小規模多機能型居宅介護におけるケアマネの業務内容や必要な資格について解説
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2022/03/03
小規模多機能型居宅介護に配置される職種の1つに介護支援専門員(ケアマネージャー)、通称「ケアマネ」があります。今回は小規模多機能型居宅介護で働くケアマネの業務内容や必要な資格などを詳しくご紹介します。ケアマネとして小規模多機能型居宅介護への就職、転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
小規模多機能型居宅介護とは
小規模多機能型居宅介護とは、中重度の要介護者の在宅生活を支援する地域密着型介護保険サービスです。要介護の高齢者ができる限り住み慣れた地域、家で生活が継続できるよう、包括的に介護サービスを提供します。まずは小規模多機能型居宅介護について、簡単に解説します。
小規模多機能型居宅介護の特徴
小規模多機能型居宅介護は、2006年の介護保険法改正で創設したサービスです。1つの事業所から「通所」「宿泊」「訪問介護」の3つのサービスを提供しており、利用者はいつでも必要な時に必要なサービスを受けることができます。1事業所の定員数は29名以下と小規模運営であることで、柔軟かつきめ細やかなサービスが提供できる点が特徴です。
小規模多機能型居宅介護の人員基準
小規模多機能型居宅介護では、以下の人員基準が設けられています。
代表者 | 認知症対応型サービス事業解説者研修の修了者 | |
管理者 | 認知症対応型サービス事業解説者研修の修了者かつ常勤・専従の者 | |
日中 | 通い | 3:1以上(常勤換算) |
訪問 | 1以上(常勤換算) | |
夜間 | 夜勤職員 | 時間帯を通じて1以上 (宿泊利用者がいない場合は配置なし可) |
宿直職員 | 時間帯を通じて1以上 | |
看護職員 | 1以上 | |
介護支援専門員 | 小規模多機能型サービス等計画作成担当研修の修了者1以上 |
ケアマネージャーは、事業所に1人以上配置が必要です。そのほか介護職員や看護職員を中心に、管理者や機能訓練指導員などが配置されています。
小規模多機能型居宅介護で働くケアマネについて
小規模多機能型居宅介護では、一体的に介護サービスが提供できるよう専属のケアマネが配置されます。そのためこれまでケアマネがいた利用者は、小規模多機能型居宅介護事業所のケアマネに変更されます。
ここでは、小規模多機能型居宅介護で働くケアマネについて詳しくみていきます。
小規模多機能型居宅介護でのケアマネの業務内容
・ケアプランの作成
・利用者やご家族からの相談対応
・ケアプラン開始後のモニタリングと見直し
・要介護認定などの申請手続き代行
・サービス変更における調整
・介護報酬等の給付管理 など
メインとなる業務は他介護施設のケアマネと大きく違いはなく、利用者が必要に応じた介護サービスを受けるためのケアプラン作成や見直しです。小規模多機能型居宅介護では複数の介護サービスを一体的に提供していることから、ケアプランを柔軟かつスムーズに変更できます。ただし、ケアプラン変更に関わる作業が複雑になる点は大変な部分です。基本的にはケアプラン業務や相談対応など介護サービスに関わる業務を担当しながら、必要に応じて介護業務に入ります。
小規模多機能型居宅介護のケアマネの兼務について
小規模多機能型居宅介護のケアマネは、業務へ支障がない限り兼務することができます。実際にケアマネと管理者、ケアマネと介護職員など他職種と兼務しているケースも珍しくありません。ただし兼務した場合の常勤換算数の取り扱いは各市町村で異なるため、注意が必要です。
小規模多機能型居宅介護のケアマネは非常勤で働けるか
小規模多機能型居宅介護のケアマネは、非常勤で配置することも可能です。また非常勤として勤務する以外の時間帯を、他の居宅介護支援事業所のケアマネやグループホームの計画作成担当者として勤務することもできます。ただし他事業所の兼務は、業務が適切に行うことが認められる場合のみ可能です。
小規模多機能型居宅介護のケアマネになるための資格・要件
