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社会福祉士の仕事内容は?資格を活かせる場所や目指す方法をわかりやすく解説

著者: ゲートウェイ

更新日:2024/10/19

公開日:2019/03/18

社会福祉士の女性

社会福祉士は、介護や福祉、行政機関などさまざまな分野で活躍する仕事です。なんとなくイメージはわくものの、詳しい仕事内容がわからない、という方も多いでしょう。少子高齢化の影響により、その需要は年々増加の傾向にあります。本記事では、これから社会福祉士を目指す方へ仕事の内容や資格取得の方法について解説します。

社会福祉士とは?

介護施設で働いている女性

社会福祉士は、「社会福祉士及び介護福祉士法」にもとづく国家資格を有する人を指します。介護や医療、福祉の分野で日常生活に困難を感じている方の相談に乗り、解決へのサポートを行う仕事です。
サポートをするにあたり、社会福祉全般の知識はもちろん、介護の基礎知識や介助技術、一般的な医学や心理学、法学など、幅広い分野に関わる知識が必要とされます。福祉に関する資格の中では比較的難易度が高く、資格取得後も法改正などに合わせた知識のアップデートが必要です。

社会福祉士の具体的な仕事内容はこちら

社会福祉士の資格を活かせる仕事・分野はこちら

社会福祉士とほかの資格の違い

資格名 種類 仕事内容
社会福祉士 国家資格 生活困窮者や障がい者の相談援助
生活保護、障害者手帳などの申請手続きのサポート
介護福祉士 国家資格 高齢者や障がい者の身体介助や日常生活の支援
(食事、入浴、排泄など)
ソーシャルワーカー 資格なし 社会的、経済的に困難を抱える人々の支援
生活環境や家庭環境の改善に向けた相談・支援
ケアマネジャー 介護福祉士の資格保有 介護サービスの利用者に対するケアプランの作成
利用者や家族のニーズに合わせた介護サービスの調整

福祉に関わる資格は、社会福祉士以外にも上記の一例のようにいくつかあります。介護を主目的に行う介護福祉士は、社会福祉士同様に国が認めた国家資格です。ソーシャルワーカーは、社会福祉士同様に高齢者や生活困窮者の支援や相談を行うため業務としては似ていますが、資格は必須ではありません。

社会福祉士になるには?3つの資格取得ルート

社会福祉士の仕事内容

次に、社会福祉士にはどのような仕事があるのか、業務内容を解説します。

相談業務

社会福祉士は、面談や訪問、電話を通じて日常生活に困難を抱える人々の相談に応じ、福祉の知識を活用して解決策の提案やサポートをします。相談業務が中心で、専門分野は勤務先によって異なりますが、相談業務に携わることに違いはありません。
また、共通して業務を円滑に進めるための、高いコミュニケーション技術が求められます。具体的な解決に向けては、福祉や医療、介護、法律など幅広い知識と信頼関係の構築が重要です。

関係機関との連絡・調整

援助やサポートを必要としている人が適切なサービスを受けられるように、行政機関や関係機関との連絡・調整を行うのも社会福祉士の仕事です。日頃から社会資源のネットワークを構築し、必要な支援を円滑に受けられるようにしておくことが求められます。
関係機関と聞くと、行政や福祉・介護に関わる施設やサービスなどをイメージしますが、実はもっと幅広く、地域住民や教育機関に働きかけることもあります。

福祉サービス提供管理

支援している対象者が福祉サービスを利用した場合は、福祉サービスが適切に行われているかの確認や福祉に関する法律関連の対応も社会福祉士の仕事です。福祉サービスを受ける対象者の管理を担うこともあります。
地域に必要と思われるサービスが不足している場合は行政に働きかけるなど、よりよい福祉環境つくりのための一端も担っています。

介護サービスの提供

介護施設や入居者の自立を目指す福祉施設で勤務する場合には介護スタッフとしての業務を行うケースがあります。
施設の利用者に対して食事や入浴などの身体介護の提供や、掃除や洗濯などの生活援助を行うこともあります。

