ケアマネージャー(介護支援専門員)の資格の難易度は?取得方法や試験概要を解説
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2019/02/20
介護の現場にとって、欠かせないケアマネージャーですが、「資格取得は難しそう」と不安に思う方もいるでしょう。本記事では、受験するための条件や取得するまでの流れ、難易度などについて詳しく解説。ケアマネージャーの資格取得のメリットや注意点、よくある質問についてもお答えしますので介護職に興味のある方はぜひ参考にしてください。
目次
ケアマネージャーの資格とは?
ケアマネージャー(介護支援専門員)とは、介護が必要な人に対して介護サービスが受けられるように支援する専門家のこと。自立のためのケアプランの作成から、介護保険の給付管理、介護サービス事業者との調整などが主な業務です。また、さまざまな機関との橋渡しの役割も担っています。
ケアマネージャーは国家資格?
ケアマネージャーは、介護支援専門員実務研修受講試験に合格した人です。この介護支援専門員の試験は各都道府県の管轄のもと実施されるため、国家資格ではなく公的資格に該当します。
ケアマネージャー資格を取得するまでの流れ
ケアマネージャーの資格取得には、5年以上の実務経験後、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、介護支援専門員研修を修了する必要があります。修了後は、介護支援専門員証の取得も忘れずにしましょう。また、ケアマネージャーの資格は5年ごとに更新する必要もあります。
STEP | 流れ |
---|---|
① | 保健医療福祉分野での5年以上働く 対象となる資格または業務内容で、通算5年以上かつ従事日数900日以上を満たす実務経験が必要です。従事期間は試験日全日までカウントが可能。 |
② | 介護支援専門員実務研修受講試験合格するく 受験申込書などの必要書類を提出して、受験を申込みます。基本的には職場のある都道府県で受験しましょう。通常、申込期間は5~7月ですが、都道府県によって異なります。 |
③ | 介護支援専門員実務研修を受けるく 87時間の講義・演習と、居宅介護支援事業所での原則3日間の実習で構成されている研修を受けます。研修の最後には「修了評価」によるチェックがあります。 |
④ | 介護支援専門員証を登録・交付申請するく 研修終了日から3カ月以内に登録申請を行います。ケアマネとして働く場合は、同時に介護支援専門員証の交付申請も行いましょう。 |
ケアマネージャー資格を受験できる条件とは?
ケアマネージャー資格の試験を受けるために必要な受験資格には、次の2つのルートがあります。
いずれも指定された条件で通算5年以上、従事日数900日以上の実務経験が必要です。2018年より以下の内容に受験資格が変更されていますので注意しましょう。それぞれのルートについて詳しく解説していきます。
① 指定の国家資格に基づく業務に従事
次の医療系の国家資格を保有し、上記の実務経験を満たしている人は受験することができます。
該当する医療系国家資格 |
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医師、歯科医師、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、薬剤師、保健師、助産師、看護師・准看護師、理学療法士、作業療法士、視能訓練士、歯科衛生士、言語聴覚士、栄養士(管理栄養士を含む)、義肢装具士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師 |
② 指定の相談援助業務に従事
施設などで必置とされる相談援助業務に従事し、上記の実務経験を満たしている人です。生活相談員、支援相談員、相談支援専門員、主任相談支援員として対人援助業務を行っている場合、国家資格を有していなくても受験できます。ただし、相談援助業務の細かい対象条件は都道府県により扱いが異なる場合があるため、事前に確認しておきましょう。こちらも、対人援助以外の業務に携わっている期間は実務経験算定の対象外です。
【受験前に要確認!】実務経験日数の計算には注意が必要
ケアマネージャーを目指す場合、指定の国家資格や相談援助業務に通算5年以上、従事日数900日以上就く必要がありますが、日数の計算には注意が必要です。