小規模多機能型居宅介護でケアマネとして働くには、以下2つの要件を満たす必要があります。
・介護支援専門員(ケアマネージャー)の資格
・指定研修の修了
下記で、2つの要件について詳しくみていきます。
介護支援専門員(ケアマネージャー)の資格について
ケアマネとして働くには、前提として介護支援専門員の資格が必要です。都道府県で年1回実施される「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し、登録することで資格が得られます。介護支援専門員実務研修受講試験を受けるには、以下受験資格を満たすことが必要です。
以下資格をもって通算年数5年以上かつ日数900日以上業務を実施
・以下国家資格に基づく業務
医師,歯科医師,薬剤師,保健師,助産師,看護師,准看護師,理学療法士,作業療法士,社会福祉士,介護福祉士,視能訓練士,義肢装具士,歯科衛生士,言語聴覚士,あん摩マッサージ指圧師,はり師,きゅう師,柔道整復師,栄養士,管理栄養士,精神保健福祉士
・生活相談員
・支援相談員
・相談支援専門員
・主任相談支援員
試験は10月中旬〜下旬頃に実施されています。2020年の合格率は10〜20%前後と、難易度の高い試験である点が特徴です。
指定研修について
小規模多機能型居宅介護でケアマネとして働くには、介護支援専門員の資格のほかに「小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修」と「認知症介護実践者研修」の修了が必要です。
それぞれ各自治体で実施されている研修であり、研修の全カリキュラムを修了することで修了証が交付されます。
小規模多機能型サービス等計画作成担当者研修 | 認知症介護実践者研修 | |
---|---|---|
内容 | 2日間の講義・演習 | 5日間にわたり講義と演習35時間、かつ勤務施設で2週間の自施設演習 |
受講料 | 自治体による 例)東京:4,900円 千葉:3,000円 |
自治体による 10,000〜30,000円ほど ※無料の自治体もある |
詳しい受講内容や研修実施日などは、各自治体のホームページをご確認ください。
小規模多機能型居宅介護のケアマネの求人例
職種 | ケアマネージャー(計画作成担当者) |
---|---|
仕事内容 | 実務とともに、介護支援専門員の資格を活かした相談、ケアプラン作成、モニタリング等を担当します。
具体例 住み慣れた自宅での生活をサポートするため、「通い」「泊まり」「訪問」のサービスを組合せて利用できるのが小規模多機能型居宅介護。 |
給与 | 月給278,500円~ 定額時間外手当:37,700円を含む(超過時間については別途支給) |
雇用形態 | 正社員 |
勤務時間 | (1)08:00~17:00 (2)09:00~18:00 (3)11:00~20:00 (4)17:30~09:30 月~日+(祝)、変形労働時間制 |
応募資格 | 学歴不問、PCスキル不要 必須資格:介護支援専門員資格、認知症介護実践者研修 |
社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
福利厚生 | 健康診断、育児・介護休暇、育児・介護短時間勤務制度、制服貸与、財形貯蓄制度、資格取得支援制度、ウェルカムバック制度 |
正社員ケアマネの求人例です。ケアプランの作成や相談業務、介護実務を行います。小規模多機能型居宅介護では宿泊の利用者もいるため、変動労働時間性で夜勤や遅番も担当します。資格取得支援制度も設けているため、スキル・キャリアアップも目指しやすい環境です。
小規模多機能型居宅介護のケアマネはやりがいのある仕事!
小規模多機能型居宅介護では、専属のケアマネとして利用者のケアプラン作成や相談業務などを担当します。複数の介護サービスを扱っている点から、スピード感を持って柔軟に介護サービスが提供できる点が小規模多機能型居宅介護で働く魅力の1つです。 ソラストでは小規模多機能型居宅介護でのケアマネの求人も掲載しているため、就職・転職を検討している方はご活用ください。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。