サ高住(サービス付き高齢者住宅)とは|サービス内容や特徴を解説
著者: ゲートウェイ
更新日:2023/12/22
公開日:2021/10/25
サービス付き高齢者向け住宅、通称「サ高住」は高齢者を対象に「住まい」を提供するサービスです。高齢者に住まいを提供するサービスはサ高住のほかにも多くあるため、就職・転職先選びの際には各施設の特徴を押さえておくことがポイントです。今回は、サ高住の特徴やサービス内容などを詳しく解説します。
目次
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)とは
サービス付き高齢者向け住宅、通称「サ高住」は国土交通省・厚生労働省のホームページや資料では以下のように定義されています。
高齢者の居住の安定を確保することを目的として、バリアフリー構造等を有し、介護・医療と連携し高齢者を支援するサービス
状況把握サービス、生活相談サービス等の福祉サービスを提供する住宅
床面積25㎡以上、便所・洗面所等の設置、バリアフリーであり、少なくとも安否確認・生活相談サービスを提供している住宅をサ高住の登録条件としています。まずはサ高住の特徴や入居条件、費用などの基本情報をご紹介します。
サ高住の特徴
サ高住は、2011年に創設されたサービスです。サービス付き高齢者向け住宅というように、高齢者向けのバリアフリー住宅に、安否確認や生活相談といったサービスが付帯しています。一般的に高齢者向けの住まいはサービスを受ける契約を締結しますが、サ高住では賃貸借契約を結びます。そのため有料老人ホームなどの施設と比べると、自由度の高い生活を送れる点が特徴です。
在宅高齢者のケアニーズが高いなか、高齢者が住み慣れた環境で必要なサービスを受けながら暮らし続けるためにサ高住が活用されます。
サ高住の対象者
サ高住は60歳以上の、単身・夫婦世帯を対象としています。また要支援・要介護認定を受けている60歳未満の方も入居可能です。自立状態にあるが独居が不安な方から、居宅生活を続けたいが介護サービスが必要な方まで、ニーズにあった住まいを選択できます。
サ高住の種類
サ高住は自立状態にある方向けの「一般型」と、介護が必要な方向けの「介護型」があります。一般型に介護サービスは付帯していないため、必要な場合は外部の介護サービスを利用しながら生活を継続することが可能です。また日常的に介護が必要な方でも、介護型のサ高住であれば常駐スタッフから介護を受けられます。
サ高住の費用
サ高住は賃貸借契約であることからも、月額費用に加えて入居の際には敷金が発生します。敷金は0〜20万円ほどが目安で、月額費用は家賃・共益費・サービス費込みで10万円程度です。月額費用は都市部ほど10万円以上となる物件も多く、地方では10万円以下の割合が多くなっています。
サ高住を提供する事業者
サ高住は設置主体の限定がなく、営利法人を中心に設置されています。平成29年に国土交通省住宅局安心居住推進課が公開した「サービス付き高齢者向け住宅の現状と分析」によると、サ高住を提供する事業者の業種は以下の通りです。
介護系事業者 | 67.9% |
---|---|
医療系事業者 | 14.9% |
不動産業者 | 7.7% |
建設業者 | 2.1% |
ハウスメーカー | 0.4% |
その他 | 7.0% |
住まいを提供する賃貸借契約を前提とするという点からも、不動産や建設、ハウスメーカーなど住宅系事業者も多い点が特徴です。
サ高住で提供されるサービス内容
サ高住は事業者によってさまざまなサービスを提供しているため、居住者がニーズに合わせて住まいを選択できる点が特徴です。必須で提供されるサービスと、任意で提供される多様なサービスがあるためご紹介します。
安否確認・生活相談サービス
安否確認と生活相談は、必須で付帯するサービスです。建物に常駐するスタッフが定期巡回し、各居室を訪問して安否確認を行います。また、体調が悪いので買い物代行を依頼したい、電球を取り替えて欲しいなど、日常の些細な困りごとは生活相談サービスとして依頼できます。訪問頻度や体制は提供している事業者によって異なりますが、日中はスタッフが常駐。一般型は夜間のスタッフ配置が義務付けられていませんが、事業者によっては配置している場合も。また、配置がなくとも緊急通報装置の設置により、緊急時は対応できる体制を整えています。
介護型における介護サービス
