していました。
ただその時は、自分がやりたい仕事とニーズがあまり合わず、「これだ!」思える仕事を見つけられず苦労したことを覚えています。子どもが自立してきたとはいえ、夕方には自宅に帰ってきます。そのため、日中の時間帯の仕事を中心に探していたのも苦労した理由の1つです。
母の介護をきっかけに介護の仕事に興味を抱く
そこまで焦ることもなく、自分のペースで転職活動を進め数週間が経った頃、母が体調を崩し介護が必要な状態になりました。初めてのことばかりで、不安な介護生活の始まりでしたが、介護福祉士の方や訪問介護の方、ケアマネージャーの方が親身になって対応していただいたおかげでどうにか生活を送れるようになりました。
実際のケアだけでなく、介護に関する悩みなどの相談に乗っていただけたのもとても心強く、母の介護に力強く向き合えるようになったと感じています。母の介護のスタートが、介護福祉士の仕事を知ったきっかけだったなと、今では思います。
介護職も人と人の関わりが大切な仕事と感じるように
母の介護をしていくなかで、介護職も人と人とのコミュニケーションがとても大切な仕事であると考えるようになりました。特に、日常生活のサポートや身体介護はデリケートな部分も多く、声がけが非常に重要。相手のことを思いやった対応が、日常のコミュニケーション以上に求められると感じました。このような流れのなかで、接客業とは違う形ではあるが、介護職も人とコミュニケーションが取れる仕事だと思い、転職先の候補として考えるようになりました。
転職活動をスタートするときに準備したこと
介護職として働くために必要な知識やスキルを調べた
興味を抱いた介護の仕事は、全くの未経験分野だったため、まずは働くために何が必要なのか初歩的なところから、調査を開始しました。インターネットの情報の他に、知人に介護職の経験がある人がいたため、リアルな話を聞けたのはとても有益でした。
話を聞くなかで、介護系唯一の国家資格である「介護福祉士」の資格を取得しなければできない事がある。その一方で、無資格・未経験でも就業ができることを知り、私にもチャンスがあるなと感じました。将来的には手に職をつけるため、介護福祉士の資格も取得したいと、初めて思ったのがこのタイミングです。
各介護施設の特徴を調べ、自分に合う職場を探した
単に介護職といっても、施設内で利用者さんの食事ケアをする人、レクリエーションを計画する人、掃除をする人などさまざまな役割があります。調べていくなかで、施設ごとにも違いや特色があるため、初めての職場としてはどこがよいのかを真剣に考えました。
検討を進めるなかで、利用者さんとのコミュニケーションが中心となる職種を軸にすることが第一希望になっていきました。第二に、家庭や育児とのバランスが取れるよう福利厚生が厚く、勤務時間があらかじめ決められている職場を探すように転職活動を進めていきました。
転職の際にアピールできるよう資格の勉強をした
10年以上の社会人経験があったものの、介護業界は未経験であったため、転職の役に経てばと思い「介護職員初任者研修」を取得しました。介護職員初任者研修とは、介護職の基礎知識や技術の習得目指すもので、講義と演習で130時間程度、最終試験に合格をすると取得可能です。別名「ヘルパー2級」とも呼ばれています。比較的取得が容易な資格なので、そもそもこの勉強で向いていないと感じれば、介護業界を目指すのはやめた方がいいのではないかという思いもありました。
転職活動・家庭・学習の3つの両立は時間的にも精神的にも大変でしたが、介護の知識を1から学ぶことができ、ステップアップにつながったと感じました。また、知識がついたことで、漠然としていた不安が払拭できたもの良かった点の1つです。
介護福祉士への転職活動で大変と感じたこと
いざ転職活動を始めてみると、大変なことも多くって。未経験・無資格OKとしている求人は多いものの、実際に応募してみると経験者を求めている施設もありました。また、母の介護や子育てもあり、生活と仕事のバランスが取れるかは特に不安でした。
家族とも相談した結果、雇用形態は無理なく働ける「パート」を選択。最初のうちは深く考えずに求人に応募をしていましたが、最終的には日勤のみで働ける「デイサービス」の施設に絞って活動を進めました。また、未経験の仕事のため、研修体制が充実している場所を、優先的に応募しました。
「母の介護」で感じた思いと介護の仕事への熱意を伝える
面接では母の介護を通して感じた介護のやりがい、どんなふうに利用者さんと接していきたいかを中心に会話を進めました。実務経験がないぶん、気持ちの部分では誰にも負けないと自信を持って話せたのがよかったと感じています。
また、母の介護を経験していたことで、説得力のある会話になったのも採用の決め手だと後から上司を通して教えられました。未経験者の方は仕事のイメージを作るのは難しいかもしれませんが、身近な人や経験者から話を聞いておくだけでも非常に有益だと思います。
施設見学を通して職場の雰囲気を見る
実際に働くことになる職場がどんな場所であるか、できる範囲で応募先の施設の見学にも積極的に足を運びました。実際に足を運ぶことで、ホームページや求人サイトではなかなか掴みにくい、実際の雰囲気を感じることができた点は非常によかったです。
また、その施設に通っている利用者さんや、働いている人の空気感なども知ることができました。介護職未経験で転職を考えている方は、一度実際の現場に足を運んでみるのがおすすめです。面接の際の会話の材料にも活用できると思います。
実体験を活かして利用者さんやご家族を支えられる喜び
転職活動を始めて2ヶ月ほどで無事に内定を獲得しました。職種は目標としていた、デイサービスの介護スタッフ。母の介護や研修で学んだ知識を活かしながら、さまざまな利用者さんと接する毎日を送りました。はじめの頃はお一人おひとり、性格や必要とされるケアが異なるため、声がけや言葉選びに日々悩まされる毎日。
その一方で、利用者さんの笑顔をみるとそんな疲れや悩みも忘れてしまうほど、私自身も元気になれたのを覚えています。
また、利用者さんだけではなくご家族からの感謝の言葉をいただくなど、さまざまな人の役に立っていると感じられ、とてもやりがいを感じました。
実務経験を経て介護福祉士資格を取得
現在は、デイサービスでの実務経験を経て、国家資格である「介護福祉士」を取得。より専門的な知識とスキルを得て、介護業界で働いています。資格を取得することにより、食事や入浴介助など身体介助ができるようになり、仕事の幅が大きく広がりました。
パートさん達へ指示を出すなど、リーダー的な仕事も任され新しいやりがいを見つけています。利用者の家族の方からも相談を受ける機会が増えたため、今後は介護に関係するさまざまな方を支えていきたいと思っています。
介護福祉士への転職を目指す人に伝えたいこと
介護の仕事は私のように、年齢や経験を問わず挑戦することができる魅力があります。未経験であっても、過去の仕事の経験や身内の介護の実体験を元に、面接の際のPRポイントにしている方がたくさんいます。介護にはさまざまな仕事があるため、誰でも活躍できる場所があると私は考えています。
仕事に興味はあるけど、実際の現場の雰囲気がわからない、仕事ができるか不安だと感じている人は、ぜひ施設訪問などを行ってみましょう。実際の現場を見ることで、そこで働くイメージを具体的につけることができると思います。
未経験からでも介護福祉士への転職はできる!役立つ経験をアピールしましょう
今回は、未経験から介護業界へ転職、経験を積んで介護福祉士の資格を取得した方の体験談を紹介しました。介護の業界は、さまざまな仕事があるため過去の経験が必ず活かせるはずです。働く意欲があれば年齢も関係ない職場も多くあります。研修制度が整っているところも多いため、未経験でも、仕事のブランクがあっても安心です。
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