助産師になるには|社会人からや最短でなるには?かかる費用や試験など
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2022/11/11
助産師とは、保健師助産師看護師法に基づいて助産行為を業務とする職種です。妊娠から出産まで母子の心身をケアし、出産後も育児指導や保健指導を行います。近年は妊婦が望む出産スタイルも多様化していることで、少子化の中でも助産師の役割は重要になってきています。今回は助産師になるには何が必要か、どんな資格取得ルートになるかを解説します。
目次
助産師になるには
助産師になるには、下記資格・条件が必須です。
・看護師資格
・助産師資格
・女性
助産師になるには、国家資格である看護師資格と助産師資格を取得する必要があります。つまり、助産師は2つの国家資格を持つ職種です。看護師資格を取得後、必要課程を経て助産師国家試験を受験し、合格することで助産師資格が取得できます。看護師資格取得後に進む課程は、基本的に1〜2年制の短大・専門学校・大学院の助産師課程へと進みます。 なお、海外では男性助産師も存在しますが、日本の法律では助産師に就けるのは女性のみです。保健師助産師看護師法第3条でも「この法律において助産師とは、厚生労働大臣の免許を受けて、助産師又は妊婦、じよく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子をいう。」と定められています。
【ルート別】助産師になるには
助産師になるには看護師資格を取得し、さらに助産師資格を取得する必要があります。国家試験を2回受ける必要があり、かつ看護師資格が取得できなければ助産師資格も取得できません。助産師国家試験を受けるにあたり、看護師資格取得後に助産師課程のある1〜2年制の短大・専門学校・大学院へ進学するのは共通する基本ルートです。ルートが異なるのは看護師資格取得までとなるため、ここで詳しく解説していきます。
5年制一貫校ルート
中学校卒業後、看護師養成課程校である5年制の高校へ進学することで最短で看護師国家試験が受けられます。看護師国家試験に合格して看護資格が取得できれば、その後1〜2年の助産師課程を経て助産師国家試験に合格することで助産師資格が取得できます。中学生のうちから助産師を目指したいとなった場合、最短で助産師になりたいのであれば5年制一貫校ルートがおすすめです。
短大・専門学校ルート
高校卒業後、看護師課程のある3年制の短大・専門学校へ進学することで看護師国家試験の受験資格が得られます。短大・専門学校は4年制大学へ進学するよりも1年早く看護師・助産師国家試験に臨めます。
4年制大学ルート
4年制大学ルートには、一般の看護大学と看護師課程・助産師課程の2つがある大学の2ルートがあります。一般の看護大学へ進学した場合、これまでと同じく看護師免許取得後は1〜2年制の助産師課程へと進みます。一方、看護師課程と助産師課程が統合されたカリキュラムがある大学へ進めば、同じ年に看護師国家試験と助産師国家試験が受けられます。しかし、助産師国家試験に合格しても、看護師国家試験に不合格ですと助産師資格は取得できない点は要注意。ただし助産師国家試験の合格に有効期限はないため、翌年以降で看護師国家試験に合格できれば助産師資格も同時に取得可能です。また助産師課程へは大学3年次から進めますが、定員数が少ない試験を突破しなければならないため狭き門といえます。
社会人から助産師になるには
既卒の社会人でも、助産師になることは可能です。ただし、看護師資格・助産師資格を得るには最短でも4年かかります。社会人から最短で助産師資格が取得できるルートは、以下2パターンです。
①3年制の短大または専門学校に入学
②看護師国家試験に合格、看護師資格取得
③1年制の助産師課程を修了
④助産師国家試験に合格、助産師資格取得
①看護師課程・助産師課程のある4年制大学に入学
②看護師国家試験・助産師国家試験に合格し、2つの資格を取得
最短4年は、あくまで国家試験にストレート合格した場合です。効率的なのは看護師課程・助産師課程のある4年制大学ですが、前述したように難易度が高い点でリスクがあります。
なお、看護師資格があれば最短1年で助産師になれます。
助産師になるためにかかる費用
助産師になるまでには、下記のようにさまざまな費用がかかります。
・入学金
・授業料
・教科書代
・実習費
・実習衣代
・国家試験受験費
・助産師養成校費用 など
具体的な費用はルートや進学する学校によって異なりますが、基本的に私立や専門学校であるほどかかる費用も高くなる傾向にあります。看護師資格を取得するまでにも費用がかかりますが、看護師資格取得後に助産師養成機関へ進むにあたってもさらに費用がかかります。助産師養成機関は1年制の国公立大学で130万円前後、国公立専門学校で80万円前後が相場です。私立だと100〜150万円前後が相場と、国公立よりも高額になります。
助産師国家試験の概要・合格率
ここでは、助産師国家試験の概要や合格率をご紹介します。
助産師国家試験の概要
試験日 | 令和4年実施分:2月10日(木) |
---|---|
合格発表日 | 令和4年実施分:3月25日(金)HPにて発表 |
試験地 | 北海道、青森県、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、沖縄県 |
試験科目 | ・基礎助産学 ・助産診断、技術学 ・地域母子保健 ・助産管理 |
出題 | ・一般問題75点満点(1問1点) ・状況設定問題70点満点(1問2点) |
合格基準 | 87点以上/145点満点(令和4年実施分) |
試験は例年2月上旬、合格発表は3月下旬に行われます。合格基準はその年の試験内容によって前後しますが、過去の傾向をみても85点以上前後が平均的な合格基準です。
助産師国家試験の合格率と難易度
下記は、過去3年間の助産師国家試験の合格率です。
受験者数(人) | 合格率(%) | |
---|---|---|
第105回(2022年) | 2,089 | 99.4 |
うち新卒者 | 2,078 | 99.7 |
第104回(2021年) | 2,108 | 99.6 |
うち新卒者 | 2,097 | 99.7 |
第103回(2020年) | 2,105 | 99.4 |
うち新卒者 | 2,098 | 99.5 |
過去3年間の合格率は99%以上と、助産師国家試験の合格率は非常に高いことがわかります。新卒者と既卒者を含む合格率にも大きな乖離はなく、しっかりと勉強・対策をすれば確実に合格できる試験といえます。
助産師になるには、国家資格である看護師資格と助産師資格が必要!
助産師になるには看護資格の取得が前提であり、一般的には看護師資格取得後に助産師養成機関へと進んでから助産師国家試験を受けます。看護師資格取得までの道のりが長いですが、看護師資格が取得できれば最短1年で助産師資格が取得できます。今記事を参考に、助産師になるために必要なルートなどを押さえてみてください。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。