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介護事務におすすめの資格とは?資格試験の種類や合格率・主な就職先も紹介!

著者: ゲートウェイ

更新日:2023/07/19

公開日:2019/03/05

介護事務として働く際、どのような資格が役立つのでしょうか。介護事務への転職を考える方の中には、資格を取得したい方も多いはず。そこで今回は、介護事務におすすめの資格試験の種類や合格率、取得方法についてご紹介します。介護事務資格を取得する利点や主な就職先も解説していますので、ぜひ参考にしてください。

介護事務とは

介護事務とは、施設の受付やレセプト作成を専任する事務職です。具体的には、介護報酬請求業務、通称レセプト作成やケアマネージャーのサポートなどを担当します。介護保険やレセプトに関する専門知識はもちろんのこと、介護に関する幅広い知識やスキルが求められます。

介護事務の民間資格は複数ありますが、資格がなくても働ける点が特徴。そのため介護業界や事務職が未経験の場合でも、キャリアスタートとしておすすめの職種です。

介護事務の仕事内容

介護に関連する業務を総括して介護事務と呼んでいますが、仕事の内容は大きく4つに分類されます。特徴について詳しくみていきましょう。

1.介護報酬請求業務

介護施設では、毎月事業所ごとに前月の介護報酬を市町村に請求する義務があります。施設の利用者に提供したサービス費用を請求するのが介護報酬請求業務で、介護事務員の最も中心となる仕事です。

原則的には報酬の1割が利用者から、9割が介護保険から支払われる仕組みですので、申告した請求書が正しく記載されていることは施設運営の基盤となり、責任ある任務といえます。

2.管理業務全般

介護事務が管理をする範囲は多岐にわたります。財務状況を把握した上で、年間の運営に関する費用を総括してまとめる管理業務を実施。施設で使用する備品の購入や修繕費の執行、補正予算などの作成なども介護事務の管理範囲に当たります。

事業所によっては、運用予算の管理だけでなく職員の労働管理を総括する場合も。労働条件通知書の作成や協定や契約上の書面作成を委ねられることもあります。

また、事業所と出入り業者などとの窓口になる役割もあり、施設全体の管理業務を総合的に行う能力が求められるでしょう。

3.臨機応変な電話対応

施設の種類によって対応する電話の相手が異なりますが、介護業務は福祉に関連する施設がほとんど。医療機関や保健、福祉関連の会社や団体からの問い合わせ、事務的処理の対応などで電話対応をする機会が多いのが特徴です。

相談員への電話の取り次ぎもよくありますが、福祉用語は把握していることはスムーズな業務の鉄則ですので、専門的な知識も必要といえるでしょう。

4.利用者の対応

窓口での受付対応も、介護事務の業務の一つです。来客によっては応接室への案内や、相談員との面会のための取り次ぎなどを行います。よって、一般的な接遇マナーは欠かせません。

介護事務資格の種類

介護事務の資格に、国家試験はありません。すべて民間の教育機関などが実施する試験です。

介護事務関連の資格の種類は、下記に挙げたように数多くあります。それぞれ出題範囲や資格の取得方法、難易度などが異なるため、特徴をよく理解して自分に合った資格を選ぶとよいでしょう。

資格名 主催団体
ケアクラーク® 日本医療教育財団
介護事務管理士® 技能認定振興協会(JSMA)
介護報酬請求事務技能検定 日本医療事務協会
介護事務実務士 医療福祉情報実務能力協会(MEDIN)
介事管理専門秘書検定資格 一般財団法人 日本能力開発推進協会
介護事務能力認定試験 日本医療事務協会
介護保険事務管理士 一般財団法人 日本病院管理教育協会
介護事務管理士®技能認定試験 技能認定振興協会(JSMA)
介護保険事務士 一般財団法人つしま医療福祉研究財団
介護情報実務能力認定試験 医療福祉情報実務能力協会

介護事務におすすめの資格5選

以下で、上記5つの介護事務資格について詳しくご紹介します。

ケアクラーク®技能認定試験

正式名称 ケアクラークR技能認定試験
受験資格 誰でも可能
試験内容 居宅介護サービス機関、介護保険施設等での日常的な事務処理、窓口業務、
居宅・施設サービス報酬請求事務等の業務に関する職業能力など
試験実施日 年3回(5月/9月/1月)
合格率 非公開
受験料 6,900円(税込)