社会福祉士の仕事の流れ

・利用者やご家族から相談を受ける
・提供するサービス内容や支援を提案する
・提案した支援の実施・改善のための相談や調整を行う

社会福祉士の仕事は、利用者やご家族から生活上の困難について相談を受けることからスタートです。次に、福祉サービスや支援内容を提案し、利用者一人ひとりの状況に合わせた具体的なサポートプランを提供します。
その後、提案した支援の実施状況を確認し、必要に応じて改善策を提案するのが主な流れです。ときに、支援が円滑に進むよう、福祉、医療、介護機関との調整や新たな相談にも対応します。

社会福祉士の資格を活かせる仕事・分野

【社会福祉士が活躍する主な分野】
介護・医療・福祉・行政 ほか

社会福祉士が活躍する分野は、上記のように多岐にわたります。とくに介護・医療・福祉に関連する分野が主な活躍の場となることが多いでしょう。
社会福祉士であっても働く分野により、求められる仕事内容やスキルが異なります。それぞれの分野における、主な仕事場所・施設をここで解説します。

介護分野

【介護分野の仕事場所の例】
・介護老人保健施設
・特別養護老人ホーム
・ケアハウス など

特別養護老人ホームや介護老人保健施設などの介護施設には、相談援助に関わる職員の配置が義務付けられています。介護施設で相談業務を行う社会福祉士は、生活相談員あるいは支援相談員という職種に位置付けられます。利用者が介護サービスを利用する際の相談に乗り、契約、面談などを行います。
日本の介護サービスは圧倒的に高齢者の割合が多く、今後もその割合は増加傾向です。高齢者の介護施設や介護サービス利用者数の増加にともない、社会福祉士も高齢者の介護分野での活躍がますます増えるでしょう。

医療分野

【医療分野の仕事場所の例】
病院の生活相談室、地域連携室 など

総合病院などの病院には、医療ソーシャルワーカー(MSW)が配置されています。社会福祉士の資格を持っていると、この医療ソーシャルワーカーとして働くことができます。入院中や通院中の患者やその家族の相談に乗り、治療がスムーズに受けられるよう支援したり、退院後の生活に備えて関係機関との調整を行ったりするのが主な仕事です。
高齢者が入院した場合、退院後に介護施設やサービスを利用するケースも多く、介護分野の社会福祉士との連携も大切な仕事のひとつです。

福祉分野

【福祉分野の仕事場所の例】
・高齢者福祉施設(社会福祉協議会、行政機関の福祉事務所など)
・障害者福祉施設(知的障害者福祉施設、身体障害者福祉施設、精神障害者福祉施設など)
・児童・母子福祉(母子支援施設など) など

社会福祉士の相談対象者は、児童や障害者、ひとり親家庭、生活困窮者など幅広い世代の福祉を必要とする人々です。児童養護施設や母子生活支援施設、障害者支援施設などの福祉分野も活躍の場です。福祉の対象者によって仕事場所は多岐にわたります。

行政分野

【行政分野の仕事場所の例】
・児童相談所
・県庁・市区役所
・地域包括支援センター など

行政が管轄する施設において相談業務などを行います。児童相談所では「児童福祉司」の立場として、対象の子どもやその保護者が適切な福祉につながれるようサポートします。地域住民やボランティアをコーディネートするなど、地域の福祉を進める役割もあります。

社会福祉士になるには?3つの資格取得ルート

社会福祉士の資格取得ルート

社会福祉士として働くには、社会福祉士国家試験に合格して国家資格を取得することが必要です。国家試験を受けるための「受験資格」を満たすには、主に3通りのルートがあります。

福祉系大学・短大を卒業する

4年制の福祉系大学などで指定科目を履修し、社会福祉士の国家試験を受けるルートです。2・3年制の福祉系短大の場合には、それぞれ実務経験1〜2年が求められます。

短期養成施設に通う

福祉系の4年制大学や短大で基礎科目を履修後、6カ月以上の短期養成施設を経て社会福祉士を目指すルートです。社会福祉主事養成機関に通う人や、児童福祉司の実務経験が4年以上ある人なども、このルートに当てはまります。

