先進的な取り組みも!一人暮らし高齢者の多い豊島区で介護職としてのキャリアを積もう

豊島区は東京23区の北西に位置する区で、2010年の国勢調査で人口密度日本一となった自治体です。「東が西武で西東武」の歌でおなじみ、東口には西武デパートやパルコ、サンシャインが、西口には東武デパートや立教大学があります。繁華街にありながら、それほど家賃なども高くなく、比較的若い世代の単身の男性が多い地域となっているようです。副都心線・丸の内線・有楽町線などが走っていて、池袋から別のビジネス街や繁華街に行くのも便利です。一方、巣鴨や大塚、東長崎といった昔ながらの住宅街もあり、一人暮らし高齢者が非常に多い地域でもあります。そんな豊島区ではたらく介護士さんを取り巻く状況を、この記事でお伝えします。

豊島区ってどんな市?

豊島区は人口も多く、人口密度の非常に高い地域です。池袋駅周辺を中心とした繁華街や、サンシャインシティなどのオフィスビルもあり、非常ににぎわっている地域です。埼京線や都営三田線、西武池袋線などを利用した都心までのアクセスも良く、それでいながら比較的家賃などが安い地域もあり都内でも人気のエリアです。

しかしながら、意外にも、2014年には東京23区で唯一「消滅可能性都市」に選出されたことで大きな話題になりました。これは当時の豊島区の定住率の低さや、子育て世代が少ないことが選出の理由とされています。そのため、豊島区では持続可能な発展都市を目指し、住みやすさや女性にやさしいまちづくりを目指した行政を行っています。

繁華街のイメージが強い豊島区ですが「おばあちゃんの原宿”巣鴨”」や、夏目漱石や竹久夢二が眠る「雑司ヶ谷霊園」など、個性的な観光スポットも多いです。また、板橋や東長崎といった下町要素の残る住宅街も存在します。

豊島区の高齢化状況

豊島区には、2021年の1月時点で、287,300人の人口がいます。区内の高齢者人口は57,293人で、高齢化率は19.94%となっています。豊島区の人口自体は今後増えていくものと見られています。豊島区の高齢化率は、ここ数年は若干減少傾向にありますが、今後、団塊ジュニア世代が高齢者になるため、再び増加していくことが予測されています。

豊島区の高齢者の特徴として、一人暮らしの高齢者の割合が多いということが挙げられます。総務省「国勢調査」(平成27年10月1 日)によると、豊島区の一人暮らしの高齢者世帯は33.8%となっています。これは東京都の平均24.6%から見ても高く、全国平均 17.7%のおよそ2倍にあたります。
2019年に豊島区が実施したアンケート調査でも、対象となった高齢者のうち27.5%の方が一人暮らしだと回答しており、高齢者夫婦の世帯33.3%と併せると、6割以上の回答者が高齢者のみの世帯であると回答したことになります。

同調査では、高齢者が介護を受けたい場所としては最も多いのは「自宅」で36%程度、その次に多いのが「介護施設」で22%程となっています。

豊島区の介護施設数と介護ニーズ

豊島区には延べ302件の介護サービス施設があります。サービス別に見てみると、訪問型介護施設が104、通所型介護施設が68、入所型介護施設が28、老人ホームのような特定施設が7、居宅介護支援施設が79、福祉用具の販売や貸与を行っている施設が16となっています。

区の計画によると、今後の利用者見込を踏まえ、利用者数の増加が見込まれる施設は整備を進めていく予定のようです。また、今でも少なくない介護サービス事業者が参入している豊島区ですが、豊島区介護保険アンケート調査報告書によると、今後拡大・新規展開をしたいと答えた事業所は30%近くに達します。その様な意味でも、介護職のニーズは高い地域だと言えます。

豊島区の介護職員の給与は高い方!