ケアクラーク®技能認定試験は、事務の要となる計算の正確さや日常の事務処理能力、さらにはコミュニケーションや患者の心理、医学一般の知識について認定する介護資格です。

主な仕事である介護報酬請求業務、一般事務の処理、窓口業務の正しい知識を持って業務に従事できます。介護事務関連の資格の中で、受験者数が最も多く介護施設から最も高い評価を得る資格です。

介護事務管理士®技能認定試験

正式名称 介護事務管理士R技能認定試験
受験資格 誰でも可能
試験内容 法規、介護請求事務、レセプト点検問題など
試験実施日 毎月第4土曜日翌日の日曜日(在宅受験)
合格率 約70%
受験料 5,500円(税込)

介護サービスに要する費用請求や、ケアプランを立てる居宅介護支援事業所のケアマネージャーの業務をサポートするのが介護事務管理士®の業務です。

利用者への接遇マナーをはじめ、ケアプランの内容把握、介護報酬を計算する知識とスキルが求められるポジションなため、この資格によって採用が有利に働く可能性が高いといえます。

介護報酬請求事務技能検定試験

正式名称 介護報酬請求事務技能検定試験
受験資格 誰でも可能
試験内容 学科:正誤問題(全20問)
実技:介護給付費明細書の作成(2問)、介護給付費明細書の穴埋め問題(1問)
試験実施日 年6回第3日曜日(偶数月)
合格率 約82%
受験料 6,600円(税込)

介護報酬請求事務技能検定試験は、居宅介護事業所や介護福祉施設などでの請求事務に必要な知識・技能を審査する試験です。国の職業訓練や各専門学校などでも実施されています。

資格を取得することで、施設の利用者さんに提供する1ヵ月間の介護サービスをまとめた「介護給付費明細書」の作成ができるようになるでしょう。また、ケアマネージャーが作成する書類の理解にも役立ちます。ケアマネージャーのサポート役として、利用者さんやご家族からの相談対応も可能になるでしょう。

介護情報実務能力認定試験

正式名称 介護情報実務能力認定試験
受験資格 誰でも可能
試験内容 学科:介護保険法および関連法規、介護保険制度、介護報酬の請求(全20問)
実技:介護給付明細書の作成(全3問)
試験実施日 協会教育指定校における団体受験のみの実施
合格率 非公開
受験料 7,700円(税込)

介護情報実務能力認定試験は、介護保険や給付など介護事務に関する知識や技能を、客観的に判断する試験です。福祉施設において重要な業務である、介護保険請求事務を円滑に進められるでしょう。福祉施設のほか、長期療養型病床を持つ医療機関で役立つ能力も養えます。

新しく介護事務に転職したい方から、さらなるスキルアップを目指したい方まで、幅広くおすすめです。

介護保険事務管理士資格試験

正式名称 介護保険事務管理士
受験資格 日本病院管理教育協会の教育指定校で、必須カリキュラムを修了
試験内容 教育指定校における履修内容
介護保険法制度論、介護報酬算定理論と実務 など
試験実施日 各教育指定校により異なる
合格率 非公開
受験料

医療や介護関連の施設で介護報酬給付請求業務ができるようになる資格で、介護事務には欠かせない能力を保証します。協会指定の学校や教育機関での履修が必須となるため、基本的に、所定科目の講座を完了すれば100%獲得できる資格です。

介護事務資格のメリットとは

介護事務の資格を取得することで、就職の際や実際の業務においてメリットがあります。具体的なメリットをみていきましょう。

独学でも資格を取得できる

介護事務資格は、受験資格が求められるものが少なく、合格率も全体的に高い傾向にあります。そのため独学での取得も可能です。しかし介護保険事務管理士のように、指定校でのカリキュラム修了が受験資格となる資格もあるので、受ける試験を事前によく確認しましょう。

独学で注意すべき点は、テキストの少なさや法改正などの情報を逃しやすいことです。テキストが充実しており、重要な最新情報も得やすい環境のスクールや通信教育に対して、独学は意識して最新情報を入手する必要があります。学習費用を抑えつつ、自分のペースで勉強したい人におすすめですが、法改正などの情報には注意が必要です。

