キャリアアップを目指しサービス提供責任者に-利用者さんの笑顔が励み
Jさん(45歳)
更新日:2024/03/26
公開日:2024/03/26
目次
【前職】仕事と生活の両立を考えて介護の仕事に挑戦
私は結婚・出産を機に仕事を退職して、30代半ば頃までは専業主婦をしていました。子どもが小学生になったタイミングで、家庭と仕事を両立できる仕事を探し、働き始めたのがパートタイムの介護スタッフ。人の役に立つ仕事がしたいと考えていたので、介護スタッフという選択は私にとってぴったりだったと思います。仕事では、主に利用者さんの身体介助や施設でのレクリエーションなどを担当していました。利用者さんのお世話をして感謝されたり、自分が担当したレクリエーションで笑顔になってくれたりするところにやりがいを感じていました。
利用者さんやご家族の笑顔が何よりの幸せ
働く中で、介護スタッフは私に向いている仕事だと思うようになりました。もちろん最初は、利用者さんへの声かけに苦労した部分もあります。「介護を受ける」というと、どうしてもネガティブな気持ちになりがちです。しかし、そんな中でも利用者さんとのコミュニケーションを重ねるにつれて、素敵な笑顔を見せてくれたり、ご家族の方々に感謝されたりすると、人の役に立つ仕事をしていると実感できました。長年主婦をしている中で忘れていた感覚でもあったので、大変さもありましたがやりがいの方が大きかったです。
スキルアップを目指し介護福祉士資格の勉強をスタート
介護スタッフとして働く中で、さらに介護の現場で活躍したいと思い始めたんです。スキルアップのために、「介護福祉士」の資格を取得しようと決意しました。前職での仕事内容やに不満があったわけではありません。介護の現場に関わる中で、もっと専門的なスキルを身につけたいのと、年齢的にも一緒に働く介護スタッフにアドバイスできる立場になりたいと思ったのがきっかけです。資格を取得出来れば給与もアップしますし。今後のキャリアを考えると、ステップアップに挑戦するよいタイミングでもあったので、資格取得に向けた勉強をスタートさせました。
広い視野を持って介護の仕事に携わりたい
介護福祉士資格の勉強中も、介護スタッフの仕事は続けていました。キャリアアップを見据えながら介護スタッフとして働いていると、仕事の見え方も大きく変わるものです。次第に介護スタッフとしてだけでなく、異なる角度から介護の仕事に携われないかとも思い始めました。また、子どもが大きくなったので、待遇面でも正社員として働きたい気持ちが強くなり、介護スタッフからのキャリアアップを現実的に考えるようになりました。
職場の上司にがきっかけで「サービス提供責任者」を目指す
介護スタッフからのキャリアアップについて上司に相談する機会があり、上司から「サービス提供責任者」の仕事の存在を教えてもらいました。もともと介護福祉士資格の勉強中で、資格を取得すれば要件を満たせる状態だったのも、タイミングとしてはよかったのだと思います。サービス提供責任者の仕事を知り、介護福祉士とは異なる角度で利用者さんやご家族を支えられると思えたのも、キャリアアップ・転職を目指すきっかけになりましたね。
転職活動をスタートするときに準備したこと
サービス提供責任者が担う役割や仕事内容を調べた
最初に、前職の介護スタッフとサービス提供責任者の仕事が、具体的にどう違うのかを調べるところからスタートしました。同じ介護業界で働く職種ではありますが、訪問介護関連のお仕事ですし、利用者さんの身体介助などを行う介護スタッフとは異なる役割だったので、最初のうちは「私にできるかな」と不安を感じたこともありましたね。しかし、ケアマネージャーや介護スタッフと連携を取ったり、訪問介護サービスの計画を立てたり、責任者の役割を担うサービス提供責任者のやりがいの大きさも同時に抱き始めました。
自分に合う働き方・雇用形態を見直した
次に、サービス提供責任者としてどのような働き方をするのかを考えました。子どもが大きくなり、生活が落ち着いてきた時期でもあったので、パートから正社員への道を視野に入れていましたね。さまざまな選択肢があったのですが、一度自分の状況を見直してみて、どの雇用形態が自分にとってぴったりなのか模索しました。このときに、できれば正社員でしっかりと責任を全うできる働き方がいいと、明確に思うようになりました。