豊島区の介護スタッフの収入は、大手求人サイトを参考に見てみると、平均月収が240,000円を超えるくらいとなっています。23区としては平均的ですが、日本全国の中で、介護職として高収入を期待できるエリアです。

実際の求人を見てみると、経験や資格次第で平均を超える収入も多くあります。資格取得支援制度のある求人も多くあるので、働いて経験を積みながら、収入アップをしていくことが現実的な地域だと言えるでしょう。
前述の通り一人暮らしの高齢者が多いということは、自然と家族以外からのサポートを受けるニーズが発生します。今後とも介護職員のニーズは高く推移することが予測できるエリアです。

豊島区の介護求人例

例1)豊島区南大塚にある訪問介護施設でのホームヘルパー

こちらはホームヘルパーのお仕事です。介護保険サービスでのサポートのほかに、私費サービスとして大掃除などの依頼も受けられるのが特徴。口頭でご用を頼まれてお断りする心苦しさを感じる方は、チェックしてみてほしい求人です。

例2)豊島区南長崎にある有料老人ホームでの介護スタッフ

こちらは入居一時金や月額費用が比較的高額な、いわゆる「高級老人ホーム」でのお仕事になります。ホテルのようなキレイな設備の中で働けるのが特徴です。

介護士が豊島区で働くメリットは?

高齢者見守り態勢の強化をしている

豊島区は全国的にも特に、一人暮らし高齢者世帯の割合の多い地域です。その点を踏まえ、区は地域と協力した見守り態勢の強化を目指しています。訪問員(シルバー人材センター)や民間業者によって安否確認を兼ねた見守り実施しており、地域と協同して高齢者福祉を提供しています。

地域で暮らすお年寄りのサポートとして、豊島区はフレイル予防にも力を入れています。2019年には、全国初のフレイル予防拠点である「東池袋フレイル対策センター」を開設し、専門の測定機器で身体状況を把握することができます。その結果をもとに、必要な体操をしたり、フレイル予防に関する教室や講座に参加できるようになっています。機能訓練や向上といった分野に関心がある介護職の方にとっては共感できる取り組みがある地域でしょう。

選択的介護モデル事業を実施している

豊島区は選択的介護モデル事業を実施しています。これは、介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせることで、高齢者にとってより便利で、介護している家族にとっても助けになる介護サービスを提供できるようするもの。東京都と連携し、試行事業として実施されたものです。

実際に利用した高齢者等からの評判は良く、関わる介護職にとってもより良い信頼関係を築くことができ、質の高いケアを提供できる機会となるため、やりがいを感じることのできるというメリットが報告されているようです。試行事業として始まったものですが、令和2年度も継続して実施されています。このように、新しい形の介護サービス提供に関われるというのも、豊島区で介護職として働く大きな魅力です。

芸術の街の魅力がたくさん

豊島区は区として芸術の街づくりを構想しています。大正の終わり頃から第二次世界大戦の終戦頃にかけて画家や詩人が豊島区にアトリエを作って住居と制作拠点にした歴史があり、詩人の小熊秀雄や洋画家の靉光などさまざまな芸術家にゆかりある土地となっています。また、西口には東京芸術劇場と野外劇場があり、演劇やクラシックのコンサートが催されています。

マンガの街としても有名です。南長崎の「トキワ荘」には手塚治虫・藤子不二雄・石ノ森章太郎など錚々たる顔ぶれの有名漫画家たちが新人時代に住まい、羽ばたいていきました。今でも漫画家志望の人たちにとっては聖地となっています。南長崎花咲公園には、「豊島区立トキワ荘マンガミュージアム」が設立されていますので、漫画好きな介護士さんはお休みの日に気分転換に行くのも楽しそうですね。

先進的な取り組みも!一人暮らし高齢者の多い豊島区で介護職としてのキャリアを積もう

豊島区は日本で最も人口密度の高い地域で、一人暮らしの高齢者の割合が非常に多い地域です。子育て世代の誘致を行っていますが、将来的にはさらに高齢者が増えることが予測されており、今ある介護サービス施設の事業拡大や必要に応じた施設の整備が計画されています。

また、豊島区はフレイル予防や、選択的介護モデル事業のような他の地域に先駆けた取組みも行われていますから、介護職としてのキャリアを積むのにもおススメの地域です。ぜひ、豊島区の介護職求人を探してみましょう。