就職の際に差がつく

介護事務の業務は無資格でも基本的に就業できます。しかし、施設の立場からは、資格保有者を優先して採用する傾向もあるのが実状です。介護事務の仕事が集中する月初めなどに、専門ではないケアマネージャーや介護士などが兼任し本来の業務にしわ寄せが出る問題を抱えている施設も中にはあります。

このような事業所は専門的な知識と資格を持つ介護事務員を必要としていますので就職の際に有利となるでしょう。

職場の選択肢が増える

高齢化社会に伴い、福祉施設の利用は将来的にも広がりを見せる業界として注目されています。とくに介護事務は医療関係の施設をはじめ、介護サービス人材派遣会社、訪問介護事業所、在宅介護支援センターなど幅広い現場で必要とされる職業です。

資格保持とともに、実務経験を有することで全国の事業所で仕事ができます。転勤や転職など広く活躍の場を見つけやすい点がメリットといえるでしょう。/p>

事務処理能力が高まる

資格を所得する一番のメリットは専門職としての知識が深くなり、事務処理能力が向上する点です。一般事務の経験があっても介護や福祉部門では専門的な用語や報酬計算など、特殊な知識を要求されます。

介護保険制度や介護サービス費用の請求方法などを理解した上で実際の業務に従事することは、プロフェッショナリズムの向上にもつながるでしょう。

介護事務の主な就職先

【介護事務の就職先の具体例】
・民間の有料老人ホーム
・特別養護老人ホーム
・介護老人保健施設
・療養型医療機関
・グループホーム
・ショートステイ
・デイサービス
・訪問介護ステーション
・訪問看護ステーション
・福祉用具レンタル会社
・在宅介護サービス事業所
・損害保険会社 など

介護事務の主な就職先には、入所・入居施設や介護事業所、訪問看護ステーション、損害保険会社などがあります。各就職先では介護事務だけでなく他の仕事を兼任するケースも多いため、幅広い職場があることを理解しておきましょう。

求人募集では、介護事務以外の他の業務内容もよくチェックし、具体的な仕事内容を理解してから応募することがおすすめです。

介護事務の資格に関するQ&A

介護事務の資格について、よくある質問をまとめました。資格取得をお考えの方は、ぜひ事前に疑問点を解決しておきましょう。

介護事務の資格は独学でも取得できる?

A.資格の種類や自分の意識次第で、独学で取得可能です。

介護事務資格の難易度はそれほど高くなく、試験にテキストを持ち込める場合もあります。よって、独学でも介護事務の資格取得を目指せるでしょう。

ただし、独学はテキスト選びやモチベーションの維持が難しい傾向があります。確実な合格を目指すのであれば、通信講座やスクールでの受講を検討するのもおすすめです。

介護事務の資格は意味がない?

A.実際の業務に役立ちます。

介護事務の資格取得に向けて学ぶことで、介護保険制度やレセプトの作成方法に関する知識と技術を身につけられます。

また、資格という形で介護事務の知識を持っていることをアピールできるため、採用に有利になる可能性もあるでしょう。何より、自分に自信を持つきっかけにもなります。

介護事務の資格取得に向いている人はどんな人?

A.介護事務に転職したいや介護事務の知識をさらに深めたい人に向いています。

介護事務の資格を持っていることで、他の仕事から転職する際のアピール要素として役立ちます。すでに介護事務の仕事をしていて、今よりも知識や技術を高めたい方にも向いています。

また、介護の仕事に興味があるものの、体力に自信がなくデスクワークを希望する方にもぴったりです。介護事務の資格を取得するために学んだ知識で、利用者やご家族のサポートもしやすくなるでしょう。

介護事務の資格取得を目指して、転職活動に役立てましょう!

介護事務の仕事は、資格がなくても就業できます。しかし、より深い介護事務の知識を身につけたい方や転職を有利にしたい方は、資格取得を目指すのがよいでしょう。

資格により試験の実施回数や出題範囲が異なるため、自分が無理なく目指せる資格を選ぶのがおすすめです。ご紹介した資格試験の情報を参考に、介護事務資格を取得して転職活動に活かしてください。

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著者プロフィール

ゲートウェイ

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異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。

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