介護スタッフとしての経験・スキルの棚卸しをした
私の場合、40歳を過ぎてからの転職活動だったので、スムーズに進められるか不安がありました。しかし、同じ介護業界での転職だったことや、介護スタッフとして培ったスキルも活かせることなど、アピールできるポイントは確かにあります。そこで、今までの経験を振り返りながら、自分の持っているスキルを棚卸ししてみました。その中で、介護スタッフからサービス提供責任者への転職をするための、アピール要素や強みを絞り込んで、対策を立ててみました。
サービス提供責任者への転職活動で大変と感じたこと
転職活動で大変だったのは、やはり資格取得のための勉強と仕事の両立です。私の場合、「介護職員初任者研修」のみ持っていたので、サービス提供責任者になるには介護福祉士資格が必須でした。もしサービス提供責任者にならない場合も、介護福祉士の資格は取りたいと思っていたので、どうしても勉強から目を背けることはできなかったんです。なので、仕事と生活をこなしながら、勉強の時間も捻出しつつといった時間に追われる日々でもありました。ただ、目標に向かって努力する時間でもあったので、大変さの中でもモチベーションは高かったですね。同時に、サービス提供責任者の求人も調べていて、ある程度自分の希望に合致した求人が決まったとき、晴れて介護福祉士資格に合格しました。
利用者さんへの関わり方で工夫していることをアピール
転職活動では、介護の仕事に対する自分の考え方や、業務の中で工夫していることをアピールしたのがよかったと思っています。介護スタッフの言葉遣いひとつで、利用者さんが受ける印象が大きく変わります。声かけのタイミングや相手を安心させる表情など、いかに利用者さんとの信頼関係を築けるかの工夫が必要です。日々の改善から自分なりの介護スタッフ像を持つことで、サービス提供責任者として一人ひとりの介護スタッフを管理する役割を全うできるとアピールしてみました。
「その人に合うケア」を提供できたときの喜びはひとしお
転職活動の結果、訪問介護事業所へ正社員のサービス提供責任者として働くことが決まりましたが、最初はホームヘルパーの実務をしっかり学ぶところからスタートでした。サービス提供責任者は、訪問介護計画の作成や職員の管理・指導など、介護スタッフのときとは異なる幅広い視野が求められます。ヘルパーさんにきたクレームの対応をすることもあります。今までは目の前の利用者さんを集中してケアしていればよかったので、現在の仕事の難しさを感じることもあります。しかし同時に、全体を俯瞰しながら一人ひとりの利用者さんにどのようなケアを提供すればいいかを、深く考える機会も増えました。利用者さんに対してよいケアを提供できたときは何よりも嬉しいですね。サービス提供責任者に限ったことではないと思いますが。
サービス提供責任者への転職を目指す人に伝えたいこと
現在介護業界で働いていて、スキルアップを目指したい方は、サービス提供責任者への転職もおすすめです。利用者さんを直接的にケアするだけでなく、より広い視点で介護を捉えて、利用者さんに応じたサービスの提供を考えられますよ。さらに、介護スタッフの管理・指導も行うので、マネジメント業務への関心が高い人にも向いている仕事です。もちろん、介護スタッフの仕事と比較して、仕事の範囲や責任感は格段に増しましたが、それ以上のやりがいが得られるのが魅力です。施設系のお仕事しかしたことがない方は、一度はホームヘルパーとして現場を知ってからの方がいいかもしれません。
早い段階でスキルアップの資格取得がおすすめ
サービス提供責任者を目指す方は、コツコツと実務経験を積みながら、「介護福祉士実務者研修」や「介護福祉士」の資格を取得するのがおすすめです。転職したいと思ったタイミングで資格勉強を始めると何かと大変ですし、求人のタイミングが合わない可能性もあります。これは、資格勉強を始めるのがやや遅かった私の反省でもありますね。なので、早いうちから自分のキャリアを見直して、将来的に進みたい方向に向けてスタートしておくとよいと思います。
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