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デイサービス(通所介護)とは?役割や仕事内容、デイケアとの違いを解説!

著者: ゲートウェイ

更新日:2024/07/18

公開日:2021/04/02

利用者の手を握る介護士の女性

デイサービス(通所介護)とは、具体的にどのような施設なのでしょうか。この記事では、デイサービスの種類や提供する主なサービス、利用でかかる費用についてご紹介します。デイサービスで働く場合の仕事内容や職種、役立つスキルも解説しますので、転職をお考えの方は参考にしてください。

デイサービス(通所介護)とは?

デイサービスの風景

デイサービスとは、日帰りで通うご利用者様に対して介護サービスを提供する形式の施設を指し、「通所介護」とも呼ばれます。老人ホームのように施設内で生活するのではなく、可能な限り自宅で生活を送れるようにサポートすることが目的です。食事や入浴、レクリエーションなどのサービスを提供し、社会的孤立感やストレスの解消を目指しています。

【デイサービスの主なサービス・対象者】

提供する主なサービス 利用の対象者
・食事
・入浴
・排泄の介助
・健康チェック
・機能訓練
・レクリエーション
・日常生活全般に必要な介助
・送迎 など
要介護1~要介護5の認定を受けた高齢者

デイサービスを提供するメリット・デメリット

メリット デメリット
・ご利用者様の外出の機会を増やせる
・ご利用者様の身体機能維持・向上に役立つ
・ご家族の介護の負担を減らせる
・ご利用者様が通所をストレスに感じる場合もある
・利用費用の負担が必要

デイサービスの役割は要介護認定を受けた高齢の方が、自宅での生活を送れるようにサポートすることです。また、ご利用者様だけでなく、そのご家族が日中に自分の時間を持てるようにすることで、介護の負担を軽減させる役割も兼ねています。
さらに、デイサービスではご利用者様の自立的な生活をサポートするだけでなく、コミュニケーションやレクリエーションを通して社会的孤立の解消やストレスの軽減を図る場でもあります。
デイサービスを利用することで、ご利用者さまの心身の健康を維持するだけでなく、そのご家族の負担も軽減でき、在宅介護の質の向上も期待できるでしょう。

デイサービスとデイケアの違い

デイサービスと類似するサービスに、デイケアがあります。デイサービスとデイケアの違いは以下の通りです。

デイサービス デイケア(通所リハビリテーション)
目的 自立した生活のサポート
社会的孤立の解消
身体機能の向上や維持のためのリハビリ提供
利用できる方 要介護1~5認定の方 ・要介護1~5認定の方
・要支援1、2認定の方
・医師にリハビリが必要と判断された方
医師の常駐 なし あり

もっとも大きな違いは、医師の常駐の有無です。デイサービスには看護師が配置されていますが、基本的な医療処置や緊急時は一次処置のみの対応となります。一方、専門的なリハビリを行うための施設であるデイケアには、医師が常駐しています。
どちらの施設もご利用者様の要介護レベルは同じですが、デイケアはより身体機能に回復や改善が必要な方が通う施設です。デイケアでは介護予防を目的としたリハビリが受けられるため、要支援1、2の方も利用可能。また、リハビリが必要な方でも、専門的な医療ケアが必要な場合にはデイケアを利用します。

デイサービスの種類

ひとくちにデイサービスと言っても、その種類はさまざまです。目的に変わりはありませんが、施設の稼働時間帯やサービスの特化性に違いがあります。

【稼働時間別】デイサービスの種類

デイサービスは、主に「1日型」「半日型」「夜間型」の3タイプがあります。

一日型 朝から夕方まで施設で過ごす最も一般的なタイプ。
朝ご自宅に迎えに行き、入浴・昼食・レクリエーションなどを行い、夕方にご自宅に帰るのが一日の基本的な流れ。
半日型 午前中または、午後のどちらかを施設で過ごすタイプ。
ご自宅への送迎、入浴、レクリエーションなどを行う。
夜間型 「利用時間の延長」や「日中利用を継続したお泊まり」などさまざまなタイプがあり時間設定は施設によって異なります。
在宅介護者の帰宅が遅い日のみ利用したい、夜間に在宅できないなどのケースに対応します。

【事業所規模別】デイサービスの種類

大規模型 月の平均利用者数751名以上のデイサービス
通常規模型 月の平均利用者数300〜750名以下のデイサービス
地域密着型 月の平均利用者数300名以下(1日の利用定員18人以下) のデイサービス

施設の規模によってもデイサービスの種類は分かれています。基準としては、前年度にその事業所を利用したひと月あたりの人数が用いられており、人数に応じて3つのカテゴリーがあります。
地域密着型デイサービスは、2016年4月から施行された種類です。介護度の重い利用者の方が、住み慣れた地域でサービスを受けられるように導入されました。1日あたりの定員が18人以下であり、少ない人数で手厚いサービスが受けられるのが特徴です。

