介護の仕事内容とは?施設の種類からやりがいと大変な点まで徹底紹介
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2022/07/26
少子高齢化が進んでいく近年において、介護職は非常に需要が高い職業です。介護職の仕事内容はきつい、大変という声も聞きますが、実際どんな仕事をしているのでしょうか。本記事では、介護職の仕事内容を詳しく解説。未経験・無資格の場合の採用基準、介護職のやりがい&大変なこともご紹介します。
目次
介護職員の主な仕事内容5つ
介護職の仕事内容はさまざまです。毎日、起床・着替えの介助に始まり、食事、おむつ交換、入浴などを行います。他にも、障害や病気、筋力低下等により、日常生活を送る上で利用者一人ではできない部分の援助などが挙げられます。ここでは、介護職員が行っている主な仕事内容を5つご紹介します。
・食事介助
・入浴介助
・排泄介助
・移動介助
・レクリエーション
食事介助
利用者の中には、自分で食事をすることが難しい人もいます。その人たちのために、食事を介助することも仕事のひとつです。その人に合った食事形態で、食事を口からとることにより、利用者も五感が刺激され、食べる喜びが生まれます。
入浴介助
うまく自分の身体を動かすことができない利用者のために、入浴を介助します。ただお風呂に入れるのではありません。利用者の着替えを手伝い、入浴中は水温や転倒に気を付けて介助をします。利用者の体を支える必要があり、介護の仕事内容の中でも体力の必要な仕事のひとつです。
排泄介助
排泄をしたくなるタイミングや回数は利用者によって異なるため、常に気にかけなければいけません。また、排泄介助は利用者にストレスを感じさせてしまうことも多いため、お互いの信頼関係が重要です。精神的な負担や、身体的な負担を最小限にしてあげることを考える必要があります。
移動介助
「起き上がる」「座る」「歩く」といった行動が困難な利用者のため、移動を介助します。移動方法は利用者によって、杖をついたり、車いすに乗ったり、多種多様です。利用者の移動能力に合わせて介助を行う必要があります。自力で動けない利用者のため、寝たきりを防ぐという意味でも、移動介助は必要なケアのひとつとなっています。
レクリエーション
体を動かすものや、他者とコミュニケーションを取るようなレクリエーションを企画し、実行します。こうしたレクリエーションは、身体能力の維持だけでなく、認知症の予防にも効果的です。ゲームなどで周囲の人と交流してもらい、楽しさや喜びを感じてもらうことも目的のひとつ。楽しいと思えるレクリエーションを行うには、利用者と一緒になって自分も楽しむことも大事です。
介護施設の種類と各仕事内容
介護職の働く環境は、介護施設、医療機関、利用者の自宅など、さまざま。ここでは介護職員が働く主な施設とそこでの仕事内容を紹介します。
グループホーム
グループホームは認知症の高齢者を対象に、少人数で共同生活を送る施設です。家庭的な環境でかつ顔馴染みの少人数で生活を送ることで、認知症の進行抑制や機能回復を目的としています。24時間体制の施設であるため、夜間も介護職員の配置が必要です。
日常生活上の介護や生活援助が主な仕事となる中で、認知症介護への知識と技術が求められます。また要介護度5の方まで入居可能ですが、集団生活に支障のないことが入居条件であることからも、比較的負担の大きい介護業務が少ない点が特徴です。
特別養護老人ホーム
通称「特養」と呼ばれる特別養護老人ホームは、自宅で日常生活を送ることが難しい要介護3以上の方が入居する施設です。介護度の重い入居者が多いことから、身体介護がメインの仕事となります。さらに24時間体制の施設であるため、夜勤も発生します。
また特養は少人数が居住するユニット型と、個室となる従来型の居住タイプに分かれます。どちらに配置されるかにより、働き方が異なる点が特徴です。
介護老人保健施設
介護老人保健施設は、医療法人や社会福祉法人などが運営する、公的な介護保険施設です。病状が安定し病院から退院した高齢者が、自宅での生活に戻れるよう、医療ケアやリハビリを受けながら生活を送ります。医療機関に近い施設であるため、看護師や作業療法士のような医療専門職が多く配置されている点が特徴です。
リハビリや医療ケアが中心となるため、介護職員は基本的な介助業務がメインとなります。また辛いリハビリに向き合う入居者さまの、心身サポートも重要な仕事の1つです。
有料老人ホーム
有料老人ホームとは、主に民間企業が運営する介護施設です。大きく分けて「介護付き有料老人ホーム」「住宅型有料老人ホーム」の2種類に分けられます。利用料金は少し高くなりますが、要支援や要介護度が比較的軽めの利用者も多いのが特徴です。そのため施設形態に合わせて、業務内容も異なります。
必ずしも介護が必要な入居者さまばかりではないため、1人ひとりのニーズに合わせた介護サービスを提供します。1日のスケジュールに沿って食事や入浴の介助、レクリエーションなど、介護業務や生活支援と仕事内容はさまざまです。
デイサービス、デイケア
デイサービスとは、利用者が自宅から通う日帰りの介護施設です。基本的には日中のみの勤務となり、ご利用者さまの送迎、食事や入浴などの介助、機能訓練やレクリエーションの企画・実施が主な仕事です。
デイサービスは社会的孤立感の解消も目的としているため、レクリエーションなどを通して、職員や他の利用者同士が交流できる環境づくりも重要な仕事の1つです。
訪問介護(ホームヘルパー)
訪問介護とは、利用者の自宅へ訪問し、介護サービスを提供します。仕事内容は、食事・入浴・排泄など直接身体に触れる身体介助をはじめ、掃除・洗濯・調理などの家事面における生活援助、通院時の外出移動サポートなどです。
個別ケアに徹した介護業務となるため、ご利用者さまの身体状況に応じて仕事内容も幅広い点が特徴です。
介護の仕事に向いている人は?
