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要介護4の状態とは?給付限度額や平均介護期間を紹介

著者: ゲートウェイ

更新日:2023/12/22

公開日:2023/03/24

要介護4に認定されるのは、ほとんどの場面で介助が必要な人です。例えば、自分で座ったり移動したりできない寝たきりの人や、重度の認知症で意思疎通が難しい人などです。本記事では、要介護4の人が受けられるサービスや費用、支給限度額について解説します。

要介護4とは

【具体例】
・自力で座っていることも難しく、寝たきりの状態で、全面的な介助を要する
・認知症の症状から周りとの意思疎通も難しい

【要介護認定における介護度】

低 ←必要介護レベル→ 高
非該当 要支援 要介護
1 2 1 2 3 4 5

要介護認定において2番目に支援の必要性が高い介護度です。要介護4の方の多くは自力での歩行が難しく、車いすを必要とします。人によっては立ったり座ったりができず、寝たきりの状態なことも珍しくありません。
また身体機能に問題がなくても、重度の認知症による徘徊や妄想の傾向が見られる方も要介護4に含まれます。認知症が進行すると意思疎通が難しくなり、その分、介助量も増えるためです。

要介護4と要介護5の違い

要介護度は必要な介護の量を時間に換算して分類しています。要介護4の場合、要介護認定等基準時間は90分~110分/1日、要介護5の場合は110分以上/1日です。
要介護4では寝たきりに近い状態であっても会話ができたり、困難はありつつも一部、自力での行動が可能です。しかし要介護5は要介護認定のなかで最も重い介護レベルということで、全てにおいて介助が不可欠で、意思疎通も困難な場合を指します。

要介護4と要介護3の違い

要介護4と要介護3の違いも必要な介護量です。要介護3では認定等基準時間は70分~90分/1日と定められており、要介護4よりも20分ほど短い時間の介護で済むことを指します。
要介護3でも基本的には日常生活全般に介護を必要としますが、一部、手助けなしで自立して行える動作もあります。人によっては歩行や立ち座りが可能な場合も。一方の要介護4では基本的に支えなしで立っていることは困難でしょう。

日本人の平均健康寿命から考える介護期間

厚生労働省「令和3年簡易生命表の概要」によると、日本人の平均寿命は男性81.47歳、女性87.57歳。同省による令和元年の調査では平均健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳でした。つまり健康寿命と平均寿命の差は男性で8.79歳、女性で12.19歳あります。

このことから介護が必要な期間は平均8~12年程度といえるでしょう。介護は長期間にわたって行う必要があるので、負担を減らすためにどう介護サービスを利用するかが重要です。

要介護4で受けられるサービス

要介護4に認定されると、通所介護や訪問介護、入所施設などの介護サービスを利用できます。ここでは各施設で利用できるサービスや福祉用具について解説します。

要介護4が通所介護で受けられるサービス

通所介護(デイサービス)・地域密着型通所介護

食事や入浴などの日常生活の支援や、生活機能向上のための機能訓練を実施する介護サービスです。日中に利用することで家族の負担を減らすことができます。また利用者同士の交流があるのも特徴で、コミュニケーションやレクリエーションを楽しみにしている利用者も多くいます。

通所リハビリテーション(デイケア)

利用者の身体・認知機能の改善を目的とした通所型の介護サービスです。デイケアとも呼ばれ、日常生活の支援や生活機能向上のための訓練を提供しています。デイサービスと同様に、日中に利用できる介護サービスです。医師や看護師が在籍しており、医療的ケアに重点を置いている点で通所介護と異なります。

療養通所介護

看護師の観察を常に必要とする重度要介護者を対象とした通所型の介護サービスです。認知症患者や、がん末期患者などが対象となります。
自宅にこもりがちになりやすい重度の要介護者の孤立感の解消や、心身機能の維持・回復を目的としています。通所介護や通所リハ同様に、食事や入浴などの日常生活の支援と生活機能向上のための訓練を行います。

認知症対応型通所介護

その名のとおり、認知症の方を対象とした通所型の介護サービスです。認知症の方が一般的な通所介護施設を利用すると、認知症患者ではない利用者とコミュニケーションがうまくとれず、孤立してしまうケースがあります。認知症対応型通所介護では、認知症の方も安心して介護サービスを受けられるよう、専門のスタッフが対応します。

要介護4が訪問介護で受けられるサービス

訪問介護(ホームヘルプ)

ホームヘルパーが利用者の自宅を訪問し、身体介護や生活支援、通院の付き添いをする介護サービスです。身体介護は食事・排せつ・入浴などの生活を送るうえで必要な介助を指します。一方の生活援助は、掃除・選択・買い物・調理などです。同居家族の負担を減らしながら自宅での生活を続けるのに役立ちます。

訪問入浴介護

入浴に特化した訪問介護サービスです。看護師と介護士が自宅を訪問し、持参した浴槽を使って利用者の入浴介助を行います。重度な要介護者であっても、訪問入浴介護により体の清潔保持をすることで心身機能の維持・回復が図れます。

訪問看護

看護師が利用者の自宅を訪問し、主治医の指示に従って療養上のお世話や診療の補助をする介護サービスです。体温・血圧・脈などのバイタル測定や排せつ状況の確認、在宅酸素やカテーテルの管理などを行います。要介護4では医療的ケアを必要とするケースが多いなか、自宅で生活する際の心強い味方です。また在宅での看取りを希望する場合にも対応します。