【特化しているサービス別】デイサービスの種類

認知症対応型デイサービス 認知症緩和のプログラムを提供
リハビリ特化型デイサービス 歩行訓練や筋力トレーニングなどを提供
お泊りデイサービス 施設へ宿泊できるサービスを提供
療養型デイサービス 重度要介護者などに医療ケアを提供

デイサービスには、特定のサービスに特化したものもあります。「認知症特化型デイサービス」は、認知症のご利用者様を対象にした手厚いサポートが用意されています。
「リハビリ特化型デイサービス」は、デイケアに通うほどではない方で、専門的な機能回復や維持が必要な場合に利用されるケースが多いです。
その他にも、家族が外出や旅行の際に便利な「お泊りデイサービス」や、末期がんや難病などで通所介護を利用するのが困難な方向けの「療養型デイサービス」もあります。利用目的やご利用者様の状況に応じて、さまざまな種類から選べるのが特徴です。

デイサービスの利用にかかる費用

デイサービスの利用料金は、ご利用者様の要介護度や利用時間、通う施設の規模によって異なります。たとえば、要介護度が低く利用時間が短い場合、1回あたり数百円程度です。
一方で、要介護度が高く利用時間が長い場合、1回あたり1,000円程度かかります。ただし、利用料金は地域によっても上乗せされるため、利用するデイサービスの料金を事前に確認しましょう。

デイサービスにはどんなスタッフがいる?

利用者と話をしている介護施設職員

デイサービスは上記の人員で構成されています。法令によって施設ごとに確保しなければならない職種や人数が法令で決められており、「看護師」「介護職員」「生活相談員」「機能訓練指導員」が各1人以上必要です。
また、生活相談員または介護職員のうち、1人以上は常勤でなければなりません。定員10名以下の地域密着型デイサービスの場合は、看護職または介護職のいずれか1名を配置でOKです。

管理者・施設長

管理者・施設長は、施設の管理や運営など施設の責任者であり、人材マネジメントや業務マネジメントなど、スタッフの調整や管理、育成支援を行います。大規模な施設では、1施設に1人配置されるのが一般的で、小さい規模の施設では、介護の実務も兼任しているケースが多いです。施設管理者は基本的に日勤のみですが、介護職のシフトに入る場合は、夜勤になることもあります。

介護職員(介護士)

介護職員(介護士)は、デイサービスに来所するご利用者様に対して、生活全般のサポートを行う仕事です。入浴や排泄、食事などの身の回りのサポートを行います。
ご利用者様の要介護度や病状によって介護の度合いは異なるため、適切な対応が必要です。また、ご家族や施設との連携や看護職員への連携も欠かせません。他にも、施設内での行事やレクリエーションの開催、施設内の掃除、福祉用具の管理などの業務も行います。

生活相談員

生活相談員の主な業務は、デイサービスのご利用者様やそのご家族の相談に応じることです。サービスの利用や契約関連、苦情などの相談に応じる他、必要によってはスタッフや外部関係者との連携・調整といった業務も行います。
入退所の手続きや施設の案内といった事務作業も、重要な仕事です。デイサービスの生活相談員は他の施設と比べて、ご利用者様のケアを中心とする業務が多く、調整業務は比較的少なめの傾向があります。

看護職員(看護師)

看護職員(看護師)は、ご利用者様の健康状態の確認や医療処置を主に担当。バイタルチェックや服薬管理などの基本的な医療処置の他、入浴管理や介護職員のサポートなど、ご利用者様の援助も業務に含まれます。
デイサービスでは医師が常駐していないため、看護職員が医療面での責任を負って、ご利用者様の健康状態を把握し、適切な処置を行わなければなりません。病院の看護師は患者様の治療を目的としているのに対して、デイサービスの看護職員は、ご利用者様の医療面でのサポートを中心に行います。

機能訓練指導員

機能訓練指導員は、ご利用者様の身体能力向上や健康維持を図る役割を担います。個別機能訓練加算計画書などの計画書をはじめ、機能訓練時のサポートや指導、バイタルチェック、体力測定が主な業務です。
デイサービスにおいては、レクリエーションなどを通じて、ご利用者様が楽しみながら身体を動かして機能訓練を続けられるような工夫も行います。また、保有している資格に応じて仕事内容が異なるのも特徴です。

デイサービスの主な仕事内容

・送迎
・食事、入浴、排せつ介助
・レクリエーションの提供
・機能訓練やリハビリのサポート
・健康チェック、管理
・服薬管理 など

デイサービスはご利用者様の自立的生活をサポートするだけでなく、精神的に充実していただく役割も兼ねています。そのため淡々と介護をこなすのではなく、ご利用者様の話し相手になるなど、生活に寄り添うことが重要です。