介護の仕事は未経験&無資格でも始めることができる仕事です。ではその場合、採用面接ではどんなところを見られるのでしょうか。採用に重視される要素と、介護の資格を取ることで生まれる変化についてもご紹介します。
採用時に重視されること
多くの介護職員の採用で重視されることは、人柄やコミュニケーションです。施設にもよるので一概にはいえませんが、ハキハキと話すことができ、思いやりを持って真面目に業務を行える人なら、未経験でも歓迎してもらえるでしょう。初めてだと、最初は慣れない仕事ばかりかもしれませんが、未経験者のための研修が充実している施設も多いので安心して下さい。
資格によるメリット
介護の資格を取得することによって、幅広い仕事を任されるだけでなく、資格手当による給料アップもあります。また資格勉強によって得られた介護の知識は、介護現場でも活かすことができるでしょう。介護職の中でより良い職場へ就職・転職したいときにも、介護資格を持つことで有利になります。
【主な介護の資格】
・介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)
・介護福祉士実務者研修
・介護福祉士 など
介護の仕事のやりがい5選
介護の仕事を通じて感じることができるメリット&やりがいについて、主な5つご紹介します。
・需要と共に給料も年々上昇中
・時間の融通が利く
・誰にでもキャリアアップのチャンスがある
・家族の介護に役立つ知識が入る
・人から感謝される
需要と共に給料も年々上昇中
近年、日本では少子高齢化現象が起きています。その影響によりお年寄りが増えると共に、介護職の需要も年々高まってきているため、職を失うリスクが少ないといえます。また、利用者が多いため、施設の売り上げも上がります。厚生労働省の「平成29年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、基本給と手当が上昇している傾向です。今後のさらなる待遇改善期待できます。
時間の融通が利く
さまざまな種類の施設があり、さまざまな勤務体制がある介護職は、ライフスタイルに合わせて仕事を選ぶことができます。シフト制であることがほとんどなため、朝・昼・夜と、自分のスケジュールの都合に合わせて働くことが可能です。
誰にでもキャリアアップのチャンスがある
介護の仕事には、性別も年齢も経験も学歴も大きく関係することはほとんどありません。未経験からでも始めることが可能で、キャリアアップのチャンスは誰にでもあります。介護業界においては、無資格の状態から介護職に就いて、パート勤務から正社員、管理職へとステップアップしていくことは珍しいことではありません。
家族の介護に役立つ知識が入る
自分の身内が歳をとっていったとき、誰かが介護をしてあげる必要がでてくるかもしれません。その際には、介護で身に付けたスキルが役に立ちます。介護施設の利用者と接して覚えた介護のやり方や介護をされる側の気持ちなどは、大事な身内を守る上でも大切な知識、体験となります。
人から感謝される
介護は、身体を動かすことが難しくなった人、一人で生活することが難しくなった人など、多くの人の助けとなる仕事です。だからこそ、利用者、または利用者の家族から感謝されることもたくさんあります。また、利用者からの「ありがとう」の言葉や笑顔は、この仕事をやって良かった、という充実感を与えてくれます。
介護の仕事で大変なこと、辞める人に多い理由
専門職として魅力的な介護の仕事ですが、楽しいと感じることばかりではありません。介護職の大変なことを2つご紹介します。
・職場の人間関係に悩む
・職場の運営方針に不満を持つ
職場の人間関係に悩む
介護職では、職場の人間関係に悩む人も少なくありません。介護施設で働く場合、毎日施設内で同じ職員と仕事をする環境から、人付き合いが閉鎖的になりやすいという特徴もあります。職員との介護に対する考えの違いや、利用者への接し方などで悩む人も多いです。
職場の運営方針に不満を持つ
経営者の理念や施設の運営方針に不満を持つもいます。具体的な例でいうと、利用者のための働きをしたいと考えていても、経営者側に売り上げばかりを求められる、などです。職員や利用者に対して不満がなくても、職場の運営方針に嫌気がさして辞めてしまう人もいます。
職場の人間関係や運営方針に悩んだ時の対処法
上記の2点の問題を抱える人は多いですが、対処方法はあります。職場の人間関係や運営方針が合わなかったときの対処方法を3つご紹介します。
・考え方の違いを受け入れる
・周りの人に相談する
・転職をする
考え方の違いを受け入れる
経営者も、介護職員も、一人ひとりが独自の介護観を持っています。他の人と介護に対する考えや意見が違うと感じたときは、頭ごなしに否定するのではなく、自分とは違う介護観を知るよう心がけてみましょう。相手の話を受け止め、新しい介護観を知ることで、人それぞれにある考え方の「違い」を受け入れることができるかもしれません。
周りの人に相談する
悩みが生まれたときには、周りの人にも相談してみましょう。自分ひとりで考えるよりも、なにか新しい解決方法が生まれるかもしれません。相談をしてアドバイスをもらうためには、「つらい」「きつい」などの愚痴にならないよう、問題点を明確にして事実のみを伝えましょう。
転職をする
どうしても今の施設では納得のいく職場環境にならないと感じたときには、転職をするのも手段のひとつです。本記事で解説したように、介護職の需要は高く、人手を求めている施設はたくさんあります。求人を探すと、今よりも自分の望む働き方にマッチした施設が見つかるはずです。
介護職の将来性はどれくらい?