訪問リハビリテーション

理学療法士・作業療法士・言語聴覚士が利用者の自宅を訪問し、機能訓練を提供する介護サービスです。心身機能の維持・回復を目的とした専門職による訓練を自宅で受けられます。できるだけ長く自宅で生活するために、それぞれの環境に合わせた訓練方法を提供します。

夜間対応型訪問介護

ホームヘルパーによる訪問介護を24時間受けられる介護サービスです。サービス内容は、夜間帯に定期的な訪問をする「定期巡回」と、緊急時や介助が必要なときにホームヘルパーが対応する「随時対応」の2種類あります。24時間体制の介護が必要な利用者も安心して過ごせるでしょう。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

「定期巡回」と「随時対応」を利用できる訪問介護サービスです。夜間対応型訪問介護との違いは、看護師と介護士が連携している点です。医療的ケアが必要であれば看護師が、排せつ介助など身体介護が必要であれば介護士が対応します。24時間体制の医療的ケアを必要とする方も安心して自宅で過ごせるでしょう。

要介護4で利用できる福祉用具

・手すり
・スロープ
・歩行器
・歩行補助杖
・車いす
・車いす付属品
・特殊寝台
・特殊寝台付属品
・床ずれ防止用具
・体位変換器
・認知症老人徘徊感知器
・移動用リフト
・自動排せつ処理装置

要介護4で利用できる福祉用具は、福祉用具貸与の制度でレンタルできる上記の13種類です。これらの福祉用具は1割負担でレンタルできます。また自己負担外の費用は支給限度額内に含まれるので、介護保険から給付されます。ただし、一定以上の所得者の場合は2割または3割負担です。

要介護4で入居できる施設

公的な施設:特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、介護医療院
民間施設:認知症高齢者グループホーム、有料老人ホーム

要介護4では、通所介護や訪問介護、入所施設の介護サービスが利用できます。いくつかの介護サービスを併用することで、在宅での生活も可能です。しかし実際のところ、要介護4では同居家族の負担が大きいため、入所施設の介護サービスを利用しているケースが多いでしょう。入所施設には「公的な施設」と「民間施設」の2種類があります。目的に合う施設を選びましょう。

要介護4でかかる費用

ひとえに要介護4といっても、在宅介護か施設入居かで費用は異なります。なお、公益財団法人生命保険文化センターが令和3年度に実施した「生命保険に関する全国実態調査」によると、要介護者全体の介護費用は月額平均8.3万円。在宅で過ごすためには、加えてリフォーム代や介護用ベッドの購入費用などが必要です。同調査によると、これらの初期費用は平均74万円で、介護においてある程度のまとまった資金が必要であることがわかります。

要介護4の方の在宅介護でかかる費用

公益財団法人家計経済研究所の「在宅介護のお金と負担2016年調査結果」によると、在宅介護でかかる費用は月額59,000円ほど。介護サービスに約12,000円、介護サービス以外に37,000円という内訳です。通所介護などの介護サービス利用にかかる費用に加えて、おむつ代や医療費などの日用品費がかかる点に注意しましょう。

要介護4の方の施設入居でかかる費用

要介護4の方の施設入居でかかる費用は、公的施設で月額6~30万円、民間施設であれば10~35万円ほどです。比較的安く利用できる公的施設の特別養護老人ホームを利用する場合でも月額6~15万円となります。民間施設には「介護付き有料老人ホーム」「サービス付き高齢者住宅」などがあります。民間施設では入居一時金が必要な場合もあるので確認が必要です。

要介護4の支給限度額

要介護度 支給限度基準額(10割)※
要支援1 50,320円
要支援2 105,310円
要介護1 167,650円
要介護2 197,050円
要介護3 270,480円
要介護4 309,380円
要介護5 362,170円
※1か月あたり

 

介護保険サービスは、支給限度額内であれば利用者負担1~3割で利用できます。
要介護4の支給限度額は309,380円。つまり1割負担の場合、上限309,380円の介護サービスを利用しても負担額は30,938円です。例えば特別養護老人ホームの利用料が月額6万円だった場合、1割負担であれば実際にかかる費用は6,000円のみということになります。
このように介護施設の利用料金も、支給限度額内であれば対象です。ただし支給限度額を超えた場合は全額自己負担になる点、一定以上の所得がある場合は2割または3割負担となる点に注意しましょう。

要介護4の制度や利用できるサービスの理解を深めよう

要介護4では幅広い介護サービスや介護用品が利用できます。利用者本人が快適に過ごすためにも、同居家族の負担を軽減するためにも、介護サービスをうまく活用することがポイントです。また介護保険の制度を利用すれば、費用を抑えながら適切な介護を受けられます。効果的に利用するためにも、周りの方が制度や介護サービスについての理解を深めておきましょう。部b
介護職の方やこれから介護職を目指す方は、要介護4だけではなく他の介護度についても理解を深めることで転職にも役立つでしょう。介護職としてのキャリアを検討中の方は、ぜひソラジョブをチェックしてみてくださいね。

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著者プロフィール

ゲートウェイ

ゲートウェイ

異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。

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