介護型のサ高住であれば、建物内の常駐スタッフが介護サービスを提供します。食事・入浴・排せつ等の基本的な身体介護から、機能訓練やレクリエーションの提供、訪問診療や訪問看護のような医療体制を整えている事業者もあります。
任意で提供されるサービス
サ高住の需要も高まっている中、安否確認や生活相談、介護型であれば介護サービス以外にも、幅広いサービスを提供するサ高住も増えています。国土交通省住宅局安心居住推進課が公開している「サービス付き高齢者向け住宅の現状と分析」によると、食事提供や調理等の家事、健康の維持推進などが提供されています。事業者によって提供されるサービスの幅がさまざまであるため、スタッフの仕事内容も多岐にわたる点が特徴です。
サ高住で働くスタッフと仕事内容
ここではサ高住で働くスタッフと仕事内容についてみていきます。
サ高住の人員基準からみる働くスタッフ
サ高住の人員基準は、一般型と介護型で以下のように人員基準に違いがあります。
介護職員 | 看護師 | |
---|---|---|
一般型 | 常駐 | 配置なし可 |
介護型 | 24時間常駐 | 常駐 |
一般型では夜間のスタッフ常駐は必須ではありませんが、緊急時には対応できる体制を整えておく必要があります。介護型では24時間常駐なので夜勤があり、看護師も基本的に常駐している点が特徴です。さらに、介護型では事業者によっては機能訓練やレクリエーションも提供しているため、機能訓練指導員が配置されることもあります。
サ高住で働く介護職員の仕事内容
一般型の場合、見守りや巡回、生活相談が主な仕事内容です。介護が必要ないことから、無資格・未経験から就業できるサ高住もあります。安否確認や生活相談以外にもサービスを提供している場合は、掃除・洗濯等の家事や外出の付き添い、調理・食事なども提供。一方介護型では、一般型の仕事内容に加えて介護業務を行います。
サ高住で働く看護師の仕事内容
看護師は基本的に介護型に配置され、事業者によっては一般型であっても配置されることも。主な仕事内容は介護職員と同じく安否確認や生活相談となり、生活相談では医療的な立場から相談に対応します。またインスリン注射や痰吸引、胃ろうや人工透析など、一部医療行為も行います。サ高住に応じて入居者の医療依存度はさまざまなので、看護師の医療行為レベルもサ高住によって異なります。
求人例からみるサ高住の特徴
職種 | 介護スタッフ |
---|---|
仕事内容 | サービス付高齢者向け住宅に入居されている入居者様への介護業務全般
具体例 ※入居施設だからこそ、日中のご様子だけでなく夜間のご様子など、入居者様の生活をトータルにサポートできます。 |
給与 | (1) 月給198,000円~ ※介護職員初任者研修・ホームヘルパー2級 (2) 月給208,000円~ ※介護職員基礎研修・実務者研修・ホームヘルパー1級 |
雇用形態 | 正社員 |
勤務時間 | (1) 07:00~21:30の間の実働8h [休憩60分] (2) 16:00~10:00 [休憩120分] |
応募資格 | 介護職員初任者研修、介護職員実務者研修、介護職員基礎研修、ヘルパー2級、ヘルパー1級…いずれかお持ちの方 |
社会保険 | 各種社会保険制度あり(法令通り) |
求人の特徴 | 健康診断、育児・介護休暇、育児・介護短時間勤務制度、制服貸与、資格取得支援制度、社員持株会制度、ウェルカムバック制度 |
介護型サ高住の求人例です。介護型になると身体介護業務が多いことから、有資格者を応募条件としています。保有資格に応じて給料に差があるため、上位資格を取得することで給料アップが目指せます。サ高住は入居者さまの暮らしに寄り添い、必要なサポートを提供するやりがいのある仕事です。
サ高住は高齢者に必要なサポートとバリアフリーの住まいを提供するサービス
サ高住は、高齢者が住み慣れた地域で暮らせるよう、サポートとバリアフリーの住まいを提供するサービスです。一般型と介護型の2種類があり、安否確認と生活相談サービスは必須で付帯します。サ高住によって提供されるサービスやスタッフの体制はさまざまであるため、就職・転職先の特徴を押さえることがポイントです。
この記事は役に立ちましたか?
このコラムをシェアする
著者プロフィール
ゲートウェイ
異業種含め、人事採用担当として15年以上のキャリアを積んだ経歴を持つ40代男性。現在はソラストの介護採用スタッフとして活躍している。スタッフの負担軽減のため、IT導入や業務ルールの改善に強みを持つ。