一般養成施設に通う

福祉系ではない一般の4年制大学や短期大学を卒業後に、社会福祉士を目指す場合はこのルートです。相談援助実務経験が4年以上ある場合もここに当てはまります。いずれも、1年以上の一般養成施設での勉強が必要です。

社会福祉士国家試験の難易度

回(年度) 受験者数(人) 合格者数(人) 合格率(%)
第36回(令和5年度) 34,539 20,050 58.1
第35回(令和4年度) 36,974 16,338 44.2
第34回(令和3年度) 34,563 10,742 31.1

令和5年度に実施された第36回社会福祉士国家試験では、合格率が58.1%と過去10年間でもっとも高い結果でした。令和4年度も44.2%と、例年の約30%から大きく上昇しています。
受験者数は過去10年間で減少していますが、合格率は近年上昇傾向にあります。

社会福祉士の仕事はあまりない?将来性は?

利用者の家族に説明する社会福祉士の女性

社会福祉士の仕事には将来性がない、仕事がなくなると思われている人もいますが、そんなことはありません。活躍できる場所は多岐にわたり、福祉施設や医療機関、介護施設、行政機関などでの需要が拡大しています。
また、社会福祉士の仕事は利用者との信頼関係構築・相談業務が中心です。AIなどの技術が発展したとしても、人間同士のコミュニケーションが求められるため、代替しにくい業務であるといえます。
反対に、書類作成や法律の確認などはAIなどが得意とする分野です。話を聞く、相談者のニーズを理解する知識や対人スキルを高めていくことが、今後ますます求められます。

社会福祉士の仕事のやりがい

・自身の専門知識を活かして人の役に立てる
・地域や社会のために貢献できる
・さまざまな分野・職場で活躍が期待できる
・他の職種へのステップアップ・キャリアアップも目指せる

社会福祉士の仕事のやりがいは、自身の専門知識を活かして人々の生活を直接支援できる点にあります。介護、医療、福祉など幅広い分野で地域や社会に貢献できる点も魅力です。
また、さまざまな職場で活躍が期待され、多様な問題に対応できるため、成長を実感しやすい職種ともいえます。コミュニケーションスキルを活かし、他の福祉関連職や管理職へのステップアップ・キャリアアップも可能です。

社会福祉士の仕事に向いている人は?活躍を目指すために

社会福祉士の仕事に向いている人の特徴

・コミュニケーションスキルが高い人
・地域社会や人の役に立ちたい人
・チームで連携して働くことが得意な人
・自己管理能力が高い人

社会福祉士の仕事ではさまざまな人と関わるため、高いコミュニケーションスキルを持ち、地域や人々の役に立ちたいという意欲がある人が向いています。また、チームで連携しながら働くことが得意で、他職種との協力が必要な場面でも柔軟に対応できる人もやりがいを感じやすいでしょう。さらに、自己管理能力が高く、自己成長を続ける姿勢も求められます。

社会福祉士として活躍する秘訣

・積極的に最新の情報を収集する
・相手の立場で考え、寄り添う能力を高める
・お金や法律、就労支援などの専門知識を高める
・現状の課題を分析し、解決に導く実践能力を高める

法改正や制度改正などに関する情報を積極的に収集し、知識として取り入れることで、社会福祉士としての価値が向上します。また、常に相手の立場に立って寄り添う姿勢を意識することも成功の秘訣です。
その他にも、法律や就労支援などの専門知識を深め、さまざまな問題に対応できる力を磨くことも重要です。獲得した知識を実際の課題に当てはめ、解決を進める実践力を身につけていきましょう。

利用者の立場に立った対応ができる、社会福祉士を目指そう

社会福祉士の仕事は、サポートを必要とする人の相談に乗り、課題の解決や自立した生活に向けた支援を行うことです。課題解決には、行政、医療、福祉などさまざまな知識が必要とされるため、簡単に獲得できる資格ではありません。
一方で、直接利用者と接し、感謝される場面も多いため、とてもやりがいに満ちた仕事といえます。本記事を読んで興味を持っていただいた方は、社会福祉士の仕事に挑戦してみてください。
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ゲートウェイ

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異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。

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