デイサービスの1日の流れ

デイサービスは決められたスケジュールのもと1日を過ごします。
以下はデイサービスでの1日の流れと仕事内容の例です。

8:00 出勤・1日のスケジュールやご利用さま様の確認
9:00 送迎完了・ご利用者さまの体調チェック
ご利用者さまに合わせて入浴や機能訓練を行う
11:30 昼食の準備
12:00 昼食・食事介助のサポート
スタッフは入れ替わりで休憩
13:30 体操やレクリエーションなど
15:00 おやつ・食事介助のサポート
15:30 トイレ介助やおむつ交換などを行い、帰宅準備
16:00 自宅へ送迎
16:30 スタッフは施設に戻り、ミーティングや片付けを行う
17:00 業務終了

施設によって提供されるサービスや1日の流れ、仕事内容は異なります。上記はあくまで一例として参考にしてください。
たとえば、リハビリ特化型のデイサービスであれば、リハビリ中心のスケジュールが組まれます。一般的な介護職では夜間の対応も含まれますが、デイサービスは基本的に日中の利用のみで夜勤はありません。そのため、多くの施設では17時ごろには業務が終了します。

【介護職必見】デイサービスで働く際に必要なスキル・資格は?

デイサービスで働く際に必要なスキルや資格を解説します。介護職の方でデイサービスへの転職をお考えの方は、参考にしてみてください。

デイサービスで働くときに求められるスキル

・コミュニケーションスキル
・相手に寄り添い傾聴するスキル
・広い視野で物事を見るスキル

デイサービスでは、1日の多くをご利用者様と関わるため、コミュニケーションスキルが求められます。年齢の離れた方でもスムーズにコミュニケーションが取れ、人前でも積極的に話せるスキルが必要です。
また、介護を受ける方はさまざまな不安を抱えている場合も多いため、ご利用者様の気持ちに寄り添い、話を傾聴するスキルも大切。多くのご利用者様がいる中で、些細な変化に気づいてサポートするためにも、広い視野と観察力も求められます。

デイサービスで働くときに役立つ資格

・介護職員初任者研修
・介護福祉士実務者研修
・介護福祉士
・社会福祉士 など

デイサービスで働く際に役立つ資格は上記の通りです。「介護職員初任者研修」は、介護に携わる人にとって入門的な資格で、介護職員としてのキャリアを歩む場合は最初に取得しておきましょう。「介護福祉士実務者研修」は、初任者研修よりも実務的な内容を学べます。
「介護福祉士」は、介護関連で唯一の国家資格でもあり、今後のキャリアアップを目指したい人におすすめです。

働くデイサービスを選ぶ際に確認すべきポイント

デイサービス内にある車椅子

・ご利用者様の特徴
・地域の特徴

これまで紹介したように、デイサービスの特性や種類はさまざまです。ここではデイサービスへの就職、転職を検討している方に向けて、働くデイサービスを選ぶ際のポイントをお伝えします。

ご利用者様の特徴

デイサービスは提供するサービス内容が同じであっても、ご利用者様の特徴に合わせた柔軟な対応が必要です。そのためご利用者様の特徴を把握することは、働く場の特徴を押さえるためにも重要なポイントといえます。
デイサービスによって男性の割合が多い、80歳以上や要介護1のご利用者様が多いなど特徴が異なるため、事前に押さえておきましょう。

地域の特徴

地域により環境や医療サービスの整備数、人口規模や高齢化率なども違いがあります。地域の特徴を把握し、その地域にあった支援を行うことがデイサービスには重要です。
そのため、地域の特徴はご利用者様の特徴にも関係します。地域に密着したサービスが提供できるよう、また、職場への理解を深めるためにも、地域の特徴に着目してみてください。

デイサービス(通所介護)への転職にチャレンジしてみよう!

デイサービス(通所介護)は、高齢者の生活サポートだけでなく、社会的な孤立を防ぐ重要な役割を担う施設です。さまざまなタイプの施設や職種があるため、介護業界で幅広いキャリアステップも望めるでしょう。未経験からでも始められますし、資格を取得することで段階的なキャリアアップも可能です。介護業界に興味がある方は、ぜひデイサービス(通所介護)への転職にチャレンジしてみてください。
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ゲートウェイ

ゲートウェイ

異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。

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またソラストは、従業員の9割が女性であることから「えるぼし(3つ星)」「くるみん」を、そしてダイバーシティポリシーに基づく取り組みの一部として「D&Iアワード<ベストワークプレイス>」「PRIDE指標<シルバー>」を取得しています。
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