少子化問題に加え、超高齢化社会が進む日本において、介護は人々の暮らしを支える重要な要素です。しかし同時に叫ばれる人手不足の原因には、その働き方や給料面にもあるといわれています。
この状況に対し国は、介護職の待遇に対する改善を進めてきました。厚生労働省の調べでは、ここ10年程度で介護職員の離職率は改善され、2020年時点では全産業平均とほぼ同等の水準を保っているとされています。
今後もその働き方や待遇は改善されていくことが期待されており、将来性のある職業となっているのです。
以下では、変わりつつある介護職の働き方や改善の取り組みについていくつか紹介します。
給料
仕事量に対して給料が安いというイメージを持たれがちな介護職ですが、「介護職員処遇改善加算」や「介護職員等特定処遇改善加算」等によって、賃上げがなされてきました。 今後、介護のニーズはより高まっていくと考えられるため、給料面においてもさらなる改善が期待されています。
給料は各施設や企業などによっても異なるため、求人情報を広くチェックしましょう。
職場環境
給料面と同様に、働き方改革によって現場の環境や仕事内容の見直しが進められており、「きつい」と思われがちな介護の現状は変わりつつあります。
ライフイベントに対応する取り組みとしては、育児休業、短時間勤務等子育てと両立できる環境づくりが挙げられます。また、人間関係におけるトラブルへの対応、ハラスメント対策マニュアルなども職場環境を改善する整備の一つです。
さらに、職員の身体的負担軽減や業務効率化を目的とし、ICT化による介護ロボットや機器の開発も進められています。
キャリアアップ
無資格からでも働き始めることが可能な介護職ですが、やはり資格取得はキャリアアップに大きく貢献します。
この資格取得のために会社側から援助を受けることのできる制度が「資格支援制度」です。
働きながら経験を積み、さらに経済な支援も受けつつ資格取得を目指すことができます。
この資格支援制度は広く充実しているため、求人を見る際はぜひチェックしてみてください。
介護職手のおすすめ求人例
職種 | 介護スタッフ |
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仕事内容 | 介護福祉施設で正社員として安心して働ける介護スタッフ求人です。
具体例 都道府県から「特定施設入居者生活介護」として指定を受けた有料老人ホームである「介護付き有料老人ホーム」。快適な生活を過ごしていただくための身の回りのお世話や介助サービスを提供します。比較的ゆったりした雰囲気で、周囲とサポートしながらケアできるのが魅力です。 |
給与 | (1) 月給248,000円〜 ※介護職員初任者研修・ホームヘルパー2級 (2) 月給254,000円〜 ※介護職員実務者研修・基礎研修・ホームヘルパー1級 夜勤手当5回分(50,000円)含む。 6回目以降は別途支給(夜勤:10,000/回) |
雇用形態 | 正社員 |
勤務時間 | 週5日/1日8時間 (1)07:00〜20:00 [月〜日(祝)]休憩60分 (2)17:00〜10:00 [月〜日(祝)]休憩60分 日勤は時間内で実働8時間 |
応募資格 | 学歴不問・ PCスキル不要 必須資格:介護職員初任者研修、介護職員実務者研修、介護職員基礎研修、ヘルパー2級、ヘルパー1級 |
社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
求人の特徴 | 健康診断、育児・介護休暇、育児・介護短時間勤務制度、制服貸与、財形貯蓄制度、資格取得支援制度、ウェルカムバック制度 |
介護の仕事は大変だけど社会貢献性が高く、やりがいが多い!
今回、介護の仕事についてご紹介しました。介護の仕事は大変できついイメージを持つ人が少なくありませんが、年々需要が増えており、未経験からでも採用してくれる求人も多数ある、メリットも多い職業です。また、高齢者になっても安心して暮らせる社会に貢献するお仕事なので公共性・社会福祉性が高く、誰かの役に立つことにやりがいを感じる人におすすめできる業種です。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。