指定の国家資格を有している場合、資格登録日よりも前の業務については実務経験にカウントされません。さらに、該当する資格も持っていても、対人援助業務以外を行った期間については実務経験期間の対象外です。たとえば、研究業務や講師、事務仕事などは対人業務とは見なされないことを覚えておきましょう。
ケアマネージャー資格の試験内容と難易度
ケアマネージャー資格の試験概要や難易度についてみていきましょう。
ケアマネージャーの試験概要
正式名称 | 介護支援専門員実務研修受講試験 |
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受験資格 | 対象となる資格や業務で一定の実務経験を積んでいること |
試験実施日 | 対象となる資格や業務で一定の実務経験を積んでいること |
受験者数 | 54,406人(2022年度) |
受験料 | 7,000~13,000円程度(税込/都道府県により異なる) |
ケアマネージャー試験の難易度
ケアマネージャーの資格試験が始まったのは1998年からで、これまでの累計の合格者数は70万人ほどです。高い専門性が求められる資格であるため、試験は難化傾向です。
2022年度の合格率は、介護福祉士は72%台、社会福祉士は31%台だったのに対し、ケアマネージャーは19.0%と他の介護福祉系の資格と比べても難易度が高いことがわかります。しかし、難易度が高い分、有資格者は評価されるでしょう。
ケアマネージャーの資格を取得するメリット
給料が上がる
ケアマネージャーの資格を取得すると、給料アップにつながることが多いです。介護職の中でもケアマネージャーの給与水準は高く、資格を活かしてケアマネージャーとして転職すれば年収アップが望めます。また、現業でケアマネージャー資格を取得した場合でも、資格手当が支給される事業所もあります。
活躍の場が広がる
ケアマネージャーは介護施設のほか、地域包括センターや居宅支援事業所などに必要な人材のため、資格を取得することで活躍の場が広がります。将来的には、高齢化の進行により在宅介護のニーズはさらに高まっていくと考えられており、ケアマネージャーが求められる場はさらに増えていくでしょう。独立してケアマネ事業所を立ち上げることも可能です。
より大きなやりがいが得られる
ケアマネージャーは介護サービスを必要とする人やその家族のためにさまざまなサービスを活用したり、介護施設との調整役を担ったりします。利用者から感謝されることも多く、仕事の成果を肌で感じられるので、より大きなやりがいが得られるでしょう。
ケアマネージャーの資格取得後の注意点
ケアマネージャーの資格を取得し、長くケアマネージャーとして働くためには、定期的に資格を更新する必要があります。長期的に介護職で働きたい方は、事前に注意点を確認しましょう。
資格の更新にも研修が必要
ケアマネージャー資格は5年ごとに更新が必要で、その際には資格更新のための研修を受けなければなりません。実務経験があるかないか、就業年数や過去の研修の受講状況によって必要な研修は異なります。多くの都道府県では、有効期間がおおよそ1年未満の方から受講が可能です。受ける都道府県によっては受講料も変わるため、事前に確認して早めに更新しましょう。
ケアマネージャー資格は更新しないと失効する
ケアマネージャーの資格更新手続きを忘れ、失効となっても再研修を受けられます。更新をしないままケアマネージャー業務を続けた場合には、登録を抹消されることもあるため注意が必要です。期日をチェックしておき、必ず自身が登録している都道府県で再研修を申し込むようにしましょう。
ケアマネージャーの資格取得に挑戦しましょう
ケアマネージャーの資格についての基本情報や、受験するための条件、試験内容や難易度などについて紹介しました。ケアマネージャーの資格を取ることで給料が上がり、活躍の場が広がるなどのメリットも多数あります。すでに受験資格がある場合や、そのような業務に従事しているなら、ケアマネージャーの資格取得を視野に入れるのもいいでしょう。
なお、ケアマネージャーの資格は更新の際にも研修が必要で、更新しないままでいると失効するため注意が必要です。介護職に長期的に従事する予定の方は、事前にチェックしましょう。
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著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。